音楽プロデューサーの小林武史が木更津に作った拠点「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」での活動や、“循環”の重要性について語った。
小林が登場したのは11月3日(水・祝)にオンエアした『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MITSUBISHI OUTLANDER PHEV presents FIND YOUR NEW LIFE』。地方移住、2拠点生活、ワーケーションなどの言葉が定着した今、「自分らしい暮らし」をテーマにお届けする9時間の特別番組だ。ナビゲーターはサッシャ、ナレーションで早見沙織も参加し、よりよい暮らしのあり方を探った。
この番組では、豪華プレゼントが当たるクイズも実施。正解者から抽選で2名に、とっておきの宿を選べるカタログギフトをお贈りする。ヒントは、サッシャも出演する三菱自動車の「新型アウトランダーPHEV」オンライン発表会の動画の中にあるので、気になる人はチェックしてほしい。
・プレゼント応募は公式サイトから。締切は11月7日(日)23:59まで
https://www.j-wave.co.jp/holiday/20211103/
サッシャ:私もつい先日、千葉のほうのクルックフィールズに行ったんです。うみほたるを通ってアクアラインを超えるとすぐ。すごく都心からも近くてポテンシャルの高い場所ですよね。
小林:もともと2009年のリーマン・ショックのあとに、僕は神宮前にクルックを立ち上げて、オーガニックレストランとかをやっていたんです。だけどもっと太陽光とか土の中とか、そういうこととの循環を掘っていかなきゃなって。プロデューサーとしてそういうインパクトのあるところに行かないと響かないかなと思って、長野とか山梨のほうとかいろいろ探したんです。そうしたら、僕らがやっている「ap bank Fes」のごみの分別とかいろいろやっているような人たちが、木更津のある土地や農業法人をやっている方々とつないでくれて。行ってみたら「けっこう近すぎない?」なんて最初は思ってたんですけど。
サッシャ:なるほど(笑)。
小林:ただまあ、東京湾を挟んでいわゆる首都圏というか東京圏の裏側というか、そこを高度経済成長のときに支えてきた場所で。ネガティブな部分の残土受け入れとかそういうのを負ってきた部分もあったりする。あとは房総半島ってなかなか里山的に自然と人間が、農場とか開発してきている部分の汽水域(きすいいき)というか、面白い真ん中のところを持っているなというのもあって。知れば知るほどここでよかったなというか、これから続いていく未来のことを考えると、いろいろな地域のプラットフォーム的な役割にもなっていくんじゃないかな?なんてことは思ってました。
2019年にサステナブル ファーム&パークとしてオープンしたクルックフィールズ。まずは農業法人を立ち上げるところからスタートしたという。
小林:(自分は)「農業法人の代表になれるんだ」とガッツポーズをする、ちょっと変わったミュージシャンだった(笑)。
サッシャ:夢だったんですか?
小林:農業は相当ハードルが高いとは知っていたんです。土地を転売するとか、高度経済成長のときにはきな臭い話があったでしょ? なのでガードがわりと固かった。いまはだいぶ、企業やいろいろな会社も農業のほうに参入できるようになってきたみたいですけど。ちょうどまだ僕なんかがやっているときは、まだまだ固いときだった。そこからクルックの人たちが「有機農業をやってみたい」ということで、頑張って10年いたんです。それで木更津の行政の方々といろいろと話していると、土地の活かし方も自然環境との共生ゾーンというラインがあって「そこなんですよ、僕たちがやりたいのは」というような話がだんだんと通じていったんです。
小林:太陽光の力を僕らがちゃんとどこまで活かせているのかとか、水の循環も結局海に流しちゃえば、いずれは海に流れるんだから一緒でしょ?じゃなくて。そこのエリアの中で循環できるものをどうやって循環していくか、というようなことをテーマに初めていったので。そこはどれもこれも隣り合っていて、その循環しているもの同士がまた循環を起こしていくというようなことは、感じてました。それはいまもずっとそうなんですけれども。
サッシャ:そこから人が集まり、人が人を呼びという、
小林:人が集まっても、決して環境が悪くなるわけではない。排水の問題に関しても取り組んで、そこできる食べ物を取り入れて人も命に取り込んでいってもらうとかね。ある取材で聞かれたときに、決して悪い意味じゃないけど「さまよってほしい」というようなことを言ったんです。
サッシャ:さまようですか?
小林:「時間をお金に変える」というような時代にたぶん、僕たちは生まれた感じがあるでしょ?
