J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。5月8日(土)のオンエアでは、3月にエッセイ本『家族の味』(ポプラ社)を発売した料理愛好家・平野レミがゲストに登場。大切にしている「食」にまつわるコミュニケーションや、代々受け継いでいるレシピについて語った。
平野:私が料理を作っている姿を、子どもたちにキッチンで見せてた。宿題は勉強部屋じゃなくてキッチンでさせるようにして。包丁を叩く音とか炒めてる音とか、だんだんと料理ができていくプロセスを全部見せるようにしてた。そうするとね、料理を待つ喜びが子どもに出てくると思うし、どこかで総菜を買ってくるものとは違う喜びだと思うのよね。だからね、私はずっと「スキンシップ」っていうよりかは「ベロシップ」だった。食べ物を通した絆よ。
『家族の味』は、2007年に出版された『笑ってお料理』に加筆・修正を加え、再編集された書籍。本の挿絵には2019年に亡くなった、平野の夫・和田 誠のイラストが使用されている。
平野:うちの息子2人はキッチンに立ったことがないし、食べるばっかりだったのね。それでも2人とも結婚しちゃったじゃない。長男(和田 唱)は上野樹里ちゃんと結婚したんだけど、「唱さんはお料理が上手なんですよ」って樹里ちゃんに言われて。
子どもたちが家で料理をする姿を見たことがなかった平野は、上野の言葉に驚いたという。
平野:次男のお嫁さんにも同じようなことを言われてね。私が作った料理をちゃんと食べさせたから、ベロが育ったってことなのかな? 私が子どもの家に行って食べるとね、おいしいんですよ。
息子たちが家庭内で平野のレシピを共有しているとのことで、平野は「どっちの子どもの家に行っても、私の料理の味を受け継いでいるのね。それってすごくうれしいわ」と語った。
<牛トマのレシピ>
1:鍋に入った熱湯を用意する。
2:熱湯で牛肉をしゃぶしゃぶし、色が変わるタイミングで取り出して肉の水気を切る。
3:肉を通した熱湯のなかに、ヘタを取ったトマトを入れる。
4:トマトの皮を湯剥きしたら、残った湯を捨てる。
5:鍋にオリーブオイルを入れ、トマトを潰しながら牛肉と炒める。
6:塩、こしょうで味を整えながら炒める。
平野:昭和のはじめくらいかな。牛肉とトマトを炒めた料理をお婆さんが作ってたらしくて。そのレシピはお爺さんから「フランスではよく食べられているものだよ」って聞いたらしくて、よく作ってたらしいの。そして、その料理を父の代になって受け継いでね。私も小さい頃からそれを食べていて「おいしいな」って思ってたの。つまり、私がその料理を受け継いだ3代目。その料理をね、今度は息子たちのお嫁さんが作っていてね。どっちの家に行っても、私と同じ料理を作ってんのよ。その「ベロ繋がり」ってさ、なかなかいいものよ。絆って言うのかな。お爺ちゃんとかお婆ちゃんの顔や性格とかは忘れ去られてしまうじゃない? でもそこで生まれたお料理が、味は同じでずっと受け継がれていくっていうのは「ベロ繋がり」で、すっごくいいことだと思うの。
現在、小学5年生になる孫も牛トマを作っているそうで、平野は「もう5代目。100年続いているレシピなのよ」と語った。
平野:家族のために料理を作るってのは、愛なの。最初に「子どもや自分の夫においしいものを作ってあげよう」ってことを考える。それでね、食べる人からニコっと笑って「おいしいね」って言ってもらえると、ますますやる気が出てくるのよ。あれはいいね。それで私はすっかりのせられちゃった。私がここまで料理を頑張るようになっちゃったのは、たぶん和田さんのおかげ(笑)。食べる人の反応次第で、妻はお料理上手にもなるし、料理を作らなくもなる。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」では、毎週、ある一人の人間の人生にフォーカスし、誰もが知っている有名なワンシーンの裏にあったストーリーから、知る人ぞ知る隠された感動の出来事にもクローズアップする。オンエアは10時10分頃から。
食べ物を通した絆「ベロシップ」を語る
エッセイ本『家族の味』では、食事を通した家族の思い出や家族に愛され続けるレシピが綴られている。今回は、平野レミが子どもたちとの「スキンシップ」ならぬ「ベロシップ」のストーリーを語った。平野:私が料理を作っている姿を、子どもたちにキッチンで見せてた。宿題は勉強部屋じゃなくてキッチンでさせるようにして。包丁を叩く音とか炒めてる音とか、だんだんと料理ができていくプロセスを全部見せるようにしてた。そうするとね、料理を待つ喜びが子どもに出てくると思うし、どこかで総菜を買ってくるものとは違う喜びだと思うのよね。だからね、私はずっと「スキンシップ」っていうよりかは「ベロシップ」だった。食べ物を通した絆よ。
