豪華アーティストによるギター弾き語りのライブイベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2020 RETURNS supported by 奥村組」が12月26日(土)、27日(日)に両国国技館で開催。オンラインでも配信された。2021年1月11日(月・祝)にJ-WAVEで18:00-24:00までライブ音源がオンエアされる。
このイベントを、次世代のJ-WAVEをつくる大学生・専門学生のコミュニティ「J-WAVE WACODES」が配信で視聴し、ライブレポートを執筆した。ここでは26日のライブレポートを、彼らのプロフィールとともに紹介する。(J-WAVE NEWS編集部)
★セットリスト、写真はこちら
【26日(土)出演アーティスト】
崎山蒼志、Caravan、Anly、MOROHA、竹原ピストル、奥田民生、山内総一郎(フジファブリック)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)[全8組] ※出演順
カネコアヤノ(ゲストアクト)
・崎山蒼志
WACODESのhinacoです。崎山蒼志さんのパフォーマンスは、会場が温まっていく様子が画面越しにジンジンと伝わってきました。
披露されたのは『Undulation』『Heaven』『Samidare』『国』の4曲。繊細でありながらも熱を帯びている歌詞と、細かく震える独特な歌声を聴いている間、私は別の世界へワープしているような感覚でした。まさに崎山ワールド! アコースティックギター1本の演奏は、荒々しさと優しさを含んでいて、「どうしてあんな風に弾けるのだろう?」と不思議になるほど。1人で弾いているとは思えないほどにスピーディなストロークに見入ってしまいました。そして、曲の合間に静かに喋る様子と、パフォーマンス中のギャップにも魅了されました。一曲一曲が終わるたびに息が上がって落ち着いて観られないくらい、彼が奏でる世界観に没入していました。
ここではないどこかに行きたい時、別の世界に浸りたい時には彼の音楽を聴いて、夢想したいです。最後に、「あれほどまでにステージライトの光の輪が似合う高校生(アーティスト)は他にいないのでは?」と感じました。
・Caravan
WACODESのたまなです。Caravanさんのステージのオープニングでハーモニカとギターのメロディーが流れた瞬間に、ライブ会場には一瞬で広い空と太陽の光と青い海が広がりました。終始、ライブを見ているというよりも、Caravanさんと一緒に旅をしている感覚になりとてもワクワクしました。ギターのメロディも明るく穏やかで、暖かい潮風と初夏の穏やかな海の漣を感じるとともに、寒さで冷えた体が「曲」という焚き火に温められました。
1曲目の『Hometown』はCaravanさんの出身である茅ヶ崎に会場ごとワープをしました! 続く『ハミングバード』『Magic Night』は茅ヶ崎の浜辺でCaravanさんが砂浜で弾き語りをしているのを横で聞いているかのような、贅沢で穏やかな気持ちになりました。ラストの『Soul Music』では、自分の気持ちの中で不安に感じている部分を優しく拭ってくれるような歌詞に励まされるとともに、曲が暖かな一つの光となって会場を照らしているように感じました。
一曲一曲がまるで自分に寄り添ってくれるような優しさがあり、Caravanさんの人柄が伝わってくるようでした。今あるこの瞬間を大事に過ごしていきたいと思える、心が豊かになるCaravanさんの歌は、これからも誰かの心を照らす優しい光であり続けるんだと実感したステージでした。
・Anly
再び、hinacoです。Anlyさんのライブでは、ループペダルを使ってステージ上で音を重ねていき、まるで料理番組を観ているようでした。「次はどんな音が入るの?次はどんな調味料?」「ここでこの音!?」というように、目の前で重ねられていく音に終始ワクワクが止まりませんでした。
1曲目の『COFFEE』には、リズミカルなビートと、このライブならではメッセージが詰め込まれた、爽快感のある高速ラップにカラダの底から湧き上がるエナジーを感じました。音楽を聞く限り、ステージ上にはまるでバンドがいるかのよう。でも、見えているのは確かにAnlyさん一人でした。芯のある真っ直ぐな声であるにも関わらず、時に繊細で透き通る歌声にすっかり魅了されてしまいました。
同世代で、ここまで圧巻のパフォーマンスをするアーティストが存在すること自体が、良い意味で大きな刺激になります。そして、画面越しの私まで、会場にいるかのように盛り上がり、楽しさ全開のステージでした。「エネジーが足りない!」そんな時には彼女の音楽を聴いて、元気を取り戻せそうです。
・カネコアヤノ(ゲストアクト)
普段よく聴く音楽は88rising、WACODESのあっちゅです。私はカネコアヤノさんのライブを熱くお伝えします。とは言うものの、実は私、カネコアヤノさんの音楽、今まで聴いたことがありません。どうやら我が地元、阿佐ヶ谷に縁のあるらしい注目のアーティストという前情報だけ頭に叩き込んで、甘酒の入ったカップを片手に配信を見始めました。
まず目に飛びこんできたのは、金と銀で縁取られた白いドレス。威厳すら漂う考えの読みづらい表情も相まって、さながらジャンヌ・ダルクのよう。そんな第一印象のカネコアヤさんが、ハダシで土俵にさっと降り立ち、おもむろに弾き始めます。いったいどんな声なんだろう……。ドキドキしながら耳を傾けていると、ガツンと殴られたような衝撃。誰にも遠慮することのない、媚びのないまっすぐな声が、鼓膜の奥まで揺らしてきました。うわ、かっこいい……!
