仕事で必要な情報を整理したり、アイデアを出したりするときに、どのようにメモをとっているだろうか。パソコンやスマホばかり使っている人は、今一度アナログノートを活用してみると、便利さに気づくかもしれない。
クリエイティブな仕事でノートを活用しているのは、ノーナ・リーヴスのフロントマンであり、音楽プロデューサーとしても活躍する西寺郷太だ。『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)、『プリンス論』(新潮新書)などの著書も持つ西寺は“ノートの達人”でもあり、5月に『始めるノートメソッド』(スモール出版)を上梓したばかりだ。
そんな西寺が6月23日(火)、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)に登場。アナログノートを活用するメリットや、ノートの3つの使い分けについて語った。
■本の執筆の土台にもなる、読みやすく整った西寺のノート
活動が多岐にわたるため、さまざまな肩書を持つ西寺。今回は新たに「ノートの達人」という肩書を携えて登場した。
サッシャ:どんどん肩書が増えていく。
西寺:どんどん増えています。
サッシャ:そこにマイケル・ジャクソンとかプリンスの専門家も入ってくるわけでしょ?
西寺:いやいや(笑)、まあでもこのノート作りが基本になっているというところはあります。いろいろな本を書いたりするときも土台にこういうノートを作ってからやっているので。
サッシャ:今、手元に西寺さんのノートの中身があるんですけれど、すさまじいですね。
サッシャ:本当に、字がキレイで絵が上手い、まとまっている、読みやすい!
西寺:ありがとうございます。
増井:きれいにラインが揃ってますよね。
サッシャ:こういう音楽雑誌の特集ページあるよね。年表とか。
増井:このまま出せますね。
西寺:僕は雑誌やラジオ、いろいろなところで音楽の話をするんですけど、ともかく「年号とかを絶対に間違えない」というのでこの20年ぐらいやってきたんです。おしゃべりなんですけど、こういう部分はすごく細かい。それでこのノートを作って、すごく気を付けながらしゃべっています。
サッシャ:年号とか名前は説得力に関わってきますもんね。
西寺:今は間違っていたら、めちゃめちゃ「おまえ知らないだろう」「にわかだ」みたいに(指摘されるので)。
サッシャ:それはすごくわかります。
増井:いつもこのノートが頭に入った状態でお話もしていると。
西寺:持って行くときもありますし、ゲストでMCの方の質問に答えるときは、ノートを持って行かずに臨機応変に話すこともあります。早稲田大学のエクステンションセンターというので期間限定で講義をしていまして、そういうときも大学の生徒にこのノートを配ってポップミュージックの歴史とかマイケル・ジャクソンの裁判についてとかをやっています。
サッシャ:ほしい、講義に参加したくなっちゃった。
西寺:(笑)。
■デジタル時代でも、アナログノート活用にはメリットがある
パソコンやスマホを使うことが主流となっている現在、なぜあえてノートを活用するのか? 西寺はそれぞれを使い分けることが大事だと解説をした。
サッシャ:なんで、今もアナログのノートなんですか?
西寺:これはいつも言うんですけど、僕はこういうことは旅行とか移動に近いものだと思っているんです。飛行機に乗って行くほうが早ければ飛行機に乗ればいい。それが僕にとってのパソコンなんです。音楽のプログラミングとかもめちゃくちゃするので、別にアナログ人間というわけではありません。長い文章はもちろんPCで書きますし、90年代からバリバリのマックユーザーなので、レコーディングもほとんどパソコンでやっているんです。
ただ、必ずしもパソコンやスマホがいいとは限らない。すぐ手前に目的地がある場合、タクシーを止めるより歩いたほうが早いように、アナログノートが便利なシーンも。
西寺:何かを想像したり思いついたりしたときは、ノートに手書きするほうが早いこともある。見開き1ページ、もしくは2ページのノートでまとめる、書き足したり消したりするのがいちばんラクだということで、この方法を選んでいるだけなんです。
■『始めるノートメソッド』の基礎となる3つのスタイル
西寺は著書『始めるノートメソッド』の基礎編で紹介されている3つのスタイルについて解説をした。学校で授業を聞いていた頃のように、誰かが話したことをノートに書き留めるのは「学ぶノート」。これが1つ目だ。
2つ目のスタイルは、立場は変わって「伝えるノート」。学校の先生はもちろん、西寺のように数々のアーティストについて解説をするときも活用する。
西寺:プレゼンテーションをするための「伝えるノート」と呼んでいます。これは会社とかでも自分の企画を説明したりするときにけっこう役立つんじゃないかなと。あとは僕は作詞作曲のほかにも、脚本や小説を書いたりするので、そのときに使うものは「生み出すノート」と呼んでいるんです。だから「学ぶ」「伝える」「生み出す」という3つに分けています。この「生み出す」は本当にメモ書きだし、かなり殴り書きに近いような、本当に思いついたことをババババと書く。さっき言った「歩いたほうが早い」というのが「生み出すノート」ですね。
