J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。8月2日(木)のオンエアでは、木曜日のニュース・スーパーバイザー、堀 潤が登場。立憲民主党・枝野幸男代表をお迎えして、お話を伺いました。
7月20日(金)、安倍内閣に対して不信任決議案を突きつけ、その趣旨説明として2時間43分に及ぶ演説を繰り広げた枝野さん。この演説は、8月9日(木)に扶桑社から書籍『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』として出版されるほど反響が大きい、名演説だったと評価されています。
枝野さんが挙げたとおり、不信任に足る理由が7つもあるならば、なぜ内閣支持率は危険水域まで下がらないのか? 枝野さんに直接お話を伺いました。
■投票に行かない10人に1人が野党に投票、政権交代は実現する
堀:7つの理由で賛同する部分は、カジノ法案について「なぜカジノなのか」が不透明で、誰のためのカジノなのか。そして、働き方改革の「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の部分について、誰のリクエストの働き方改革なのかと。かつて日米投資イニシアティブでも挙げられていたようなホワイトカラー・エグゼンプションは、明らかにアメリカからのリクエストが強かった。一方で、経済政策に関して審議をあげていく、国民の生活を豊かにする、これはどの政権であっても難しいものではないのか、というところで、具体的な話も訊きたいなと思い、この演説を振り返りました。ずばり最初に伺いたいのは、どうやって政権交代を果たすのか? 野党の状況も難しいですが。
枝野:みなさんそうおっしゃるんですが、去年の衆議院選挙でも与党の得票率は5割を切っています。投票率が低いなかですから、今政治を諦めている方、無関心な方、面倒くさいと思い投票に行かない方、そうした人たちの10人に1人が「今の政治がひどすぎるから変えてみようか」と投票所に足を運ぶと、政権はひっくり返ります。国会の議席数と投票行動はズレていますので、10人のうちの1人に、どう訴えていくかだと思います。
堀:経済界や安定を望む国民のみなさん、20代、新規参入の10代の与党に対する支持率は高い結果もあります。そういったみなさんに、何をアピールすることが政権奪取につながるのでしょうか?
枝野:若いみなさんで、投票に行っていたり、世論調査に答えたりする方のなかでは与党の支持率が高いです。しかし、そもそも政治への関心が薄いので、ほとんどの方は投票へ行かないですし、世論調査にも答えていないと思います。その人たちは、政治が自分たちの暮らしとどう関わっているのかまだピンときていない方が多いです。非正規で働いている方には若い方もたくさんいますが、(非正規が)当たり前だと思っていたりします。しかし、わずか20~30年前は当たり前ではなかった。それは政治が法律を変えてきたからだということを伝えていき、「正社員のほうがいいでしょ?」という話をちゃんと伝えることができるか。これができれば、無関心の人が全員ではなくてもいいので、若い世代の15人に1人でも振り向いてくれたら相当変わると思います。
■具体的に日本国民の賃金を上げる方法
堀:演説のなかで「7つの不信任」というのを掲げられました。1)高プロの強行、2)カジノ法案の強行、3)アベノミクスの限界の露呈、4)モリカケ、5)逃げ回る不誠実答弁、6)外交安全保障政策の行き詰まり、7)一連の不祥事に関わる官僚システムの崩壊、です。1番と2番に関しては、全くそのとおりだと思います。しかし、3番の「アベノミクスの限界の露呈」は、日本のみならず世界中が悩んでいて、アメリカではその反動でトランプ大統領が生まれたようなものです。枝野さんたちが仮に政権をとったとしたら、具体的にどのようにして実質賃金をあげて、企業に対して競争力を高めるような両輪を実現させられるのか。このあたりはいかがですか?
