成田 凌が「バラエティで俳優はどうすべきか」を佐久間宣行に訊く

成田 凌と、テレビプロデューサーの佐久間宣行が対談。バラエティ番組における俳優の振る舞い方や、コメディシーンの心境についてトークした。また、佐久間が自身の“突破ストーリー”を語った。

ふたりが対談したのは、5月30日(日)放送のJ-WAVEのPodcast連動プログラム『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』のワンコーナー「FROM THE NEXT ERA」。成田は5月の第5週のスペシャルナビゲーターとして登場した。

成田 凌「芸人になりたいと思っていた」

佐久間は元テレビ東京のプロデューサーで、これまで『ゴッドタン』『あちこちオードリー』など数々の人気バラエティ番組を生み出してきた。2019年には現役テレビ局社員でラジオ番組『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)のレギュラーパーソナリティーに異例の抜擢。今年3月にテレビ東京を退社し、フリーランスとしてこれまでの番組はもちろん、ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京)のプロデューサーを務めるなど、さらに活躍の場を広げている。

大のバラエティ番組好きの成田。佐久間が登場すると「本当にうれしい!」と喜び、今回ゲストを選ぶ際に「佐久間さん一択でした」と明かした。

佐久間:僕がこの番組のオファーをいただいたときに、成田さんが出た映画『まともじゃないのは君も一緒』を観た直後で。めちゃくちゃ面白いなって思っていたところだったから、ビックリしたんですけど。
成田:僕も佐久間さんに出演をお願いしている最中に『オールナイトニッポン0』を聴いていたら『まともじゃないのは君も一緒』を紹介してくれて、うれしいなって思いました。僕は物心ついたときから『ゴッドタン』を観ていたし、今も『あちこちオードリー』も毎週観ていますし、ラジオももちろん聴かせていただいています。
佐久間:ありがとうございます!
成田:ただただ、佐久間さんのファンです。
佐久間:成田さんってめちゃくちゃお笑い好きですもんね。
成田:好きなんですよね。だから佐久間さんは崇拝しているので、本当にうれしいです。

成田は幼い頃からテレビっ子で、わざわざテレビ局に行って、コントセットを見て興奮するような子どもだったそう。友だちとネタを書いてコントを学校のレクレーションの時間に披露することもあったという。

佐久間:本物のお笑い好きですね。
成田:芸人になりたいと思っていたし、「憧れの人は?」って訊かれたらいまだに藤井 隆さんって答えるし。
佐久間:成田さんって朝ドラの撮影で関西に行かれたら、関西ローカルのバラエティを観ていたと聞きました。
成田:観てました! それが本当に幸せでした。
佐久間:あはは(笑)!
成田:家では本当にずっとバラエティ番組しか観てないくらいなので。あとは休憩時間とか移動時間はずっとラジオを聴いているし、皿洗いしているときはテクノかラジオ聴いてるかどっちかだし。ずっとお笑いがないとダメなんです。それを企画する人って本当にすごいなって思っています。

役者がバラエティ番組に出る難しさ

成田は最近、バラエティ番組に出演した日は布団に入っても頭の中で笑い声が響いて寝られないという。

成田:あと番組の反省とか。
佐久間:反省しちゃうんですか(笑)。それは本業じゃないから、しないほうがいいんじゃないの?
成田:「役者がバラエティ番組に出たときってどうしたらいいんですか?」って訊くと、「頑張ってくれるのはうれしいしありがたい」と言われるけど、実際はどうなんですか。役者は役者然としているほうが芸人さんとかは楽なんですかね?
佐久間:それは現場によるんじゃないですかね。番組が好きで来てくれていて、番組を楽しみたいと思ってくれている人のほうがみんなやりやすいですよね。
成田:やっぱりそういうもんなんですね。『ゴッドタン』を観ていても、プラチナムガールズとかいるじゃないですか。あの立場のバランスがすごくいいなと思っていて。だから何もしないほうがいいのかなとか。
佐久間:そんなことはないです(笑)。
成田:芸人さんのいるところでちょっとネタに参加するって絶対にスベるじゃないですか。
佐久間:だいたいそうですね。
成田:あれってどう逃げたらいいのかなというか。大喜利みたいな答えをしないといけないクイズ番組とか、あれはしんどいなって思って(笑)。

先日クイズ番組にゲスト出演した成田は、全くボケないで淡々とクイズに答えたそう。その夜は、申し訳なさで寝られなかったと悔しさを口にする。

佐久間:でも、中途半端にボケてもね。こういうときって、知らない芸人がゴールデンタイムの番組に出てスベるのと一緒で、成田さんをいじっていいのかみんなわからないとか、バラエティ好きがまだ定着してないから「笑っていいのかな」みたいな。そういう意味で「頭がいいな」と思うのは佐藤 健さんですね。佐藤さんは千鳥のノブのことが大好き。好きな芸人として千鳥のことをいつも言うから、そうなるとお笑い好きなんだなって伝わる。
成田:確かに!
佐久間:それがいちばん早いかもしれないです。気を遣わなくてすむから。
成田:そっか。

