J-WAVEで放送中の番組『CREADIO』(ナビゲーター:佐藤オオキ・クリス智子)。「デザインを音で楽しむ」をテーマにお届けしている。7月3日(金)のオンエアでは、グラフィックデザイナー・祖父江慎がゲストに登場。60歳を迎えて変化したことや、音を意識した書籍の装丁について語った。
■還暦を過ぎてますますエネルギッシュに!
デザイン事務所コズフィッシュ代表の祖父江は、常識に捉われない感性で3000冊以上の本の装丁を手掛けてきた。コロナ禍での仕事状況について質問を投げかけると、祖父江は近況を明かしつつ、生活リズムについて触れる。
祖父江:本の仕事自体はそこまで変化がありませんね。ですが、展覧会は中止になったり延期になったりしました。
クリス:延期の場合は、仕事の締め切りが伸びますね。
祖父江:そうです。助かりますね(笑)。
佐藤:仕事のスタイルは昼型ですか? それとも夜型?
祖父江:日によります。
クリス:すごいですね。
祖父江:目覚まし時計をセットしたことがないです。
佐藤:そうなんですか!
祖父江:還暦を超えてから、すぐ目が覚めちゃうんですよ。それに、すぐに寝れちゃう。自由自在で便利!
佐藤:あはは(笑)。祖父江さんが以前『CREADIO』に出演されたとき、「40歳を過ぎたらすべてのことがどうでもよくなるよ」と仰っていたことが忘れられません。当時の僕は30代後半で、今は40歳を過ぎています。たしかに、細かいことが気にならなくなりました。「祖父江さんが言っていたことはこれだったんだ」と感じることが多くなってきましたね。
祖父江:60歳を過ぎるともっとすごいよ(笑)。
クリス:いいですね(笑)。生きやすくなっていくイメージがありますね。
佐藤:60歳を超えてから興味を持たれたり、関心を寄せられたりすることってありますか?
祖父江:いっぱい。大変よ。歳をとってからのほうが関心事は増えちゃって。何から話していいかわかんないぐらい多い(笑)。
佐藤:祖父江さんの断片的な言葉だったりシーンだったりが、ずっと脳裏に焼き付くんですよね。
■ストーリーを意識した装丁
祖父江は、6月10日(水)に発売された書籍『わたしの全てのわたしたち』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)の装丁を手掛けた。
若い世代に絶大な人気を誇る詩人・最果タヒと、YA文学翻訳の第一人者・金原瑞人の共訳で贈る、詩で綴られた珠玉の青春小説。2016年カーネギー賞受賞作!グレースとティッピは16歳──腰から下がつながった結合双生児だ。普通とはちがう幸せな日常、初めての学校生活、友情、恋、そして別れが、一人語りの詩によって、みずみずしく、せつなく、描かれる。
(ハーパーコリンズ公式ページより)
『わたしの全てのわたしたち』の装丁には、祖父江ならではのこだわりが込められているという。
祖父江:『わたしの全てのわたしたち』(サラ・クロッサン著)は、詩で綴られたような小説です。この小説を、金原瑞人さんと最果タヒさんが共訳しました。おもしろい本ですよ。これはあんまり言っていないことなんですが、本には微妙に違う2種類の明朝体が使われています。
クリス:どういうところでフォントを使い分けるんですか?
祖父江:音を意識した場面で明朝体を切り替えています。最初は登場人物のセリフで明朝体を変えているのですが、読み進めていくうちにいろんな変化が起こります。おもしろい青春物語です。
佐藤:詩集を読んでいる感覚なんだけれど、ストーリー自体は繋がっているんですよね。言葉のリズム感もいいですね。
祖父江:訳がまたいいんですよ。最果さんじゃないと訳せないような内容だと思います。
クリス:デザインとしては、ページの色味も少し明るくなっていますね。
祖父江:「ミルフィーユ仕様」と呼んでいます。
クリス:ときどきクリーム色のページが挟まっていますね。
佐藤:なるほど。
クリス:だからミルフィーユ仕様ということですか。全体が黄色いページってわけじゃないんですね。
祖父江:おいしそうでしょう。
クリス:あはは(笑)。これは、本の内容に合わせたデザインなのでしょうか?
祖父江:そうです。登場人物が結合双生児なので、それを意識して。
佐藤:なるほど、2人が折り重なっている感じを表現されたのですね。
J-WAVE『CREADIO』は「デザインを音で楽しむ」がテーマの30分番組。オンエアは毎週金曜26時30分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月10日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『CREADIO』
放送日時:毎週金曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/creadio/
■還暦を過ぎてますますエネルギッシュに!
