マキシマム ザ ホルモンがこだわる、音にハマる歌詞。例えば『恋のメガラバ』は【マキシマムザ亮君×YOASOBI・Ayase】

J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい”音楽をつくるクリエイターが“WOW"と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。

12月のマンスリープレゼンターはYOASOBIのAyase。2020年12月25日(金)のオンエアでは、ゲストにマキシマム ザ ホルモン(略称・ホルモン)のボーカル・ギター、マキシマムザ亮君が登場。自身の音楽ルーツや、“バンド”として作るからこそ輝くホルモンの音楽制作について語った。

「MUSIC FUN !」のYouTubeページでは、動画でも観ることができる。

「いまだにメロディーも歌詞も超えられない」と語るアニソンは

Ayaseは以前、9年ほどバンドを続けていた。ホルモンとの出会いがバンドを始めたきっかけだったそうだ。

Ayase:ホルモンと出会って、僕もバンドのボーカルをやりたいと思って、そこからラウドな音楽に行ってという、僕の音楽人生の始まりになった大先輩です。
マキシマムザ亮君:ありがとうございます! 照れ(笑)!
Ayase:りょっくん(マキシマムザ亮君)は10代の頃どんな音楽を聴いてましたか?
亮君:ツボに入った音楽はジャンル問わず聴いてて、10代の頃もバンドをやる前はアニソンかな。『ハイスクール!奇面組』(フジテレビ系)っていうアニメのオープニング曲とかエンディング曲は全部、秋元 康さんが作って、おニャン子クラブから生まれたユニット・うしろゆびさされ組とかが歌った曲で、それが世界最強に好きっすね。いまだにメロディーも歌詞も超えられないかな。
Ayase:それが、りょっくんのポップスの根源になっているんですかね。
亮君:そうですね。バンドも好きで、80年代と90年代は色んなシーンがあったから、中学校のときはハードロックが流行ってガンズ・アンド・ローゼズとかスキッド・ロウとかボン・ジョヴィとかメタリカとかも好きだったし、時代がニルヴァーナとかグランジに行ったらそれも好きだったし、そしたら今度はメロコアが出てきてとか、でも全部好きだったんで、ルーツはいろいろありますけどね。

Ayaseはその何でも聴くということが、ホルモンの音楽性に影響していると分析。亮君は「メンバー全員がそんな感じで、いろんな音楽が好きで音楽のツボがわりと近いから、僕の好きな要素ってみんなが好きで、『分かる!』ってなる」と答えた。

小さい頃はいつもお姉ちゃんの後ろに隠れていた

亮君がホルモンにボーカル・ギターとして加入したのは途中から。それまでは違うバンドで活動していた。

Ayase:加入はどんなきっかけなんですか?
亮君:もともとホルモンはインディーでやっていて、今とはジャンルも違っていて、僕は地元の同級生とスリーピースのポップパンク・バンドをやっていて。ラウドも好きだったし、メタルも好きだし、ロックも好きだし、いろんなのが好きだったけど、そのときにやってたのはポップだったんです。でも、ホルモンのサビの部分って、その時代に作った曲の要素を全部使っちゃえみたいな(笑)。
Ayase:なるほど!
亮君:そのポップバンドをやりながらも、ホルモンのドラムはお姉ちゃんのナヲなんで、そのつながりで、当時のホルモンと対バンとかもしていて、さらに当時のホルモンのデモテープとかジャケとか告知のフライヤーとか、全部弟の僕が描いていて。そういう繋がりがあって、ほぼほぼホルモンのスタッフ的な一員になっていたときに、メンバーが抜けてしまって「亮、ギター弾いたら」みたいな(笑)。それで「やりたい!」って。当時、僕がいたポップバンドのメンバーは19歳くらいで「就職する」みたいな声も出てきて、僕もいろんなジャンルの音楽をやりたいなと思っていたときで、「ホルモンに入るならいろんな要素入れちゃうけどいい?」「そういうのやりたかった」って言ってくれて、それがきっかけですね。

