公開中の映画『くれなずめ』に出演する藤原季節が5月26日(水)、J-WAVEで役者を目指したきっかけや、芽が出ずに過ごしていた時期について語った。
藤原が登場したのは、劇団ゴジゲンの主宰で、『くれなずめ』監督の松居大悟がナビゲートする、J-WAVEで放送中の『JUMP OVER』。松居がラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を超えた企画を発信し続けている番組だ。
藤原は5月19日にも同番組に出演した。
【関連記事】藤原季節が感動した、古田新太の言葉とは?
藤原:それが加速して毎日映画を観るようになったんです。
松居:それは日本と海外の作品問わず?
藤原:海外の作品が多くて。アクション映画が好きだったので、ジャッキー・チェンとか『マトリックス』のキアヌ・リーブスとか『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズとかにめちゃくちゃハマっちゃって。
松居:へえ! けっこうメジャー系の映画が多かったんだね。
藤原:そうですね。ディズニーとかジブリとかも大好きで、すごい作品を観てたんですよ。学校からバッと走って家に帰ってきて『マトリックス』を観る、みたいな。それも3回とか観るんですよ。
松居:それは小学校くらい?
藤原:小学校低学年ですね。
松居:だいぶ映画の英才教育というか。
藤原:今思うと、そりゃ(役者に)なるよなって感じでしたね。
松居:テレビドラマより映画が好きだったの?
藤原:ドラマだと大河ドラマが好きで、それはめちゃめちゃ観てました。
松居:でも、小学校で友だちに「俺、昨日『マトリックス』を3回観てさ」みたいなことを言っても話が合わないじゃん。
藤原:友だちを家に連れてきて、『マトリックス』を観せてました。
松居:あはは(笑)。でも『マトリックス』ってめちゃくちゃ難解だからさ。
藤原は高校生のときに『マトリックス』を観返して、ようやく内容がわかったそうで、小学校時代は「内容がわからないけれど、カッコいい」という気持ちだけで観ていたと振り返る。
松居:映画って言っても、監督とか脚本家とかプロデューサーとかあるけど、役者をやろうと思ったんだ。
藤原:そうです。役者がカッコよくて。僕は八方美人みたいなところがあって、それが嫌いだったんですよ。八方美人なので、いろんな顔があるんです。先生と話しているときの自分、友達と話しているときの自分、母親と話している自分って、全部相手に合わせていて。それによって全ての表情が違ったんです。だから、僕は俳優になろうと思ってました。
松居:なるほど。それは今も結構やる?
藤原:今も確かに『くれなずめ』のみんなといるときのモードとかあるかもしれないですね。
松居:じゃあ、今はラジオで話している藤原季節のモードだ。
藤原:そういうのはあるかもしれないですね。
松居:あはは(笑)。情けない夜だ。
藤原:マジで情けなかったです。全然スターになれなかったんです。
松居:わかる。俺も「何歳まで」って決めてたもんな。
藤原は誰にも「俳優になりたい」とは言わず、母に「早稲田大学を受験するから学費を出してくれ」と言って地元・札幌を飛び出したそう。東京で演劇にハマるものの、「バイトをすると売れるのが遅くなる」という思いからバイトをせずに、借金を抱えながら生活をしていたと話す。
藤原:当時お金もなくて、髪の毛もボサボサだったんです。裸足みたいな格好で歩いていて、そのボロボロのまま「オフィス作」のオーディションを受けました。
「オフィス作」は俳優・松田美由紀が立ち上げた芸能プロダクションで、松田龍平や松田翔太などが所属している。
藤原:オーディションで松田美由紀さんが、50人近くいた中で僕の目の前まで来て、ボサボサの髪をかき分けたんです(笑)。顔がわからなかったから。その2日間後には合格してました。
松居:かき上げられたときはどんな顔をしてたの?
