J-WAVEで放送中の『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)のワンコーナー「CURIOUSCOPE」。7月20日(金)のオンエアでは、恐竜にまつわる新事実に注目。全国の恐竜展プロデュースやトークショーで引っ張りだこの、日本初の恐竜専門サイエンス・コミュニケーターである、“恐竜くん”さん(以下、恐竜くん)にお話を伺いました。
【関連記事】恐竜くんが明かす驚愕の真実「スズメも恐竜」「恐竜を蘇らせることは…」
■海外ではポピュラーな「サイエンス・コミュニケーター」という仕事
まずは、恐竜くんの肩書「恐竜専門サイエンス・コミュニケーター」について訊きました。
恐竜くん:自分はカナダの大学で勉強してきた科学の専門家ではあるんですが、純粋な研究者というよりは、あくまで教育や普及といった活動に特化した専門家で、それを「サイエンス・コミュニケーター」と言います。日本では研究者がサイエンス・コミュニケーターも兼ねている場合が多いのですが、本来、研究に求められる技能と伝えていくのに求められる技能は必ずしもイコールではないので、欧米ではメジャーな仕事です。
渡部:夏休みに全国で行われる恐竜展のプロデュースも担当しているとのことですが、具体的にどのようなことをやるんですか?
恐竜くん:恐竜展は普通、ものすごく多くの人が関わります。学術的な監修をする人、文章を書く人、イラストを描く人、イベントの講師、現地での調査……などですね。自分の場合は今挙げたことを一人ですることができるので、よく「ひとり恐竜展」と言われます(笑)。隅から隅まで、まるごと恐竜展を作っています。
渡部:トークショーもなさるということですが、子ども相手とかが多いんですか?
恐竜くん:大人の方向け、大学とか高校に行ってお話するということもありますが、基本的にはお子さんメインに、家族向けのトークショーが多いですね。
渡部:どんな話が、リアクションがいいですか?
恐竜くん:いろいろあって、一言で言うのは難しいですが、子どもたちは恐竜に詳しいんですよ。名前とか大きさがどのくらいとか、どこで見つかったとか、データをよく覚えています。そのため、“データ脳”になってしまって、体感的にどのくらい恐竜が大きいかといった素朴なところがピンときていない子が多いです。なので、ベタなんですけど、「ゾウと比べると恐竜はこんなに大きかったんだよ」ということをやったり。あと、行く先々で、そこの有名な場所や近所のシンボリックな場所、たとえばお城の写真に大きな恐竜を合成したりすると、意外とストレートに、みんな「でかっ!」と言っています。
渡部:子どもからは、どんな質問が多いですか?
恐竜くん:子どもたちは、こちらが唸るようないい質問をしてくれる子も多いんですね。定番の質問だと、「一番○○な恐竜は何ですか?」で、「一番大きい」「一番強い」「一番速い」。特に男の子がそのような質問をすることが多いですね。
渡部:一番強い恐竜とかあるんですか?
恐竜くん:ストレートに言うと、一番大きい恐竜が一番強いはずなんです。今の世界でも、ライオンがどんなに怖くてもゾウには敵わないというのと同じです。子どもは「肉食恐竜で一番強いのは何か」と訊いてくる子が多いので、ベタベタに聞こえるんですけど、ティラノサウルスが不動ですね。全く揺るがないですね。
■映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は専門家もニヤッとできる!
続いて、先日公開された映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』ついて訊きました。
渡部:恐竜くん目線で、見どころはどのへんになりますか?
