「White Mountaineering」のファッションデザイナーの相澤陽介が、自身のルーツや音楽へのこだわりについて語った。
相澤が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは10月22日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を持ち寄る。相澤は、ぎょれんの“一夜漬粒うに”だった。
https://www.instagram.com/p/CVWX37QhNBu/
クリス:いまのウェアのデザインも、けっこうウィンタースポーツというかね、そういったスタイルのものが多かったような気がしますけど、やっぱり「ウィンター」が相澤さんを表現するときにひとつのキーワードになっているんですか?
相澤:ブランド名も「White Mountaineering」って言っちゃってますからね(笑)。ブランドを作るときも「春夏のシーズンを考えないのか」とツッコミを受けるような立ち上がりでした。
クリス:輪郭がはっきりしたブランディングですよね。
相澤:父親もアメリカかぶれの世代なんだと思うんです。子どもに野球とかサッカーをやらせる親が多いじゃないですか。(でも父は)それをすごく嫌がっちゃって。「アイスホッケーかアメフトかモトクロスをやれ」という。
クリス:お父さんの方針はご自身のいまに関係していると思いますか?
相澤:ものすごく関係していると思っていて。ファッションや音楽に目覚めたのは父親の影響が大きかったので。すごく音楽が好きだったので、生まれたときから家にドラムがあって。こういうこと言うとお金持ちの子どもなのかと思われるんですが、普通の団地です。だからクレームがきていたんじゃないかと思うんですけど。
クリス:団地でドラムセットがあったんですね、すごい。
相澤:親父は全部にタオルを敷いていました。シンバルのところにもタオルを敷いて、ずっとドラムを叩いていました。
クリス:すごくイケてる親父ですよね。
相澤:小学校のときはけっこう迷惑でしたけどね。誕生日にジャズベースを買ってきたんです。どちらかというと子ども心に音楽に目覚めるとロックにいくじゃないですか。だからプレシジョンベースがほしいのに、趣味じゃないのを買ってきて「一緒に合わせよう」みたいな。でも全然子どもだから弾けないんですよ。
相澤:マッドチェスターとグランジが混ざっている世代なので、そのへんでしたね。
クリス:ちなみにバンドのレパートリーは?
相澤:ザ・ストーン・ローゼズ『I Wanna Be Adored』から始まって、スマパン(スマッシング・パンプキンズ)やって、ニルヴァーナやってという。情報がそんなに多くなかったので、イギリスとシアトルを行き来しているような。それで、マイブラ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)をやろうとして挫折しました。
クリス:それはなぜ?
相澤:メンバーが集まらないっていう。ケヴィン・シールズ役がいない。あれをやりたいと思ったんですけど、誰も周りにいない。
クリス:リアルタイムに流行っていたロックをやっていたという。
相澤:高校生のときが90年代後半なので、そのへんはドップリいってました。
クリス:お父さんが「買え」って感じじゃないですもんね。
相澤:反発じゃないですかね。ずっとレコードでアーバン・カウボーイとか、ファンク系とかリズム・アンド・ブルースだったので。子どものときにハード・ロックとか流行るじゃないですか。超否定なんですよ。たぶんドラムのスティックの握り方の問題だと思うんですけど。「グーで握るな」みたいな。
クリス:「そんなんじゃ16ビート叩けねえだろ」とか。
相澤:「8ビートとかなんでやねん」という感じだったと思います。
相澤:僕は軽井沢にアトリエがあって、そこは全部レコードにしていますから。なるべくiTunesもつながないで、レコードを落とすという作業にこだわってアトリエを作ろうかなと思いましたので。かけているとき、そのジャケットをレコードプレイヤーの前に置くじゃないですか。あの感じもすごく好きなんですよ。やっぱりデザイナーなので、レコードのサイズのグラフィックってすごくかっこいい。CDとの違いがありますよね。当時はレコードをA面B面でひっくり返すということで音楽を作っていたじゃないですか。だから音楽の作り方自体もいまと違うだろうなと。
クリス:音楽も媒体やインフラによって随分影響されている部分がありますからね。コンセプトアルバムとかはいわゆるLPのために。
相澤:そうですよね。僕の好きなビリー・ジョエルなんかも完全にそれを狙ってやっているじゃないですか、『ストレンジャー』とか。最後の曲にもう1回『ストレンジャー』の口笛が入るとか、アルバムで聴かないと理解できないっていうのはすごく好きですね。
クリス:文学にちょっと似ている感じはしますよね。起承転結というんじゃないけど、小説みたいに章がいろいろあって、プロローグ、エピローグがあるみたいな。
相澤:そんな感じはありますね。僕はずっとファッションショーをパリでやっているんですけど、レコードで音楽を作るのはすごくファッションショーに似ているんです。大体ヒット曲を初めから3曲目ぐらいまで入れるじゃないですか。そこで最後にもう1回盛り上がるのを入れるのって、いわゆるパリでやるファッションショーにそっくりなんです。ストーリーを入れていって、最後にもう1回印象に残すみたいな。
同番組は10月29日(金)も相澤が登場。放送は23時から。また、radikoではオンエア開始から11月5日日(金)まで再生することができる。
【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20211029230000
また、同番組は、公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
相澤が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは10月22日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を持ち寄る。相澤は、ぎょれんの“一夜漬粒うに”だった。
https://www.instagram.com/p/CVWX37QhNBu/
ファッションや音楽に目覚めたのは父親の影響が大きい
「White Mountaineering」は〝服を着るフィールドは全てアウトドア〟をコンセプトに掲げるブランド。デザイン、実用性、技術の3つの要素を一つの形にし市場には屈しない姿勢でのものづくりを行っている。そんなブランドのデザイナーである相澤は、父の影響からスノーボードが一番の趣味になっていると話す。これは、ブランド名にも関係しているという。クリス:いまのウェアのデザインも、けっこうウィンタースポーツというかね、そういったスタイルのものが多かったような気がしますけど、やっぱり「ウィンター」が相澤さんを表現するときにひとつのキーワードになっているんですか?