サッシャ:働いてお金にして、ってね。
小林:それで一人前なんだという。それは決して否定できるものだけじゃないんだけれども、ただ効率的に時間をお金に変えていく、無駄にせずにということだけを追求していくと、やはり持続していく未来は大丈夫なんだろうかと。ユートピアではない、最近言われているディストピア的なものになっていくんじゃないかと思うんです。
「命は“出会う”ということが本当に大事な要因」と語る小林。男女はもちろん微生物レベルの生き物たちとの出会いはいままでずっと続いてきたのではないかとして、だからこそガイドブック通りに決められた出会い以外に、巡り合える要素を増やしていきたいのだという。
小林:僕らは東北で芸術祭(※小林は宮城県石巻が舞台のアート・音楽・食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」の実行委員長を務めている)をやっています。アート作品もそうなんですけど、僕らが知っていることってたかが知れていると僕は思っていて。太陽光を使わせてもらっていて、本当に宇宙の一端にいつも僕らはいるけれど、もっともっと先の宇宙のこと、知らないし明確にわからないんだけど、でも想像することはできるでしょ? 僕らはそれをアートや詩や音楽や、もしかしたら食ということでも、いろいろな形でそれは表現できる。そこまできた人間という種に対しての想いというのがあります。
サッシャ:いろいろな拠点を持つことというのは小林さんにとってどんないい面を生んでいますか?
小林:震災のこともそうですけど、この場所に腰を据える、根を張るという感覚って大事だとは思うんです。だけれども僕らが望む望まないに関わらず、僕は流動性と言うけれど、ときに本当にどうにもならない力で流されたりもするから。そういうなかでまた新しく芽を出して……ということをやっていくので、そういうことを受け入れていく。そういう意味では拠点がいくつかあるというのは、本質的、本能的なことに近いのかもしれないです。
クルックフィールズについては、公式サイトまで。
小林が登場したのは11月3日(水・祝)にオンエアした『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MITSUBISHI OUTLANDER PHEV presents FIND YOUR NEW LIFE』。地方移住、2拠点生活、ワーケーションなどの言葉が定着した今、「自分らしい暮らし」をテーマにお届けする9時間の特別番組だ。ナビゲーターはサッシャ、ナレーションで早見沙織も参加し、よりよい暮らしのあり方を探った。
この番組では、豪華プレゼントが当たるクイズも実施。正解者から抽選で2名に、とっておきの宿を選べるカタログギフトをお贈りする。ヒントは、サッシャも出演する三菱自動車の「新型アウトランダーPHEV」オンライン発表会の動画の中にあるので、気になる人はチェックしてほしい。
・プレゼント応募は公式サイトから。締切は11月7日(日)23:59まで
https://www.j-wave.co.jp/holiday/20211103/
木更津の、自然と人間が交差する良さ
小林は千葉県木更津市にあるサステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」の代表取締役会長兼プロデューサーに就任し、事業のクリエイティブを統括。まずはこの場所に拠点を持ったことの意義について話を訊いた。サッシャ:私もつい先日、千葉のほうのクルックフィールズに行ったんです。うみほたるを通ってアクアラインを超えるとすぐ。すごく都心からも近くてポテンシャルの高い場所ですよね。
小林:もともと2009年のリーマン・ショックのあとに、僕は神宮前にクルックを立ち上げて、オーガニックレストランとかをやっていたんです。だけどもっと太陽光とか土の中とか、そういうこととの循環を掘っていかなきゃなって。プロデューサーとしてそういうインパクトのあるところに行かないと響かないかなと思って、長野とか山梨のほうとかいろいろ探したんです。そうしたら、僕らがやっている「ap bank Fes」のごみの分別とかいろいろやっているような人たちが、木更津のある土地や農業法人をやっている方々とつないでくれて。行ってみたら「けっこう近すぎない?」なんて最初は思ってたんですけど。
サッシャ:なるほど(笑)。
小林:ただまあ、東京湾を挟んでいわゆる首都圏というか東京圏の裏側というか、そこを高度経済成長のときに支えてきた場所で。ネガティブな部分の残土受け入れとかそういうのを負ってきた部分もあったりする。あとは房総半島ってなかなか里山的に自然と人間が、農場とか開発してきている部分の汽水域(きすいいき)というか、面白い真ん中のところを持っているなというのもあって。知れば知るほどここでよかったなというか、これから続いていく未来のことを考えると、いろいろな地域のプラットフォーム的な役割にもなっていくんじゃないかな?なんてことは思ってました。
2019年にサステナブル ファーム&パークとしてオープンしたクルックフィールズ。まずは農業法人を立ち上げるところからスタートしたという。
小林:(自分は)「農業法人の代表になれるんだ」とガッツポーズをする、ちょっと変わったミュージシャンだった(笑)。
サッシャ:夢だったんですか?
