音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
『攻殻機動隊』は、高度化した社会での“人間の葛藤”にグッとくる! 個人プレイだけど連携するキャラも魅力

『攻殻機動隊 SAC_2045』はNetflixで独占配信中

『攻殻機動隊』は、高度化した社会での“人間の葛藤”にグッとくる! 個人プレイだけど連携するキャラも魅力

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)の新コーナー「SONAR FREAKS」。5月5日(火)のオンエアでは、Netflixで最新作が公開された『攻殻機動隊』の魅力を語るオンライン座談会を開催。SIRUPとJABBA DA FOOTBALL CLUBのNOLOVがリモート出演でトークを繰り広げた。

【関連記事】常田大希(King Gnu/millennium parade)は『攻殻機動隊』ファン! 主題歌は“公安9課感”がある?


■それぞれの『攻殻機動隊』との出会い

あっこゴリラは『攻殻機動隊』についての知識がまったくないとこのことで、「初歩の初歩から聞きたい」と、質問を2人に投げかけていった。

あっこゴリラ:『攻殻機動隊』という漫画があって、それを原作として1995年に押井守監督が手がけた劇場版アニメが公開。現在、Netflixで最新作が公開されました。シリーズが多いじゃないですか。どこから手を付けたらいいのかがよくわからないんです。そもそも『攻殻機動隊』というのはどんなストーリーなんですか?

SIRUPは「シリーズものなんですけど、シリーズものじゃないみたいな感じなんです」として、ストーリーを解説。『攻殻機動隊』の舞台は、脳を直接ネットに接続する「電脳化」技術や、「義体化(サイボーグ)」技術が発展した近未来の日本。高度化した技術のなかで起きる犯罪の被害を抑えるための組織「公安9課」、通称「攻殻機動隊」の活動を描いた物語だ。

あっこゴリラ:2人は『攻殻機動隊』とはどうやって出会ったんですか?
SIRUP:ハマったのは大学の授業で「日本のアニメを英語で観て感想を書く」というのがあったんですよ。そこで1995年の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を観て、ハマりました。
NOLOV:「授業で」ってめちゃくちゃいい出会いじゃないですか。僕は大学生のときに暇すぎて、ヴィレヴァン(ヴィレッジヴァンガード‎)に「なにかねーかな?」ってよく行ってたんです。そうしたら原作の本が面出し(表紙を見えるように置く陳列方法)されていて「オモロそうだな」と思って。だけど本を買うお金がなかったので、レンタルビデオ屋に行ってDVDで観たら「めちゃくちゃ面白いんですけど!」ってなったという出会いなんです。だから(作品との出会いに)ドラマ性はゼロっす。
あっこゴリラ:(笑)。
SIRUP:別になくてもいいじゃないですか(笑)。
あっこゴリラ:そこからシリーズものも全部観ていったってこと?
SIRUP:ぶっちゃけ、そのあとのシリーズはNetflixで観始めました。なのでシリーズはけっこう最近です。


■『攻殻機動隊』は、勧善懲悪じゃない

あっこゴリラが『攻殻機動隊』シリーズの魅力を問いかけると、2人は作品への熱い思いを語った。

SIRUP:夢が詰まっているというか。これに関しては自分の話になるんですけど、ガンアクションがそもそも好きなんですよ。気がつくと女性が主人公のガンアクションが好きになっていて、その走りというか。サイバーパンク感とかもめちゃくちゃ好きなんです。それが全部詰まっていて、夢みたいなものです。
あっこゴリラ:自分の趣味に目覚めたきっかけなのかもね。
NOLOV:観ていると、かなり大人になれる感じがするんですよ。めちゃめちゃブルースなんです。勧善懲悪というよりは、正義がたくさんある。最後にスッキリ事件が解決して終わりじゃなくて、大きなパワー(権力)に飲み込まれてしまったりとかするんですよ。どうにもならないような出来事もあるんだけど、そのなかで光に向かっていく。すごくハイテクノロジーなアニメーションなんですけど、その姿に根底にすごくちゃんとした人間ドラマみたいなのがあって。大人になった気分になって、酒飲みながら観たくなっちゃうというか。
あっこゴリラ:今の話を聞いたらちょっと観たくなった。
NOLOV:おお! ありがとうございます。とにかく渋いんですよ。
あっこゴリラ:「悪は悪だけじゃない」というのを聞くと、それはちょっと観てみたいってなります。


