aikoは「マネできない…」その理由とは? アカシック・理姫と田中宗一郎が魅力を語る

J-WAVEで放送中の番組「MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY」(ナビゲーター:グローバー)。ゲストを迎え、1組の“レジェンド・ミュージシャン”をテーマに音楽談義を繰り広げるこの番組。10月6日(土)のオンエアではaikoさんを特集! ゲストは音楽評論家の田中宗一郎さんとアカシックのボーカル・理姫さんをお迎えしました。


■aikoの入口の曲は…『アスパラ』と『カケラを残す』

まずは、ゲストのおふたりに、「まずはaikoさんのこの曲を聴いてくれ」という1曲をセレクトしていただくことに……。

田中:セレクトするのは難しいんですよね。彼女のキャリア・楽曲には統一感があるんですけど、金太郎アメではないんですよ。感情的にも音楽的にもいろんな次元がある。だからとりあえず50曲くらい選ばないと、輪郭にさえ届かない。
理姫:わかります。選べないんですよね。

そう言うふたりに対して、グローバーが「aikoさんの入口の曲は何でしょう」と粘ると……。

田中:初期の『アスパラ』って曲があるんですけど、彼女はニューオリンズのセカンド・ラインってリズムを使ってるんですよ。これが曲の構成のなかで使えるんだって思わされた曲です。それを俺みたいに「セカンド・ライン使ってるよね」って言われなくても聴けちゃうんですよ。なおかつ、学生時代の恋愛がモチーフになっているから、僕からすると全く共感しようがない。
理姫:廊下を走ってる学生の恋愛だから。
田中:全く共感しようのない世界観なんだけど、その心情や光景みたいなものがメロディーやフレーズのなかで浮かんでくるんです。「こういうことだったのか」って。彼女の「どうしても曲にしたい」という強い気持ちによるものだと思います。

一方の理姫さんは、シングル『向かいあわせ』のカップリング曲『カケラを残す』を選びました。

【オンエア】『カケラを残す』をradikoで聴く

理姫:私もミュージシャンを何年かやっていて思うのは、シングルの1曲目って会社やスタッフが「これでいこう」って言うじゃないですか。そういう背景を思い浮かべながら「なぜこの曲はカップリングなのか」ってことを考えると、aikoさんのソングライティングとか歌詞の素晴らしさからして、全ての曲がカップリングじゃないんですよ。それを伝えたくてこの曲を選びました。


■aikoは「全てやり尽くしている」

aikoさんの音楽について理姫さんは「楽曲をずっと聴いてきているので、体に染み込んでいるし、それが自然と出ている状態」と語ります。

田中:aikoのいろんな音楽における形式をそのまま継承しているアーティストって多くないと思うんですよ。ただ、彼女が描こうとしたポップソングは白黒がハッキリしていて、「これは泣きソングです」みたいな一面的に切り取れはするも共感されるものではない、解決しないようなものをポップソングに落とし込んでいる。それに共感しているフォロワーはいるような気がします。
理姫:いま田中さんが話すように、aikoさんの影響を落とし込んで、また表現として出すことは難しくてマネできないって言うか、マネしようと思うとaikoさんになるしかなくなるんです。自分の曲ではなくて“aikoのような曲”になってしまうんですよ。だから、影響を受けたアーティストって言いづらいアーティストだと思います。裏声の外し方とかを自分でつくっているときも「これaikoさんだ」ってなったりして、ちょっと冷静になったりするから。別の言い方をすると、私たちの音楽が窮屈になるくらい……。
田中:(笑)。
理姫:それくらいaikoさんが全てやり尽くしている感じがします。世間の人がビートルズの音楽で成立しているって言うくらい、aikoさんがアカシックにとってのそれになっています。気がついたら恋愛の歌詞を書くようになっていたのも、もしかするとaikoさんをずっと聴いていたからかなと思います。

番組では他にも、aikoさんのライブパフォーマンスについて語り合ったり、理姫さんが選ぶ「胸に刺さる!グッとくる歌詞のaiko曲TOP3」を紹介したりしました。ぜひradikoで聴いてみてください。

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【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:毎週土曜17時-17時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/

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