恐竜くん:今回は恐竜の種類が多いというのを売りにしています。実際、初登場の恐竜がいたり、原作に出ていたのに映画に出ていなかった待望の恐竜もいるんです。映画なので、フィクションや誇張した部分はありつつも、細かい部分にマニアックなこだわりがあったり、しっかり最近の研究を取り入れていたりします。そういう描写を観ると、こちらとしても楽しいです。
渡部:最初のシリーズが1993年ですもんね。
恐竜くん:最新作で気になった“こだわり”は、1作目からシリーズを通して有名なティラノサウルスの年齢です。1作目の個体と、前作、本作は、同じ個体という設定なんですね。実際、昔についた傷とかがちゃんと残っていたりするんです。今回、劇中設定も公開年月日から現在と同じ25年が経過している設定なのですが、1作目と同じ個体ということは、28、29歳になるんです。実はこれって、本物のティラノサウルスのちょうど寿命くらいと考えられるんです。だから、前作を観ながら、「おばあちゃん頑張るな」と(笑)。今回はどうなるのかなと思ったら、ちゃんと作中で、登場人物同士が「ティラノサウルス、年齢的に大丈夫なのかな」みたいな話をしていて、なぜまだ健在なのかというフォローが入っていたりするんです。専門でやってる人間もニヤリとしてしまうようなところがあったりします。
■恐竜の色がわかりはじめた理由とは?
渡部が、「最近、恐竜でホットなニュースはありますか」と訊くと……。
恐竜くん:新発見が絶えない分野なので、逆に「これ!」というのは難しいですが、自分も先月、アメリカの研究所や発掘現場に行っていて、新発見に触れてきたんです。新しすぎることはまだ言えなくて……。ただ、昔は「化石は貴重だから傷つけちゃダメ」というのが当たり前だったんですけど、最近の研究のトレンドとして、化石をどんどん切って中まで調べるようになりました。中を調べると、“生”の部分がわかるようになってきたんです。たとえば、恐竜の寿命や成長期、どんな病気にかかりやすかったか、種によって持病があったんじゃないかとか。異常に大きくなった秘密も骨にあったり、そういうことがすごい勢いで解き明かされています。
渡部:最近わかった新事実はあるのでしょうか。
恐竜くん:一般の方にわかりやすいところでは、従来、恐竜の色って絶対にわからない永遠の謎だったのですけど、今はわかりはじめたんです。せいぜい10種類くらいなんですけど、意外と縞模様があったり、羽飾りがあったり、キラキラしていたりと、やたら派手な恐竜が多かったり。昔の恐竜は地味な印象だったのが、変わってきているんです。
現在、池袋・SKY CIRCUS サンシャイン60展望台で、「恐竜くんプロデュース 恐竜スカイミュージアム~鳥は恐竜だった!~」を開催中。展望台という場所を活かした展示を行っています。その他にも、全国で恐竜イベントを開催中なので、「恐竜くん」で検索してみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:金曜 16時30分ー20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
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■海外ではポピュラーな「サイエンス・コミュニケーター」という仕事
まずは、恐竜くんの肩書「恐竜専門サイエンス・コミュニケーター」について訊きました。
恐竜くん:自分はカナダの大学で勉強してきた科学の専門家ではあるんですが、純粋な研究者というよりは、あくまで教育や普及といった活動に特化した専門家で、それを「サイエンス・コミュニケーター」と言います。日本では研究者がサイエンス・コミュニケーターも兼ねている場合が多いのですが、本来、研究に求められる技能と伝えていくのに求められる技能は必ずしもイコールではないので、欧米ではメジャーな仕事です。
渡部:夏休みに全国で行われる恐竜展のプロデュースも担当しているとのことですが、具体的にどのようなことをやるんですか?
恐竜くん:恐竜展は普通、ものすごく多くの人が関わります。学術的な監修をする人、文章を書く人、イラストを描く人、イベントの講師、現地での調査……などですね。自分の場合は今挙げたことを一人ですることができるので、よく「ひとり恐竜展」と言われます(笑)。隅から隅まで、まるごと恐竜展を作っています。
渡部:トークショーもなさるということですが、子ども相手とかが多いんですか?
恐竜くん:大人の方向け、大学とか高校に行ってお話するということもありますが、基本的にはお子さんメインに、家族向けのトークショーが多いですね。
渡部:どんな話が、リアクションがいいですか?
恐竜くん:いろいろあって、一言で言うのは難しいですが、子どもたちは恐竜に詳しいんですよ。名前とか大きさがどのくらいとか、どこで見つかったとか、データをよく覚えています。そのため、“データ脳”になってしまって、体感的にどのくらい恐竜が大きいかといった素朴なところがピンときていない子が多いです。なので、ベタなんですけど、「ゾウと比べると恐竜はこんなに大きかったんだよ」ということをやったり。あと、行く先々で、そこの有名な場所や近所のシンボリックな場所、たとえばお城の写真に大きな恐竜を合成したりすると、意外とストレートに、みんな「でかっ!」と言っています。
渡部:子どもからは、どんな質問が多いですか?