■高度化した社会で…人間の葛藤を感じられるのが魅力のひとつ

あっこゴリラが『攻殻機動隊』の「ここがスゴい」と言えるポイントがどこかと尋ねると、2人は作品のメッセージ性や、世界観をわかりやすく見せてくれる説明力のすごさだと回答をした。

SIRUP:人間の描写とか根源的なことを考えさせられたり、自分にも落とし込める。近未来で夢のような話なのに、自分に落とし込める人間の葛藤みたいなのを描いているところです。
NOLOV:オムニバスでいろいろなストーリーが入ってる感じなんです。1本のストーリーというよりは大きな軸のなかで、いろいろな人間たちの群像劇みたいな。自分のなかにある弱い部分がそのまま投影されたようなキャラが出てくるんです。それで「クゥ!」ってなることは確かにあります。
あっこゴリラ:しかも自分のモードによって、そのときは別の人に共感して、違うときは別の人にまたシンパシーを覚えたり?
NOLOV:まさにその通り。それが勇気とか戦いとかそういうことじゃなくて、現代の高度化した技術のなかで我々は生きているじゃないですか。そういうところで生まれる葛藤を感じられるのが『攻殻機動隊』のよさかもしれないです。今で言うとSNSとかね。
あっこゴリラ:なるほど! 興味が出てきた。
NOLOV:『攻殻機動隊』は全然難しくなくて。難しく思おうとしたら難しくなるんですけど、とても親切なんですよ。全部説明されなくてもなんとなくわかるんです。「電脳」や「義体化」は、言葉は難しいけど、観ちゃえば「こういう感じね」みたいなことがアニメのストーリーや絵のなかでニュアンスが全部伝わるんですよ。引っかかりがなく観ていけるんです。当たり前のようにキャラがどんどん出てくるんですが、そいつらのことをなんとなく観ていくうちに知っていくんです。観れば全然つまずかずに観られる。これはすごいところですね。新しい用語が出ても全部理解できてしまうという。
あっこゴリラ:観ればわかるってことね。
NOLOV:未来の話だから現実には起こりえない技術の話をするじゃないですか。でも観たら一発でわかる。その作りがすごく素敵ですね、難解ではないです。


■はぐれものが集まる公安9課…スタンドプレイだけど連携するチーム

あっこゴリラは番組に寄せられた、リスナーからの『攻殻機動隊』の魅力について綴られたメッセージを紹介した。

「(攻殻機動隊の魅力は)『電脳技術』という科学的な一面と、SFっぽさや刑事アニメ感が絶妙に入り混じるストーリー性じゃないかな。観たあとに科学と人間の関係性について考えさせられるような作品だった」

