J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。5月13日(水)のオンエアでは、新型コロナウイルス関連で気をつけたいネット詐欺やトラブルについて取り上げた。ITジャーナリストの三上 洋をゲストに迎え、給付金申請に必要なマイナンバーカードの問題やコロナ禍の今気をつけたい詐欺について訊いた。
■給付金のオンライン申請は煩雑! 詐欺も発生
5月1日、10万円の特別定額給付金のオンライン申請が順次スタートした。しかし、オンライン申請には普及率が著しく低いマイナンバーカードが必要であることから、多くの人は郵送申請のための郵送書類が自治体から送られてくるのを待っている。
三上:しかし、実はマイナンバーカードを持っているだけでもトラブルが起きているんです。
サッシャ:なぜですか?
三上:このオンライン申請は、マイナンバーカードと最新のスマートフォンであれば申請でき、方法もスムーズで簡単です。しかし、ネックとなるのがパスワード。マイナンバーカードには大きく分けて数字4桁の暗証番号と、アルファベットと数字を混ぜた6桁以上のパスワードの2種類があります。これらのパスワードの入力を間違えたりそもそも覚えていなかったりするケースがあります。また、パスワード入力は5回間違えるとマイナンバーカード自体にロックがかかり、市役所の窓口に行かないとロック解除ができません。
サッシャ:窓口には、いっぱい並んでいるらしいですね。
三上:もう3時間待ちとかになっていて、すごい「密」です。
ロックがかかると窓口でパスワードを再発行する手続きが必要になるだけでなく、今まさにマイナンバーカードを新規で作ろうとする人もいる状況だ。また、すでにカードを作っていても、住所変更や結婚で氏名が変わった場合などは窓口に行かなければならないケースもあると解説した。
政府としてはオンライン申請を推奨しているものの、説明したとおりマイナンバーカード関連で人が殺到している各自治体では、郵送申請を希望していることも報じられている。
三上:各自治体がハッキリ言っているのは、オンライン申請も人間の目のチェックが必要なんだそうです。今回の給付金は本人の分だけではなく、一緒に住んでいる家族の申請もできます。オンライン申請で入力された家族の名前とそれぞれのマイナンバーを人間の目でチェックしなくてはいけないそうなんです。ここだけアナログが残ってしまっている。そもそもマイナンバーは世帯の情報まで紐づいていないので、即座にチェックできません。報道機関による自治体へのインタビューによれば、「オンライン申請のほうが自治体の事務作業が多い」と言っていました。
増井:そうなんですか……。
サッシャ:21世紀ですよね?
三上:21世紀です(笑)。IT後進国ニッポンになってしまっています。
給付金を受け取るための手続きの煩雑さによって、給付金関連の詐欺も増えている。
三上:「給付金の手続きはこちら」というメールが送られてきて情報を抜き取ろうとするケースや、高齢者のもとに「いま、給付金の申請が混雑しているので、このあと訪問する自治体の係員が手続きをします。いまこの電話で情報を教えてください」という電話がきています。すでに5月12日には、大阪府の70代女性に「給付金手続きのためにATMに行くので、キャッシュカードを預かります」という電話があり、100万円を騙し取られてしまいました。
■リンクつきのショートメールは詐欺だと疑って
警察庁の集計によると、2020年4月末時点で新型コロナウイルス関連の詐欺の被害額は3100万円に及んだ。また国民生活センターでは「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」を開設したところ5月1日から7日までに400件以上もの相談が寄せられた。このように、新型コロナウイルス関連の詐欺は少なくない。
三上: 4月上旬にあったのは「マスクの送りつけ詐欺」でした。政府が発送したものではないマスクではないマスクが、ある日突然届くんです。具体的な手口はわからないんですが、そのあとに郵送で請求書が届くんだと思います。
増井:政府からのものだと思って、使ってしまう可能性もありますよね。
三上:そうですよね。それから、外出自粛のなかで増えたネットショッピング利用者を狙った偽サイト、いわゆる「フィッシング詐欺」も増えています。メールやショートメール、SNS上に出された「ここにマスクが売っています」「ここにアルコール消毒液があります」という宣伝をクリックすると、Amazonそっくりのサイトが出てきます。しかし、実際にはアドレスが違うので偽物です。ここでクレジットカード番号を入力させて、お金を盗み取るというやり方です。
