スガ シカオが明かす、楽曲提供で「使われなかった曲」の行方

J-WAVEで放送中の番組『GROOVE LINE』(ナビゲーター:ピストン西沢)。12月1日(火)のオンエアではスガ シカオがゲストに登場した。

スガは12月4日(金)、会場&配信ライブ「Hitori Sugar Tour 2020 -セトリ再現ライブ-Supported by J-WAVE Mercedes-Benz THE EXPERIENCE」を開催する。

無観客ライブは正直つらい

「Hitori Sugar Tour 2020 -セトリ再現ライブ-」は会場チケットは完売だが、配信の視聴券は購入可能だ。

スガはステージに立つ感覚として、会場には「10人でいいからいてほしい」という本音を明かした。

西沢:今回はお客さんも入れながら配信のワンマンライブなんですね。
スガ:20時から実際に昭和女子大学の人見記念講堂というところでやるんですが、それが配信されるという形になってます。
西沢:やっぱり、ある程度お客さんが入っているほうがやりやすいですか?
スガ:……正直、無観客はツラいっす。
西沢:ツラいですよね。
スガ:心が傷つきますね(笑)。
西沢:それわかります。
スガ:10人でいいっすね。10人でいいからいてほしい。
西沢:誰のためにやっているのか、なにをやっているのかが途中でわからなくなるんですよね。
スガ:そうですし、リハーサルみたいになっちゃうんですよ。うまくいってもいかなくても人がいないと同じ反応なので。だからちょっとでもいてくれたほうがうれしいですね。
西沢:昔、僕がHMVのスタジオでラジオをやっていたときに、シカオちゃんに何回も来てもらったけど。
スガ:なつかしい!
西沢:四時半になってガーッとカーテンを開けると、その日のアーティストさんのお客さんがズラッーっといらっしゃって。その人たちがみんな(ゲストを見るために)背中を向けてたりするんですよ(笑)。
スガ:(笑)。
西沢:それと対峙するのは最初は嫌だったんですけど「コイツらを全部こっちに向かせてやる!」っていう、そういう気になりますね。
スガ:メンタル強いっすね。
西沢:強いんですよ。だから僕は、そういう1人無観客でやるのがすごくツラいというのは、なんとなくわかります。
スガ:今回はお客さんが入っていますので。配信はなんと! 1500円で観られるという。
西沢:お得でございます。
スガ:ぜひぜひ、みなさん観に来てください。
西沢:お客さんがいたらはしゃいじゃうね。
スガ:でも半分しか入れない(笑)。フルでは入れちゃいけないので。
西沢:いまの時期はね。会場のチケットは売り切れになっているんだね。
スガ:ソールドアウトですが、視聴チケットはいくらでも大丈夫です。

「安定をしていると、次に行きたくなっちゃう」

今回のライブのチケットは指定席チケットと配信チケット合わせて5種類を販売。『プレミアムアーカイブ 視聴チケット』は、当日のライブのダイジェストや舞台裏や、歴史ある「Hitori Sugar」の秘蔵映像や撮り下ろしインタビューなどを交えたスペシャル番組になっているという。

西沢:どのくらいさかのぼれるんですか?
スガ:たぶん、独立をしてすぐの「Hitori Sugar」から映像が残っているので。
西沢:何年ぐらい? 10年ぐらいになるのかな。
スガ:そうですね。2011年に事務所をやめているので、そこからちょっとずつ映像を拝借してきたりとか、インタビューをしたりとか。
西沢:すごい人生ですね。会社員をやめたのはいつですか?
スガ:29歳ですね。
西沢:そうすると、何回もいろいろな環境が変わりながら。
スガ:なんか、ひとところにじっとしていられないんですよね、落ち着きがなくて。ひとところで安定をしていると、次に行きたくなっちゃうんですよ。
西沢:歌は落ち着いているんですけどね。
スガ:歌が落ち着きなかったらヤバいじゃないですか(笑)。
西沢:(笑)。歌だけは落ち着いてるんですね。
スガ:常に「次に次に」っていう風に。
西沢:「次のを作りたくなる」というのは、制作活動にはいい方向に働くと。こういう仕事はそういうタイプが向いているんでしょうね。