小林:農業は相当ハードルが高いとは知っていたんです。土地を転売するとか、高度経済成長のときにはきな臭い話があったでしょ? なのでガードがわりと固かった。いまはだいぶ、企業やいろいろな会社も農業のほうに参入できるようになってきたみたいですけど。ちょうどまだ僕なんかがやっているときは、まだまだ固いときだった。そこからクルックの人たちが「有機農業をやってみたい」ということで、頑張って10年いたんです。それで木更津の行政の方々といろいろと話していると、土地の活かし方も自然環境との共生ゾーンというラインがあって「そこなんですよ、僕たちがやりたいのは」というような話がだんだんと通じていったんです。
「時間をお金に変える」だけの未来はディストピアになる
クルックフィールズでは有機農業に加えてソーラーパネルといった持続可能な再生エネルギーを活用している。小林は「循環」が重要なテーマなのだと解説した。小林:太陽光の力を僕らがちゃんとどこまで活かせているのかとか、水の循環も結局海に流しちゃえば、いずれは海に流れるんだから一緒でしょ?じゃなくて。そこのエリアの中で循環できるものをどうやって循環していくか、というようなことをテーマに初めていったので。そこはどれもこれも隣り合っていて、その循環しているもの同士がまた循環を起こしていくというようなことは、感じてました。それはいまもずっとそうなんですけれども。
サッシャ:そこから人が集まり、人が人を呼びという、
小林:人が集まっても、決して環境が悪くなるわけではない。排水の問題に関しても取り組んで、そこできる食べ物を取り入れて人も命に取り込んでいってもらうとかね。ある取材で聞かれたときに、決して悪い意味じゃないけど「さまよってほしい」というようなことを言ったんです。
サッシャ:さまようですか?
小林:「時間をお金に変える」というような時代にたぶん、僕たちは生まれた感じがあるでしょ?
サッシャ:働いてお金にして、ってね。
小林:それで一人前なんだという。それは決して否定できるものだけじゃないんだけれども、ただ効率的に時間をお金に変えていく、無駄にせずにということだけを追求していくと、やはり持続していく未来は大丈夫なんだろうかと。ユートピアではない、最近言われているディストピア的なものになっていくんじゃないかと思うんです。
「命は“出会う”ということが本当に大事な要因」と語る小林。男女はもちろん微生物レベルの生き物たちとの出会いはいままでずっと続いてきたのではないかとして、だからこそガイドブック通りに決められた出会い以外に、巡り合える要素を増やしていきたいのだという。
小林:僕らは東北で芸術祭(※小林は宮城県石巻が舞台のアート・音楽・食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」の実行委員長を務めている)をやっています。アート作品もそうなんですけど、僕らが知っていることってたかが知れていると僕は思っていて。太陽光を使わせてもらっていて、本当に宇宙の一端にいつも僕らはいるけれど、もっともっと先の宇宙のこと、知らないし明確にわからないんだけど、でも想像することはできるでしょ? 僕らはそれをアートや詩や音楽や、もしかしたら食ということでも、いろいろな形でそれは表現できる。そこまできた人間という種に対しての想いというのがあります。
複数に拠点を持つ意味
小林は複数の拠点を持つことによってもたらされるものについて語った。サッシャ:いろいろな拠点を持つことというのは小林さんにとってどんないい面を生んでいますか?
小林:震災のこともそうですけど、この場所に腰を据える、根を張るという感覚って大事だとは思うんです。だけれども僕らが望む望まないに関わらず、僕は流動性と言うけれど、ときに本当にどうにもならない力で流されたりもするから。そういうなかでまた新しく芽を出して……ということをやっていくので、そういうことを受け入れていく。そういう意味では拠点がいくつかあるというのは、本質的、本能的なことに近いのかもしれないです。
クルックフィールズについては、公式サイトまで。
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2021年11月10日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MITSUBISHI OUTLANDER PHEV presents FIND YOUR NEW LIFE
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2021年11月3日(水・祝)9:00-17:55
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サッシャ