枝野:企業の競争力の話ではなく、消費者の購買力の話です。国内で物が売れていないのが、実はバブル崩壊以降の日本経済の根本的な問題ですので。購買力を高めるために、公的にコントロールできる賃金があります。たとえば、介護職員、看護師、学校の先生、保育士さんなどです。特に保育士さんや介護職員は、需要があり供給が不足しているのに低賃金だと。この賃金を引き上げるのに、公定価格ですから、政治で動かせるわけです。ここを引き上げることで、全体としての労働環境の受給関係がタイトになれば、全体の賃金も上がっていくというプロセスに持っていかなければならない。もう一段やらなければならないとすれば、価格をどうするか。典型的なのがトラック運転手さんなどですが、低賃金、重労働、人手不足です。しかし、トラック運転手さんの給料を上げてしまうと、今はダンピング競争をしているため、今度は仕事がとれなくなる。そこにもう一歩踏み込むことが必要かなと思っています。
堀:保育士の問題に関しては、与党のみなさんに訊くと「我々も予算を組んで、保育士の待遇改善はやっていないわけではない。企業に対しての拠出金まで要求して保育環境も整えてきている」と、与党側としてはやってきているという話もあると思います。一方で、実質賃金が数百万単位で20年の間に失われているわけですから、保育士さんの現場だけでなく全体が底に沈んでいます。全体の状況を引き上げるには何が必要ですか?
枝野:上げられるところから呼び水になって上げるしかないです。そこに経済合理性があり、政治がコミットできてというのは、公的なサービスの人手不足分野しかないため、まずそこにお金を集中投資する。今の政府もやっていないわけじゃないのですが、保育料の無償化を掲げて、「そんなお金があるのなら給料を上げろ」と、財源の持っていくところが全然違うと。保育所が余る状態になったら無償化をはじめて考える話なので。そこはメリハリの付け方が大きく違うと思います。
■企業の人手不足問題や民間の賃金の是正に必要なことは?
堀:賃金については、先ほど「官のほうからできることからやるべし」と。民のほうはなかなか難しいんじゃないですか?
枝野:とは言いながらも、労働組合が頑張らなければいけません。一時期、労働運動を世のなか全体でバッシングした時代があったと思いますが、労働組合がしっかりあり、そこが会社と交渉しなければ、賃金はどんどん落ちていくと思います。難しいですが、低賃金の外国からの労働者の受け入れを絞り込まないといけません。今は研修生という名前ですが、事実上の低賃金労働者として「人が集まらない安い賃金の仕事は外国人に」。これでは来た外国人も不幸ですし、そのぶん賃金が上がらない日本人にとっても不幸だと。中小零細企業の経営実態を考えると、「給料を払えません」というところを、どのように価格転嫁できるようにするか。それこそネット通販などの送料が無料で済んでいますが、送料を取らざるを得ないようにしていかなければ、トラック運転手さんは賃金があがらない。あげるべきところはあげないといけません。
堀:人手不足や経済活動を活発にしたいという企業からのリクエストがあるなかで、枝野さんは何をしていけば変えられると思いますか?
枝野:人手不足倒産がでているのは、価格に転嫁できないからです。価格に転嫁さえできれば、賃金をあげて日本人をもっと高い賃金で雇って、人件費の価格に転嫁するということができるような仕組み、あえていうと独占禁止法などの根本から再検討しなければならない。ここは我々の次の宿題ですが、まずは介護とか保育とか、ダイレクトにできるところからやりながら、価格転嫁をどう中小零細企業ができるかという仕組みを模索していきたいと思います。
■今後は安心を買うサービス消費の時代に
堀:「上がった賃金で何を買うのか?」ということも気になるところです。かつてのように、給料が入り、製造業に関わるものを買って、生活を豊かにして、それが産業に跳ね返ってというサイクルとはまた違う消費の形になるのでしょうか。先進国日本でも、特に「スマホゲームに使うのか」「通信事業にお金がかかって」などがありますが……。
枝野:基本は安心を買うのだと思います。安心に関連するサービスに、収入が増えた部分は使ってもらう。その公的なサービスから増やして、余裕ができて収入が上がってくれば、付随する民間の安心に関わるサービスにお金を使っていくと。サービスであれば海外から輸入できないため、国内で雇用を生み、国内の人件費にまわっていくという循環をしていくしかないと思います。
堀:安心を買うサービスとは具体的にどんな分野があるのか教えてください。
枝野:医療も、公的な保険が適用されない部分の民間サービスがたくさんあります。子育ても保育所はマストですが、保育所だけでは本当の子育て支援にはならない。そこはプラスアルファ民間で安心できるサービスがあると。極端なことをいえば、雪が多いところの山奥に住んでいる高齢者の方が、お金を払って雪下ろしをしてもらえれば、住み慣れた故郷で終の棲家で暮らせる。このようにさまざまなところに潜在的なサービスのニーズはあります。そこで食べていけるような、お金を払える循環をどう作っていくのかということだと思います。
■立憲民主党が政権交代を目指す時期は?
