音楽プロデューサー・本間昭光が選ぶ、スティングの「色気ダダ漏れ曲」3選

J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げるこの番組。6月22日(土)のオンエアでは、ベーシストとしても高い評価を得ているスティング、そしてポリスを特集。クリス・ペプラーさん、音楽プロデューサー・本間昭光さんをゲストに招き、その魅力に迫りました。


■3人とは思えないようなサウンド感

本間さんがポリスと出会ったのは高校生のとき。アルバム『白いレガッタ』がきっかけでした。

本間:『白いレガッタ』を聴いて「これはなんだ!」と。それでライブに行こうと思ったんですよ。ちょうどそのときが初来日で、当然人気で入れなかったんです。「次に来日したときは絶対に行こう」と思ってて、もう38年前。1981年に観に行きました。もうすごかったです。
グローバー:何が一番すごかったんですか?
本間:当時ロンドンといえばパンクだったじゃないですか。でも彼らは一線を画していたんですよね。ぜんぜん違うサウンドで、「ホワイトレゲエ」という、誰が名付けたのかわからないジャンルで出てきて、サウンドも新しいし、あそこまでハイトーンボイスのバンドっていうのはなかったんですよね。
クリス:そのライブ会場は、どれくらいのキャパだったんですか?
本間:2000人くらいは入っていました。当時はライブ中に観客は立っちゃダメだったんです。でも興奮して立っちゃうのをわかってるから、プロモーターが「立ってもいいけど、椅子には上らないで」と、わざわざ前説するほどの時代でした。

そのときのライブを「信じられないぐらいの大音量だった」と振り返る本間さん。

本間:3人でここまでのパフォーマンスができるんだって。
グローバー:「ここまで」とは、どういう印象でしたか?
本間:ベーシストのスティングがベースの横にシンセサイザーとか置いて効果的に使ったり、ドラマーのスチュアート・コープランドは何を叩いているのかわからないぐらいのバカテクで、ギタリストのアンディ・サマーズも同じようにシンセサイザーを置いていました。だから3人とは思えないようなサウンド感だったんです。


■おっさんにとってはお手本中のお手本

クリスさんはこれまで、3度に渡りスティングにインタビューしています。

クリス:最初に会ったときは、もう50歳を過ぎてたのかなぁ。でも、バキバキなんですよ。体脂肪率もたぶん一桁だろうし、カッコイイし、色気たっぷりだし、才能は凄いじゃないですか。
グローバー:ソロになってからの音もとんでもないですからね。
クリス:僕はインタビューするときに、そんなに相手をリサーチしないんですけど、そのときは勉強しましたね(笑)。
グローバー:クリス・ペプラーが!?
クリス:スティングに「それは面白い質問だね」とか言われると「おお、やった!」みたいな。もう本当に好かれようとしてた(笑)。その甲斐あって3回インタビューできましたね。会うたびに「ハロー、クリス!」とか言ってくれて、嬉しいですね。

なぜ、そこまでスティングに魅了されるのでしょうか。

クリス:実は、僕が惹かれたのはソロになってからなんですよ。ポリスは当然聴いていたけど、追っかけほどではなかった。アルバムで言うと『ブルー・タートルの夢』よりかは、『Nothing Like the Sun』辺りなんです。生き方っていうか、ストイックだし、カッコイイし、でも遊び心もあるし、おっさんにとってはお手本中のお手本ですよね。
グローバー:楽曲で言うと?
クリス:『Fragile』はすごく好きです。人間ってみんな男性の部分と女性の部分があって、その女性らしい部分。例えば『Little Wing』を聴いてもそうだし、男が醸し出す乙女心みたいなのがいちばんキュンとするのかな(笑)。


■なんでこんなに色気があるんだろう

番組の後半では、本間さんが選ぶ「大人の男スティングの色気ダダ漏れ曲」TOP3を紹介しました。

3位:We'll Be Together

本間:これは自分の声もさることながら、女性コーラスの使い方がめちゃめちゃ上手いんです。それまでのシャウトしている部分に呼応するように女性コーラスがくることで、やりとりになってる感じなんです。

2位:Englishman In New York

本間:これはトータルの色気ですね。歌い方もそうですし、歌詞もそうですし。サウンドが途中で驚きの変遷をみせるじゃないですか。あのアイデアとかも「どこからきたのかな」って。これも、声がかすれているんです。大体かすれているんですけど、それがいいんですよね。

1位:Roxanne

本間:これも「かすれ」ですね。かすれの美学。なんでこんなに色気があるんだろうって思って、高校生のときにわけのわからない魅力を感じたんです。実際ライブでこれを聴いたら、すごかったですよ。「こんな人がいるんだ」って。虜でしたね。色気のある声があるからこの演奏が引き立つんだけど、どっちも負けていないんです。演奏もいい、歌もいい、でも僕としてはやっぱり声の魅力が勝っていて、40年経っても未だに忘れられないライブ体験です。

スティング、そしてポリスの魅力を熱く語り合ったオンエアでした。次回6月29日(土)の放送でも、引き続き特集します。どうぞお楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:毎週土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/

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