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「隠れ残業」が増えるケースも…働き方改革関連法の施行で何が変わるのか

「働き方改革関連法」が4月1日(月)に施行。いったい、何が変わるのでしょうか。朝日小学生新聞、朝日中高生新聞の編集長・別府 薫さんに解説していただきました。

【3月29日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190329164128

■「働き方改革関連法」で変わるポイント

「働き方改革関連法」は、労働者を守るための法律をいくつか改正してできたものです。 時代とともに社会が変わると、働く人たちを法律で守るための環境を整える必要が出てきます。例えば、女性の社会進出が進んだ1980年代には、「男女雇用機会均等法」ができました。「働き方改革関連法」は、長時間労働などで命を落としてしまう人を守るために生まれたのです。

渡部:具体的には、何がどのように変わるのでしょうか?
別府:ひとつは長時間労働を減らすことです。過労死につながるような長時間労働は日本の大きな問題です。これまでは、事実上労働時間をいくらでも伸ばせるような仕組みだったんですけど、これを初めて法律で規制して、違反した企業にはペナルティを課すことが始まります。
渡部:労働時間はどのくらいになるんですか?
別府:残業は月45時間。忙しい月でも100時間未満でなくてはならない、となりました。
渡部:有給はどうなりますか?
別府:最低でも5日は消化するように求められます。

そしてもうひとつの変化は、「同一労働同一賃金」が進められることです。

別府:同じ働きをする人には、同じ待遇で報いなくてはいけません、という考え方です。今の会社では、正社員だけでなく契約社員とかパートとか派遣労働とか、いろんな立場で働いてる方がいます。そういう方は、正社員と待遇の面で大きな差があるので、これを縮めていこうという狙いです。

大きな変化は、「高度プロフェッショナル制度」という新しい仕組みが取り入れられることです。

別府:説明したふたつは、規制を強めて働く人を守ろうという考え方なんですけど、「高度プロフェッショナル制度」は逆に規制を緩めていこうという制度です。
渡部:なぜですか?
別府:たとえば、金融商品を開発する人とか、専門的な職に就いている人たち、年間の収入が1075万円以上という人たちに対して当てはまるんです。長時間労働を防ぐルールの対象から外そうとなっているんです。働いた時間ではなく成果で報酬を得る人ですね。


■若い世代が社会を変えていく

「働き方改革関連法」の施行を目前にして、現段階でなにか問題は起きているのでしょうか。

別府:実際に働いた残業時間よりも少なめに申告するという「隠れ残業」があります。
渡部:そうなっちゃいますよね。
別府:そうした問題はまだあります。企業側も働く環境が整っていないと、優秀な人材が集まってこないですよね。だから、在宅勤務制度とかフレックスタイム制とか、さまざまな働き方をする人が、働きやすい制度を整えている会社も出てきています。

別府さんが編集長を務める、朝日小学生新聞や朝日中高生新聞の読者である若い世代は、働き方に対しての考え方が変わってきていると別府さん。

別府:私が中高生の頃は、女子だけが家庭科の授業を受けていました。それが1990年代の始めに、男女一緒に受けるようになったんです。その世代が子育てをする世代に差し掛かっているんです。だから、昔とは考え方も変わってきているんじゃないかと思います。
渡部:なるほど。
別府:難関私立校と言われるような男子校でも、家庭科の授業で離乳食の試食をしたり、赤ちゃんを教室に招いて抱っこしたりという授業があります。
渡部:えー! その授業を受けたかった。
別府:そういう世代はパートナーと一緒に子育てをしつつ、自分の時間も大切にしながら過ごす未来を想像しやすいんじゃないかなって思うんです。

最後に別府さんは、「長時間労働や格差の是正はそう簡単に解決する問題ではないと思いますが、考え方の変わった若い世代が社会を変えていく力になる」と未来への期待を明かしました。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

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