堀:民主党が政権交代を果たしたときは、「年金問題」や「コンクリートから人へ」といった、多くの人が共感を呼んだように、我々の生活を豊かにしてほしいという政策の大きな柱がコンパクトにわかりやすく、非常に民主主義的でわかりやすいメッセージだったと思います。立憲民主党を含め、人々を集めていくような考え、政策、スローガン、イデオロギーが必要だと思っています。立憲主義はありますけど、改めて今後どうされていきますか?
枝野:去年の選挙のときは、我々の立ち位置を示すことで一定の支持をいただきました。次は来年の統一地方選挙と参議院選挙に向けて、暮らしと結びついたところで、どう同じように心に響くメッセージを出せるか、今年後半の我々の最大課題だと思います。
堀:(政権交代に向けて)照準を合わせるのはいつの選挙でしょうか?
枝野:来年の参議院選挙でしっかりと足場を固めさせていただくことが大前提だと思います。いつ政権がとれるかについては、政界は「一寸先は闇」ということを私自身が去年に十分に経験しているので、思ったとおりにはなりません。思ったより早いかもしれませんし、思っているより時間がかかるかもしれません。しかし、いつでもそういうチャンスが来るかもしれないという備えは、野党第一党にしていただいた以上は、備えておかなければいけないなと思っています。
私たちの生活を豊かにするために政治とどのように向き合うべきか、この機会に今一度みなさんも考えてみてはいかがでしょうか?
【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
7月20日(金)、安倍内閣に対して不信任決議案を突きつけ、その趣旨説明として2時間43分に及ぶ演説を繰り広げた枝野さん。この演説は、8月9日(木)に扶桑社から書籍『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』として出版されるほど反響が大きい、名演説だったと評価されています。
枝野さんが挙げたとおり、不信任に足る理由が7つもあるならば、なぜ内閣支持率は危険水域まで下がらないのか? 枝野さんに直接お話を伺いました。
■投票に行かない10人に1人が野党に投票、政権交代は実現する
堀:7つの理由で賛同する部分は、カジノ法案について「なぜカジノなのか」が不透明で、誰のためのカジノなのか。そして、働き方改革の「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の部分について、誰のリクエストの働き方改革なのかと。かつて日米投資イニシアティブでも挙げられていたようなホワイトカラー・エグゼンプションは、明らかにアメリカからのリクエストが強かった。一方で、経済政策に関して審議をあげていく、国民の生活を豊かにする、これはどの政権であっても難しいものではないのか、というところで、具体的な話も訊きたいなと思い、この演説を振り返りました。ずばり最初に伺いたいのは、どうやって政権交代を果たすのか? 野党の状況も難しいですが。
枝野:みなさんそうおっしゃるんですが、去年の衆議院選挙でも与党の得票率は5割を切っています。投票率が低いなかですから、今政治を諦めている方、無関心な方、面倒くさいと思い投票に行かない方、そうした人たちの10人に1人が「今の政治がひどすぎるから変えてみようか」と投票所に足を運ぶと、政権はひっくり返ります。国会の議席数と投票行動はズレていますので、10人のうちの1人に、どう訴えていくかだと思います。
堀:経済界や安定を望む国民のみなさん、20代、新規参入の10代の与党に対する支持率は高い結果もあります。そういったみなさんに、何をアピールすることが政権奪取につながるのでしょうか?
