日本のビジネスパーソンは"意識低い系"である――そんな特徴が、アンケート調査によって明らかになった。J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」でお届けした。10月21日(月)のオンエア。
【10月21日(月)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
■日本のビジネスパーソンは"意識低い系"!?
日本を含むアジア太平洋地域(APAC)14の国・地域における就業実態・成長意識に関するインターネット調査を、株式会社パーソル総合研究所が実施した。国際比較によると、日本は上昇志向が低く、管理職志向も調査国の中で最下位であることが明らかになった。
番組では、その実態に迫るべくパーソル総合研究所の取締役副社長・櫻井功さんを招き、話を訊いた。日本人は努力家というイメージもあるが、本人の自主的な努力や上昇志向に関するアンケート項目では、最下位の得点となってしまったそうだ。櫻井さんは、「雇用の仕組みが本人の努力を引き出すようなものになっていないのでは」と見解を示した。
また、女性上司や年下上司、外国人雇用に対する意識項目でもダイバーシティ受容度の低さが露呈。これに対して櫻井さんは、これまで培われた年功序列や男性中心の社会などの日本風土が影響しているのではないか、とした。そして、日本とは反対に「はたらく意識」が高い国についても言及。
櫻井:押し並べて得点が高いのは、やはり東南アジアのタイやベトナムなどの成長している国です。これは、国のGDPの成長率とけっこう相関していて、仕事や成長に対する思いはそこと関係していると見えてきています。
サッシャ:じゃあ逆に言うと日本は成熟した社会になっていることですか?
櫻井:ある意味、それは言えると思います。ただ、あまりに低いですけれどね。
■"意識の低さ"にある原因・背景とは?
こういった日本人の「はたらく意識」の低さにある原因や背景は何なのだろうか。櫻井さんはこう分析する。
櫻井:ひとつの原因に帰結させるのは難しいですが、個人的には、勤続年数、年齢に準拠して賃金や昇格を決める"日本型雇用"が背景になっているのではないかと考えます。大企業ではまだまだ中心的な仕組みになっていますよね。出世意欲について言うと、例えば今の日本企業には"10年経たないと課長になれない"みたいなことが不文律としてあるわけですね。でも、日本は過去20年、欧米諸国に比べて賃金が上昇していません。課長になったところで賃金は増えないし、責任は増すのに権限がついてこないという環境下において、がんばって出世したいと思うでしょうか。それなら、優秀な人であれば、海外の大学に行ったり、起業したりといった道を選ぶのでは。
増井:がんばっても割りに合わないなら、そこそこでいいかな、という。
櫻井:そうですね。学習意欲に関しても、自分が一生懸命学習してスキルを身につけたところで、どんどん出世していくわけではない。一方で日本の雇用制度は、従業員をなかなか解雇しにくい制度になっているので、そうなると何もしなくても解雇はされない。そういう悪い循環になってしまっているんじゃないかな、というのが私の感想です。
話を聞いたサッシャは「日本人はもともと、"ひたむきな努力"が得意ではありますよね。それがもっと活かされる環境になるべきかな」と、自身の考えをコメント。
櫻井:そうですね。でも一方で、人間は怠惰な生き物です。環境の中で最大限の効用をはかるのが人間の生き方でしょうから、今の仕組みの中では、有利な戦い方になってしまっているのかもしれません。
サッシャ:ある意味、今の仕組みに賢く順応していると。
櫻井:そうです。上昇志向のある人たちがガンガン上がっていける仕組みになれば、今おっしゃったような、日本人のいい面がプラスに出てくると思います。
今後の日本を考えると、「はたらく」意識が低いままではいけないと、櫻井さんは言う。
櫻井:今、我々は未曾有の人手不足に突入しています。労働人口が減っていく中で、どうやって労働生産性を高めて、今までのように欧米諸国あるいはアジアの国々と戦っていくのか。そう考えたら、一人一人が意欲高く、アウトプットしていかなくてはいかない社会になっている。また、国は今、外国人の採用を増やそうとしています。彼らが日本で意欲高く、長い間働いてもらうためには、日本自身が変わらなければどうしようもないと思いますね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側に光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
【10月21日(月)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
■日本のビジネスパーソンは"意識低い系"!?