サッシャ:自分の頭の中をまとまるために、大まかに言うと3つの方法があるということなんですね。
■子どもにも説明しやすい
西寺は2019年、ノートに関する著書の第一弾『伝わるノートマジック』を刊行。そのときに寄せられた質問が、ノートの書き方について改めて考える契機になり、前述した3つのスタイルに行き着いたそうだ。
西寺:「どうやったらこういうノートが作れるのか?」という質問がけっこうきたんです。今回『始めるノートメソッド』という第二弾の本を出すときに、自分なりに考えたんですよ。自分は子どものころからナチュラルにやってきたので、「どうやってこういうノートになったのか?」と。自分の中ではメソッドなんて思ってもなかったんです。だけど、第一弾を出して人に訊かれたときに、突き詰めて考えたらこの3つに分かれるなと思ったんです。
前回の書籍は、「写真集に近いというか、僕のノートが載っている絵本みたいな本」だったが、今回はメソッドが書かれている。「子どもたちにも説明しやすいんじゃないか」と西寺は語った。
ノートをとる行為自体は、小学校から親しんでいる。しかし、とり方を教わったことがない場合も少なくないのでは。苦手意識を抱いたまま大人になり、すっかりノートとは縁遠くなってしまった……という人も、『始めるノートメソッド』を読んでトライしてみては。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月30日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
クリエイティブな仕事でノートを活用しているのは、ノーナ・リーヴスのフロントマンであり、音楽プロデューサーとしても活躍する西寺郷太だ。『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)、『プリンス論』(新潮新書)などの著書も持つ西寺は“ノートの達人”でもあり、5月に『始めるノートメソッド』(スモール出版)を上梓したばかりだ。
そんな西寺が6月23日(火)、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)に登場。アナログノートを活用するメリットや、ノートの3つの使い分けについて語った。
■本の執筆の土台にもなる、読みやすく整った西寺のノート
活動が多岐にわたるため、さまざまな肩書を持つ西寺。今回は新たに「ノートの達人」という肩書を携えて登場した。
サッシャ:どんどん肩書が増えていく。
西寺:どんどん増えています。
サッシャ:そこにマイケル・ジャクソンとかプリンスの専門家も入ってくるわけでしょ?
西寺:いやいや(笑)、まあでもこのノート作りが基本になっているというところはあります。いろいろな本を書いたりするときも土台にこういうノートを作ってからやっているので。
サッシャ:今、手元に西寺さんのノートの中身があるんですけれど、すさまじいですね。
今日は #jwave 「STEP ONE」生出演します!10時10分からの「BEHIND THE SCENE」のコーナー「始めるノートメソッド」を特集してもらいます!西寺郷太ソロアルバム『Funkvision』から、25日配信解禁のあの曲も! https://t.co/qgLD2R1A19 @amazonJPより pic.twitter.com/UgLwMCN77O
— 西寺郷太 ソロ・アルバム『Funkvision』7.22発売。 (@Gota_NonaReeves) June 23, 2020
サッシャ:本当に、字がキレイで絵が上手い、まとまっている、読みやすい!
西寺:ありがとうございます。
増井:きれいにラインが揃ってますよね。
サッシャ:こういう音楽雑誌の特集ページあるよね。年表とか。
増井:このまま出せますね。
西寺:僕は雑誌やラジオ、いろいろなところで音楽の話をするんですけど、ともかく「年号とかを絶対に間違えない」というのでこの20年ぐらいやってきたんです。おしゃべりなんですけど、こういう部分はすごく細かい。それでこのノートを作って、すごく気を付けながらしゃべっています。
サッシャ:年号とか名前は説得力に関わってきますもんね。
西寺:今は間違っていたら、めちゃめちゃ「おまえ知らないだろう」「にわかだ」みたいに(指摘されるので)。
サッシャ:それはすごくわかります。
増井:いつもこのノートが頭に入った状態でお話もしていると。
西寺:持って行くときもありますし、ゲストでMCの方の質問に答えるときは、ノートを持って行かずに臨機応変に話すこともあります。早稲田大学のエクステンションセンターというので期間限定で講義をしていまして、そういうときも大学の生徒にこのノートを配ってポップミュージックの歴史とかマイケル・ジャクソンの裁判についてとかをやっています。
サッシャ:ほしい、講義に参加したくなっちゃった。
西寺:(笑)。
■デジタル時代でも、アナログノート活用にはメリットがある
パソコンやスマホを使うことが主流となっている現在、なぜあえてノートを活用するのか? 西寺はそれぞれを使い分けることが大事だと解説をした。
サッシャ:なんで、今もアナログのノートなんですか?