声の驚きがおさまって、今度は歌詞に意識を集中させると、「お前は知るのか 季節の終わりに散る椿の美しさを」でじわじわと感情のうねりが押し寄せてくる。二人称が「お前」って最高だなと思うんです。そんなことを考えながら『爛漫』の余韻に浸る間も無く、2曲目の『愛のままを』に突入し、じっと聴き惚れていたらいつのまにか終わっていた。え、終わっちゃうの、と画面の前で零れる私の呟きも虚しく、カネコアヤノさんはありがとうございます、と一礼して、颯爽とステージを降りていきました。去り際までかっこいい。カネコアヤノさん、これからも注目していきたいです。
・MOROHA
WACODESのまもみひです。私はMOROHAさんのライブについてお伝えします。
MOROHAの名前が呼ばれ、花道からMCのアフロさんとギターのUKさんが現れると、会場は拍手に包まれ、アフロさんが土俵入りのポーズでそれに応えます。「MOROHAと申します! よろしくどうぞ!」の一言から始まった1曲目は、「音楽より大切な人 音楽で幸せにしたい」と身近な人たちへの感謝を歌う『恩学』。決意表明にも聞こえる歌詞が、開始早々私の胸を熱くさせます。
アフロさんの「ヤンキーをやってみたかった」というMCから始まる『俺のがヤバイ』。周りや自分以外と比べて「俺のがヤバイ」という力強い一言が国技館に響き渡ります。前向きに生きることの大切さを歌った『tomorrow』、コロナ禍でライブができない中で音楽が、そして自分ができることは「この世界そのまま愛」すことだと歌う『主題歌』と続き、「どうか生きて会いましょう」という言葉から最後の曲『うぬぼれ』。「ありがとう」や「ごめんね」という単純で、だからこそストレートに心に響く言葉は、聴く人一人ひとりが自分に向かい話しかけられているような感覚になったのではないでしょうか。
最後に再び「生きて会いましょう」の言葉でライブは締めくくられると、会場には再び温かい拍手が響きました。一言一句を大切に、切実そうに、話すように歌い上げるアフロさんと、時にはしっとりと、時にはアグレッシブなフレーズを奏でるUKさんのギターは、配信の画面からでもその思いが伝わったような気がします。MOROHAさん、ありがとうございました!
・竹原ピストル
続けてまもみひが、竹原ピストルさんのレポートもお届けします。
Tシャツ短パン姿で登場した竹原さんが土俵に上りチューニングを行うと、雰囲気がライブモードに。1曲目は、『おーい!おーい!!』からスタートしました。序盤からフルスロットルのピストルさんの歌声が国技館に響きます。
続けて、CM曲としても有名な『よー、そこの若いの』。ギタージャンボリーならではのギター1本でのアレンジが、この曲のひたむきさを高めます。「健康に過ごせるように」というMCから『Amazing Grace』を、続けて「元気のいい歌」と(遠回しに)拍手を要求し始まった『あ。っという間はあるさ』とライブは続きます。配信で参加の私もしっかり手拍子しました!
