刺激に敏感で、周囲からの刺激を過度に受け取ってしまう人を指す「HSP(Highly Sensitive Person)」が話題になっています。病気や障害ではなく気質のひとつで、5人に1人はHSPだと言われています。日本で数少ないHSP専門カウンセラーの武田友紀さんにお話を伺いました。
【5月31日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190531163948
■人が気づかないことに気づく性質
HSPはアメリカの心理学者が提唱した概念です。1996年にHSPに関する本がアメリカで出版され、日本では2000年に翻訳されたと、武田さんは説明します。武田さん自身もHSPであることを公表しています。自分がそうだと気づいたきっかけは?
武田:もともとはメーカーで商品開発をする会社員だったんですけど、同僚が気づかないことにすごく気づくんです。「前の人が使っていた実験器具の設定が間違っていたけど大丈夫かな?」とか。気づいたこと全部に対応しようとして疲れて休職したんです。
渡部:そこで「これはなんなんだ」と思ったわけですか?
武田:「何で私だけなんだろう?」と思ってHSPに関する本を読んだときに、「これだったんだな」と思いました。
渡部:自覚してからはポジティブに捉えられるようになりましたか?
武田:自覚したことで対処ができるようになりました。
HSPの気質がある人は感じる力が強く、瞬時にいろいろなことを深く考える特徴があるそう。武田さんはHSPによってどんなことで苦労をしてきたのでしょうか。
武田:周りの人のニーズをすごく察知するので、相手のニーズに応えているうちに自分がどうしたいのかが置き去りになってしまうことがあります。
渡部:「気遣い」と近い感じですかね?
武田:気遣いが最初からものすごく上手にできてしまうという感じです。
■他の人とすれ違ってしまう
HSP専門カウンセラーとして活動する武田さん。カウンセリングでよく聞く悩みやHSPの人が陥りやすい状況などについて訊きました。
武田:陥りやすい状況としては、他の人とすれ違ってしまうということがあります。たとえば、周りの人に「私だったらもう少し言い方に気をつけるのになんであんな言い方をするんだろう」とか思ってしまいます。繊細な人は、相手がどういう人かなどをよく観察していますし、いろんなことに配慮して行動するのですが、そうじゃない人はそこまで考えずに行動するんです。
渡部:ガサツな人が羨ましく見えるみたいな。なんでこんなに無神経に生きられるんだみたいなね(笑)。
武田:そうですね(笑)。配慮してもらえなかったと思ったときに「嫌われているんじゃないか」と気を揉んでしまうんです。でも、「単にそういうところに気付かないんだろう」「自分とは感覚が違うのだろう」と思えれば、そこまで振り回されずに済みます。
他にも、「仕事に時間がかかってしまう」「周りの人がなぜ気づかないのかわからない」などの悩み相談が多いそうです。
■自分の本音を大事にすると楽になる
渡部は「こういう繊細な感性を大切にしながら楽に生きるのがベストだと思う」と話します。そうするための方法はあるのでしょうか。
武田:周りの人より気づいてしまう。その上で気づいたことに対処するかどうかは自分で決めることが大切です。全部に対処していると自分が置いてけぼりになってしまうので、気づいたけどその仕事をどうするかとか相手にどこまで配慮するかは、自分で選ぶことが必要です。
渡部:人間関係ではどんなことができますか?
武田:「みんなと仲良くしたほうがいいよね」と思うあまり、苦手な人に近づいちゃったりするんです。そうしたほうがいいこともありますが、苦手な人とはちょっと距離をとるとか自分の本音を大事にすると楽になります。
渡部:繊細さを活かした技術や仕事はありますか?
武田:相手に配慮しながら深い部分まで受け取って話を聞けるので、話を聞くのが上手な方が多いです。いろんなことに気づくので、「この仕事はもっとこうしたほうがいいよ」とクオリティを上げるのが得意な方も多いです。
武田さんの著書『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)が発売中です。興味を持った方は、ぜひ手に取ってみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
【5月31日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190531163948
■人が気づかないことに気づく性質
HSPはアメリカの心理学者が提唱した概念です。1996年にHSPに関する本がアメリカで出版され、日本では2000年に翻訳されたと、武田さんは説明します。武田さん自身もHSPであることを公表しています。自分がそうだと気づいたきっかけは?
武田:もともとはメーカーで商品開発をする会社員だったんですけど、同僚が気づかないことにすごく気づくんです。「前の人が使っていた実験器具の設定が間違っていたけど大丈夫かな?」とか。気づいたこと全部に対応しようとして疲れて休職したんです。
渡部:そこで「これはなんなんだ」と思ったわけですか?
武田:「何で私だけなんだろう?」と思ってHSPに関する本を読んだときに、「これだったんだな」と思いました。
渡部:自覚してからはポジティブに捉えられるようになりましたか?
武田:自覚したことで対処ができるようになりました。
HSPの気質がある人は感じる力が強く、瞬時にいろいろなことを深く考える特徴があるそう。武田さんはHSPによってどんなことで苦労をしてきたのでしょうか。
武田:周りの人のニーズをすごく察知するので、相手のニーズに応えているうちに自分がどうしたいのかが置き去りになってしまうことがあります。
渡部:「気遣い」と近い感じですかね?
武田:気遣いが最初からものすごく上手にできてしまうという感じです。
■他の人とすれ違ってしまう
HSP専門カウンセラーとして活動する武田さん。カウンセリングでよく聞く悩みやHSPの人が陥りやすい状況などについて訊きました。
武田:陥りやすい状況としては、他の人とすれ違ってしまうということがあります。たとえば、周りの人に「私だったらもう少し言い方に気をつけるのになんであんな言い方をするんだろう」とか思ってしまいます。繊細な人は、相手がどういう人かなどをよく観察していますし、いろんなことに配慮して行動するのですが、そうじゃない人はそこまで考えずに行動するんです。
渡部:ガサツな人が羨ましく見えるみたいな。なんでこんなに無神経に生きられるんだみたいなね(笑)。
武田:そうですね(笑)。配慮してもらえなかったと思ったときに「嫌われているんじゃないか」と気を揉んでしまうんです。でも、「単にそういうところに気付かないんだろう」「自分とは感覚が違うのだろう」と思えれば、そこまで振り回されずに済みます。
他にも、「仕事に時間がかかってしまう」「周りの人がなぜ気づかないのかわからない」などの悩み相談が多いそうです。
■自分の本音を大事にすると楽になる
渡部は「こういう繊細な感性を大切にしながら楽に生きるのがベストだと思う」と話します。そうするための方法はあるのでしょうか。
武田:周りの人より気づいてしまう。その上で気づいたことに対処するかどうかは自分で決めることが大切です。全部に対処していると自分が置いてけぼりになってしまうので、気づいたけどその仕事をどうするかとか相手にどこまで配慮するかは、自分で選ぶことが必要です。
渡部:人間関係ではどんなことができますか?
武田:「みんなと仲良くしたほうがいいよね」と思うあまり、苦手な人に近づいちゃったりするんです。そうしたほうがいいこともありますが、苦手な人とはちょっと距離をとるとか自分の本音を大事にすると楽になります。
渡部:繊細さを活かした技術や仕事はありますか?
武田:相手に配慮しながら深い部分まで受け取って話を聞けるので、話を聞くのが上手な方が多いです。いろんなことに気づくので、「この仕事はもっとこうしたほうがいいよ」とクオリティを上げるのが得意な方も多いです。
武田さんの著書『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)が発売中です。興味を持った方は、ぜひ手に取ってみてください!
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番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/