バンドに実の姉がいることで、やりにくい部分などなかったのだろうか。

亮君:僕はお姉ちゃんと性格が真逆で陰キャというか、一人で人前に出れなくて、いつもお姉ちゃんの後ろに隠れていて。小さい頃、おもちゃ屋で誕生日プレゼントを買うときに「これください」ってのも言えなくて、お姉ちゃんにボソボソって伝えて、ナヲが言ってくれるような子どもでした。だから、ついにバンドまでもかって(笑)。俺、MCとかも苦手だしな……じゃあ、姉ちゃん任せたって。
Ayase:昔から姉弟で音楽の話もしてたんですか?
亮君:音楽もナヲきっかけでしたね。ナヲが高校時代に聴いていたCDを「これなんだろう」って全部聴いて、ロックに目覚めたきっかけはナヲかな。「ユニコーンカッコいい!」とか思って、ユニコーンのメンバーが影響を受けたレッド・ツェッペリンとかディープ・パープルとかも聴いて、ルーツをたどっていった流れですね。
Ayase:絵もずっと描かれていたんでか。
亮君:もともと絵のほうが好きだったかな。

ホルモンの目指すところがパチンと合った

さまざまなジャンルが混ざり合う、現在の音楽の方向性となるきっかけは?

亮君:今でこそイージーコアと言われていて、メタルコアにポップパンクが混ざっているとか、少し前だとアンドリューW.K.みたいなヘビーだけどポップみたいな音楽も好きなんですけど、もう少し前はザ・ビートルズ+メタリカみたいなワイルドハーツっていうバンドも中学生の頃にすごく好きで「この融合の仕方ってすごく近いぞ」と思ったりしていて。

番組ではさまざまなジャンルが交差するTub Ring『Bernard's Three Awakenings』をオンエアした。



Ayase:この曲もジャンルがてんこ盛りですね(笑)。
亮君:(この曲みたいに)全部入れちゃえばいいんだ、みたいな。そこでホルモンの目指すところがパチンと合って、「これ、やっていいんだ」って。
Ayase:もともと、りょっくんはいろんなものをやりたかったけど、一個のものとしてまとめるべきなのかって思いもあったと。
亮君:そうそう、普段バンドでやらないやつは、ソロでやるとか、違うバンドでやるとかあるけど、僕は全部ホルモンでやろうって。
Ayase:それが僕はピュアだと思います。

メロディにハマる歌詞の生み出し方

番組後半はホルモンの音楽制作について語った。曲の種になる部分は亮君が作っているという。

亮君:曲を作るのはギターと鼻歌と貧乏ゆすり(笑)。キックのドンドンと鼻歌とギターだけでイントロからケツまでなんとなく作っちゃう。
Ayase:それってリズムの感覚とメロディーが同時進行でできている感じですよね。僕が今現在でホルモンに何に一番影響を受けているかって、それはリズムだと思っているんです。言葉ハメだと思っていて、当時の中学生で出会ったホルモンの歌詞とメロディー感、もちろん楽曲もそうだけど、それに対する驚きがすごくて、「なんて卑わいなことをポップに楽しそうに、こんなにカッコよくやる人たちがいるんだ」と思っていて。そのときはただ聴いていてすごくカッコよくて気持ちいいと思っていたけど、今自分が楽曲を作っていくうえですごく歌詞とメロディーとの言葉のハマり具合だったり、そこにのるリズムだったりがすごく大事なんだなってあらためて思って、ホルモンはそこのルーツになっていると思います。

