J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。1月18日(月)のオンエアには、渋谷のコンセプトショップ「BOY」のオーナーを務める奥冨直人さんがリモート出演し、渋谷の今後について語った。
別所:12年前の渋谷と今、比べてみるとどうでしょうね?
奥冨:ずいぶん景色が違うかなとは思います。基本的な街の様子っていうのはよくわからないんですけど、振り返れば建物の高さも違うような世界ですね。今はセンター街を抜けた宇田川町で(お店を)やっているんですけど、もともとは円山町、ちょっと松濤のほうのエリアでやってたんですよ。なので道路も今は2車線のところが1車線だったり、今よりもっと静かだったりという感じで、独特な空気はありましたね。
別所:宮下公園のあるエリアもずいぶん変わったし、「奥渋」とかね、色んな渋谷が増えましたよね(笑)。
奥冨:そうですね。もともと色んなエリアが渋谷内にはあるような感覚で、5分くらい歩けば景色や人の雰囲気が変わるような街ではあったので。センター街ひとつとっても、自分はそうだと思ってますね。
奥冨:やっぱりひとつの街にある多面性というか、遊びにしても仕事にしても出会いにしても、色んな可能性があるところですかね。エリアだったりそこにある場所(施設)だったりで、ひとつにあんまり括られないような物事が起きてる、っていうのがやっぱり楽しいところだと思います。
別所:そんな中でお店を構えているわけですけど、「BOY」そのものはどんな存在になってきたんでしょうね?
奥冨:どこにでも所属できるというか、ある意味所属していないというか。色んな街の雰囲気をコネクトできる場所にしたいと思っています。たとえば、あんまり「こういう格好をしているこういう考えの人だけに来てほしい」とかそういうものは全くなくて、色んな考えの、色んな服装の(人に来てほしい)。ファッション&ミュージックのコンセプトショップって言っているのも、僕が服と音楽が人生レベルでずっと好きで、色んな(ジャンルの)ものが好きなので、色んなことに寛容でありたいと、いうのがあります。「BOY」自体はどんなものが話のきっかけになろうがOKみたいな感じで、色んな人や物事を受け入れたり、そこから新しいものが生まれる可能性を信じたりする場所です。さすがに12年やってきたので、少しずつそうなってきたかなっていうのはありますね(笑)。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言などを受け、渋谷はどう変化したのだろうか。
奥冨:やっぱり繁華街なので、冷静に振り返ると街の空気自体はちょっとどんよりしたかなとは思います。(地方の人たちは)ちょっとまだ来られていない状況で、ずっと東京近郊の子が来ていると思うんですけど。最近は自分でお店に立っていても思うんですけど、まだ少し寂しさは感じつつも、年も変わって徐々に人も明るくなってきたという空気もあるので、この街はまたこれからじゃないかな、と。
奥冨:(『youth』は)年を越してすぐにリリースされた曲なんですけど、このラッパーのKID FRESINOも、まさに渋谷の若者とかがすごい影響を受けるようなラッパーなんですよ。素晴らしいアルバム作品で、特にこの長谷川白紙くんっていう20歳のトラックメイカーでシンガーの子とのコラボ曲の『YOUTH』が、アルバム全体の中でちょっといい意味で浮いていて。朝、「奥冨さん、1曲何か選んでください」と言われたので、こういうちょっと浮遊感のあるというか、そんな重たくならないような曲にしようと(笑)。自分自身はけっこう激しい曲も聴いているんですけど、朝これを聞いたら目覚め最高かな、みたいな思いで決めました。
そんな奥冨さんは、コロナ禍で文通を始めたのだそうだ。