『家族の味』は、2007年に出版された『笑ってお料理』に加筆・修正を加え、再編集された書籍。本の挿絵には2019年に亡くなった、平野の夫・和田 誠のイラストが使用されている。
母の姿を見て料理上手になっていた息子たち
書籍にも書かれている「ベロシップ」は、「家の味、味覚こそが家族の絆を強くする」という平野の思いが込められている。平野は「ベロシップ」を通して驚いた経験を振り返った。平野:うちの息子2人はキッチンに立ったことがないし、食べるばっかりだったのね。それでも2人とも結婚しちゃったじゃない。長男(和田 唱)は上野樹里ちゃんと結婚したんだけど、「唱さんはお料理が上手なんですよ」って樹里ちゃんに言われて。
子どもたちが家で料理をする姿を見たことがなかった平野は、上野の言葉に驚いたという。
平野:次男のお嫁さんにも同じようなことを言われてね。私が作った料理をちゃんと食べさせたから、ベロが育ったってことなのかな? 私が子どもの家に行って食べるとね、おいしいんですよ。
息子たちが家庭内で平野のレシピを共有しているとのことで、平野は「どっちの子どもの家に行っても、私の料理の味を受け継いでいるのね。それってすごくうれしいわ」と語った。
代々受け継がれる「牛トマ」のレシピを公開
平野が「きょうの料理」(NHK総合)にはじめて出演した際に披露したレシピは「牛トマ」だった。平野は家族が愛する「牛トマ」のレシピと料理にまつわるエピソードを語った。<牛トマのレシピ>
1:鍋に入った熱湯を用意する。
2:熱湯で牛肉をしゃぶしゃぶし、色が変わるタイミングで取り出して肉の水気を切る。
3:肉を通した熱湯のなかに、ヘタを取ったトマトを入れる。
4:トマトの皮を湯剥きしたら、残った湯を捨てる。
5:鍋にオリーブオイルを入れ、トマトを潰しながら牛肉と炒める。
6:塩、こしょうで味を整えながら炒める。
平野:昭和のはじめくらいかな。牛肉とトマトを炒めた料理をお婆さんが作ってたらしくて。そのレシピはお爺さんから「フランスではよく食べられているものだよ」って聞いたらしくて、よく作ってたらしいの。そして、その料理を父の代になって受け継いでね。私も小さい頃からそれを食べていて「おいしいな」って思ってたの。つまり、私がその料理を受け継いだ3代目。その料理をね、今度は息子たちのお嫁さんが作っていてね。どっちの家に行っても、私と同じ料理を作ってんのよ。その「ベロ繋がり」ってさ、なかなかいいものよ。絆って言うのかな。お爺ちゃんとかお婆ちゃんの顔や性格とかは忘れ去られてしまうじゃない? でもそこで生まれたお料理が、味は同じでずっと受け継がれていくっていうのは「ベロ繋がり」で、すっごくいいことだと思うの。
現在、小学5年生になる孫も牛トマを作っているそうで、平野は「もう5代目。100年続いているレシピなのよ」と語った。
「おいしい」の言葉が料理上手になるエネルギーを生む
最後に平野から、母として妻として、料理を作り続ける原動力について訊いた。平野:家族のために料理を作るってのは、愛なの。最初に「子どもや自分の夫においしいものを作ってあげよう」ってことを考える。それでね、食べる人からニコっと笑って「おいしいね」って言ってもらえると、ますますやる気が出てくるのよ。あれはいいね。それで私はすっかりのせられちゃった。私がここまで料理を頑張るようになっちゃったのは、たぶん和田さんのおかげ(笑)。食べる人の反応次第で、妻はお料理上手にもなるし、料理を作らなくもなる。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」では、毎週、ある一人の人間の人生にフォーカスし、誰もが知っている有名なワンシーンの裏にあったストーリーから、知る人ぞ知る隠された感動の出来事にもクローズアップする。オンエアは10時10分頃から。
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2021年5月15日28時59分まで
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番組情報
- RADIO DONUTS
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毎週土曜8:00-12:00