枝野:若いみなさんで、投票に行っていたり、世論調査に答えたりする方のなかでは与党の支持率が高いです。しかし、そもそも政治への関心が薄いので、ほとんどの方は投票へ行かないですし、世論調査にも答えていないと思います。その人たちは、政治が自分たちの暮らしとどう関わっているのかまだピンときていない方が多いです。非正規で働いている方には若い方もたくさんいますが、(非正規が)当たり前だと思っていたりします。しかし、わずか20~30年前は当たり前ではなかった。それは政治が法律を変えてきたからだということを伝えていき、「正社員のほうがいいでしょ?」という話をちゃんと伝えることができるか。これができれば、無関心の人が全員ではなくてもいいので、若い世代の15人に1人でも振り向いてくれたら相当変わると思います。
■具体的に日本国民の賃金を上げる方法
堀:演説のなかで「7つの不信任」というのを掲げられました。1)高プロの強行、2)カジノ法案の強行、3)アベノミクスの限界の露呈、4)モリカケ、5)逃げ回る不誠実答弁、6)外交安全保障政策の行き詰まり、7)一連の不祥事に関わる官僚システムの崩壊、です。1番と2番に関しては、全くそのとおりだと思います。しかし、3番の「アベノミクスの限界の露呈」は、日本のみならず世界中が悩んでいて、アメリカではその反動でトランプ大統領が生まれたようなものです。枝野さんたちが仮に政権をとったとしたら、具体的にどのようにして実質賃金をあげて、企業に対して競争力を高めるような両輪を実現させられるのか。このあたりはいかがですか?
枝野:企業の競争力の話ではなく、消費者の購買力の話です。国内で物が売れていないのが、実はバブル崩壊以降の日本経済の根本的な問題ですので。購買力を高めるために、公的にコントロールできる賃金があります。たとえば、介護職員、看護師、学校の先生、保育士さんなどです。特に保育士さんや介護職員は、需要があり供給が不足しているのに低賃金だと。この賃金を引き上げるのに、公定価格ですから、政治で動かせるわけです。ここを引き上げることで、全体としての労働環境の受給関係がタイトになれば、全体の賃金も上がっていくというプロセスに持っていかなければならない。もう一段やらなければならないとすれば、価格をどうするか。典型的なのがトラック運転手さんなどですが、低賃金、重労働、人手不足です。しかし、トラック運転手さんの給料を上げてしまうと、今はダンピング競争をしているため、今度は仕事がとれなくなる。そこにもう一歩踏み込むことが必要かなと思っています。
堀:保育士の問題に関しては、与党のみなさんに訊くと「我々も予算を組んで、保育士の待遇改善はやっていないわけではない。企業に対しての拠出金まで要求して保育環境も整えてきている」と、与党側としてはやってきているという話もあると思います。一方で、実質賃金が数百万単位で20年の間に失われているわけですから、保育士さんの現場だけでなく全体が底に沈んでいます。全体の状況を引き上げるには何が必要ですか?
枝野:上げられるところから呼び水になって上げるしかないです。そこに経済合理性があり、政治がコミットできてというのは、公的なサービスの人手不足分野しかないため、まずそこにお金を集中投資する。今の政府もやっていないわけじゃないのですが、保育料の無償化を掲げて、「そんなお金があるのなら給料を上げろ」と、財源の持っていくところが全然違うと。保育所が余る状態になったら無償化をはじめて考える話なので。そこはメリハリの付け方が大きく違うと思います。
■企業の人手不足問題や民間の賃金の是正に必要なことは?
堀:賃金については、先ほど「官のほうからできることからやるべし」と。民のほうはなかなか難しいんじゃないですか?