セットの回転後演奏したのは、ドラマ『バイプレイヤーズ』の主題歌、『Forever Young』。年をとってもなくさないものを歌い上げるこの曲、個人的にも一押しです。寒い夕方にマッチする吉田拓郎さんの『落陽』のカバーの後披露されたのは、来年1月から始まる『バイプレイヤーズ』の新作の主題歌に起用される『今宵もかろうじて歌い切る』。前作の撮影期間中に急逝した大杉漣さんに向けたような歌詞もあり、胸が熱くなりました。
最後の曲は前回の出演時と同じ『狼煙』。「のし上がるぞ」という力強い歌詞が、私も来年もっと頑張ろうと思わせてくれます。感謝の言葉とともに笑顔で土俵を降りるピストルさんに場内は拍手で応えます。
ステージ上で、ギター1本と自分の声に思いを乗せて勝負している姿はとても美しかったです。竹原ピストルさん、ありがとうございました!そしてお誕生日おめでとうございます!
・奥田民生
WACODESのはなが、奥田民生さんのライブレポートをお送りします。
1曲目は『カイモクブギー』、次に『たびゆけばあたる』。軽やかなギターの音色のおかげか、すぐに会場内が一体となります。柔らかいのに時々刺さるような歌声で、歌詞がダイレクトに胸に、脳に入っていきます。正直、歌の情景がここまで感じられることってあるんだ、と思ったくらいです。
3曲目の『近未来』。間違えるというアクシデントが起こりますが、会場の手拍子と共に再開し、歌い切ります。「ありがとう!」と大きな声で叫ぶ姿が目に焼き付きます。ファンの方に愛されているからこその手拍子、そしてそれに応える、という姿に涙出るほど感動しました。4曲目、『すばらしい日々』。ギターの余韻と拍手が交わり繊細な雰囲気になったのが印象的です。「僕は生きている」という歌詞が耳にすっと入ってきます。自分の悩みなどが溶け出すような感覚を味わい、歌詞が本当にリアルな感情で描かれていることを実感させられます。本当にすごい……。
最後は語り掛けるように歌われた『さすらい』。このご時世、先の見えない毎日で疲れてしまいます。でも、なんとなく頭の中だけでもさすらおうと前向きになれます。最高の曲です。歌い終わった後は各方面にお辞儀を。どの歌も胸に突き刺さり、感動を与えてくれるのは彼の人間性が音楽に現れているからなのだと思います。愛とこだわりに溢れた熱いステージでした。
・山内総一郎(フジファブリック)
普段よく聴く音楽はポスト・マローン、再びあっちゅです。フジファブリックの山内総一郎さんのライブをお伝えします!
例によって世事に疎く、ロックについても明るくない私は、このライブで初めて山内総一郎さんを知りました。よってこの記事をご覧になる皆様は、大人気バンド・フジファブリックのフの字も知らない大学生が、たった30分の配信の間にいかにして山内総一郎のファンになったのか、その様子を楽しんでいただけたら幸いでございます。
相撲の出囃子と共に入場し、ベージュのスーツが素敵な山内さんが歌い出したのは『徒然モノクローム』。まるで楽器のようにどこまでも気持ちよく伸びていく声……! コメント欄を覗くと「渋いほうのだ!」とおっしゃる方が。いつもは渋くない方なのでしょうか。90度ステージの土俵を回して(人力で回っている)、次の曲、『カンヌの休日』へ。ファンの間では「おしゃカンヌ」と呼ばれているらしいのも頷ける、飄々としたリズミカルな音色が耳に心地いいです。映画のタイトルを出鱈目に並べている感じも最高ですね。
『LIFE』で雨上がりの爽やかさを味わったあとに、山内さんからサプライズが。急遽休場となった氣志團・綾小路翔さんの長ランを「借りたぜ」と楽しそうに羽織り、「おまえら!」としゃがんでポーズ。「え、サービス精神の塊……! かわいい……いい人!」と画面前で拝んだのは私だけではないはず。そのまま氣志團の『One Night Carnival』カバーを披露し、最後は『光あれ』で、その素朴な温かさと優雅さの向こう側に連れて行ってくれました。MCで滲み出るお茶目な人柄と、氣志團の代演を気遣いを忘れずに務めあげる心意気。いったい何人の新しいファンを増やしたのでしょうか。罪な方です。かくいう私もそのうちの一人ですが。
・田島貴男(ORIGINAL LOVE)
再びたまなです。1曲目は『フィエスタ』から始まりました。初日の「ギタージャンボリー2020」のラストを飾った田島さんのステージは、情熱的なメロディで会場の温度がさらにヒートアップをして、より一層盛り上がりました。大地を走っているような爽快感があり、メロディーが直接胸に飛び込んできて圧倒されました。高度なギターの細かい音色と田島さんのコーラスがマッチして、「声」という「楽器」を使って演奏しているんだと改めて感じました。
