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三浦大知、ライブパフォーマンスで体力よりも完成度を重視した結果

三浦大知、ライブパフォーマンスで体力よりも完成度を重視した結果

J-WAVEで放送中の番組『GROOVE LINE』(ナビゲーター:ピストン西沢)。11月18日(水)のオンエアでは、11月11日にニューシングル『Antelope』をリリースした三浦大知が出演。レコーディングの様子や、ライブパフォーマンスをどう作り出すのかを語った。

オンラインライブならではの「ボルテージの上がり方」がある

三浦は今年のライブ事情について、「ホールツアーが30公演ぐらい、ほぼほぼキャンセルになりました」と明かす。無期限延期という形をとっており、「2年後、3年後に伸びてしまってもやりたい」という意思はあるが、まずはオンラインでの発信を工夫した。

三浦:オンラインでしかできないコンテンツをなにか作れないかというので、キャンプ場から(ライブを)やったりしました。いろいろなフェスにも出させてもらったんです。「意外とこれは新しいコンテンツとして面白いな」と思えるところまでは向き合えたかな?という感じがしています。
西沢:へ~! 歌うとかで力を発揮するのって、興奮材料が普通は必要ですよね。人がいるとか喜んでいる顔が見えるとかね。そういうのがなくてできるというのはたぶん2つの可能性があって、1つは想像力が豊かで自分が順応できる能力がある。2つ目は、ただの歌が好きなにいちゃん(笑)。
三浦:あー、それを言うと、僕はどっちもあるんじゃないかなという感じがします(笑)。
西沢:あはは(笑)。
三浦:オフラインというか、いわゆる普通のライブって、その場にいるみなさんとのキャッチボールというか、それでエナジーが盛り上がっていく感じじゃないですか。オンラインライブは、(反応は)わからないけど「とにかくその奥に届けなきゃ」っていう別軸のパッションみたいなのが働いたんです。このレンズを通した向こう側にいる人たちになんとかこの熱を届けたいという、別のボルテージの上がり方がありました。
西沢:それは挑んでいる感じ? 責任感?
三浦:楽しみながらも「届けー!」みたいな思いでやるというのが、けっこうオンラインライブにしかない感じだなと思って。そのボルテージがもたらすつながりというか、観てくれている人たちとのつながりみたいなものは、意外とオンラインライブじゃないと生まれないボルテージもあるんだなというのは思ったりしています。
西沢:なるほど、向いてますね、さすが。子どものからずっとやってるから。
三浦:いやいや(笑)。楽しめるように頑張りたいなと思っています。

「これ歌えるのかな?」と思っても…レコーディングでの成功がライブに活きる!

話題は曲作りに。三浦はレコーディングの経験がライブパフォーマンスにつながっていることを明かした。

西沢:歌い方がカチッとハマるところとか「きれいに音符の上に乗るんだよねえ」という話のなかでは、やっぱりダンスシンガーだと思っているんです。
三浦:そうかもしれないですね。
西沢:なんだけど、こういうアカペラみたいなやつもちゃんとこなせるし、幅が広いですよね。
三浦:そうありたいですね。ジャンルとか関係なくしっかりと「なにをやっても三浦大知」の感じが出たらいいなと思います。
西沢:歌い方のヒントみたいなものって、いまだに探しているの?
三浦:楽曲に対するアプローチの仕方はそれぞれに違うと思うんです。この『Antelope』のなかに入っている(カップリング曲の)『Not Today』という楽曲とかも、本当に1個1個音符の長さとか「ここはブレスをする」「ここはつなげて歌う」とか。
西沢:そういうのが完成するまでに何回ぐらい歌うの?
三浦:曲を作っているなかでメロディーを考えたり、その場で歌詞をいつも乗せるようにしているんです。
西沢:じゃあ歌う前にだいたいのイメージができてる?
三浦:そうです。それをトラックメイカーの方と話をしたりして「そこはブレスしないほうがいいね」とか、そういうのをやってます。
西沢:理想を追いかけていくと、自分が呼吸できなくなっちゃってつらい、みたいなことに、極論なったりしない?
三浦:そうですね。でも意外とちゃんとそこが、自分の動きとリンクしていることが多いかもしれないです。
西沢:あなたの場合さらに踊るじゃないですか。「踊ると歌えねえよ」みたいなのはないの?
三浦:いつも「これ歌えるのかな?」と思いながら曲を作ってます(笑)。でも、レコーディングをやってみると、意外とできたりすることが多いです。たとえば「このキー出ないな」とか「ここ当たらないな」と思いながら曲を作っていて、「でも、このキーが絶対いいよね」ってレコーディングを頑張ってやってみて、レコーディングで乗り越えると意外とライブでも出たりとか。レコーディングで乗り越えたものは意外と頑張れるというのはあると思います。
西沢:大食いファイターが家で餃子500個食べられたら、イベントでも勝つみたいな?
三浦:(笑)。1回自分で事実を作っておけば「1回いけたしな」っていう。そのときの感覚がライブで助けてくれたりっていうのはあるかもしれないですね。

パフォーマンスの完成度を重視した結果…

ライブにおけるパフォーマンスは、自身の体力は二の次で、オーディエンスの満足度を重視して考えているという。「やめておけばよかった」と感じたことがあると告白した。

西沢:ライブの歌いやすいところに持ってきたりとか、そういう順番的な配慮はあるの?
三浦:あんまり考えないですね。
西沢:そうするとキツいトライの曲が3曲続いちゃってとかも?
三浦:あります。僕はそういうのばっかりです(笑)。それをいつも度外視して考えちゃうので。それでやってみて本当にキツくてどうにもならないときは変更しますけど、そこまで変更したことはないかな。

そんな三浦に、「ライブで歌うのが一番キツい曲は?」と質問を投げかけた。

三浦:『飛行船』っていう曲があるんですけど、楽曲的に1回自分がゼロにならないとメッセージとして合わないんです。「自分になるんだ」という強い決意を持って歌う曲なんですけど、そうなるとやっぱり抜いて踊ってたり歌ったりしていたら変なんです、人生の決意の歌なので。そうなってくると1回エンプティーにならないとメッセージと自分のパフォーマンスが合わないというか。
西沢:前の曲が終わったあとなにもしゃべらないで、アンプが「ジー」と言ってる時間がしばらくあって、客が「大知ー!」とか言っている声があるなかで集中して歌い出すみたいな?
三浦:いや、イントロだけで頑張って息を整えたりしています(笑)。
西沢:入り込むの早いな!
三浦:『Black Hole』という楽曲があって、それもすごくバキバキに踊るやつなんですが、昔『飛行船』からアウトロがそのまま『Black Hole』の頭に入っていくという演奏があって。
西沢:無茶なアレンジだな。
三浦:そのときは本当に「やめておけばよかった」と思いました(笑)。
西沢:(笑)。
三浦:でもライブで観たときに、そこがとてもみんなと一緒にグッとくることができそうだなっていう感じだったので。
西沢:お客さんもその切り替えがしびれるわけだからね。本人の切り替えがうまくいったときは伝わるだろうし、大変なやつになればなるほど、きっとインパクトもあるんだろうしね。プロのエンターテイナーとしてはね。
三浦:とにかく頑張ってやるしかないでいですね。

三浦大知の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『GROOVE LINE』では楽曲を紹介しながらゲストとの軽快なトークをお届け。放送は毎週月曜から木曜の16時30分から。

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2020年11月25日28時59分まで

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番組情報
GROOVE LINE
月・火・水・木曜
16:30-19:00