役者が必死であればあるほど絶対に面白い

佐久間は成田が出演した映画『まともじゃないのは君も一緒』がすごく面白かったと話し、「ああいうコメディのお芝居ってどうやって作り上げるのか?」と成田に質問する。

成田:あれは本当に必死です。
佐久間:あはは(笑)!
成田:出てる側の人間は必死であればあるほど、絶対に面白いと僕は思っていて。
佐久間:その人との感情でも必死になるからだ。
成田:本当にそうです。真っすぐ。せりふが面白いので十分というか。逆に何もしないっていう側ですかね。
佐久間:そうなんですか。
成田:いつもそうです。テレビドラマをやるとやらなきゃいけないことがあるから本当に難しいんですけど、映画ってひとつの道筋が間違いなくあって、ゴールがあるので、何もしなければしないほど、あとあと効いてきたりするので。韓国ドラマのボコボコに殴られるシーンみたいな感じで、ドラマは見せていかないと絶対に見てくれないので。だからやっぱり何もしないことと、必死、あとはハプニングを楽しむというか。
佐久間:なるほどね。何かしようと思っていると、そのハプニングが楽しめないからね。
成田:楽しめないですね。ハプニングに対して「どう対処しよう」って意思がちょっとでも目に映ると絶対に面白くなくなっちゃうので。
佐久間:あの映画は普通にゲラゲラ笑っちゃったからね。
成田:うれしいですね。

成田が友情出演した映画『街の上で』も面白かったと佐久間。

佐久間:あの映画もゲラゲラ笑っちゃった。
成田:あれは今泉力哉監督の(力ですね)。
佐久間:あれはどうやって撮ってるんだろうって。今泉さんは仲がいいんですけど訊けなかった。
成田:仲がいいんですか! 今後ふたりの何かが観れますかね。ドラマ撮ってほしいし、それに出たいな。今泉さんと僕の共通点は危機察知能力だってふたりで話していて。「これをやったらスベるよね」っていう危機管理能力をものすごく敏感に察知していて、ちょっと決めぜりふ的なものがあると「ここはちょっとやっちゃうと危ないラインなので、棒読みにしていいですか?」って感じで、そこは顔を映さないで足だけのカットになったり。すごく恐怖心が一致しているんですよね。
佐久間:今泉さんとそのセンスが合うんですね。
成田:そうなんです。だから今泉さんの映画は面白いですよね。

無謀な挑戦…奮い立った1曲は

これまでさまざまな突破をし続けてきた佐久間は、自身の扉を開いた“突破ストーリー”として、『ゴッドタン』の人気コーナー「キス我慢選手権」から生まれた映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』の撮影をあげた。

佐久間:「キス我慢選手権」のコーナーを東宝さんが映画にしたいって言われたときに、数千万円かかるものを一発撮りで、しかも劇団ひとりのアドリブで撮るって言うんですよ。その脚本を僕が書いたんだけど、劇団ひとりのせりふを「(話すはず)」とか書いてて。
成田:ははは(笑)!
佐久間:この企画は成立してるのかなって思いながら、本番当日はカメラ十数台用意して。最初は仮想の劇団ひとりを用意して、劇団ひとりはこう動くんじゃないかってリハーサルをみんなでやるんだけど、全然違う方向に向き始めて、照明のないところに走り始めたり、そこで爆破するとケガをしちゃうってところに行ったりして、本当にこれで成立するのかな?って思って。リハーサルが全部終わったあと、劇団ひとりが来る前にこの映画の主題歌がサンボマスターから送られてきて。それが死ぬほどいい曲で、そこで奮い立ったという(笑)。
成田:へえ。
佐久間:この曲がエンディングに流れるんだったら、どんなドタバタのバラエティ映画になっても楽しんでもらえるかなって思いました。
成田:なるほど。
佐久間:その曲が『孤独とランデブー』です。

番組は、J-WAVEのポッドキャストサービス「SPINEAR」などでも聴くことができる。

・SPINEAR
https://spinear.com/shows/innovation-world-era/

『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』では、各界のイノベーターが週替りでナビゲート。第1週目はライゾマティクスの真鍋大度、第2週目はASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文、第3週目は女優で創作あーちすとの「のん」、第4週目はクリエイティブディレクター・小橋賢児。第5週がある場合は毎回異なるナビゲーターが登場する。放送は毎週日曜日23時から。
radikoで聴く
2021年6月6日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
TOPPAN INNOVATION WORLD ERA
毎週日曜
23:00-23:54

関連記事