藤原:泣いている芝居みたいな。
松居:芝居中に顔が見えないから髪をかき分けられたんだ(笑)。
藤原:その日は松田優作さんの誕生日の9月21日で、松田美由紀さんが50人の前に立って、「今日は優作の誕生日です。そんな日にあなた方と出会えたことを誇りに思います」みたいなことを言って、その一言でみんな泣きそうになっちゃって。愛に包まれたんですよ。「この人、すごい人だ」って。
松居:すごいね。
藤原:そのオーディションで出会った人たちとは今も仲良いですね。『くれなずめ』も観てくれたし。そのくらいそのオーディションはすごかったんですよね。
【あらすじ】
優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。…終わった…だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。
「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな
なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」
そう、僕らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを─。
(『くれなずめ』公式サイトより)
『くれなずめ』を観たリスナーから藤原にこんなメッセージが届いた。
「今回、藤原さん演じる大成は一見クールな役どころでしたが、目次さん演じるネジとの駅のシーンで感情が溢れてしまうところで引きこまれました。他のシーンのクールな大成と違った表情でしたが、このときの表情の作り方はどのようにされていたのでしょうか?」
藤原:この駅のシーンはけっこう撮り直しましたよね。松居さんが「もっと感情を出していいよ」って。
松居:そうそう。階段のシーンね。
藤原: 僕は、大成はドライだろうって思って演じてたんですよ。そうしたら松居さんが「ここは感情を出しちゃっていいから」って言われて、「本当にいいんですか?」って思いながらやってたんです。高良(健吾)さんにも「あそこよかったよ」って言っていただいて、自分の「大成はこうだ」っていうところからちょっとはみ出した瞬間だったので、可能性って広がるんだなって思って。
松居:俺も、あのシーンはクールなやつで、大成だけが吉尾との思い出がないというか。みんなは吉尾との時間だけど、大成は吉尾じゃないときの時間を思い出してしまっていてっていう、ドライでさみしいやつで。だからあのシーンもドライなつもりだったんだけど、ネジと大成のシーンの段取りを見ているときに、季節はブレーキをかけているじゃないけど、もうちょっと見たいというか。この大成だったら、もうちょっと見たいなって思って。
藤原:あそこで、すごいのは目次さんですよね。
松居:あの受け止めれられる感じはすごいよね。
藤原:目次さんって奥深いですよね。
松居:(笑)。
藤原:まだまだ見たいですよね。
藤原は『くれなずめ』で、吉尾の初恋の人・ミキエ役を演じた前田敦子と共演できたことがすごくうれしかったと語る。
松居:ちょっと緊張してたもんね。
藤原:僕、前田(敦子)さんは女優としても大好きなんですよね。『苦役列車』とか最高じゃないですか。
松居:そうだよね。
藤原:『くれなずめ』の前田さんとのシーンのあの日だけ雪が降ったじゃないですか。前田さんが駅の階段からホームに下りてきて、「うわ、前田さん来る」って思って、前田さんが階段を下りきったくらいで、雪が降ってたので「鉄道員(ぽっぽや)じゃん」って言ったんです。そのときに「好き!」ってなって(笑)。
松居:ははは(笑)。
藤原:これ一生忘れないわって思って。
松居:いいね。
藤原は映画『のさりの島』にも出演している。舞台は、『舞台 サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』が6月に福岡・久留米シティプラザと神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場で上演予定だ。その他の最新情報は、オフィス作の公式サイトまで。
藤原が登場したのは、劇団ゴジゲンの主宰で、『くれなずめ』監督の松居大悟がナビゲートする、J-WAVEで放送中の『JUMP OVER』。松居がラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を超えた企画を発信し続けている番組だ。
藤原は5月19日にも同番組に出演した。
【関連記事】藤原季節が感動した、古田新太の言葉とは?
役者を志した理由は?
松居が「そもそも役者を目指したきっかけは?」と質問すると、藤原は大の映画好きだった母親の影響が大きかったと答える。家では毎晩映画が流れていたそうで、藤原も母と一緒にレンタルビデオ屋に行き、好みの作品をたくさん借りていたという。藤原:それが加速して毎日映画を観るようになったんです。
松居:それは日本と海外の作品問わず?
藤原:海外の作品が多くて。アクション映画が好きだったので、ジャッキー・チェンとか『マトリックス』のキアヌ・リーブスとか『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズとかにめちゃくちゃハマっちゃって。
松居:へえ! けっこうメジャー系の映画が多かったんだね。
藤原:そうですね。ディズニーとかジブリとかも大好きで、すごい作品を観てたんですよ。学校からバッと走って家に帰ってきて『マトリックス』を観る、みたいな。それも3回とか観るんですよ。
松居:それは小学校くらい?
藤原:小学校低学年ですね。
松居:だいぶ映画の英才教育というか。
藤原:今思うと、そりゃ(役者に)なるよなって感じでしたね。
松居:テレビドラマより映画が好きだったの?
藤原:ドラマだと大河ドラマが好きで、それはめちゃめちゃ観てました。
松居:でも、小学校で友だちに「俺、昨日『マトリックス』を3回観てさ」みたいなことを言っても話が合わないじゃん。
藤原:友だちを家に連れてきて、『マトリックス』を観せてました。
松居:あはは(笑)。でも『マトリックス』ってめちゃくちゃ難解だからさ。
藤原は高校生のときに『マトリックス』を観返して、ようやく内容がわかったそうで、小学校時代は「内容がわからないけれど、カッコいい」という気持ちだけで観ていたと振り返る。
松居:映画って言っても、監督とか脚本家とかプロデューサーとかあるけど、役者をやろうと思ったんだ。
藤原:そうです。役者がカッコよくて。僕は八方美人みたいなところがあって、それが嫌いだったんですよ。八方美人なので、いろんな顔があるんです。先生と話しているときの自分、友達と話しているときの自分、母親と話している自分って、全部相手に合わせていて。それによって全ての表情が違ったんです。だから、僕は俳優になろうと思ってました。
松居:なるほど。それは今も結構やる?