西寺:これはいつも言うんですけど、僕はこういうことは旅行とか移動に近いものだと思っているんです。飛行機に乗って行くほうが早ければ飛行機に乗ればいい。それが僕にとってのパソコンなんです。音楽のプログラミングとかもめちゃくちゃするので、別にアナログ人間というわけではありません。長い文章はもちろんPCで書きますし、90年代からバリバリのマックユーザーなので、レコーディングもほとんどパソコンでやっているんです。
ただ、必ずしもパソコンやスマホがいいとは限らない。すぐ手前に目的地がある場合、タクシーを止めるより歩いたほうが早いように、アナログノートが便利なシーンも。
西寺:何かを想像したり思いついたりしたときは、ノートに手書きするほうが早いこともある。見開き1ページ、もしくは2ページのノートでまとめる、書き足したり消したりするのがいちばんラクだということで、この方法を選んでいるだけなんです。
■『始めるノートメソッド』の基礎となる3つのスタイル
西寺は著書『始めるノートメソッド』の基礎編で紹介されている3つのスタイルについて解説をした。学校で授業を聞いていた頃のように、誰かが話したことをノートに書き留めるのは「学ぶノート」。これが1つ目だ。
2つ目のスタイルは、立場は変わって「伝えるノート」。学校の先生はもちろん、西寺のように数々のアーティストについて解説をするときも活用する。
毎週日曜日22時から @SpotifyJP #ゴタポ #GOTOWNPodcast リアルタイムツイート。押野素子氏、塚田桂子氏を迎え、プリンスの故郷ミネアポリスで起こった「ジョージ・フロイド事件」について現地の状況と余波を語ってもらっています。レジュメは数日前に公開した西寺ノートで。 https://t.co/CHh4VaGNwH pic.twitter.com/oKB4fBijkO
— 西寺郷太 ソロ・アルバム『Funkvision』7.22発売。 (@Gota_NonaReeves) June 7, 2020
西寺:プレゼンテーションをするための「伝えるノート」と呼んでいます。これは会社とかでも自分の企画を説明したりするときにけっこう役立つんじゃないかなと。あとは僕は作詞作曲のほかにも、脚本や小説を書いたりするので、そのときに使うものは「生み出すノート」と呼んでいるんです。だから「学ぶ」「伝える」「生み出す」という3つに分けています。この「生み出す」は本当にメモ書きだし、かなり殴り書きに近いような、本当に思いついたことをババババと書く。さっき言った「歩いたほうが早い」というのが「生み出すノート」ですね。
サッシャ:自分の頭の中をまとまるために、大まかに言うと3つの方法があるということなんですね。
■子どもにも説明しやすい
西寺は2019年、ノートに関する著書の第一弾『伝わるノートマジック』を刊行。そのときに寄せられた質問が、ノートの書き方について改めて考える契機になり、前述した3つのスタイルに行き着いたそうだ。
西寺:「どうやったらこういうノートが作れるのか?」という質問がけっこうきたんです。今回『始めるノートメソッド』という第二弾の本を出すときに、自分なりに考えたんですよ。自分は子どものころからナチュラルにやってきたので、「どうやってこういうノートになったのか?」と。自分の中ではメソッドなんて思ってもなかったんです。だけど、第一弾を出して人に訊かれたときに、突き詰めて考えたらこの3つに分かれるなと思ったんです。
前回の書籍は、「写真集に近いというか、僕のノートが載っている絵本みたいな本」だったが、今回はメソッドが書かれている。「子どもたちにも説明しやすいんじゃないか」と西寺は語った。
ノートをとる行為自体は、小学校から親しんでいる。しかし、とり方を教わったことがない場合も少なくないのでは。苦手意識を抱いたまま大人になり、すっかりノートとは縁遠くなってしまった……という人も、『始めるノートメソッド』を読んでトライしてみては。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月30日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone