倦怠期真っ只中にいるセックスレス夫婦の愛憎劇『喜劇 愛妻物語』(9月11日公開)の公開直前ヒット祈願イベントが3日都内で行われ、濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、足立紳監督が出席した。
映画『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝いた足立が、夫婦生活を赤裸々に綴った自伝的小説を自ら映画化。セックスレス夫婦の悲喜こもごも貧乏旅行を描いた内容で、第32回東京国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞した傑作だ。
妻とのセックスを目論む売れない脚本家・豪太役の濱田は「撮影してるときは正直な話、このような会が開けるなどとは思ってもいませんでした。東京国際映画祭で大作映画しか上映されないような大きなスクリーンで、僕らのこんな貧乏映画が上映されるとも思ってもいなかった」と自虐ユーモア交じりで喜んだ。
役柄について濱田は「うわ、コイツやりたくねえな!と思った」とぶっちゃけつつも「でも、足立さんの脚本力は素晴らしく、しかも鬼嫁を水川さんがやる。俳優としてこんなにやりたいと思える話はない」と快諾。撮影では水川演じる妻・チカに罵詈雑言を浴びせられる日々だったが「くさくさした気持ちになるのかと思ったら、幸か不幸か豪太と自分の中にある余裕と図太さがシンクロ。なぜか上から目線でチカの罵倒を見ている自分がいました」と笑わせた。
水川とは10年程前にカップル役で共演し、演技の質を知っているつもりだったが「撮影初日に水川さんから罵声を浴びせられて、台本を読んでの自分の想像力の乏しさを反省するというか。ヤッバイ! すごく怒るじゃん! 思っていたよりも汚く言ってくるじゃん!」と予想外の水川の攻めに驚愕。そんな水川の罵詈雑言パワーが「明日の活力と楽しみになりました」と嬉しがっていた。
豪太にうんざりしている毒舌妻・チカ役の水川は「タン壺!とか、私が今まで生きてきた中で発したことのない言葉もある。ずっと怒っているエネルギー値の高い女性。撮影は夏場だったので、夏バテしないように心掛けました」と回想。豪太というキャラクターには足立監督の性格も反映されており「豪太にもイライラ、その横にいる監督にもイライラ!」と笑わせるも「濱田さんは大信頼しているので、いくら私が罵声を浴びせにいってもいつも受け止めてくれました」と感謝していた。
映画公開を前に、客席がほとんど埋まっていない悪夢を見るという足立監督は「妻とは毎朝、近所の神社にお参りをしています。とりあえず口八丁手八丁で、この映画は傑作だと書いてください。その一言だけでもぜひ!」と報道陣におねだり。主演の濱田は「ご近所を覗き見しているような背徳感もあり、他人の不幸を大笑いしてください」と呼びかけて「監督はこれ以上のネタを沢山持っているので、シリーズとして続けてできれば嬉しい。お客様に『今年も帰ってきたのかよ!』とイライラさせることが目標です」と愛着を口にしていた。
(文・写真=石井隼人)
9月11日(金)全国ロードショー。
映画『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝いた足立が、夫婦生活を赤裸々に綴った自伝的小説を自ら映画化。セックスレス夫婦の悲喜こもごも貧乏旅行を描いた内容で、第32回東京国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞した傑作だ。
妻とのセックスを目論む売れない脚本家・豪太役の濱田は「撮影してるときは正直な話、このような会が開けるなどとは思ってもいませんでした。東京国際映画祭で大作映画しか上映されないような大きなスクリーンで、僕らのこんな貧乏映画が上映されるとも思ってもいなかった」と自虐ユーモア交じりで喜んだ。
役柄について濱田は「うわ、コイツやりたくねえな!と思った」とぶっちゃけつつも「でも、足立さんの脚本力は素晴らしく、しかも鬼嫁を水川さんがやる。俳優としてこんなにやりたいと思える話はない」と快諾。撮影では水川演じる妻・チカに罵詈雑言を浴びせられる日々だったが「くさくさした気持ちになるのかと思ったら、幸か不幸か豪太と自分の中にある余裕と図太さがシンクロ。なぜか上から目線でチカの罵倒を見ている自分がいました」と笑わせた。