恐竜くん:子どもたちは、こちらが唸るようないい質問をしてくれる子も多いんですね。定番の質問だと、「一番○○な恐竜は何ですか?」で、「一番大きい」「一番強い」「一番速い」。特に男の子がそのような質問をすることが多いですね。
渡部:一番強い恐竜とかあるんですか?
恐竜くん:ストレートに言うと、一番大きい恐竜が一番強いはずなんです。今の世界でも、ライオンがどんなに怖くてもゾウには敵わないというのと同じです。子どもは「肉食恐竜で一番強いのは何か」と訊いてくる子が多いので、ベタベタに聞こえるんですけど、ティラノサウルスが不動ですね。全く揺るがないですね。
■映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は専門家もニヤッとできる!
続いて、先日公開された映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』ついて訊きました。
渡部:恐竜くん目線で、見どころはどのへんになりますか?
恐竜くん:今回は恐竜の種類が多いというのを売りにしています。実際、初登場の恐竜がいたり、原作に出ていたのに映画に出ていなかった待望の恐竜もいるんです。映画なので、フィクションや誇張した部分はありつつも、細かい部分にマニアックなこだわりがあったり、しっかり最近の研究を取り入れていたりします。そういう描写を観ると、こちらとしても楽しいです。
渡部:最初のシリーズが1993年ですもんね。
恐竜くん:最新作で気になった“こだわり”は、1作目からシリーズを通して有名なティラノサウルスの年齢です。1作目の個体と、前作、本作は、同じ個体という設定なんですね。実際、昔についた傷とかがちゃんと残っていたりするんです。今回、劇中設定も公開年月日から現在と同じ25年が経過している設定なのですが、1作目と同じ個体ということは、28、29歳になるんです。実はこれって、本物のティラノサウルスのちょうど寿命くらいと考えられるんです。だから、前作を観ながら、「おばあちゃん頑張るな」と(笑)。今回はどうなるのかなと思ったら、ちゃんと作中で、登場人物同士が「ティラノサウルス、年齢的に大丈夫なのかな」みたいな話をしていて、なぜまだ健在なのかというフォローが入っていたりするんです。専門でやってる人間もニヤリとしてしまうようなところがあったりします。
■恐竜の色がわかりはじめた理由とは?
渡部が、「最近、恐竜でホットなニュースはありますか」と訊くと……。
恐竜くん:新発見が絶えない分野なので、逆に「これ!」というのは難しいですが、自分も先月、アメリカの研究所や発掘現場に行っていて、新発見に触れてきたんです。新しすぎることはまだ言えなくて……。ただ、昔は「化石は貴重だから傷つけちゃダメ」というのが当たり前だったんですけど、最近の研究のトレンドとして、化石をどんどん切って中まで調べるようになりました。中を調べると、“生”の部分がわかるようになってきたんです。たとえば、恐竜の寿命や成長期、どんな病気にかかりやすかったか、種によって持病があったんじゃないかとか。異常に大きくなった秘密も骨にあったり、そういうことがすごい勢いで解き明かされています。
渡部:最近わかった新事実はあるのでしょうか。
恐竜くん:一般の方にわかりやすいところでは、従来、恐竜の色って絶対にわからない永遠の謎だったのですけど、今はわかりはじめたんです。せいぜい10種類くらいなんですけど、意外と縞模様があったり、羽飾りがあったり、キラキラしていたりと、やたら派手な恐竜が多かったり。昔の恐竜は地味な印象だったのが、変わってきているんです。
現在、池袋・SKY CIRCUS サンシャイン60展望台で、「恐竜くんプロデュース 恐竜スカイミュージアム~鳥は恐竜だった!~」を開催中。展望台という場所を活かした展示を行っています。その他にも、全国で恐竜イベントを開催中なので、「恐竜くん」で検索してみてください!
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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:金曜 16時30分ー20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/