コロナ関連の詐欺にひっかからないためには、ショートメールを疑うクセをつけよう。
三上:こういう詐欺は、電話番号で送られてくるショートメールがすごく多いんです。ショートメールにリンクがついていたら、詐欺だと疑ってください。心配になったら、リンクは決して押さずに検索サイトで検索し、銀行やショッピングサイト、ネットサービスの公式サイトで(ショートメールに書かれている)警告が本当に出ているのかチェックしてください。
ショートメールを使った詐欺が多いため、「ショートメールにリンクは送ってはダメ」と呼びかけているが、一部の企業には浸透していないという。受け取った情報は信用せず、公式サイトで確かめるようにしよう。
■ネットショッピングは、GoogleやYahoo!での検索をしないで
ネットショッピングを利用する際にも注意が必要だ。商品を購入する際には、大手ショッピングサイトのトップページから希望商品を検索することが大事なのだとか。
三上:たとえばアルコール消毒液なら、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングのトップページで「アルコール消毒液」と検索してください。
サッシャ:それぞれのショッピングサイトの検索窓から検索するということですね。
三上:そうです。ダメなのは、GoogleやYahoo!などの検索サイトで検索すること。これだと偽サイトや詐欺サイトも出てきます。必ず大手ショッピングサイトに行ってください。また困ったことは「消費者ホットライン」に相談しましょう。番号は「188(いやや)」で覚えてください。ここに電話すると、全国の消費生活センターの番号を教えてくれるので、そこに相談できます。
サッシャ:一度行ったサイトなら、すでにログイン情報が保存されているので、住所などの情報を新たに入力する必要がないですよね。僕はいちおう、そこを確認します。また、過去の注文履歴が残っていなかったら絶対におかしいサイトなので、そこも見るようにしています。
三上:それは正解だと思います。
自分自身が気をつけるだけでなく、家族にも注意を呼びかけよう。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月20日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
■給付金のオンライン申請は煩雑! 詐欺も発生
5月1日、10万円の特別定額給付金のオンライン申請が順次スタートした。しかし、オンライン申請には普及率が著しく低いマイナンバーカードが必要であることから、多くの人は郵送申請のための郵送書類が自治体から送られてくるのを待っている。
三上:しかし、実はマイナンバーカードを持っているだけでもトラブルが起きているんです。
サッシャ:なぜですか?
三上:このオンライン申請は、マイナンバーカードと最新のスマートフォンであれば申請でき、方法もスムーズで簡単です。しかし、ネックとなるのがパスワード。マイナンバーカードには大きく分けて数字4桁の暗証番号と、アルファベットと数字を混ぜた6桁以上のパスワードの2種類があります。これらのパスワードの入力を間違えたりそもそも覚えていなかったりするケースがあります。また、パスワード入力は5回間違えるとマイナンバーカード自体にロックがかかり、市役所の窓口に行かないとロック解除ができません。
サッシャ:窓口には、いっぱい並んでいるらしいですね。
三上:もう3時間待ちとかになっていて、すごい「密」です。
ロックがかかると窓口でパスワードを再発行する手続きが必要になるだけでなく、今まさにマイナンバーカードを新規で作ろうとする人もいる状況だ。また、すでにカードを作っていても、住所変更や結婚で氏名が変わった場合などは窓口に行かなければならないケースもあると解説した。
政府としてはオンライン申請を推奨しているものの、説明したとおりマイナンバーカード関連で人が殺到している各自治体では、郵送申請を希望していることも報じられている。
三上:各自治体がハッキリ言っているのは、オンライン申請も人間の目のチェックが必要なんだそうです。今回の給付金は本人の分だけではなく、一緒に住んでいる家族の申請もできます。オンライン申請で入力された家族の名前とそれぞれのマイナンバーを人間の目でチェックしなくてはいけないそうなんです。ここだけアナログが残ってしまっている。そもそもマイナンバーは世帯の情報まで紐づいていないので、即座にチェックできません。報道機関による自治体へのインタビューによれば、「オンライン申請のほうが自治体の事務作業が多い」と言っていました。
増井:そうなんですか……。
サッシャ:21世紀ですよね?