デザイン事務所コズフィッシュ代表の祖父江は、常識に捉われない感性で3000冊以上の本の装丁を手掛けてきた。コロナ禍での仕事状況について質問を投げかけると、祖父江は近況を明かしつつ、生活リズムについて触れる。
祖父江:本の仕事自体はそこまで変化がありませんね。ですが、展覧会は中止になったり延期になったりしました。
クリス:延期の場合は、仕事の締め切りが伸びますね。
祖父江:そうです。助かりますね(笑)。
佐藤:仕事のスタイルは昼型ですか? それとも夜型?
祖父江:日によります。
クリス:すごいですね。
祖父江:目覚まし時計をセットしたことがないです。
佐藤:そうなんですか!
祖父江:還暦を超えてから、すぐ目が覚めちゃうんですよ。それに、すぐに寝れちゃう。自由自在で便利!
佐藤:あはは(笑)。祖父江さんが以前『CREADIO』に出演されたとき、「40歳を過ぎたらすべてのことがどうでもよくなるよ」と仰っていたことが忘れられません。当時の僕は30代後半で、今は40歳を過ぎています。たしかに、細かいことが気にならなくなりました。「祖父江さんが言っていたことはこれだったんだ」と感じることが多くなってきましたね。
祖父江:60歳を過ぎるともっとすごいよ(笑)。
クリス:いいですね(笑)。生きやすくなっていくイメージがありますね。
佐藤:60歳を超えてから興味を持たれたり、関心を寄せられたりすることってありますか?
祖父江:いっぱい。大変よ。歳をとってからのほうが関心事は増えちゃって。何から話していいかわかんないぐらい多い(笑)。
佐藤:祖父江さんの断片的な言葉だったりシーンだったりが、ずっと脳裏に焼き付くんですよね。
■ストーリーを意識した装丁
祖父江は、6月10日(水)に発売された書籍『わたしの全てのわたしたち』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)の装丁を手掛けた。
きょう発売された『わたしの全てのわたしたち』(サラ・クロッサン=著/最果タヒ・金原瑞人=訳)。
— ハーパーBOOKS@『食卓の経営塾 DEAN & DELUCA 心に響くビジネスの育て方』発売中! (@Harperbooksjp) June 10, 2020
祖父江慎さんのブックデザインが隅々まで素敵なので、noteに書きました。
↓https://t.co/mJhZITmENt
若い世代に絶大な人気を誇る詩人・最果タヒと、YA文学翻訳の第一人者・金原瑞人の共訳で贈る、詩で綴られた珠玉の青春小説。2016年カーネギー賞受賞作!グレースとティッピは16歳──腰から下がつながった結合双生児だ。普通とはちがう幸せな日常、初めての学校生活、友情、恋、そして別れが、一人語りの詩によって、みずみずしく、せつなく、描かれる。
(ハーパーコリンズ公式ページより)
『わたしの全てのわたしたち』の装丁には、祖父江ならではのこだわりが込められているという。
祖父江:『わたしの全てのわたしたち』(サラ・クロッサン著)は、詩で綴られたような小説です。この小説を、金原瑞人さんと最果タヒさんが共訳しました。おもしろい本ですよ。これはあんまり言っていないことなんですが、本には微妙に違う2種類の明朝体が使われています。
クリス:どういうところでフォントを使い分けるんですか?
祖父江:音を意識した場面で明朝体を切り替えています。最初は登場人物のセリフで明朝体を変えているのですが、読み進めていくうちにいろんな変化が起こります。おもしろい青春物語です。
佐藤:詩集を読んでいる感覚なんだけれど、ストーリー自体は繋がっているんですよね。言葉のリズム感もいいですね。
祖父江:訳がまたいいんですよ。最果さんじゃないと訳せないような内容だと思います。
クリス:デザインとしては、ページの色味も少し明るくなっていますね。
祖父江:「ミルフィーユ仕様」と呼んでいます。
クリス:ときどきクリーム色のページが挟まっていますね。
佐藤:なるほど。
クリス:だからミルフィーユ仕様ということですか。全体が黄色いページってわけじゃないんですね。
祖父江:おいしそうでしょう。
クリス:あはは(笑)。これは、本の内容に合わせたデザインなのでしょうか?
祖父江:そうです。登場人物が結合双生児なので、それを意識して。
佐藤:なるほど、2人が折り重なっている感じを表現されたのですね。
J-WAVE『CREADIO』は「デザインを音で楽しむ」がテーマの30分番組。オンエアは毎週金曜26時30分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月10日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『CREADIO』
放送日時:毎週金曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/creadio/