日本を含むアジア太平洋地域(APAC)14の国・地域における就業実態・成長意識に関するインターネット調査を、株式会社パーソル総合研究所が実施した。国際比較によると、日本は上昇志向が低く、管理職志向も調査国の中で最下位であることが明らかになった。
番組では、その実態に迫るべくパーソル総合研究所の取締役副社長・櫻井功さんを招き、話を訊いた。日本人は努力家というイメージもあるが、本人の自主的な努力や上昇志向に関するアンケート項目では、最下位の得点となってしまったそうだ。櫻井さんは、「雇用の仕組みが本人の努力を引き出すようなものになっていないのでは」と見解を示した。
また、女性上司や年下上司、外国人雇用に対する意識項目でもダイバーシティ受容度の低さが露呈。これに対して櫻井さんは、これまで培われた年功序列や男性中心の社会などの日本風土が影響しているのではないか、とした。そして、日本とは反対に「はたらく意識」が高い国についても言及。
櫻井:押し並べて得点が高いのは、やはり東南アジアのタイやベトナムなどの成長している国です。これは、国のGDPの成長率とけっこう相関していて、仕事や成長に対する思いはそこと関係していると見えてきています。
サッシャ:じゃあ逆に言うと日本は成熟した社会になっていることですか?
櫻井:ある意味、それは言えると思います。ただ、あまりに低いですけれどね。
■"意識の低さ"にある原因・背景とは?
こういった日本人の「はたらく意識」の低さにある原因や背景は何なのだろうか。櫻井さんはこう分析する。
櫻井:ひとつの原因に帰結させるのは難しいですが、個人的には、勤続年数、年齢に準拠して賃金や昇格を決める"日本型雇用"が背景になっているのではないかと考えます。大企業ではまだまだ中心的な仕組みになっていますよね。出世意欲について言うと、例えば今の日本企業には"10年経たないと課長になれない"みたいなことが不文律としてあるわけですね。でも、日本は過去20年、欧米諸国に比べて賃金が上昇していません。課長になったところで賃金は増えないし、責任は増すのに権限がついてこないという環境下において、がんばって出世したいと思うでしょうか。それなら、優秀な人であれば、海外の大学に行ったり、起業したりといった道を選ぶのでは。
増井:がんばっても割りに合わないなら、そこそこでいいかな、という。
櫻井:そうですね。学習意欲に関しても、自分が一生懸命学習してスキルを身につけたところで、どんどん出世していくわけではない。一方で日本の雇用制度は、従業員をなかなか解雇しにくい制度になっているので、そうなると何もしなくても解雇はされない。そういう悪い循環になってしまっているんじゃないかな、というのが私の感想です。
話を聞いたサッシャは「日本人はもともと、"ひたむきな努力"が得意ではありますよね。それがもっと活かされる環境になるべきかな」と、自身の考えをコメント。
櫻井:そうですね。でも一方で、人間は怠惰な生き物です。環境の中で最大限の効用をはかるのが人間の生き方でしょうから、今の仕組みの中では、有利な戦い方になってしまっているのかもしれません。
サッシャ:ある意味、今の仕組みに賢く順応していると。
櫻井:そうです。上昇志向のある人たちがガンガン上がっていける仕組みになれば、今おっしゃったような、日本人のいい面がプラスに出てくると思います。
今後の日本を考えると、「はたらく」意識が低いままではいけないと、櫻井さんは言う。
櫻井:今、我々は未曾有の人手不足に突入しています。労働人口が減っていく中で、どうやって労働生産性を高めて、今までのように欧米諸国あるいはアジアの国々と戦っていくのか。そう考えたら、一人一人が意欲高く、アウトプットしていかなくてはいかない社会になっている。また、国は今、外国人の採用を増やそうとしています。彼らが日本で意欲高く、長い間働いてもらうためには、日本自身が変わらなければどうしようもないと思いますね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側に光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お楽しみに。
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone