日本人は毎日「1人あたり茶碗1杯分の食品」を捨てている。ゴミを減らす考え方を身につけよう

地球の未来を守るために今できることを考える、J-WAVEで放送中の番組『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』（ナビゲーター：堀田 茜）。10月16日（金）のオンエアでは、目標12「つくる責任つかう責任」を深掘りした。サステナブルな経済社会を目指して活動する、株式会社TREE代表の水野雅弘さんがリモート出演し、日本の廃棄量を伝えた。

作る側も使う側も「廃棄しない考え方」にシフトしよう

誰ひとり取り残さずに、持続可能でよりよい世界を目指す――17のゴール・169のターゲットから構成された、2030年までの国際目標「SDGs（持続可能な開発目標）」。この日取り上げた目標12「つくる責任つかう責任」は、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の考え方を変えるべく、今日から行動に移せるものだ。

水野：今のままいくと（地球は）持続可能ではありません。ゴミ、資源、PCやスマホ、洋服など、私たちは大量に買って大量に廃棄しており、このままいくと地球が3個必要だと言われています。
堀田：今はファストファッションも流行っていますが、ファストファッションが悪いのではなく、ひとつのものを大事に長く使うことが大切なんですよね。
水野：そうですね。洋服の廃棄数は相当です。これからはしっかりとよいものを買ってシェアしていく時代かもしれません。
堀田：でも最近はファストファッションのお店にも、どのブランドの服でも自分が着なくなったら回収してくれる箱が置いてありますよね。
水野：そうですね。もう一度再生していく技術に変わろうとしているんです。実は日本って、ゴミ焼却炉が世界で一番多いんですが、「すべて燃やす」という概念は、気候変動や資源の問題を考えてもよくない。作る側も廃棄されないように寿命の長いものを作って売り方を変え、そして使う人もゴミを出さない考え方で選ぶなど、そういう流れになってきています。

日本は年間平均「650万トン」の食品を廃棄している

目標12「つくる責任つかう責任」の中でも特に重要と言われているのが、食品の問題だ。日本人は毎日1人あたりお茶碗1杯分の食品を捨てている計算になるそうだ。

水野：日本は食料を大量に輸入していて、先進国の中でも自給率はかなり低く39パーセントほど。それにもかかわらず世界トップクラスの食品廃棄の国でもあるんです。
堀田：自分の国で作っていないものを消費して、それを廃棄している量がすごいと。だいたいどのくらい廃棄しているんですか？
水野：年によっても異なりますが、平均で650万トンと言われています。
堀田：想像もできないくらい大きな量ですね。
水野：飢餓で苦しんでいる人たちへ食糧援助を行っている量が390万トンだとすると、その倍近くあるんです。人口の割合でも違ってくるんですが、日本はアメリカに次いでトップクラスの食品廃棄国と言っても過言ではありません。
堀田：アメリカもたしかに旅行に行くとバンバン食べ残しを捨てているイメージがあります。
水野：全世界の食品生産の25パーセントから30パーセンである13億トンが捨てられているんですね。8億人が飢餓に苦しんでいる中で、これほどの量を捨てている。日本も支援の1.6倍以上を捨てている。家庭ゴミや事業ゴミを真剣に考えないといけないと思います。

水野の話を聞きながら、堀田は「もったいない！」と声を上げた。

水野：日本には「もったいない」という文化がありながら、これほど捨てている国はありません。SDGsは世界の目標であると同時に、日本には根本的に重要で明日にも行動できることです。
堀田：日本の食品廃棄のほとんどが家庭ゴミなんですか？
水野：家庭も多いんですが、事業ゴミも多いです。形が悪いものを捨てるといったことですね。私は和歌山に住んでいるんですが、すごくおいしいトマトなのに段ボールに入っている分を全部、廃棄するということがあります。食を見直すタイミングにきているかもしれません。

家庭ゴミを減らすことで、温室効果ガスや気候変動、さらには海洋プラスチック問題にも大きな影響を与える。

水野：目標12「つくる責任つかう責任」は日本だけでなく世界中の問題につながってくるんです。
堀田：モノを買うときに「本当にいるのかな」と思ったり捨てるときに「いらないと思ったのなら次に買うときは気をつけよう」と思ったりして、ちょっと立ち止まって考えることが大事なんだなと思いました。

『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』では、私たちの地球の未来を守るために、いまできることを一緒に考える。オンエアは毎週金曜の22時から。