J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「FEATURE FOCUS」。2月14日(金)のオンエアでは、「第92回アカデミー賞授賞式」を、ハリウッド外国人記者クラブの会員で、ゴールデングローブ賞への投票権を持つ日本人記者・中島由紀子さんが振り返った。
■『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞主要4部門を受賞
「第92回アカデミー賞」では、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が主要4部門を制した。受賞時の反響を中島さんが振り返った。
中島:『パラサイト』の受賞を、現地のみんなが大喜びしています。若い世代から支持を得ているというのは確かですね。11月に公開された作品としては、そこまで興行成績がふるわなかったし、英語ではないので字幕付きで鑑賞する映画でもありましたが、それらを乗り越えた結果となりました。ストーリーがウケたんですね。
カビラ:アカデミー賞の予想サイトや現地のメディア、そして映画ビジネスに近しい人たちは、今回の受賞は当然という反応だったそうですね。映画鑑賞を純粋に楽しむ一般の方々の反応はいかがでしたか。
中島:若い人たちからの支持は厚かったようです。40代前半ぐらいまでの人たちからは「これしかない」という反応でした。作品の感想を求めると「最高」「一番好きな作品」という意見がパッと出るんですよ。
カビラ:この数年でアカデミー賞の投票員も大きく変わってきているそうですね。半数が女性だったり、2割近くが白人ではない方だったりを招き入れている。マイノリティの方を入れたことで、投票の動向が変わりつつあるのでしょうか?
中島:確実にそうですね。アカデミー内部の努力や、作品のテーマである「貧富の差」という世界共通の話題も相まって、タイミングが全部一致したように思いました。
カビラ:韓国では、国をあげて海外向けの映画制作に協力的と聞きました。こうした動向が実を結んだ部分もあるんでしょうか。
中島:アメリカで映画を公開・宣伝するって、ものすごくお金がかかるんです。すごくいい外国映画があっても、宣伝できないから伝わらないということが今までたくさんありました。『パラサイト』は作品の魅力もありますが、そのほかすべての力も実を結んだように思います。
■英語以外の言語の作品…今後を分析
英語以外の言語の作品が、アカデミー賞作品賞を受賞したのは『パラサイト』が初めてだ。今後のアカデミー賞では、英語以外の映画にも注目が集まるのだろうか。
中島:海外で映画を作っている人たちには、大きな励みになったと思います。しかし、現地の新聞や記事を読んでいると、今回のケースはさまざまな要素がうまく噛み合って実現できたという認識のようです。『パラサイト』のような作品が輩出される水準になるには、20年はかかるだろうという見解のようです。
カビラ:こうした流れがスタンダードになると捉えるのは時期尚早ということなんですね。
中島:私もそう思いますし、映画関係者も同様の考えをお持ちですね。
今後の映画界の流れにも注目したい。
映画『パラサイト 半地下の家族』
全国大ヒット上映中
出演: ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ 音楽:チョン・ジェイル
提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks /配給:ビターズ・エンド
ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED /2019 年/韓国/132 分/PG-12/2.35:1/英題:PARASITE/原題:GISAENGCHUNG/ www.parasite-mv.jp
「FEATURE FOCUS」のコーナーでは、日本、そして世界で進行形のニュースの当事者、もしくはその事情通に生電話をおこなう。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年2月21日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/
■『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞主要4部門を受賞
「第92回アカデミー賞」では、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が主要4部門を制した。受賞時の反響を中島さんが振り返った。
中島:『パラサイト』の受賞を、現地のみんなが大喜びしています。若い世代から支持を得ているというのは確かですね。11月に公開された作品としては、そこまで興行成績がふるわなかったし、英語ではないので字幕付きで鑑賞する映画でもありましたが、それらを乗り越えた結果となりました。ストーリーがウケたんですね。
カビラ:アカデミー賞の予想サイトや現地のメディア、そして映画ビジネスに近しい人たちは、今回の受賞は当然という反応だったそうですね。映画鑑賞を純粋に楽しむ一般の方々の反応はいかがでしたか。
中島:若い人たちからの支持は厚かったようです。40代前半ぐらいまでの人たちからは「これしかない」という反応でした。作品の感想を求めると「最高」「一番好きな作品」という意見がパッと出るんですよ。
カビラ:この数年でアカデミー賞の投票員も大きく変わってきているそうですね。半数が女性だったり、2割近くが白人ではない方だったりを招き入れている。マイノリティの方を入れたことで、投票の動向が変わりつつあるのでしょうか?
中島:確実にそうですね。アカデミー内部の努力や、作品のテーマである「貧富の差」という世界共通の話題も相まって、タイミングが全部一致したように思いました。
カビラ:韓国では、国をあげて海外向けの映画制作に協力的と聞きました。こうした動向が実を結んだ部分もあるんでしょうか。
中島:アメリカで映画を公開・宣伝するって、ものすごくお金がかかるんです。すごくいい外国映画があっても、宣伝できないから伝わらないということが今までたくさんありました。『パラサイト』は作品の魅力もありますが、そのほかすべての力も実を結んだように思います。
■英語以外の言語の作品…今後を分析
英語以外の言語の作品が、アカデミー賞作品賞を受賞したのは『パラサイト』が初めてだ。今後のアカデミー賞では、英語以外の映画にも注目が集まるのだろうか。
中島:海外で映画を作っている人たちには、大きな励みになったと思います。しかし、現地の新聞や記事を読んでいると、今回のケースはさまざまな要素がうまく噛み合って実現できたという認識のようです。『パラサイト』のような作品が輩出される水準になるには、20年はかかるだろうという見解のようです。
カビラ:こうした流れがスタンダードになると捉えるのは時期尚早ということなんですね。
中島:私もそう思いますし、映画関係者も同様の考えをお持ちですね。
今後の映画界の流れにも注目したい。
映画『パラサイト 半地下の家族』
全国大ヒット上映中
出演: ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ 音楽:チョン・ジェイル
提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks /配給:ビターズ・エンド
ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED /2019 年/韓国/132 分/PG-12/2.35:1/英題:PARASITE/原題:GISAENGCHUNG/ www.parasite-mv.jp
「FEATURE FOCUS」のコーナーでは、日本、そして世界で進行形のニュースの当事者、もしくはその事情通に生電話をおこなう。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年2月21日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/