世界の歌姫マライア・キャリー 低迷期から復活までを振り返る

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。10月24日(水)のオンエアでは、Licaxxxとのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、世界の歌姫マライア・キャリーを特集しました。第3回目は、デビューから順風満帆だった彼女の低迷期を取り上げました。


■90年代後半、公私ともに低迷期に突入

1999年に『Thank God I Found You』などを収録したアルバム『Rainbow』をリリースした後、それまで所属したレーベルを離れて新たなレコード会社と当時史上最高額の8000万ドル、当時の価格で128億円という金額で契約。プライベートでは93年に結婚したものの、音楽的主観の違いや、当時の夫がマライアの私生活やファッションに極度な制限を設け、監視、尾行、盗聴などを行うことが原因で98年に離婚しました。

その後、精神的にすり減ってしまったマライアは、テレビでストリップのようなパフォーマンスを行いひんしゅくを買ったり、2001年に公開された自伝的映画『グリッター きらめきの向こうに』が失敗するなど、次第にゴシップ記事に取り上げられる回数が多くなっていきます。またアルバムのリリース日が2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件の日に重なった不運もあり、この頃から2004年ごろまで、これまで全米ナンバーワンヒットを次々と飛ばしていたのが嘘のように低迷期を過ごすことになります。


■00年代半ばにブレイク期を彷彿とさせる大復活劇

しかし2005年『It's Like That』がヒットし、収録された『The Emancipation Of MIMI』は全米1位を獲得し大ヒット。グラミー賞でも最多の8部門ノミネートを果たします。マライア自身のパフォーマンスも90年代のブレイク期を彷彿とさせ、その復活劇は「the return of the voice(あのマライアの声が戻ってきた)」と賞賛されました。

この年の大晦日、ニューヨーク・タイムズスクエアで行われたカウントダウンイベントで歌い、プライベートではミュージックビデオの仕事がきっかけで知り合った俳優のニック・キャノンと結婚。2010年にひとり、2011年に双子の赤ちゃんを出産します。ふたりは別れたものの、円満な関係を保ち子どもたちの成長を見守っています。

2008年、『E=MC2』に収録された『Touch My Body』が全米シングルチャートナンバーワンを獲得。それにより、ナンバーワン獲得数18曲とエルヴィス・プレスリーの記録に並び、ザ・ビートルズに継ぐ歴代2位タイに。このころから女優としての活動も再開、2009年公開の映画『プレシャス』でソーシャルワーカー役が評価され、カリフォルニア州で開催された映画祭で新人女優賞を獲得するなど、音楽活動以外でも追い風が吹くようになりました。

その後オーディション番組『アメリカン・アイドル』の審査員をつとめたり、オバマ大統領(当時)の就任式後のパーティーで歌声を披露するなど、ディーバぶりを発揮しました。

というところで3日目はここまで。最終日4日目は、ここ数年のマライアの活躍や、そして来日公演を前に発表された新作について特集します。

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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