三上:21世紀です(笑)。IT後進国ニッポンになってしまっています。
給付金を受け取るための手続きの煩雑さによって、給付金関連の詐欺も増えている。
三上:「給付金の手続きはこちら」というメールが送られてきて情報を抜き取ろうとするケースや、高齢者のもとに「いま、給付金の申請が混雑しているので、このあと訪問する自治体の係員が手続きをします。いまこの電話で情報を教えてください」という電話がきています。すでに5月12日には、大阪府の70代女性に「給付金手続きのためにATMに行くので、キャッシュカードを預かります」という電話があり、100万円を騙し取られてしまいました。
■リンクつきのショートメールは詐欺だと疑って
警察庁の集計によると、2020年4月末時点で新型コロナウイルス関連の詐欺の被害額は3100万円に及んだ。また国民生活センターでは「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」を開設したところ5月1日から7日までに400件以上もの相談が寄せられた。このように、新型コロナウイルス関連の詐欺は少なくない。
三上: 4月上旬にあったのは「マスクの送りつけ詐欺」でした。政府が発送したものではないマスクではないマスクが、ある日突然届くんです。具体的な手口はわからないんですが、そのあとに郵送で請求書が届くんだと思います。
増井:政府からのものだと思って、使ってしまう可能性もありますよね。
三上:そうですよね。それから、外出自粛のなかで増えたネットショッピング利用者を狙った偽サイト、いわゆる「フィッシング詐欺」も増えています。メールやショートメール、SNS上に出された「ここにマスクが売っています」「ここにアルコール消毒液があります」という宣伝をクリックすると、Amazonそっくりのサイトが出てきます。しかし、実際にはアドレスが違うので偽物です。ここでクレジットカード番号を入力させて、お金を盗み取るというやり方です。
コロナ関連の詐欺にひっかからないためには、ショートメールを疑うクセをつけよう。
三上:こういう詐欺は、電話番号で送られてくるショートメールがすごく多いんです。ショートメールにリンクがついていたら、詐欺だと疑ってください。心配になったら、リンクは決して押さずに検索サイトで検索し、銀行やショッピングサイト、ネットサービスの公式サイトで(ショートメールに書かれている)警告が本当に出ているのかチェックしてください。
ショートメールを使った詐欺が多いため、「ショートメールにリンクは送ってはダメ」と呼びかけているが、一部の企業には浸透していないという。受け取った情報は信用せず、公式サイトで確かめるようにしよう。
■ネットショッピングは、GoogleやYahoo!での検索をしないで
ネットショッピングを利用する際にも注意が必要だ。商品を購入する際には、大手ショッピングサイトのトップページから希望商品を検索することが大事なのだとか。
三上:たとえばアルコール消毒液なら、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングのトップページで「アルコール消毒液」と検索してください。
サッシャ:それぞれのショッピングサイトの検索窓から検索するということですね。
三上:そうです。ダメなのは、GoogleやYahoo!などの検索サイトで検索すること。これだと偽サイトや詐欺サイトも出てきます。必ず大手ショッピングサイトに行ってください。また困ったことは「消費者ホットライン」に相談しましょう。番号は「188(いやや)」で覚えてください。ここに電話すると、全国の消費生活センターの番号を教えてくれるので、そこに相談できます。
サッシャ:一度行ったサイトなら、すでにログイン情報が保存されているので、住所などの情報を新たに入力する必要がないですよね。僕はいちおう、そこを確認します。また、過去の注文履歴が残っていなかったら絶対におかしいサイトなので、そこも見るようにしています。
三上:それは正解だと思います。
自分自身が気をつけるだけでなく、家族にも注意を呼びかけよう。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月20日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone