J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。2月9日(土)のオンエアでは、2017年に世界3大レースの1つである「インディ500」で日本人初の優勝を果たしたレーシングドライバーの佐藤琢磨さんが登場。レーシングドライバーになったきっかけや、忘れられない島について教えてくれました。
■自転車に乗って団地のコーナーを攻める少年
まずは、モータースポーツに興味を持ったきっかけを訊きました。
佐藤:男の子って小さいときはミニカーが好きじゃないですか。僕は車輪がついて転がるものには、とてつもない興味を示していて、物心がつくころには車が大好きだったんです。ただ、レースの世界は知りませんでした。
そして佐藤さんが10歳のころ、鈴鹿サーキットで開催されたF1の日本グランプリに父に連れて行ってもらい、衝撃の出会いを果たします。
葉加瀬:あれだけ速く走る車を見たことないからね?
佐藤:そうなんです。音もすさまじく、加速感もすごいんですよ。駅のホームにいて、時速270キロで通り過ぎる新幹線を見ると、速さは感じるじゃないですか。でも、レーシングコースに行くと、加速している感じがすごいんです。レーシングカーが止まっている状態から、数百メートルで時速200キロを超えちゃうとか。
葉加瀬:(笑)。
佐藤:ものすごい音と空気を切り裂く感じがあって、マシンが過ぎ去った後には甘い香りが残る。テレビで見るものとは臨場感が全く違いました。
鈴鹿で衝撃的な出会いを経験した佐藤さん。その後、どのようにレーシングドライバーの世界に入っていったのでしょうか。
佐藤:音楽と同じように、世界で活躍するドライバーは、幼い頃からレーシングカートに乗ったりして、その道を歩む人がほとんどです。でも、僕の両親はレースのことは知らなくて、僕もレースの世界を知ってしまったけど何もできなかったので、家の自転車に乗って団地を攻める毎日でした(笑)。
葉加瀬:団地のコーナーを攻めるんだ(笑)。
佐藤:それで、毎日擦りむいたり、コーナリングを攻めて「今日はちょっとでも傾けられたぞ」って。そういう幼少期でしたね。
佐藤さんが実際にレースの世界に入ったのは20歳の頃でした。
佐藤:学生時代は本格的に自転車競技をやっていたけど、満足できない自分がいました。19歳の冬に、ある専門誌でレーシングスクールがフィーチャーされていて、「おっ」と思いました。そこには年齢制限があって、スクールに入り優秀な成績をおさめればスカラシップを受けられ、その上のカテゴリーに行けると。
葉加瀬:そもそもお金がかかる世界だからね。
佐藤:とてつもなくお金がかかる世界なので、簡単にできるスポーツじゃないのが難しいところですね。ただ、「やりたい」って気持ちだけはずっと持ち続けていたので、その気持ちが爆発しました。スクールに入ることが第一目標だったし、スクールに入れて本当にうれしくて。最初は粗削りだし、たくさん失敗をして、そこから自分のスタイルが徐々にできたかな。スクールに入った頃は、自分より年下なんだけどドライバーのキャリアは15年持っている生徒とかと競い合うから、本当に一生懸命で無我夢中でした。
■忘れられないランカウイ島のツアー
レースで世界中を旅してきた佐藤さんが「忘れられない」と絶賛する、マレーシアのランカウイ島についての話も訊きました。
佐藤:僕がF1を走っていた頃、最初は南半球3連戦でした。冬のヨーロッパから一気にオーストラリア、マレーシアとまわっていくんですけど、体がまだ真っ白なんですよね。第1戦のメルボルンは日差しがあまく、暖かくてカラフルで楽しいけど、次は灼熱地獄で、シーズンの中でもいちばん体力を消耗すると言われるマレーシアグランプリでした。
体をマレーシアの環境に慣らすため、事前にトレーニングをしていた佐藤さんは、「せっかくなら大自然の中で」ということでランカウイ島を選んだそう。
佐藤:そこで過ごした5日間くらいが忘れられなくて、F1に参戦していた頃は毎年そこに行って、リラックスしつつもハードトレーニングをしていました。
佐藤さんはランカウイ島で、シーカヤックに乗ってマングローブの森を5時間かけてまわるツアーを発見します。
佐藤:シーカヤックは全身運動だから、持久系にもよくトレーニングになるので参加したら、それがすばらしいツアーでした。
ツアーでは、海のアジトを出発し、シーカヤックでマングローブの森を進みながら、洞窟に入ったり、漁師が捕った魚や海ぶどうをもらったり、無人島で潮干狩りをしたりしたそう。アジトに戻り、それらの食材を七輪で焼いて食べるのが最高だったと振り返りました。さらにその夜には、「夢でも見てるのか」というほど、すばらしい情景に出会ったのだとか。
佐藤:真っ暗になるとカヤックに乗れないのでモーターボートで送ってくれるんですけど、ボートのスクリューが緑色に発光するプランクトンの光で尾を引くんです。海水に手を入れると、それが彗星のように輝く。あんな経験はしたことがなくて、今でも忘れられない光景ですね。
■旅は自分を成長させてくれる
最後に佐藤さんは、旅は「自分を成長させてくれるもの」だと話します。
佐藤:新しい発見が常にあって、自分の知らない世界、自分と違う考えや文化を知ることによって内面が磨かれ、「もうひと頑張りしよう」となる。そんな旅の刺激が好きですね。
佐藤さんが忘れられないと語ったランカウイ島。みなさんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:土曜 19時-19時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/
■自転車に乗って団地のコーナーを攻める少年
まずは、モータースポーツに興味を持ったきっかけを訊きました。
佐藤:男の子って小さいときはミニカーが好きじゃないですか。僕は車輪がついて転がるものには、とてつもない興味を示していて、物心がつくころには車が大好きだったんです。ただ、レースの世界は知りませんでした。
そして佐藤さんが10歳のころ、鈴鹿サーキットで開催されたF1の日本グランプリに父に連れて行ってもらい、衝撃の出会いを果たします。
葉加瀬:あれだけ速く走る車を見たことないからね?
佐藤:そうなんです。音もすさまじく、加速感もすごいんですよ。駅のホームにいて、時速270キロで通り過ぎる新幹線を見ると、速さは感じるじゃないですか。でも、レーシングコースに行くと、加速している感じがすごいんです。レーシングカーが止まっている状態から、数百メートルで時速200キロを超えちゃうとか。
葉加瀬:(笑)。
佐藤:ものすごい音と空気を切り裂く感じがあって、マシンが過ぎ去った後には甘い香りが残る。テレビで見るものとは臨場感が全く違いました。
鈴鹿で衝撃的な出会いを経験した佐藤さん。その後、どのようにレーシングドライバーの世界に入っていったのでしょうか。
佐藤:音楽と同じように、世界で活躍するドライバーは、幼い頃からレーシングカートに乗ったりして、その道を歩む人がほとんどです。でも、僕の両親はレースのことは知らなくて、僕もレースの世界を知ってしまったけど何もできなかったので、家の自転車に乗って団地を攻める毎日でした(笑)。
葉加瀬:団地のコーナーを攻めるんだ(笑)。
佐藤:それで、毎日擦りむいたり、コーナリングを攻めて「今日はちょっとでも傾けられたぞ」って。そういう幼少期でしたね。
佐藤さんが実際にレースの世界に入ったのは20歳の頃でした。
佐藤:学生時代は本格的に自転車競技をやっていたけど、満足できない自分がいました。19歳の冬に、ある専門誌でレーシングスクールがフィーチャーされていて、「おっ」と思いました。そこには年齢制限があって、スクールに入り優秀な成績をおさめればスカラシップを受けられ、その上のカテゴリーに行けると。
葉加瀬:そもそもお金がかかる世界だからね。
佐藤:とてつもなくお金がかかる世界なので、簡単にできるスポーツじゃないのが難しいところですね。ただ、「やりたい」って気持ちだけはずっと持ち続けていたので、その気持ちが爆発しました。スクールに入ることが第一目標だったし、スクールに入れて本当にうれしくて。最初は粗削りだし、たくさん失敗をして、そこから自分のスタイルが徐々にできたかな。スクールに入った頃は、自分より年下なんだけどドライバーのキャリアは15年持っている生徒とかと競い合うから、本当に一生懸命で無我夢中でした。
■忘れられないランカウイ島のツアー
レースで世界中を旅してきた佐藤さんが「忘れられない」と絶賛する、マレーシアのランカウイ島についての話も訊きました。
佐藤:僕がF1を走っていた頃、最初は南半球3連戦でした。冬のヨーロッパから一気にオーストラリア、マレーシアとまわっていくんですけど、体がまだ真っ白なんですよね。第1戦のメルボルンは日差しがあまく、暖かくてカラフルで楽しいけど、次は灼熱地獄で、シーズンの中でもいちばん体力を消耗すると言われるマレーシアグランプリでした。
体をマレーシアの環境に慣らすため、事前にトレーニングをしていた佐藤さんは、「せっかくなら大自然の中で」ということでランカウイ島を選んだそう。
佐藤:そこで過ごした5日間くらいが忘れられなくて、F1に参戦していた頃は毎年そこに行って、リラックスしつつもハードトレーニングをしていました。
佐藤さんはランカウイ島で、シーカヤックに乗ってマングローブの森を5時間かけてまわるツアーを発見します。
佐藤:シーカヤックは全身運動だから、持久系にもよくトレーニングになるので参加したら、それがすばらしいツアーでした。
ツアーでは、海のアジトを出発し、シーカヤックでマングローブの森を進みながら、洞窟に入ったり、漁師が捕った魚や海ぶどうをもらったり、無人島で潮干狩りをしたりしたそう。アジトに戻り、それらの食材を七輪で焼いて食べるのが最高だったと振り返りました。さらにその夜には、「夢でも見てるのか」というほど、すばらしい情景に出会ったのだとか。
佐藤:真っ暗になるとカヤックに乗れないのでモーターボートで送ってくれるんですけど、ボートのスクリューが緑色に発光するプランクトンの光で尾を引くんです。海水に手を入れると、それが彗星のように輝く。あんな経験はしたことがなくて、今でも忘れられない光景ですね。
■旅は自分を成長させてくれる
最後に佐藤さんは、旅は「自分を成長させてくれるもの」だと話します。
佐藤:新しい発見が常にあって、自分の知らない世界、自分と違う考えや文化を知ることによって内面が磨かれ、「もうひと頑張りしよう」となる。そんな旅の刺激が好きですね。
佐藤さんが忘れられないと語ったランカウイ島。みなさんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:土曜 19時-19時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/