相澤:ブランド名も「White Mountaineering」って言っちゃってますからね(笑)。ブランドを作るときも「春夏のシーズンを考えないのか」とツッコミを受けるような立ち上がりでした。
クリス:輪郭がはっきりしたブランディングですよね。
相澤:父親もアメリカかぶれの世代なんだと思うんです。子どもに野球とかサッカーをやらせる親が多いじゃないですか。(でも父は)それをすごく嫌がっちゃって。「アイスホッケーかアメフトかモトクロスをやれ」という。
クリス:お父さんの方針はご自身のいまに関係していると思いますか?
相澤:ものすごく関係していると思っていて。ファッションや音楽に目覚めたのは父親の影響が大きかったので。すごく音楽が好きだったので、生まれたときから家にドラムがあって。こういうこと言うとお金持ちの子どもなのかと思われるんですが、普通の団地です。だからクレームがきていたんじゃないかと思うんですけど。
クリス:団地でドラムセットがあったんですね、すごい。
相澤:親父は全部にタオルを敷いていました。シンバルのところにもタオルを敷いて、ずっとドラムを叩いていました。
クリス:すごくイケてる親父ですよね。
相澤:小学校のときはけっこう迷惑でしたけどね。誕生日にジャズベースを買ってきたんです。どちらかというと子ども心に音楽に目覚めるとロックにいくじゃないですか。だからプレシジョンベースがほしいのに、趣味じゃないのを買ってきて「一緒に合わせよう」みたいな。でも全然子どもだから弾けないんですよ。
高校時代にバンド活動
高校時代にバンド活動をしていた相澤は、ニルヴァーナ、スマッシング・パンプキンズ、ザ・ストーン・ローゼズといったバンドの曲を演奏していたという。相澤:マッドチェスターとグランジが混ざっている世代なので、そのへんでしたね。
クリス:ちなみにバンドのレパートリーは?
相澤:ザ・ストーン・ローゼズ『I Wanna Be Adored』から始まって、スマパン(スマッシング・パンプキンズ)やって、ニルヴァーナやってという。情報がそんなに多くなかったので、イギリスとシアトルを行き来しているような。それで、マイブラ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)をやろうとして挫折しました。
クリス:それはなぜ?
相澤:メンバーが集まらないっていう。ケヴィン・シールズ役がいない。あれをやりたいと思ったんですけど、誰も周りにいない。
クリス:リアルタイムに流行っていたロックをやっていたという。
相澤:高校生のときが90年代後半なので、そのへんはドップリいってました。
クリス:お父さんが「買え」って感じじゃないですもんね。
相澤:反発じゃないですかね。ずっとレコードでアーバン・カウボーイとか、ファンク系とかリズム・アンド・ブルースだったので。子どものときにハード・ロックとか流行るじゃないですか。超否定なんですよ。たぶんドラムのスティックの握り方の問題だと思うんですけど。「グーで握るな」みたいな。
クリス:「そんなんじゃ16ビート叩けねえだろ」とか。
相澤:「8ビートとかなんでやねん」という感じだったと思います。
レコードとファッションショーの共通点
相澤が最初に買ったCDは小学校低学年のときのボン・ジョヴィ『夜明けのランナウェイ』だったと明かしたことをきっかけに、ふたりはレコードに関する話題で盛り上がった。相澤:僕は軽井沢にアトリエがあって、そこは全部レコードにしていますから。なるべくiTunesもつながないで、レコードを落とすという作業にこだわってアトリエを作ろうかなと思いましたので。かけているとき、そのジャケットをレコードプレイヤーの前に置くじゃないですか。あの感じもすごく好きなんですよ。やっぱりデザイナーなので、レコードのサイズのグラフィックってすごくかっこいい。CDとの違いがありますよね。当時はレコードをA面B面でひっくり返すということで音楽を作っていたじゃないですか。だから音楽の作り方自体もいまと違うだろうなと。
クリス:音楽も媒体やインフラによって随分影響されている部分がありますからね。コンセプトアルバムとかはいわゆるLPのために。
相澤:そうですよね。僕の好きなビリー・ジョエルなんかも完全にそれを狙ってやっているじゃないですか、『ストレンジャー』とか。最後の曲にもう1回『ストレンジャー』の口笛が入るとか、アルバムで聴かないと理解できないっていうのはすごく好きですね。
クリス:文学にちょっと似ている感じはしますよね。起承転結というんじゃないけど、小説みたいに章がいろいろあって、プロローグ、エピローグがあるみたいな。
相澤:そんな感じはありますね。僕はずっとファッションショーをパリでやっているんですけど、レコードで音楽を作るのはすごくファッションショーに似ているんです。大体ヒット曲を初めから3曲目ぐらいまで入れるじゃないですか。そこで最後にもう1回盛り上がるのを入れるのって、いわゆるパリでやるファッションショーにそっくりなんです。ストーリーを入れていって、最後にもう1回印象に残すみたいな。
同番組は10月29日(金)も相澤が登場。放送は23時から。また、radikoではオンエア開始から11月5日日(金)まで再生することができる。
【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20211029230000
また、同番組は、公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
radikoで聴く
2021年10月29日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週金曜23:00-23:30