J-WAVEで放送中の番組『CHINTAI ACTIVE ON SUNDAYS』(ナビゲーター:森矢カンナ)。1月20日(日)のオンエアでは、スポーツライターの野口美惠さんにフィギュアスケートにまつわる素朴な疑問をぶつけました。
■優勝すると「一生食べていける大会」は?
フィギュアスケートの中継を観たり、会場で観戦したりしていると、いろいろと疑問が生まれてきますよね。そもそもフィギュアスケートのシーズンは、どういう仕組みになっているのでしょうか?
野口:フィギュアスケートのシーズンは7月1日が年度始まりです。シーズンは大きく二つに分かれていて、12月までの「ISUグランプリシリーズ」で前半の世界一。その後、後半の世界一という風に分かれてくるので、これからが本当の、真の世界一を決める時期になります。
森矢:その中でも「ISU 世界フィギュアスケート選手権大会」は大きいんですよね?
野口:今年は3月に日本で開催されるため盛り上がるんですけど、これで優勝しておけば一生食べていけます。世界中のアイスショーから、一生仕事のオファーがくるほどの大きなタイトルなんです。
森矢:一生ですか!
野口:羽生くんはもう一度優勝したいでしょうし、宇野昌磨くんは初のタイトルを狙ってますし、紀平梨花さんみたいな若い子も初のタイトルを狙って挑戦していくと思います。
森矢:3月が楽しみですね!
■コーチに関する疑問を徹底追究!
コーチの仕事に関して疑問をぶつけました。
森矢:コーチは試合当日は何をしてるんですか?
野口:コーチの大きな役割は3つあります。技術を教えること、試合当日にメンタルのコントロールをすること、どのジャンプをするかという戦略です。試合当日は、メンタルコントロールと戦略が大事。朝の公式練習で調子を見て、例えば一番難しいジャンプに挑戦するかどうか、という戦略を見極めます。そのあといったんホテルに帰って、選手を休ませて1、2時間お昼寝をするように指示します。
森矢:なるほど!
野口:試合は大抵は夜なんですけど、お昼寝のあとに戻ってきた選手がどんな顔をしているか、スッキリしてるのか、不安になっているのかというのを見極めます。本番までに、リラックスするようなアドバイスをするのか、やる気を出すように喝を入れるのか、というメンタルをコントロールするのが試合当日のコーチの役割です。
有名なコーチだと、同時に何人かの選手を抱えることもあるそうです。
野口:ブライアン・オーサーというコーチの場合だと、平昌オリンピックのときに5つの国の選手を抱えていて、みんなオリンピックに出場したんです。オリンピックでは国のジャージを着るので、5着のジャージを持っていっていて、選手が演技をする度に廊下に出て着替えて、何食わぬ顔で戻ってきます。
森矢:すごい!
野口:着替えているところを選手が見てしまうと、モチベーションが下がってしまうため、サッと着替えて「君の国の服をもともと着てたよ」という顔で戻ってきます。
森矢:有名なコーチだと、そんなに担当することになるんですね?
野口:教え方がうまいだけでなく、戦略や試合当日のメンタルの持っていき方がうまいんです。
女性のコーチで、すごく派手な毛皮のコートを着用しているなど、個性的な人がいるのも気になるところです。
野口:フィギュアスケートは美と強さが共存する競技で、品格も大事にされています。コーチがものすごく汚い格好をしていたり、ダサイ服を着ていたりすると、ジャッジにも観客にも「この先生に習っていて、本当に素敵な演技ができるんだろうか」という印象を持たれます。コーチも試合では勝負服の方が多いです。ミンクのコートだったり、高いネクタイをつけてきたりとか。気を遣っている方が多いです。
■生観戦するときのポイント
もし試合を生で観るとなった場合の、「ここに注目するとより面白くなる」というポイントを教えてもらいました。
野口:スピードの緩急を見てほしいです。スケートは滑ってこそなので、テレビだとアップで映すことがあって、スピード感が分かりにくいですね。止まったまま腰を振ったり、笑ったりするのは演技ではあるけれども、スケート上の得点になる演技ではないんです。滑りながら緩急をつけて、曲の音が大きくなるところで滑りが速くなるとか、音が小さくなるところでわざとゆっくり滑るとか。それがスケートでの表現力というところなので、その緩急を見てほしいです。緩急がすごく大事な表現力なんです。
森矢:選手は1試合で、どれくらいの体力を使ってるんですか?
野口:フリースケーティングなら4分なんですけど、1500メートル走ぐらいだと言われています。緩急はありますが、4分間を全力疾走するくらい。ものすごい体力を使います。
森矢:そんなに疲れるんですね?
野口:曲をかけて練習をするのは、一日に1、2回しかできないという選手もいます。ジャンプだけの練習は1、2時間もするわけですけど、曲を4分かけて本番を想定して練習するのは一日に1、2回でヘトヘトになります。
会場で試合を観るときに持っていったほうがいいグッズはあるのでしょうか。
野口:会場は底冷えするので、女性はひざ掛けがあったほうがいいです。氷が下にあるので、冷気はちょっとずつ上がってきます。特に男子の選手が滑ると、氷の上の冷気が客席のほうにふわっと上がってくるんです。それがスケートを体感できる瞬間でもあるんですけどね。
最後に、野口さんの注目の選手を訊くと、島田高志郎選手を挙げました。「まだ17歳で、ジュニアのカテゴリーではあるんですけど、スイスのステファン・ランビエール先生のところに移りまして、伸び盛りです。向こうに行ったときはまだ小さい男の子だったのが、今は4回転ジャンプも習得して、身長も175センチ、体重55キロ、10頭身ぐらいあります」と語りました。フィギュアスケートを観るのが、ますます面白くなりそうですね!
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【番組情報】
番組名:『CHINTAI ACTIVE ON SUNDAYS』
放送日時:日曜 12時00分-12時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/activesundays/
■優勝すると「一生食べていける大会」は?
フィギュアスケートの中継を観たり、会場で観戦したりしていると、いろいろと疑問が生まれてきますよね。そもそもフィギュアスケートのシーズンは、どういう仕組みになっているのでしょうか?
野口:フィギュアスケートのシーズンは7月1日が年度始まりです。シーズンは大きく二つに分かれていて、12月までの「ISUグランプリシリーズ」で前半の世界一。その後、後半の世界一という風に分かれてくるので、これからが本当の、真の世界一を決める時期になります。
森矢:その中でも「ISU 世界フィギュアスケート選手権大会」は大きいんですよね?
野口:今年は3月に日本で開催されるため盛り上がるんですけど、これで優勝しておけば一生食べていけます。世界中のアイスショーから、一生仕事のオファーがくるほどの大きなタイトルなんです。
森矢:一生ですか!
野口:羽生くんはもう一度優勝したいでしょうし、宇野昌磨くんは初のタイトルを狙ってますし、紀平梨花さんみたいな若い子も初のタイトルを狙って挑戦していくと思います。
森矢:3月が楽しみですね!
■コーチに関する疑問を徹底追究!
コーチの仕事に関して疑問をぶつけました。
森矢:コーチは試合当日は何をしてるんですか?
野口:コーチの大きな役割は3つあります。技術を教えること、試合当日にメンタルのコントロールをすること、どのジャンプをするかという戦略です。試合当日は、メンタルコントロールと戦略が大事。朝の公式練習で調子を見て、例えば一番難しいジャンプに挑戦するかどうか、という戦略を見極めます。そのあといったんホテルに帰って、選手を休ませて1、2時間お昼寝をするように指示します。
森矢:なるほど!
野口:試合は大抵は夜なんですけど、お昼寝のあとに戻ってきた選手がどんな顔をしているか、スッキリしてるのか、不安になっているのかというのを見極めます。本番までに、リラックスするようなアドバイスをするのか、やる気を出すように喝を入れるのか、というメンタルをコントロールするのが試合当日のコーチの役割です。
有名なコーチだと、同時に何人かの選手を抱えることもあるそうです。
野口:ブライアン・オーサーというコーチの場合だと、平昌オリンピックのときに5つの国の選手を抱えていて、みんなオリンピックに出場したんです。オリンピックでは国のジャージを着るので、5着のジャージを持っていっていて、選手が演技をする度に廊下に出て着替えて、何食わぬ顔で戻ってきます。
森矢:すごい!
野口:着替えているところを選手が見てしまうと、モチベーションが下がってしまうため、サッと着替えて「君の国の服をもともと着てたよ」という顔で戻ってきます。
森矢:有名なコーチだと、そんなに担当することになるんですね?
野口:教え方がうまいだけでなく、戦略や試合当日のメンタルの持っていき方がうまいんです。
女性のコーチで、すごく派手な毛皮のコートを着用しているなど、個性的な人がいるのも気になるところです。
野口:フィギュアスケートは美と強さが共存する競技で、品格も大事にされています。コーチがものすごく汚い格好をしていたり、ダサイ服を着ていたりすると、ジャッジにも観客にも「この先生に習っていて、本当に素敵な演技ができるんだろうか」という印象を持たれます。コーチも試合では勝負服の方が多いです。ミンクのコートだったり、高いネクタイをつけてきたりとか。気を遣っている方が多いです。
■生観戦するときのポイント
もし試合を生で観るとなった場合の、「ここに注目するとより面白くなる」というポイントを教えてもらいました。
野口:スピードの緩急を見てほしいです。スケートは滑ってこそなので、テレビだとアップで映すことがあって、スピード感が分かりにくいですね。止まったまま腰を振ったり、笑ったりするのは演技ではあるけれども、スケート上の得点になる演技ではないんです。滑りながら緩急をつけて、曲の音が大きくなるところで滑りが速くなるとか、音が小さくなるところでわざとゆっくり滑るとか。それがスケートでの表現力というところなので、その緩急を見てほしいです。緩急がすごく大事な表現力なんです。
森矢:選手は1試合で、どれくらいの体力を使ってるんですか?
野口:フリースケーティングなら4分なんですけど、1500メートル走ぐらいだと言われています。緩急はありますが、4分間を全力疾走するくらい。ものすごい体力を使います。
森矢:そんなに疲れるんですね?
野口:曲をかけて練習をするのは、一日に1、2回しかできないという選手もいます。ジャンプだけの練習は1、2時間もするわけですけど、曲を4分かけて本番を想定して練習するのは一日に1、2回でヘトヘトになります。
会場で試合を観るときに持っていったほうがいいグッズはあるのでしょうか。
野口:会場は底冷えするので、女性はひざ掛けがあったほうがいいです。氷が下にあるので、冷気はちょっとずつ上がってきます。特に男子の選手が滑ると、氷の上の冷気が客席のほうにふわっと上がってくるんです。それがスケートを体感できる瞬間でもあるんですけどね。
最後に、野口さんの注目の選手を訊くと、島田高志郎選手を挙げました。「まだ17歳で、ジュニアのカテゴリーではあるんですけど、スイスのステファン・ランビエール先生のところに移りまして、伸び盛りです。向こうに行ったときはまだ小さい男の子だったのが、今は4回転ジャンプも習得して、身長も175センチ、体重55キロ、10頭身ぐらいあります」と語りました。フィギュアスケートを観るのが、ますます面白くなりそうですね!
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【番組情報】
番組名:『CHINTAI ACTIVE ON SUNDAYS』
放送日時:日曜 12時00分-12時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/activesundays/