NOLOV:とんでもなくいいメッセージが来ましたね、全てを代弁するような。みんなが思い描くようなポリスメンとは違うんです。会社的に上の指示をちゃんとあおいで、許可が出るまで待つとかもあるんです。パワーバランスの描写もたくさんあるんです。
SIRUP:公安9課はそれぞれの“はぐれもの”同士が集まって力を得たという。
あっこゴリラ:そういうのには私は弱い!
SIRUP:これが奇跡のチームなんですよね。
あっこゴリラ:それがデカいことをやっていこうという感じですよね。
NOLOV:基本的には、はぐれものたちのスタンドプレイで戦うんです。だからチーム内で「それを仕込んでいたの知らなかった」とかが全然あるんです。目的を達成するために全員が全力でスタンドプレイをする。それが結果的に一番いい化学反応を起こすチームが公安9課なんです。
あっこゴリラ:超いい話。まさにバラバラで連帯ってやつでしょ? めちゃめちゃいいじゃないですか。多様性ってやつですよね。
NOLOV:全員が責任感を持ってますから。
あっこゴリラ:個人主義であって多様性を認め合うということですよね。
NOLOV:チームのメンバーをとても信頼しているんですよ。「あいつならやる」っていう前提で全部を行っていくので、観ていて気持ちいいんですよね。「いいチームだな」って。
あっこゴリラ:それ、すごくいいじゃないですか。グッとくる。
SIRUP:草薙素子という主人公は9課の隊長みたいな感じなんですけど、素子の口車に乗せられて、事件を解決してから「あのときのあれは、あれだったのか」みたいなこともあるんです。
NOLOV:そうなんです、あれがいいんですよね。
SIRUP:そういうのでハートウォーミングになるときもあって。
NOLOV:間違いない。とても魅力的なチームなので、観ていくうちに自分のなかでチーム内で「この人一番好きだな」が出てくるんです。
あっこゴリラ:それはいいね!
NOLOV:プロフェッショナル集団なんですけど、トグサっていうキャラクターはある意味、視聴者目線というか。そいつだけは他のプロフェッショナルたちに対してちょっとだけ新人っぽい扱いを受けるんですよ。しかも義体化している割合がとても少ないので、いちばん“人間”なんですよ。
あっこゴリラ:おお、いいね!
SIRUP:我々と同じような視線から観ているようなキャラクターなんです。
NOLOV:まあまあメンタルが弱かったりするんですよ。
あっこゴリラ:いいね! 『ワンピース』で言うところのウソップ的なポジションということですよね。『ドラゴンボール』のクリリン。
SIRUP:トグサが強くなっていっている感じもあるんですよ。
あっこゴリラ:確かに全員が天才の集団だとちょっと近寄れなくなっちゃうんだけど、そういうのがあると「観たいな」となってきます。


■導入におすすめは『STAND ALONE COMPLEX』シリーズ

あっこゴリラは複数ある『攻殻機動隊』のシリーズのなかで、どの作品が好きなのかと尋ねると、2人の回答は同じだった。

SIRUP:正直、我々がずっと語っているのは『STAND ALONE COMPLEX』というシリーズからなんです。現代社会に通じるような社会問題を題材にしているようにも感じるという。
NOLOV:あっこさんは1作目の『GHOST IN THE SHELL』の映画のほうのイメージが強いのかなと思って。簡単に入って楽しめるかというと、ちょっと難しくて。『STAND ALONE COMPLEX』のシリーズは入っちゃえばすごく早いんです。
あっこゴリラ:『攻殻機動隊』の場合は『GHOST IN THE SHELL』を飛ばして『STAND ALONE COMPLEX』から観てもいいの?
NOLOV:全然大丈夫です。
あっこゴリラ:ストーリー仕立てではなくオムニバスだから?
NOLOV:一応大枠でストーリーはあるんですよ。ただ、ところどころオムニバスで1話完結みたいなのがあったりするシリーズではあります。
あっこゴリラ:だったらその『STAND ALONE COMPLEX』から観たい。それはどこで観られるんですか?
NOLOV:Netflixで。
あっこゴリラ:マジ!? 観よう。
SIRUP:常田大希くんが主題歌を担当した新しいシリーズの『攻殻機動隊 SAC_2045』の「SAC」が『STAND ALONE COMPLEX』の略なんです。
あっこゴリラ:そっか、それの2045年バージョンということ?
NOLOV:時系列がそうなっているってことですね。


■『攻殻機動隊』の根底に流れるテーマ

SIRUPとNOLOVは作品の根底にあるテーマや、作品を彩るキャラクター「タチコマ」についても語った。

SIRUP:シリーズには「頭にも機械が入って、体も義体化していて、じゃあ人間である定義はなんなのか」というのが、テーマとしてずっとあるんです。これがけっこう好きで、確かにそういう「自分とはなんなのか?」という発想は、リアルにこの時代にある。
NOLOV:心や魂のことを作中ではゴーストって呼んでいるんです。『GHOST IN THE SHELL』の「ゴースト」は、そういうことなんです。
SIRUP:結局、機械とかハイテクの話ということではなくて、ずっと人間の話なんです。

