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中田英寿、禁断のグルメ「ふぐの子醸し漬け」を実食! その味は…

中田英寿、禁断のグルメ「ふぐの子醸し漬け」を実食! その味は…

J-WAVEで放送中の番組『VOICES FROM NIHONMONO』(ナビゲーター:中田英寿、堀口ミイナ)。中田英寿が47都道府県を巡る旅で出会った日本の“ほんもの”の作り手たち、日本の“ほんもの”=「に・ほ・ん・も・の」を紹介する番組だ。

2月6日(土)のオンエアでは、石川県で作られている禁断のグルメ「ふぐの子醸し漬け」を紹介した。ふぐの子は、ふぐの卵巣のこと。食用は基本的に禁止だが、石川県では6社に限って伝統食品として販売が認可されている。その味は……?

醤油屋が「ふぐの子醸し漬け」を作る理由

中田は2020年11月、石川県白山市安吉町にある「吉市醤油店」を訪ねた。主に業務用の醤油を作っているが、5代目である吉田昇市さんがいま力を入れているのは、醤油以外のさまざまな発酵食品。その代表的なものが「ふぐの子醸し漬け」だ。

中田:吉市醤油店はいつぐらいにできたんですか?
吉田:うちは創業明治33年、西暦で言うとちょうど1900年です。だから醤油屋としてはずいぶん新参ものです。200、300年がザラの業界ですから。うちは醤油屋としたらあまり小売りを得意としていない。たとえば醤油屋の醤油の原料を売ったり、大きな食品加工屋さんに醤油をローリーで持って行ったりというような、規模は大きいけどあまり名の知られていない部類の醤油屋です。最近、自分の代になって、醤油屋は言うなれば発酵のプロだということで、地元の大豆と小麦を使ったものを、醤油として表現するのではなく発酵物として表現したくて、それを使った発酵物をいろいろとやっております。

「ふぐの子醸し漬け」の「醸し漬け」というネーミングは、既存の呼び方である「漬物」「奈良漬け」「たまり漬け」に当てはまらなかったため、独自につけられたものだという。

吉田:「なんて表現したらいいのか」と考えました。もとは「発酵漬け」って言っていたんです。それでもニュアンスが伝わらないないので、醸造の「醸」と書いて「醸す」という表現方法がありまして、「うち独自の漬物だよ」ということを表したくて「醸し漬け」という商標をとりました。
中田:実際にこの商品を開発されたのはいつぐらいなんですか?
吉田:3年前ぐらいですね、最近です。自分は醤油屋なんだけど、醤油のもろみを発酵物としてとらえて、それを扱っている自分を発酵のプロだと自負しています。なにか自分にしかできない、逆に言うと大手さんができないようなものがなにかできないかなと考えました。そして、ひとつは「醸し漬け」で、もうひとつは「麹」にいきつきました。そこから今までにない発酵物の食品の製品開発ができないかなと、いろいろやっています。
中田:それまでは一般的に醤油をずっと販売されていたんですね。もろみというと醤油をしぼるまえの状態のもので、その状態のものでなにかをしようと。「ふぐの子」をやる前は、豆腐とかお魚とか、いろいろなものをやられていたんですか?
吉田:実は最初にたくあんを作ったんです。野菜を漬け込んで売ったんですけど、正直あとから味付けをした漬物みたいな形で、発酵物としての特徴が出なかったんですね。そのうちにサバをやりだして……。
中田:なぜサバを?
吉田:(発酵で分解される)タンパク質ということで一番ポピュラーなものだったからです。ただ、うちは醤油屋なので生の魚を扱いたくなかった。だったら知り合いである「あら与」さんがサバを扱っていますので、そこから塩をしたサバをいただいて漬け込みました。

禁断のグルメを実食!

「あら与」は、ふぐの子の取り扱いを許可されている会社だ。売り物にならないB級品のふぐの子をどうすべきか相談を受け、「吉市醤油店」で漬け直しをすることになったという。

吉田:本来は塩分がすごく強くてしょっぱいものなんですが、うちの醸し漬けにすることで塩分が控えられます。醤油のもろみ、酒かす、みりんかす、手ぬかなどで、そのぬか自体を低温発酵させていますので、うまみもつくし塩分もとれます。ボトリングして殺菌をすることで、常温で流通できるんです。そういう形でやらせていただいたのが「ふぐの子醸し漬け」です。

石川県でしか製造・販売を許されていない、ワンアンドオンリーな“禁断のグルメ”を中田が実食。石川県名物「堅豆腐」の醸し漬けと、ふぐの身の醸し漬けを食べたあと、「ふぐの子醸し漬け」を堪能した。

中田:これは間違いなくごはんのお供だね。ペースト状なので、海苔の表面に塗ってちょっと焼いてもおいしそう。
吉田:おもしろいですね。目黒のイタリアンレストランでは、ソースで使っていただいたりもしています。
中田:ふぐの子というのは石川では一般的に家庭でも食べられているものなんですか?
吉田:ここら辺のスーパーでも売っています。昔はもっとたくさんの業者がいたんだろうと思いますが、淘汰されたのか辞めていくのか。その店でしか継承していけないんです。石川県の場合は県の条例でOKなので。
中田:なかなかおもしろい味で、いまここに新米と新酒が出てきてほしい。
吉田:用意すればよかったです(笑)。

スタジオでは堀口も「ふぐの子醸し漬け」を「吉田酒造店」の清酒「手取川」とともに味わい、舌鼓を打った。

「あら与」のウェブサイトでは、通販で購入できる。ご飯のおともに、お酒のおつまみに、気になる方はチェックしてみては。

J-WAVEの番組『VOICES FROM NIHONMONO』は、毎週土曜22:00-22:54にオンエア中。

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