続く『築地オーライ』『ZIGZAG』では陽気で懐かしいメロディとともに、何気ない日常の尊さを感じました。『接吻』ではガラッと雰囲気が変わり、ギターから溢れるロマンチック世界観に魅せられました。まるで夜の中静かに夢の中に飛び込んでいるようでした。『bless You!』『JUMPIN' JACK JIVE』ではテンポの良いリズムとともに、人と関わることに対する希望と楽しさがとても伝わりました。田島さんの声かけとともに会場もより一層盛り上がり、心の中でも踊り出してしまうような感覚でした。
田島さんのステージでは改めて会場が一体となるライブの素晴らしさを実感することができました。ライブへ行くことのできない日々が続いている中、田島さんの音楽を聞くことができたことはとても貴重な経験でした。
(Photo by 上飯坂一)
■執筆者プロフィール
・hinaco(担当:崎山蒼志、Anly)
大学3年生。普段はグラフィックデザインとダンスに熱中しています。よく聴く音楽は洋楽。
・たまな(担当:Caravan、田島貴男)
WACODES7期生。大学2年生。やってみなければわからない精神で、興味が湧いたものにはとことん挑戦している。音楽が大好きで、世代ジャンル問わずなんでも聞く。特にJazz、R&B、映画のサントラが好き。
・あっちゅ(担当:カネコアヤノ、山内総一郎<フジファブリック>)
1997年生まれ 大学5年生。WACODES 3.5期生。映画好き。映画の神様に魂を売り渡したい。好きな映画監督はエドワード・ヤン。今年観て最高だったのは『はちどり』と『燃ゆる女の肖像』。K-POPもこよなく愛す。
・まもみひ(担当:MOROHA、竹原ピストル)
WACODES7期生で、大学2年生。大学では社会科学を学んでいます。自粛期間中に高校の時にできないと思っていたギターを始め、案外弾けてびっくりしています。音楽や映画鑑賞はもちろん、料理もして2020年も楽しく過ごせました。
・はな(担当:奥田民生)
WACODES6期生。大学2年生。音楽が大好き。最近はオーガニックや自然派のコスメなどにハマっている。冬休みは朝から晩まで毎日音楽、J-WAVE漬けしている。
このイベントを、次世代のJ-WAVEをつくる大学生・専門学生のコミュニティ「J-WAVE WACODES」が配信で視聴し、ライブレポートを執筆した。ここでは26日のライブレポートを、彼らのプロフィールとともに紹介する。(J-WAVE NEWS編集部)
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【26日(土)出演アーティスト】
崎山蒼志、Caravan、Anly、MOROHA、竹原ピストル、奥田民生、山内総一郎(フジファブリック)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)[全8組] ※出演順
カネコアヤノ(ゲストアクト)
・崎山蒼志
WACODESのhinacoです。崎山蒼志さんのパフォーマンスは、会場が温まっていく様子が画面越しにジンジンと伝わってきました。
披露されたのは『Undulation』『Heaven』『Samidare』『国』の4曲。繊細でありながらも熱を帯びている歌詞と、細かく震える独特な歌声を聴いている間、私は別の世界へワープしているような感覚でした。まさに崎山ワールド! アコースティックギター1本の演奏は、荒々しさと優しさを含んでいて、「どうしてあんな風に弾けるのだろう?」と不思議になるほど。1人で弾いているとは思えないほどにスピーディなストロークに見入ってしまいました。そして、曲の合間に静かに喋る様子と、パフォーマンス中のギャップにも魅了されました。一曲一曲が終わるたびに息が上がって落ち着いて観られないくらい、彼が奏でる世界観に没入していました。
ここではないどこかに行きたい時、別の世界に浸りたい時には彼の音楽を聴いて、夢想したいです。最後に、「あれほどまでにステージライトの光の輪が似合う高校生(アーティスト)は他にいないのでは?」と感じました。
・Caravan
WACODESのたまなです。Caravanさんのステージのオープニングでハーモニカとギターのメロディーが流れた瞬間に、ライブ会場には一瞬で広い空と太陽の光と青い海が広がりました。終始、ライブを見ているというよりも、Caravanさんと一緒に旅をしている感覚になりとてもワクワクしました。ギターのメロディも明るく穏やかで、暖かい潮風と初夏の穏やかな海の漣を感じるとともに、寒さで冷えた体が「曲」という焚き火に温められました。
1曲目の『Hometown』はCaravanさんの出身である茅ヶ崎に会場ごとワープをしました! 続く『ハミングバード』『Magic Night』は茅ヶ崎の浜辺でCaravanさんが砂浜で弾き語りをしているのを横で聞いているかのような、贅沢で穏やかな気持ちになりました。ラストの『Soul Music』では、自分の気持ちの中で不安に感じている部分を優しく拭ってくれるような歌詞に励まされるとともに、曲が暖かな一つの光となって会場を照らしているように感じました。