視聴者からは、『STAND ALONE COMPLEX』シリーズに登場する、公安9課が保有する人工知能を搭載した思考戦車「タチコマ」に関するメッセージが寄せられた。

「僕は『攻殻機動隊』の新規ファンです。新規ながらも好きなシーンは、タチコマたちが(童謡「手のひらを太陽に」の)『ぼくらはみんな生きている』と合唱しながら日本を救うために自爆するシーンです。作中を通してかわいらしいタチコマが自爆するシーンは涙が出るほど名シーンです。タチコマは現在のAIのあり方について考えさせられる存在です」

あっこゴリラ:こんなシーンがあるんだ!?
SIRUP:タチコマはとてもチャーミングなキャラクターなんですよ。
NOLOV:一緒に暮らしたいって思っちゃう。
あっこゴリラ:『手のひらを太陽に』を合唱しながら自爆するの?
NOLOV:でも、彼らには悲壮感はあんまりないんですよね。AIだから死という概念がそんなに重くなくて。
SIRUP:自分の自我を別の場所に保存したりできるので。そういうあいまいな感じが、タチコマという存在自体がゴーストの問題定義みたいな存在であったりとかもするんです。
あっこゴリラ:すごく私、観たくなりましたよ。しかも好きそう。今観たほうがよさそうなテーマが詰まった作品なんだなと思いました。


■3DCGのバトルシーンも見どころな『攻殻機動隊 SAC_2045』

話題は最新シリーズの『攻殻機動隊 SAC_2045』に。

【『攻殻機動隊 SAC_2045』ストーリー】



2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。

内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊”が組織される――。
『攻殻機動隊 SAC_2045』公式サイトより


あっこゴリラ:『攻殻機動隊 SAC_2045』は最高?
NOLOV:めっちゃよかったです。
SIRUP:前半は今までよりもバトルシーンがメインというか。そういう攻め気味の感じです。
NOLOV:今回は全部3DCGなんです。これまでは、いわゆるアニメーションの感じだったんですけど、今回から3DCGで、最初は「俺が今まで観ていた感じと違うから、ちょっと観づらいかも」って思ったんです。でも段々と目が慣れてきて「この感じの攻殻ありだな」ってなってきて、全然違和感なく観られてる。今までが好きな人ほど3DCGのところでつまずくかもと思ったりしたんですけど、入っちゃえばお話の流れは『STAND ALONE COMPLEX』の感じなので、グッとくることも多くて「うまい引きするなあ」とかあるんですよ。
あっこゴリラ:入っちゃえばジェットコースターに乗るだけだよっていう。
NOLOV:なにより今回の新シリーズは、入り口をすごく広くしてくれている気がするんです。これまでのシリーズは日本が舞台なので「都市」っていう感じだったんですけど、『攻殻機動隊 SAC_2045』の第1話の最初のところから、アメリカの西海岸みたいな感じなんです。
SIRUP:荒野みたいなところからね。
NOLOV:ものすごくカラッとしていて初めての感じだったんですけど、観ているとバトルシーンから始まるので気持ちいいんですよ。「スゲー!」みたいな。2話、3話とやっていくにつれて、じわじわといつもの『STAND ALONE COMPLEX』にグッと戻して来るんです、気づいたときには虜になっているというか。これはうまいなと思って。
SIRUP:さっき言っていたトグサさんが、今回すごくいいんですよ。
NOLOV:相当いいですね。
あっこゴリラ:ちょっと3DCGが近寄りがたいなという人も、これを機にぜひチェックしてみてください。

2人のプレゼンを訊いたあっこゴリラはかなり興味を持ったようで「絶対観たいと思います」とコメントして話を締めくくっていた。

J-WAVE『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR FREAKS」では、"あるモノコト"のフリークなアーティストが集まり、熱いトークを展開する。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-23時55分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
  • 当コメント欄はJ-WAVE NEWSスタッフが確認後公開いたします。
  • コメント投稿いただくにはログイン/会員登録(無料)が必要です。
  • J-me会員の方は登録不要です。
  • 必ずニックネーム(3文字以上)を指定してください。

コメント投稿いただくには
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン