J-WAVEで放送中の番組『SUNRISE FUNRISE』(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「FUTURE DESIGNERS」。10月7日(日)のオンエアでは、映画館の運営を行っている、アップリンク代表の浅井隆さんをお迎えしました。
■なかなか観られない作品を上映したい
アップリンクを設立したのは1987年。当初は映画の配給を主に手がけていました。初めて配給した作品は、デレク・ジャーマン監督の『エンジェリック・カンヴァセーション』で、吉祥寺バウスシアターで上映しました。当時から「なかなか観られない映画を配給したい」という強い思いがあったそうです。
浅井:作品を海外の映画祭に見つけに行くと、たくさん上映されているんです。その中で自分の目やスタッフの目で選んだ、選りすぐりの作品をアップリンクで紹介しています。
渋谷に映画館をオープンしたのは1995年。2006年に現在の場所に移りました。
レイチェル:映画館を作ろうと思ったのはなぜですか?
浅井:もともと『骰子』という雑誌を出していました。自分たちでメディアをもっていましたが、読者と集う場所がほしいと思っていたんです。加えて、映画配給の仕事をやっていると、営業が必要になります。僕らがいいと思っていても、映画館側に「ちょっと難しいかもしれないですね」って言われたりするんです。小さくても上映する場所がほしくて、映画館というか、当時は上映するスペースをつくろうと思ったのはじまりです。
渋谷のアップリンクは、昨年CNNの「世界で最も楽しめる映画館10」にも選ばれ、海外からも評価されています。開館当初は40席ほどしかなく、“日本一小さな映画館”を宣伝文句に使っていました。
最近では『犬ヶ島』を上映しました。外国のグループの方が、ウチの映画館で撮ったセルフィーを、ハッシュタグをつけてネットにあげていたんです。『犬ヶ島』は日本を舞台にしていますが、映画に出てくる日本はちょっと変わっていますよね。アニメーションだから、おもちゃの東京みたいです。外国の方から見るとここもキッチュな感じがして、ここで『犬ヶ島』を観るということが彼らのツボにハマったのかなと思いました。
現在は『君の名前で僕を呼んで』がロングランとなっています。
浅井:公開から3ヶ月が経ちましたが、まだまだお客さんが観に来てくれると思います。DVDやネットで観られる時代ですが、最近は特に若い人が何度も何度も観に来てくれる傾向があります。
レイチェル:それは、技術がどんどん発達しても変わらないと思いますか?
浅井:映画館ではVRや3Dがいろいろ発達していますが、2Dの映画ほど人の感情に訴えかけたり、映画に没入したり、エモーショナルな気持ちにさせるメディアは、どんなにテクノロジーが発達しても、それに追いついていないと思うんです。最も感情が動かされるのは、まだ2Dの映画だと思います。3Dだとメガネをつけなくてはだめだし、物理的に暗くなってしまう。裸眼で観られる映画が、どんなテクノロジーよりも、人の感情を動かすメディアだと思います。
■新しい映画館の“ココ”に注目
今年12月、吉祥寺PARCOの地下に、新たにアップリンクがオープンする予定です。スクリーンの数は5つ。座席数は最も大きいスペースで98席、小さいスペースは29席です。
浅井:渋谷は椅子を家具屋さんで買ってきたので、さまざまなソファーなどを並べています。吉祥寺は、映画館の椅子を作っているフランスのキネット社の椅子を採用することにしました。椅子の生地を選んだり、色や柄を変えてもあまり値段が変わらないので、5スクリーン分を選ぶことにしました。例えば、スクリーン2は52席で7列あります。7といえば“虹色”だと思い、一列ごとに色を変えてレインボーカラーにして、1番後ろの壁をスライドにして、スクリーンから壁を見ると青い壁のところに7列のレインボーがあるような部屋にしました。そこでLGBTをテーマにした作品を上映するのも面白いかなと思います。
レイチェル:そうですね。
浅井:受付にミラーボールをつけて、ゲストが来たらクルクルまわすことも考えてます。
レイチェル:面白い!
現在、吉祥寺のアップリンクは、クラウドファンディングで資金を調達しています。「新しい映画館を作ることを応援してくれる人たちと、一緒にシェアして作っていけたら」とのこと。例えば、コースによっては、規定のマグカップを持っていくと、ソフトドリンクをお注ぎします、という特典もあるそうです。
最後に浅井さんは、「ミニシアターをもっと日本に作っていきたい」と、今後の展望を語りました。
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【番組情報】
番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:毎週日曜6時ー9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/
■なかなか観られない作品を上映したい
アップリンクを設立したのは1987年。当初は映画の配給を主に手がけていました。初めて配給した作品は、デレク・ジャーマン監督の『エンジェリック・カンヴァセーション』で、吉祥寺バウスシアターで上映しました。当時から「なかなか観られない映画を配給したい」という強い思いがあったそうです。
浅井:作品を海外の映画祭に見つけに行くと、たくさん上映されているんです。その中で自分の目やスタッフの目で選んだ、選りすぐりの作品をアップリンクで紹介しています。
渋谷に映画館をオープンしたのは1995年。2006年に現在の場所に移りました。
レイチェル:映画館を作ろうと思ったのはなぜですか?
浅井:もともと『骰子』という雑誌を出していました。自分たちでメディアをもっていましたが、読者と集う場所がほしいと思っていたんです。加えて、映画配給の仕事をやっていると、営業が必要になります。僕らがいいと思っていても、映画館側に「ちょっと難しいかもしれないですね」って言われたりするんです。小さくても上映する場所がほしくて、映画館というか、当時は上映するスペースをつくろうと思ったのはじまりです。
渋谷のアップリンクは、昨年CNNの「世界で最も楽しめる映画館10」にも選ばれ、海外からも評価されています。開館当初は40席ほどしかなく、“日本一小さな映画館”を宣伝文句に使っていました。
最近では『犬ヶ島』を上映しました。外国のグループの方が、ウチの映画館で撮ったセルフィーを、ハッシュタグをつけてネットにあげていたんです。『犬ヶ島』は日本を舞台にしていますが、映画に出てくる日本はちょっと変わっていますよね。アニメーションだから、おもちゃの東京みたいです。外国の方から見るとここもキッチュな感じがして、ここで『犬ヶ島』を観るということが彼らのツボにハマったのかなと思いました。
現在は『君の名前で僕を呼んで』がロングランとなっています。
浅井:公開から3ヶ月が経ちましたが、まだまだお客さんが観に来てくれると思います。DVDやネットで観られる時代ですが、最近は特に若い人が何度も何度も観に来てくれる傾向があります。
レイチェル:それは、技術がどんどん発達しても変わらないと思いますか?
浅井:映画館ではVRや3Dがいろいろ発達していますが、2Dの映画ほど人の感情に訴えかけたり、映画に没入したり、エモーショナルな気持ちにさせるメディアは、どんなにテクノロジーが発達しても、それに追いついていないと思うんです。最も感情が動かされるのは、まだ2Dの映画だと思います。3Dだとメガネをつけなくてはだめだし、物理的に暗くなってしまう。裸眼で観られる映画が、どんなテクノロジーよりも、人の感情を動かすメディアだと思います。
■新しい映画館の“ココ”に注目
今年12月、吉祥寺PARCOの地下に、新たにアップリンクがオープンする予定です。スクリーンの数は5つ。座席数は最も大きいスペースで98席、小さいスペースは29席です。
浅井:渋谷は椅子を家具屋さんで買ってきたので、さまざまなソファーなどを並べています。吉祥寺は、映画館の椅子を作っているフランスのキネット社の椅子を採用することにしました。椅子の生地を選んだり、色や柄を変えてもあまり値段が変わらないので、5スクリーン分を選ぶことにしました。例えば、スクリーン2は52席で7列あります。7といえば“虹色”だと思い、一列ごとに色を変えてレインボーカラーにして、1番後ろの壁をスライドにして、スクリーンから壁を見ると青い壁のところに7列のレインボーがあるような部屋にしました。そこでLGBTをテーマにした作品を上映するのも面白いかなと思います。
レイチェル:そうですね。
浅井:受付にミラーボールをつけて、ゲストが来たらクルクルまわすことも考えてます。
レイチェル:面白い!
現在、吉祥寺のアップリンクは、クラウドファンディングで資金を調達しています。「新しい映画館を作ることを応援してくれる人たちと、一緒にシェアして作っていけたら」とのこと。例えば、コースによっては、規定のマグカップを持っていくと、ソフトドリンクをお注ぎします、という特典もあるそうです。
最後に浅井さんは、「ミニシアターをもっと日本に作っていきたい」と、今後の展望を語りました。
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【番組情報】
番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:毎週日曜6時ー9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/