枝野:とは言いながらも、労働組合が頑張らなければいけません。一時期、労働運動を世のなか全体でバッシングした時代があったと思いますが、労働組合がしっかりあり、そこが会社と交渉しなければ、賃金はどんどん落ちていくと思います。難しいですが、低賃金の外国からの労働者の受け入れを絞り込まないといけません。今は研修生という名前ですが、事実上の低賃金労働者として「人が集まらない安い賃金の仕事は外国人に」。これでは来た外国人も不幸ですし、そのぶん賃金が上がらない日本人にとっても不幸だと。中小零細企業の経営実態を考えると、「給料を払えません」というところを、どのように価格転嫁できるようにするか。それこそネット通販などの送料が無料で済んでいますが、送料を取らざるを得ないようにしていかなければ、トラック運転手さんは賃金があがらない。あげるべきところはあげないといけません。
堀:人手不足や経済活動を活発にしたいという企業からのリクエストがあるなかで、枝野さんは何をしていけば変えられると思いますか?
枝野:人手不足倒産がでているのは、価格に転嫁できないからです。価格に転嫁さえできれば、賃金をあげて日本人をもっと高い賃金で雇って、人件費の価格に転嫁するということができるような仕組み、あえていうと独占禁止法などの根本から再検討しなければならない。ここは我々の次の宿題ですが、まずは介護とか保育とか、ダイレクトにできるところからやりながら、価格転嫁をどう中小零細企業ができるかという仕組みを模索していきたいと思います。
■今後は安心を買うサービス消費の時代に
堀:「上がった賃金で何を買うのか?」ということも気になるところです。かつてのように、給料が入り、製造業に関わるものを買って、生活を豊かにして、それが産業に跳ね返ってというサイクルとはまた違う消費の形になるのでしょうか。先進国日本でも、特に「スマホゲームに使うのか」「通信事業にお金がかかって」などがありますが……。
枝野:基本は安心を買うのだと思います。安心に関連するサービスに、収入が増えた部分は使ってもらう。その公的なサービスから増やして、余裕ができて収入が上がってくれば、付随する民間の安心に関わるサービスにお金を使っていくと。サービスであれば海外から輸入できないため、国内で雇用を生み、国内の人件費にまわっていくという循環をしていくしかないと思います。
堀:安心を買うサービスとは具体的にどんな分野があるのか教えてください。
枝野:医療も、公的な保険が適用されない部分の民間サービスがたくさんあります。子育ても保育所はマストですが、保育所だけでは本当の子育て支援にはならない。そこはプラスアルファ民間で安心できるサービスがあると。極端なことをいえば、雪が多いところの山奥に住んでいる高齢者の方が、お金を払って雪下ろしをしてもらえれば、住み慣れた故郷で終の棲家で暮らせる。このようにさまざまなところに潜在的なサービスのニーズはあります。そこで食べていけるような、お金を払える循環をどう作っていくのかということだと思います。
■立憲民主党が政権交代を目指す時期は?
堀:民主党が政権交代を果たしたときは、「年金問題」や「コンクリートから人へ」といった、多くの人が共感を呼んだように、我々の生活を豊かにしてほしいという政策の大きな柱がコンパクトにわかりやすく、非常に民主主義的でわかりやすいメッセージだったと思います。立憲民主党を含め、人々を集めていくような考え、政策、スローガン、イデオロギーが必要だと思っています。立憲主義はありますけど、改めて今後どうされていきますか?
枝野:去年の選挙のときは、我々の立ち位置を示すことで一定の支持をいただきました。次は来年の統一地方選挙と参議院選挙に向けて、暮らしと結びついたところで、どう同じように心に響くメッセージを出せるか、今年後半の我々の最大課題だと思います。
堀:(政権交代に向けて)照準を合わせるのはいつの選挙でしょうか?
枝野:来年の参議院選挙でしっかりと足場を固めさせていただくことが大前提だと思います。いつ政権がとれるかについては、政界は「一寸先は闇」ということを私自身が去年に十分に経験しているので、思ったとおりにはなりません。思ったより早いかもしれませんし、思っているより時間がかかるかもしれません。しかし、いつでもそういうチャンスが来るかもしれないという備えは、野党第一党にしていただいた以上は、備えておかなければいけないなと思っています。
私たちの生活を豊かにするために政治とどのように向き合うべきか、この機会に今一度みなさんも考えてみてはいかがでしょうか?
【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/