言葉のハマり方について、亮君はこう答える。

亮君:最近、YouTuberでも新しい若手のミュージシャンとかでも、英語っぽく日本語で歌うみたいなのがうまいじゃないですか。でも、発音で英語っぽく歌えるっていうのはあんまりしたくなくて、そのまんま外国語に聴こえるのが好きなんです。
Ayase:『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)の「空耳アワー」的な感じですか?
亮君:逆「空耳アワー」みたいに、たとえば「追いがつお!」が「ありがとう!」に聴こえるとか(笑)。
Ayase:なるほど(笑)。
亮君:「追いがつお!」のほうがパンチあるみたいな(笑)。『恋のメガラバ』で「ヘイ!いれろ冷房」ってあるけど、それを英語っぽく歌うんじゃなくて、「ヘイ! リトルレインボー」って聴こえてほしくて(笑)。リトルレインボーなんて歌詞を歌いたくないから、夏の歌だし「いれろ冷房」に口が合ったみたいな。
Ayase:歌詞作りには時間がかかりますか?
亮君:ホルモンの場合、ひきょう技もOKなので、ここは感情を込めて魂の意味合いを持たせた上に発音も気持ちいいってものにならないわってときは「ドングリ!」っていちゃうとか(笑)。「ここは『ドングリ!』でいいわ」って。
Ayase:でも、それを正解にできちゃうのがすごいと思います。

バンド仲を深める「ラジオ体操」の習慣

バンドをやっていく上では、メンバーが輝くものづくりを大切にしている。

亮君:ホルモンって、いわゆる事務所とかレコード会社がやらないこととか、広告代理店考えないこととかって、アイドルグループのボスのプロデューサーみたいに僕が暴走して考えていることが多々あるけど、それをやるんだったらソロでやればいいこと。僕が一番やりたいことは、自分の足りない部分にちょうど奇跡のバランスでメンバーがいて、「ここは絶対ナヲが歌った方が一番輝く」とか、他のメンバーが一番輝くものを作るのは僕しかできないと思っていて。
Ayase:そういう意味では、りょっくんはホルモンのプロデューサーとしての立場としている感じですよね。ホルモンは「俺たちは家族だ!」って言っている姿をめちゃめちゃ見ていて、僕はそこにもすごく引かれたんですよね。バンドっていいなって。だから僕のバンド時代は「俺たちは家族なんだ!」っていうのをまねするようにしていて、結局いろいろうまくいかなかったものの、すごくホルモンは原点になったし、今でもYOASOBIにおいてもチームとして家族くらいの距離感で自分にしかやれないことを任せ合いながらやりたいと思っています。
亮君:「バンドは家族だ」って気持ちでいたいけど、愛し合って見つけ合って、結婚した夫婦ですら価値観が違うことがあったりして大変じゃないですか。それが4人にてバンドってなると、ホルモンは姉弟もしるけど、なかなか家族になるって難しくて。しかも長くやっていくとわるい方に生じたりもする。ずっと一緒にやっているとスタジオ練習も当たり前のような感じでフワッと集まって仕事みたいになるのは嫌だし、でも昔の高校生のような友だち同士で遊ぼうぜってテンションでもいけないし。それじゃ嫌だよねってなって、朝集まったらテンション上げるためにみんなでラジオ体操をするんですよ(笑)。

音楽を通して、メンバー同士のコミュニケーションも深めてきた。

亮君:僕は運転免許持ってないけど、昔は他のメンバーに運転してもらいながらツアーをまわっていて、そのときに運転する人が好きな曲を流すんですよ。「これ何?」「これ◯◯ってバンドだよ」とか情報交換して。でも、今はそれがないから、ラジオ体操とかストレッチをしたあとに、みんなで好きな曲を一曲ずつ聴かせ合って、それに合わせて運動しようぜって。そこではどんなジャンルもOKなんです。そこでナヲが「今日、聴かすのは最近うちの娘がめちゃめちゃ好きな曲」って言ってYOASOBIを流したの。
Ayase:うわー! すごい話だ。
亮君:YOASOBIの曲のテンポに合わせながら、踏み台昇降をやったりして(笑)。
Ayase:うれしい! すごくありがたいし、すごくいい試みですよね。
亮君:バンドマンはみんなやった方がいいですよ。
Ayase:バンドを長く続けるとメンバー同士で照れくさくもなるじゃないですか。その中でそういうことを誰かが言い出して、それにちゃんとのっかって楽しくやれるってなかなか簡単にできることではないと思うので。ホルモンの音楽が今も健在であることのベースにはそういうものがあるんですね。

マキシマム ザ ホルモンの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。

・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
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