一曲一曲がまるで自分に寄り添ってくれるような優しさがあり、Caravanさんの人柄が伝わってくるようでした。今あるこの瞬間を大事に過ごしていきたいと思える、心が豊かになるCaravanさんの歌は、これからも誰かの心を照らす優しい光であり続けるんだと実感したステージでした。
・Anly
再び、hinacoです。Anlyさんのライブでは、ループペダルを使ってステージ上で音を重ねていき、まるで料理番組を観ているようでした。「次はどんな音が入るの?次はどんな調味料?」「ここでこの音!?」というように、目の前で重ねられていく音に終始ワクワクが止まりませんでした。
1曲目の『COFFEE』には、リズミカルなビートと、このライブならではメッセージが詰め込まれた、爽快感のある高速ラップにカラダの底から湧き上がるエナジーを感じました。音楽を聞く限り、ステージ上にはまるでバンドがいるかのよう。でも、見えているのは確かにAnlyさん一人でした。芯のある真っ直ぐな声であるにも関わらず、時に繊細で透き通る歌声にすっかり魅了されてしまいました。
同世代で、ここまで圧巻のパフォーマンスをするアーティストが存在すること自体が、良い意味で大きな刺激になります。そして、画面越しの私まで、会場にいるかのように盛り上がり、楽しさ全開のステージでした。「エネジーが足りない!」そんな時には彼女の音楽を聴いて、元気を取り戻せそうです。
・カネコアヤノ(ゲストアクト)
普段よく聴く音楽は88rising、WACODESのあっちゅです。私はカネコアヤノさんのライブを熱くお伝えします。とは言うものの、実は私、カネコアヤノさんの音楽、今まで聴いたことがありません。どうやら我が地元、阿佐ヶ谷に縁のあるらしい注目のアーティストという前情報だけ頭に叩き込んで、甘酒の入ったカップを片手に配信を見始めました。
まず目に飛びこんできたのは、金と銀で縁取られた白いドレス。威厳すら漂う考えの読みづらい表情も相まって、さながらジャンヌ・ダルクのよう。そんな第一印象のカネコアヤさんが、ハダシで土俵にさっと降り立ち、おもむろに弾き始めます。いったいどんな声なんだろう……。ドキドキしながら耳を傾けていると、ガツンと殴られたような衝撃。誰にも遠慮することのない、媚びのないまっすぐな声が、鼓膜の奥まで揺らしてきました。うわ、かっこいい……!
声の驚きがおさまって、今度は歌詞に意識を集中させると、「お前は知るのか 季節の終わりに散る椿の美しさを」でじわじわと感情のうねりが押し寄せてくる。二人称が「お前」って最高だなと思うんです。そんなことを考えながら『爛漫』の余韻に浸る間も無く、2曲目の『愛のままを』に突入し、じっと聴き惚れていたらいつのまにか終わっていた。え、終わっちゃうの、と画面の前で零れる私の呟きも虚しく、カネコアヤノさんはありがとうございます、と一礼して、颯爽とステージを降りていきました。去り際までかっこいい。カネコアヤノさん、これからも注目していきたいです。
・MOROHA
WACODESのまもみひです。私はMOROHAさんのライブについてお伝えします。
MOROHAの名前が呼ばれ、花道からMCのアフロさんとギターのUKさんが現れると、会場は拍手に包まれ、アフロさんが土俵入りのポーズでそれに応えます。「MOROHAと申します! よろしくどうぞ!」の一言から始まった1曲目は、「音楽より大切な人 音楽で幸せにしたい」と身近な人たちへの感謝を歌う『恩学』。決意表明にも聞こえる歌詞が、開始早々私の胸を熱くさせます。
アフロさんの「ヤンキーをやってみたかった」というMCから始まる『俺のがヤバイ』。周りや自分以外と比べて「俺のがヤバイ」という力強い一言が国技館に響き渡ります。前向きに生きることの大切さを歌った『tomorrow』、コロナ禍でライブができない中で音楽が、そして自分ができることは「この世界そのまま愛」すことだと歌う『主題歌』と続き、「どうか生きて会いましょう」という言葉から最後の曲『うぬぼれ』。「ありがとう」や「ごめんね」という単純で、だからこそストレートに心に響く言葉は、聴く人一人ひとりが自分に向かい話しかけられているような感覚になったのではないでしょうか。
最後に再び「生きて会いましょう」の言葉でライブは締めくくられると、会場には再び温かい拍手が響きました。一言一句を大切に、切実そうに、話すように歌い上げるアフロさんと、時にはしっとりと、時にはアグレッシブなフレーズを奏でるUKさんのギターは、配信の画面からでもその思いが伝わったような気がします。MOROHAさん、ありがとうございました!