藤原:今も確かに『くれなずめ』のみんなといるときのモードとかあるかもしれないですね。
松居:じゃあ、今はラジオで話している藤原季節のモードだ。
藤原:そういうのはあるかもしれないですね。
松田美由紀が髪の毛を…
藤原は19歳で上京。学生演劇のドアを叩き、その4か月後には初舞台に立ったという。23歳までに大スターになれたら……と想像していたが、「23歳が終わって24歳のときに、スターになれてなかったなって思って号泣しました」と明かした。松居:あはは(笑)。情けない夜だ。
藤原:マジで情けなかったです。全然スターになれなかったんです。
松居:わかる。俺も「何歳まで」って決めてたもんな。
藤原は誰にも「俳優になりたい」とは言わず、母に「早稲田大学を受験するから学費を出してくれ」と言って地元・札幌を飛び出したそう。東京で演劇にハマるものの、「バイトをすると売れるのが遅くなる」という思いからバイトをせずに、借金を抱えながら生活をしていたと話す。
藤原:当時お金もなくて、髪の毛もボサボサだったんです。裸足みたいな格好で歩いていて、そのボロボロのまま「オフィス作」のオーディションを受けました。
「オフィス作」は俳優・松田美由紀が立ち上げた芸能プロダクションで、松田龍平や松田翔太などが所属している。
藤原:オーディションで松田美由紀さんが、50人近くいた中で僕の目の前まで来て、ボサボサの髪をかき分けたんです(笑)。顔がわからなかったから。その2日間後には合格してました。
松居:かき上げられたときはどんな顔をしてたの?
藤原:泣いている芝居みたいな。
松居:芝居中に顔が見えないから髪をかき分けられたんだ(笑)。
藤原:その日は松田優作さんの誕生日の9月21日で、松田美由紀さんが50人の前に立って、「今日は優作の誕生日です。そんな日にあなた方と出会えたことを誇りに思います」みたいなことを言って、その一言でみんな泣きそうになっちゃって。愛に包まれたんですよ。「この人、すごい人だ」って。
松居:すごいね。
藤原:そのオーディションで出会った人たちとは今も仲良いですね。『くれなずめ』も観てくれたし。そのくらいそのオーディションはすごかったんですよね。
『くれなずめ』の撮影中、前田敦子の印象的な一言
藤原は松居が監督を務めた現在公開中の映画『くれなずめ』に出演している。優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。…終わった…だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。
「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな
なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」
そう、僕らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを─。
(『くれなずめ』公式サイトより)
『くれなずめ』を観たリスナーから藤原にこんなメッセージが届いた。
「今回、藤原さん演じる大成は一見クールな役どころでしたが、目次さん演じるネジとの駅のシーンで感情が溢れてしまうところで引きこまれました。他のシーンのクールな大成と違った表情でしたが、このときの表情の作り方はどのようにされていたのでしょうか?」
藤原:この駅のシーンはけっこう撮り直しましたよね。松居さんが「もっと感情を出していいよ」って。
松居:そうそう。階段のシーンね。
藤原: 僕は、大成はドライだろうって思って演じてたんですよ。そうしたら松居さんが「ここは感情を出しちゃっていいから」って言われて、「本当にいいんですか?」って思いながらやってたんです。高良(健吾)さんにも「あそこよかったよ」って言っていただいて、自分の「大成はこうだ」っていうところからちょっとはみ出した瞬間だったので、可能性って広がるんだなって思って。
松居:俺も、あのシーンはクールなやつで、大成だけが吉尾との思い出がないというか。みんなは吉尾との時間だけど、大成は吉尾じゃないときの時間を思い出してしまっていてっていう、ドライでさみしいやつで。だからあのシーンもドライなつもりだったんだけど、ネジと大成のシーンの段取りを見ているときに、季節はブレーキをかけているじゃないけど、もうちょっと見たいというか。この大成だったら、もうちょっと見たいなって思って。
藤原:あそこで、すごいのは目次さんですよね。
松居:あの受け止めれられる感じはすごいよね。
藤原:目次さんって奥深いですよね。
松居:(笑)。
藤原:まだまだ見たいですよね。
藤原は『くれなずめ』で、吉尾の初恋の人・ミキエ役を演じた前田敦子と共演できたことがすごくうれしかったと語る。
松居:ちょっと緊張してたもんね。
藤原:僕、前田(敦子)さんは女優としても大好きなんですよね。『苦役列車』とか最高じゃないですか。
松居:そうだよね。
藤原:『くれなずめ』の前田さんとのシーンのあの日だけ雪が降ったじゃないですか。前田さんが駅の階段からホームに下りてきて、「うわ、前田さん来る」って思って、前田さんが階段を下りきったくらいで、雪が降ってたので「鉄道員(ぽっぽや)じゃん」って言ったんです。そのときに「好き!」ってなって(笑)。
松居:ははは(笑)。
藤原:これ一生忘れないわって思って。
松居:いいね。
藤原は映画『のさりの島』にも出演している。舞台は、『舞台 サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』が6月に福岡・久留米シティプラザと神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場で上演予定だ。その他の最新情報は、オフィス作の公式サイトまで。
radikoで聴く
2021年6月2日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- JUMP OVER
-
毎週水曜26:00-27:00