奥冨:(2020年)4月の緊急事態宣言のときに、やっぱりフィジカルでの遊びみたいなのがちょっと減るわけですよ。そこで何かやろうよってなったときに、一部でちょっと文通をしていました。1週間に1回くらい(手紙が)往復するわけじゃないですか。やっぱり届いているとめちゃくちゃ嬉しいんですよね。
「いい意味で、言葉一つひとつに悩む」のが文通のいいところだと語った奥冨さん。
奥冨:話しているときもそうですけど、人に会うときとかに、人の言葉からエネルギーを読み取るじゃないですか。そういうものは実際の文面というか、直筆で見たもののほうが強いなとは思いましたね。あとは、単純にそういうコミュニケーションに不慣れな世代というか、メールに慣れきっている世代なので、ちょっと気持ちがほっこりしました。
別所:今年は故郷に帰れないので年賀状を送ったり、お歳暮の在り方がちょっと変わったりしましたけど。その「物を送る」っていうことのひとつが手紙。SNSで送るのもいいんですけどそれはあくまでもツールで、手紙だと自分自身の一部を送るみたいな、特に直筆だと、受け取る側にもそういう体温みたいなのがあるでしょうね。
奥冨:時代の流れやニュースの強烈さに、人の心も焦ったり動揺したりすることがまだたくさんあると思うんです。僕も去年はそんな影響を受けたうちの1人ではあって。「BOY」としては(お店に)居酒屋の小上がりみたいな畳を敷いて、そこに机を置いてみかんを食べたりのんびりしながらお客さんが来たら立ち上がる、みたいなスペースを作ったり。少しでもうちだけでも穏やかな時間が流れているというか、時間の流れが少し緩やかな場所になればいいなと思っています。こういう時代だからこそ、ちょっと気持ちを落ち着かせたりほっとさせたり、自分自身もほっとしたりできる場所や活動っていうのがたぶんこれからの基軸になっていくのかなと思っています。2021年のテーマは「癒し」ですね。
別所:緩やかで穏やかなほっこりする時間、渋谷でも作ってください。
奥冨:はーい、頑張ります。頑張っちゃだめなのか。緩やかにやります(笑)
「BOY」の公式サイトはこちら。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。
エリアによってさまざまな顔を持つ街「渋谷」
渋谷区宇田川町にあるファッションと音楽がコンセプトの「BOY」。オーナーの奥冨さんは、DJ、スペースシャワーTVの配信番組のパーソナリティなど多方面で活躍しており、ミュージシャンをはじめ各界のクリエイターとも交流が深い。渋谷に店を構え12年になる奥冨さんに、現在再開発が進む渋谷について話を訊いた。別所:12年前の渋谷と今、比べてみるとどうでしょうね?
奥冨:ずいぶん景色が違うかなとは思います。基本的な街の様子っていうのはよくわからないんですけど、振り返れば建物の高さも違うような世界ですね。今はセンター街を抜けた宇田川町で(お店を)やっているんですけど、もともとは円山町、ちょっと松濤のほうのエリアでやってたんですよ。なので道路も今は2車線のところが1車線だったり、今よりもっと静かだったりという感じで、独特な空気はありましたね。
別所:宮下公園のあるエリアもずいぶん変わったし、「奥渋」とかね、色んな渋谷が増えましたよね(笑)。
奥冨:そうですね。もともと色んなエリアが渋谷内にはあるような感覚で、5分くらい歩けば景色や人の雰囲気が変わるような街ではあったので。センター街ひとつとっても、自分はそうだと思ってますね。
幅広い考え、服装の人たちを受け入れる場所でありたい
奥冨さんは、渋谷のどんなところに魅力を感じているのか。奥冨:やっぱりひとつの街にある多面性というか、遊びにしても仕事にしても出会いにしても、色んな可能性があるところですかね。エリアだったりそこにある場所(施設)だったりで、ひとつにあんまり括られないような物事が起きてる、っていうのがやっぱり楽しいところだと思います。
別所:そんな中でお店を構えているわけですけど、「BOY」そのものはどんな存在になってきたんでしょうね?