ライブはリアルタイムでの視聴のほか、12月7日(月)11:59までは見逃し配信も。チケット詳細は公式サイトまで。

目標を見いだせない日々

スガはステイホーム期間中、ベランダで本を読んだり、ランチに1人バーベキューをするなど家で過ごしていたそうだ。出かけるとしても3日に1度、買い物に行く程度だったという。

スガ:そんなことをずっとしていたら秋になっちゃいましたね。
西沢:音楽を作って「早くみんなの前でライブがしたくてたまらねえぜ」みたいな毎日ではなかったんですか?
スガ:なって、ほしかったんですが……。
西沢:(笑)。
スガ:とにかく、みんなの前でライブをするというイメージがまったく見えないので。
西沢:期待しちゃってもこっちが空回りしちゃうからね。
スガ:目標がないから「曲を作ろう」って乗り出せないんですよね。目の前に大きな目標とかがないとやっぱり、曲もなんとなく書く気になれなくて。秋ぐらいになってから「なにもしないのはマズいな」と思って。
西沢:8月の半ばをすぎた宿題みたいなイメージですか?
スガ:そうですね。本当にそのぐらいからスタジオに行き始めて。
西沢:追い込んできたと。
スガ:1か月くらいはなにもできなくて、徐々に曲とかを作り始めていったら、いまになりましたね(笑)。
西沢:すごいですね、切羽詰まって作っているわりには落ち着いているというね。
スガ:全然、切羽詰まってないんですけどね。リリースもライブも決まってないので。
西沢:昔は常に切羽詰まってましたよね。そのときにいっぱいやって胃拡張(キャパシティが大きくなった)部分というのが、自分の栄養になっているんでしょ。
スガ:でも、食べないとすぐに胃は縮まるんでね。
西沢:そうなの!? なまけ癖がまた戻ってちゃうの?
スガ:そうそう(笑)。
西沢:なんだろこの人(笑)。
スガ:締切がキツくてすごく苦しくてつらい思いをしたはずなんですけどね。だから「締切がくる前にいろいろなことをやっておかないといけないな」と学習をしたはずなんだけど、全然だめですね。

楽曲提供はさらにモチベーションが必要

楽曲提供のハードルは、さらに高いものになるのだとか。

西沢:人に曲を提供するときは、そこにある程度の仮歌を入れて、トラックも作って、半ば完成直前ぐらいにまでもっていくじゃないですか。
スガ:そうですね。人に曲を作るときはものすごいモチベーションがないとダメです。「あの人に歌ってほしい!」「あの人に興味あるわ!」みたいな、自分以上にモチベーションがないと人に曲は書かないです。
西沢:そういうものなんだ。スガ シカオの曲を歌いたい人は、正直山ほどいると思うんですよ。期待していると思うんですけど、大量生産はできないんだ。
スガ:……無理ですね。しかも俺はリトグリ(Little Glee Monster)とか、さや姉(山本 彩)に頼まれたときに、「これをもうちょっとこう作り直してください」というのができないので、その人のために最初から3曲から4曲をバーンとまとめて作るんですよ。だからめちゃくちゃ時間がかかるし、モチベーションが高くないとできないんですよね。
西沢:使ってもらえない曲はどうなるんですか?
スガ:それでサヨナラです。
西沢:ええ!? デッドストックにもならないの?
スガ:一応。俺のコンピューターのなかには入っているけど。
西沢:これはシカオちゃんが死んだあと、アルバムになって出るな。
スガ:(笑)。
西沢:「シカオのコンピューターを探せ」で。ジョン・レノンみたいに伝説になるな、この男。
スガ:ちゃんと歌っておかないとヤバイな(笑)。「2番が『ラララ』じゃないか」みたいな。
西沢:そうそう(笑)。

スガの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『GROOVE LINE』では楽曲を紹介しながらゲストとの軽快なトークをお届け。放送は毎週月曜から木曜の16時30分から。
radikoで聴く
2020年12月8日28時59分まで

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番組情報
GROOVE LINE
月・火・水・木曜
16:30-19:00

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