・竹原ピストル
続けてまもみひが、竹原ピストルさんのレポートもお届けします。
Tシャツ短パン姿で登場した竹原さんが土俵に上りチューニングを行うと、雰囲気がライブモードに。1曲目は、『おーい!おーい!!』からスタートしました。序盤からフルスロットルのピストルさんの歌声が国技館に響きます。
続けて、CM曲としても有名な『よー、そこの若いの』。ギタージャンボリーならではのギター1本でのアレンジが、この曲のひたむきさを高めます。「健康に過ごせるように」というMCから『Amazing Grace』を、続けて「元気のいい歌」と(遠回しに)拍手を要求し始まった『あ。っという間はあるさ』とライブは続きます。配信で参加の私もしっかり手拍子しました!
セットの回転後演奏したのは、ドラマ『バイプレイヤーズ』の主題歌、『Forever Young』。年をとってもなくさないものを歌い上げるこの曲、個人的にも一押しです。寒い夕方にマッチする吉田拓郎さんの『落陽』のカバーの後披露されたのは、来年1月から始まる『バイプレイヤーズ』の新作の主題歌に起用される『今宵もかろうじて歌い切る』。前作の撮影期間中に急逝した大杉漣さんに向けたような歌詞もあり、胸が熱くなりました。
最後の曲は前回の出演時と同じ『狼煙』。「のし上がるぞ」という力強い歌詞が、私も来年もっと頑張ろうと思わせてくれます。感謝の言葉とともに笑顔で土俵を降りるピストルさんに場内は拍手で応えます。
ステージ上で、ギター1本と自分の声に思いを乗せて勝負している姿はとても美しかったです。竹原ピストルさん、ありがとうございました!そしてお誕生日おめでとうございます!
・奥田民生
WACODESのはなが、奥田民生さんのライブレポートをお送りします。
1曲目は『カイモクブギー』、次に『たびゆけばあたる』。軽やかなギターの音色のおかげか、すぐに会場内が一体となります。柔らかいのに時々刺さるような歌声で、歌詞がダイレクトに胸に、脳に入っていきます。正直、歌の情景がここまで感じられることってあるんだ、と思ったくらいです。
3曲目の『近未来』。間違えるというアクシデントが起こりますが、会場の手拍子と共に再開し、歌い切ります。「ありがとう!」と大きな声で叫ぶ姿が目に焼き付きます。ファンの方に愛されているからこその手拍子、そしてそれに応える、という姿に涙出るほど感動しました。4曲目、『すばらしい日々』。ギターの余韻と拍手が交わり繊細な雰囲気になったのが印象的です。「僕は生きている」という歌詞が耳にすっと入ってきます。自分の悩みなどが溶け出すような感覚を味わい、歌詞が本当にリアルな感情で描かれていることを実感させられます。本当にすごい……。
最後は語り掛けるように歌われた『さすらい』。このご時世、先の見えない毎日で疲れてしまいます。でも、なんとなく頭の中だけでもさすらおうと前向きになれます。最高の曲です。歌い終わった後は各方面にお辞儀を。どの歌も胸に突き刺さり、感動を与えてくれるのは彼の人間性が音楽に現れているからなのだと思います。愛とこだわりに溢れた熱いステージでした。
・山内総一郎(フジファブリック)
普段よく聴く音楽はポスト・マローン、再びあっちゅです。フジファブリックの山内総一郎さんのライブをお伝えします!