奥冨:どこにでも所属できるというか、ある意味所属していないというか。色んな街の雰囲気をコネクトできる場所にしたいと思っています。たとえば、あんまり「こういう格好をしているこういう考えの人だけに来てほしい」とかそういうものは全くなくて、色んな考えの、色んな服装の(人に来てほしい)。ファッション&ミュージックのコンセプトショップって言っているのも、僕が服と音楽が人生レベルでずっと好きで、色んな(ジャンルの)ものが好きなので、色んなことに寛容でありたいと、いうのがあります。「BOY」自体はどんなものが話のきっかけになろうがOKみたいな感じで、色んな人や物事を受け入れたり、そこから新しいものが生まれる可能性を信じたりする場所です。さすがに12年やってきたので、少しずつそうなってきたかなっていうのはありますね(笑)。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言などを受け、渋谷はどう変化したのだろうか。
奥冨:やっぱり繁華街なので、冷静に振り返ると街の空気自体はちょっとどんよりしたかなとは思います。(地方の人たちは)ちょっとまだ来られていない状況で、ずっと東京近郊の子が来ていると思うんですけど。最近は自分でお店に立っていても思うんですけど、まだ少し寂しさは感じつつも、年も変わって徐々に人も明るくなってきたという空気もあるので、この街はまたこれからじゃないかな、と。
送り手のエネルギーを感じる、直筆の文通
奥冨さんがリスナーにミュージックシェアしたのは、KID FRESINO feat.長谷川白紙『youth』。なぜこの曲を?奥冨:(『youth』は)年を越してすぐにリリースされた曲なんですけど、このラッパーのKID FRESINOも、まさに渋谷の若者とかがすごい影響を受けるようなラッパーなんですよ。素晴らしいアルバム作品で、特にこの長谷川白紙くんっていう20歳のトラックメイカーでシンガーの子とのコラボ曲の『YOUTH』が、アルバム全体の中でちょっといい意味で浮いていて。朝、「奥冨さん、1曲何か選んでください」と言われたので、こういうちょっと浮遊感のあるというか、そんな重たくならないような曲にしようと(笑)。自分自身はけっこう激しい曲も聴いているんですけど、朝これを聞いたら目覚め最高かな、みたいな思いで決めました。
そんな奥冨さんは、コロナ禍で文通を始めたのだそうだ。
奥冨:(2020年)4月の緊急事態宣言のときに、やっぱりフィジカルでの遊びみたいなのがちょっと減るわけですよ。そこで何かやろうよってなったときに、一部でちょっと文通をしていました。1週間に1回くらい(手紙が)往復するわけじゃないですか。やっぱり届いているとめちゃくちゃ嬉しいんですよね。
「いい意味で、言葉一つひとつに悩む」のが文通のいいところだと語った奥冨さん。
奥冨:話しているときもそうですけど、人に会うときとかに、人の言葉からエネルギーを読み取るじゃないですか。そういうものは実際の文面というか、直筆で見たもののほうが強いなとは思いましたね。あとは、単純にそういうコミュニケーションに不慣れな世代というか、メールに慣れきっている世代なので、ちょっと気持ちがほっこりしました。
別所:今年は故郷に帰れないので年賀状を送ったり、お歳暮の在り方がちょっと変わったりしましたけど。その「物を送る」っていうことのひとつが手紙。SNSで送るのもいいんですけどそれはあくまでもツールで、手紙だと自分自身の一部を送るみたいな、特に直筆だと、受け取る側にもそういう体温みたいなのがあるでしょうね。
2021年のテーマは「癒し」
2021年も新型コロナウイルスと共に生きる日々が続きそうだ。奥冨さんは今年1年に、どのような生き方、ビジョンを持っているのだろうか。奥冨:時代の流れやニュースの強烈さに、人の心も焦ったり動揺したりすることがまだたくさんあると思うんです。僕も去年はそんな影響を受けたうちの1人ではあって。「BOY」としては(お店に)居酒屋の小上がりみたいな畳を敷いて、そこに机を置いてみかんを食べたりのんびりしながらお客さんが来たら立ち上がる、みたいなスペースを作ったり。少しでもうちだけでも穏やかな時間が流れているというか、時間の流れが少し緩やかな場所になればいいなと思っています。こういう時代だからこそ、ちょっと気持ちを落ち着かせたりほっとさせたり、自分自身もほっとしたりできる場所や活動っていうのがたぶんこれからの基軸になっていくのかなと思っています。2021年のテーマは「癒し」ですね。
別所:緩やかで穏やかなほっこりする時間、渋谷でも作ってください。
奥冨:はーい、頑張ります。頑張っちゃだめなのか。緩やかにやります(笑)
「BOY」の公式サイトはこちら。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。
radikoで聴く
2021年1月25日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
-
月・火・水・木曜6:00-9:00