J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、様々な旬のトピックを週替わりで4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。今週は夏の特別企画として、リスナーからの音楽に関する疑問を人気ミュージシャンや音楽プロデューサーなど、専門家たちが解説。
特集1日目となる8月26日(月)オンエアでは、「音楽のジャンルはどういう基準で分けられているのでしょうか? さまざまな音楽を聴くことで、どのジャンルかすぐにわかるようになるものですか?」というリスナーからの質問を紹介した。回答者は音楽ジャーナリスト・柴 那典。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月2日28時59分まで)
■音楽ジャーナリスト・柴 那典の回答
あっこゴリラは、音楽ジャンルは「知ると面白い部分もあるけれど、とらわれ過ぎなくてもいいかなと思います。両方の感覚をもっているといい」と話す。柴もこれに賛同し、「いちばんカッコ悪いのは、音楽を聴いて(ジャンルにこだわって)『これは○○じゃない』みたいな言い方をすることだと思っている」とも。
そして「いろんな音楽を聴くことでジャンルがわかるようになるか」という質問には以下のように答えた。
柴:わかるようになると思います。いろんな音楽を聴くと、その曲のジャンルがだいたい「これはこんな感じかな」とわかるようになっていく。今ストリーミングサービスにはプレイリストがありますよね。たとえばロックにしてもヒップホップにしても、いろいろと細かいジャンルに分かれています。それを聴いているとだいたい共通している特徴、たとえば使っている楽器とか音の鳴らし方とか、そういう特徴で「エレクトロはこんな感じなんだな」とか、だんだんわかってきます。
しかし、音楽ジャンルには「これが正解」という基準はないため、柴自身も日々新しい曲を聴いて学んでいると話す。
あっこゴリラ:流動的ですもんね。時代によって進化していくし。
柴:そうなんですよ。だから「基準」とか「分ける」とか、そういう考え方をしなくてもいいのかなって思うんですよね。
あっこゴリラ:私もそう思います。
柴:ジャンルって何に役立つかというと、たとえばテクノとハウスの違いがわかれば「ちょっとテクノっぽいよね」とか「この曲が好きだったらテクノっぽいこのアーティストも好きなんじゃない?」みたいに、音楽の会話が広がりやすい。そこがジャンルのすごく有効なところだと思います。
■ジャンルレス化が進んでいる
柴は星野 源を例に、弾き語りのフォークソングもあればR&Bの曲もあるというように、ひとりのアーティストがさまざまなジャンルの音楽を作る、と解説。「この人はこのジャンル」と決めつけられる時代ではなくなってきている。
柴:アメリカで、これまでジャンルがはっきりと分かれていた理由は、ラジオ局にあります。日本のラジオ局では、番組によってさまざまなジャンルの音楽を流しますが、アメリカではロックのラジオ局ではロックしか流さない、ヒップホップのラジオ局ではヒップホップしか流さないと、局ごとにはっきりと分かれているんです。
しかし、最近ではその境界がどんどん崩れている。
柴:今アメリカで記録的なヒットになっているLil Nas Xっていうラッパーは「カントリーラップ」っていう、カントリーの要素もあるしラップでもあるという、今までほとんど融合していなかったジャンルを混ぜ合わせたような人が出てきました。
最後に、「音楽ジャンルを知ることのメリット」を柴に訊いた。
柴:音楽って知識があると心の深いところで握手ができると思うんです。つまり、ただ「いい曲だよね」って言うよりも「○○がいいんだよね」っていう話ができると、好きな音楽を語り合うときにより楽しさが増えると思います。
好きな曲に出会ったら、「ジャンルはなにか」を調べてみると、音楽を聴くのがもっと楽しくなるかもしれない。
次回、特集2日目となる27日(火)のオンエアでは、「ロックとロックンロールの違い」という質問にTHE BAWDIESが答える。時間は23時頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
特集1日目となる8月26日(月)オンエアでは、「音楽のジャンルはどういう基準で分けられているのでしょうか? さまざまな音楽を聴くことで、どのジャンルかすぐにわかるようになるものですか?」というリスナーからの質問を紹介した。回答者は音楽ジャーナリスト・柴 那典。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月2日28時59分まで)
■音楽ジャーナリスト・柴 那典の回答
あっこゴリラは、音楽ジャンルは「知ると面白い部分もあるけれど、とらわれ過ぎなくてもいいかなと思います。両方の感覚をもっているといい」と話す。柴もこれに賛同し、「いちばんカッコ悪いのは、音楽を聴いて(ジャンルにこだわって)『これは○○じゃない』みたいな言い方をすることだと思っている」とも。
そして「いろんな音楽を聴くことでジャンルがわかるようになるか」という質問には以下のように答えた。
柴:わかるようになると思います。いろんな音楽を聴くと、その曲のジャンルがだいたい「これはこんな感じかな」とわかるようになっていく。今ストリーミングサービスにはプレイリストがありますよね。たとえばロックにしてもヒップホップにしても、いろいろと細かいジャンルに分かれています。それを聴いているとだいたい共通している特徴、たとえば使っている楽器とか音の鳴らし方とか、そういう特徴で「エレクトロはこんな感じなんだな」とか、だんだんわかってきます。
しかし、音楽ジャンルには「これが正解」という基準はないため、柴自身も日々新しい曲を聴いて学んでいると話す。
あっこゴリラ:流動的ですもんね。時代によって進化していくし。
柴:そうなんですよ。だから「基準」とか「分ける」とか、そういう考え方をしなくてもいいのかなって思うんですよね。
あっこゴリラ:私もそう思います。
柴:ジャンルって何に役立つかというと、たとえばテクノとハウスの違いがわかれば「ちょっとテクノっぽいよね」とか「この曲が好きだったらテクノっぽいこのアーティストも好きなんじゃない?」みたいに、音楽の会話が広がりやすい。そこがジャンルのすごく有効なところだと思います。
■ジャンルレス化が進んでいる
柴は星野 源を例に、弾き語りのフォークソングもあればR&Bの曲もあるというように、ひとりのアーティストがさまざまなジャンルの音楽を作る、と解説。「この人はこのジャンル」と決めつけられる時代ではなくなってきている。
柴:アメリカで、これまでジャンルがはっきりと分かれていた理由は、ラジオ局にあります。日本のラジオ局では、番組によってさまざまなジャンルの音楽を流しますが、アメリカではロックのラジオ局ではロックしか流さない、ヒップホップのラジオ局ではヒップホップしか流さないと、局ごとにはっきりと分かれているんです。
しかし、最近ではその境界がどんどん崩れている。
柴:今アメリカで記録的なヒットになっているLil Nas Xっていうラッパーは「カントリーラップ」っていう、カントリーの要素もあるしラップでもあるという、今までほとんど融合していなかったジャンルを混ぜ合わせたような人が出てきました。
最後に、「音楽ジャンルを知ることのメリット」を柴に訊いた。
柴:音楽って知識があると心の深いところで握手ができると思うんです。つまり、ただ「いい曲だよね」って言うよりも「○○がいいんだよね」っていう話ができると、好きな音楽を語り合うときにより楽しさが増えると思います。
好きな曲に出会ったら、「ジャンルはなにか」を調べてみると、音楽を聴くのがもっと楽しくなるかもしれない。
次回、特集2日目となる27日(火)のオンエアでは、「ロックとロックンロールの違い」という質問にTHE BAWDIESが答える。時間は23時頃から。
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番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/