例によって世事に疎く、ロックについても明るくない私は、このライブで初めて山内総一郎さんを知りました。よってこの記事をご覧になる皆様は、大人気バンド・フジファブリックのフの字も知らない大学生が、たった30分の配信の間にいかにして山内総一郎のファンになったのか、その様子を楽しんでいただけたら幸いでございます。
相撲の出囃子と共に入場し、ベージュのスーツが素敵な山内さんが歌い出したのは『徒然モノクローム』。まるで楽器のようにどこまでも気持ちよく伸びていく声……! コメント欄を覗くと「渋いほうのだ!」とおっしゃる方が。いつもは渋くない方なのでしょうか。90度ステージの土俵を回して(人力で回っている)、次の曲、『カンヌの休日』へ。ファンの間では「おしゃカンヌ」と呼ばれているらしいのも頷ける、飄々としたリズミカルな音色が耳に心地いいです。映画のタイトルを出鱈目に並べている感じも最高ですね。
『LIFE』で雨上がりの爽やかさを味わったあとに、山内さんからサプライズが。急遽休場となった氣志團・綾小路翔さんの長ランを「借りたぜ」と楽しそうに羽織り、「おまえら!」としゃがんでポーズ。「え、サービス精神の塊……! かわいい……いい人!」と画面前で拝んだのは私だけではないはず。そのまま氣志團の『One Night Carnival』カバーを披露し、最後は『光あれ』で、その素朴な温かさと優雅さの向こう側に連れて行ってくれました。MCで滲み出るお茶目な人柄と、氣志團の代演を気遣いを忘れずに務めあげる心意気。いったい何人の新しいファンを増やしたのでしょうか。罪な方です。かくいう私もそのうちの一人ですが。
・田島貴男(ORIGINAL LOVE)
再びたまなです。1曲目は『フィエスタ』から始まりました。初日の「ギタージャンボリー2020」のラストを飾った田島さんのステージは、情熱的なメロディで会場の温度がさらにヒートアップをして、より一層盛り上がりました。大地を走っているような爽快感があり、メロディーが直接胸に飛び込んできて圧倒されました。高度なギターの細かい音色と田島さんのコーラスがマッチして、「声」という「楽器」を使って演奏しているんだと改めて感じました。
続く『築地オーライ』『ZIGZAG』では陽気で懐かしいメロディとともに、何気ない日常の尊さを感じました。『接吻』ではガラッと雰囲気が変わり、ギターから溢れるロマンチック世界観に魅せられました。まるで夜の中静かに夢の中に飛び込んでいるようでした。『bless You!』『JUMPIN' JACK JIVE』ではテンポの良いリズムとともに、人と関わることに対する希望と楽しさがとても伝わりました。田島さんの声かけとともに会場もより一層盛り上がり、心の中でも踊り出してしまうような感覚でした。
田島さんのステージでは改めて会場が一体となるライブの素晴らしさを実感することができました。ライブへ行くことのできない日々が続いている中、田島さんの音楽を聞くことができたことはとても貴重な経験でした。
(Photo by 上飯坂一)
■執筆者プロフィール
・hinaco(担当:崎山蒼志、Anly)
大学3年生。普段はグラフィックデザインとダンスに熱中しています。よく聴く音楽は洋楽。
・たまな(担当:Caravan、田島貴男
WACODES7期生。大学2年生。やってみなければわからない精神で、興味が湧いたものにはとことん挑戦している。音楽が大好きで、世代ジャンル問わずなんでも聞く。特にJazz、R&B、映画のサントラが好き。
・あっちゅ(担当:カネコアヤノ、山内総一郎<フジファブリック>)
1997年生まれ 大学5年生。WACODES 3.5期生。映画好き。映画の神様に魂を売り渡したい。好きな映画監督はエドワード・ヤン。今年観て最高だったのは『はちどり』と『燃ゆる女の肖像』。K-POPもこよなく愛す。
・まもみひ(担当:MOROHA、竹原ピストル)
WACODES7期生で、大学2年生。大学では社会科学を学んでいます。自粛期間中に高校の時にできないと思っていたギターを始め、案外弾けてびっくりしています。音楽や映画鑑賞はもちろん、料理もして2020年も楽しく過ごせました。
・はな(担当:奥田民生)
WACODES6期生。大学2年生。音楽が大好き。最近はオーガニックや自然派のコスメなどにハマっている。冬休みは朝から晩まで毎日音楽、J-WAVE漬けしている。