水川とは10年程前にカップル役で共演し、演技の質を知っているつもりだったが「撮影初日に水川さんから罵声を浴びせられて、台本を読んでの自分の想像力の乏しさを反省するというか。ヤッバイ! すごく怒るじゃん! 思っていたよりも汚く言ってくるじゃん!」と予想外の水川の攻めに驚愕。そんな水川の罵詈雑言パワーが「明日の活力と楽しみになりました」と嬉しがっていた。
豪太にうんざりしている毒舌妻・チカ役の水川は「タン壺!とか、私が今まで生きてきた中で発したことのない言葉もある。ずっと怒っているエネルギー値の高い女性。撮影は夏場だったので、夏バテしないように心掛けました」と回想。豪太というキャラクターには足立監督の性格も反映されており「豪太にもイライラ、その横にいる監督にもイライラ!」と笑わせるも「濱田さんは大信頼しているので、いくら私が罵声を浴びせにいってもいつも受け止めてくれました」と感謝していた。
映画公開を前に、客席がほとんど埋まっていない悪夢を見るという足立監督は「妻とは毎朝、近所の神社にお参りをしています。とりあえず口八丁手八丁で、この映画は傑作だと書いてください。その一言だけでもぜひ!」と報道陣におねだり。主演の濱田は「ご近所を覗き見しているような背徳感もあり、他人の不幸を大笑いしてください」と呼びかけて「監督はこれ以上のネタを沢山持っているので、シリーズとして続けてできれば嬉しい。お客様に『今年も帰ってきたのかよ!』とイライラさせることが目標です」と愛着を口にしていた。
(文・写真=石井隼人)
公開情報
映画『喜劇 愛妻物語』9月11日(金)全国ロードショー。
【ストーリー】
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、もっぱら生活費はチカのパートに頼っている。若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日だ。
豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、日夜タイミングを見計らい、チカのご機嫌を取り、猫なで声を出し、あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、けんもほろろに拒絶され続けている。
ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていたホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、さらに別企画のプロットを書くように薦められる。豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、映画の企画書を提出していたのだ。脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、プロデューサーに取材費を出すそぶりは毛頭ない。取材先を巡るにも運転免許がない豪太は、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。
苦しい家計を取り仕切るチカが手配した旅程は、東京から香川県の高松まで丸一日かけて鈍行列車に乗る強行軍。しかも初日の宿はビジネスホテルのシングルルームで、チカは豪太とアキがチェックインした後に、裏口から潜入して合流するという。しかし疲れが溜まっていた豪太は部屋の風呂場で寝てしまい、締め出されたチカの逆鱗に触れる。これではセックスは遠ざかるばかりだ。
翌日、「高速でうどんを打つ女子高生」の家を訪れるが、彼女をモデルにした映画とアニメの企画が同時進行しており、翌月にはクランクインの予定だと知らされる。豪太は完全に出遅れており、もはや旅行の目的も失われた。しかしチカは女子高生の両親に、映画化が頓挫したらどうか豪太に企画を任せて欲しいと食い下がる。非常識だとたしなめる豪太にまたもチカの怒りが炸裂した。
その夜もセックスを拒否された豪太は、チカとアキが寝ている間にひとりで夜の盛り場をほっつき歩く。風俗に行こうにもカネはない。道端で酔いつぶれていた若い女を見つけてちょっかいを出し始めるが、警察に捕まってしまう。度重なる豪太の失態に愛想を尽かしたチカは、豪太にアキの世話を任せて、小豆島に住む大学の同級生・由美(夏帆)に会いに行ってしまった。しかし豪太に降りかかる災難はまだ終わっていなかった。果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?いや、そんなことより綱渡りの夫婦関係はついに終わりを迎えてしまうのか?
(映画『喜劇 愛妻物語』公式サイトより)