J-WAVEで放送中の番組『RINREI CLASSY LIVING』(ナビゲーター:村治佳織)。6月23日(土)のオンエアでは、作家の逢坂 剛さんが登場。逢坂さん原作のドラマ・映画『MOZU』の裏話や、毎日通う古本屋などについて伺いました。
逢坂さんは長年に渡って、ミステリーを中心に時代小説やエッセイなどさまざまな作品を発表。直木賞をはじめ多くの文学賞も受賞しています。
■「セリフがほしい」と伝えたけれど…
村治:逢坂さんはドラマや映画にもなった『MOZU』の原作者として知っている方も多いと思います。原作はすごく前に書かれているんですよね。
逢坂:原作(『百舌の叫ぶ夜』など)は、30年くらい前から書きました。これは当時、誰も書いてなかった公安警察の小説です。普通の警察小説は刑事が出てきて殺人事件を捜査するけど、それじゃ面白くないので、誰も知らない公安警察の小説を書こうと。
逢坂さんはドラマや映画『MOZU』の撮影現場を訪れ、ワンシーンに出演したそうです。
逢坂:出演していることに気づく人は、ほとんどいないですけどね。現場で監督に「セリフがほしい」って言ったんですけど、「それはダメです」って言われました。しょうがないからレストランのシーンで、勝手にウエイトレスに「○○あります?」って聞いたんだけど、もちろん声はカットされていました。
村治:(笑)。
村治は逢坂さんに「登場人物の表情を想像しながら小説を書くか」と質問します。
逢坂:書きますね。つまり、人と話すときでも相手の感情がチラッと出ることがあるじゃないですか、目の光とかね。それを細かく書く方ですね。セリフを書く場合に、「誰々がそう言った」と書かけば分かるけど、「……と言いながら、くちびるを引き締めた」と書くと、何か考えているな、とわかるじゃないですか。時間はかかるけど、そういう言葉をマメに書きますね。
■「古本屋巡りがやめられない」理由は…
仕事場がある神保町で、毎日のように古本屋巡りをしていると話す逢坂さん。不況とも言われる現在の出版業界をどのように感じているのでしょうか。
逢坂:本が売れなくなったのはいろいろな要素があるんだけど、スマートフォンとか別の手軽な娯楽が手に入るようになって、そちらに流れたことが一番大きな原因じゃないかと思います。活字が好きな人は一定数いるので、活字が滅びることはないだろうけど、どうしても人間は便利な方に向かって、それに慣れちゃうと後戻りできないから。例えば通販で買い物をすると、何もしなくても翌日届いたりするでしょ。
村治:そうですよね。
逢坂:わざわざ遠い場所に出かけることが無くなるから、デパートだって出版業界と同じ悩みを抱えてるんじゃないですかね。
古本のネット通販を使うこともあるけど、店頭で実際に本を手に取ってみないと本は分からないと逢坂さんは言います。
逢坂:本は読めさえすれば、状態は汚くてもいいです。何も関係なさそうな本でも(店頭で)見ているとオーラが出ていることがあります。それをちょっと読むと、(自分が気になっている)スペインとか西部劇とかギターとかに関する記述が出ていることが何度もあって、それはやっぱり本が呼んでいるんですよ。
村治:毎日のように古本屋に通われていても、まだそのような発見があるんですね。
逢坂:古本屋の棚って毎日微妙に変わっているからね。一日古本屋に行かないだけで、昨日入荷した本が売れてしまうことが無きにしもあらずで、これまでそういうことが何度もありました。
村治:お店の人とは会話しますか。
逢坂:全部が全部じゃないけど、話しますね。(お店の人に)いろいろと教わった覚えがあるな。日本文学とか外国文学について詳しい古本屋のおやじさんが、「あの本は、あそこから出ているよ」って情報を教えてくれて助かったね。
村治:その情報ってお金では買えないですよね。お店の人と信頼関係があるからこそだから。
逢坂:そういうことがあるから古本屋巡りはやめられないですね。
逢坂さんが魅力たっぷりに語ってくれた古本屋に訪れてみてはいかがでしょうか。すてきな偶然の出会いがあるかもしれません。
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【番組情報】
番組名:『RINREI CLASSY LIVING』
放送日時:土曜 20時-20時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/classyliving/
逢坂さんは長年に渡って、ミステリーを中心に時代小説やエッセイなどさまざまな作品を発表。直木賞をはじめ多くの文学賞も受賞しています。
■「セリフがほしい」と伝えたけれど…
村治:逢坂さんはドラマや映画にもなった『MOZU』の原作者として知っている方も多いと思います。原作はすごく前に書かれているんですよね。
逢坂:原作(『百舌の叫ぶ夜』など)は、30年くらい前から書きました。これは当時、誰も書いてなかった公安警察の小説です。普通の警察小説は刑事が出てきて殺人事件を捜査するけど、それじゃ面白くないので、誰も知らない公安警察の小説を書こうと。
逢坂さんはドラマや映画『MOZU』の撮影現場を訪れ、ワンシーンに出演したそうです。
逢坂:出演していることに気づく人は、ほとんどいないですけどね。現場で監督に「セリフがほしい」って言ったんですけど、「それはダメです」って言われました。しょうがないからレストランのシーンで、勝手にウエイトレスに「○○あります?」って聞いたんだけど、もちろん声はカットされていました。
村治:(笑)。
村治は逢坂さんに「登場人物の表情を想像しながら小説を書くか」と質問します。
逢坂:書きますね。つまり、人と話すときでも相手の感情がチラッと出ることがあるじゃないですか、目の光とかね。それを細かく書く方ですね。セリフを書く場合に、「誰々がそう言った」と書かけば分かるけど、「……と言いながら、くちびるを引き締めた」と書くと、何か考えているな、とわかるじゃないですか。時間はかかるけど、そういう言葉をマメに書きますね。
■「古本屋巡りがやめられない」理由は…
仕事場がある神保町で、毎日のように古本屋巡りをしていると話す逢坂さん。不況とも言われる現在の出版業界をどのように感じているのでしょうか。
逢坂:本が売れなくなったのはいろいろな要素があるんだけど、スマートフォンとか別の手軽な娯楽が手に入るようになって、そちらに流れたことが一番大きな原因じゃないかと思います。活字が好きな人は一定数いるので、活字が滅びることはないだろうけど、どうしても人間は便利な方に向かって、それに慣れちゃうと後戻りできないから。例えば通販で買い物をすると、何もしなくても翌日届いたりするでしょ。
村治:そうですよね。
逢坂:わざわざ遠い場所に出かけることが無くなるから、デパートだって出版業界と同じ悩みを抱えてるんじゃないですかね。
古本のネット通販を使うこともあるけど、店頭で実際に本を手に取ってみないと本は分からないと逢坂さんは言います。
逢坂:本は読めさえすれば、状態は汚くてもいいです。何も関係なさそうな本でも(店頭で)見ているとオーラが出ていることがあります。それをちょっと読むと、(自分が気になっている)スペインとか西部劇とかギターとかに関する記述が出ていることが何度もあって、それはやっぱり本が呼んでいるんですよ。
村治:毎日のように古本屋に通われていても、まだそのような発見があるんですね。
逢坂:古本屋の棚って毎日微妙に変わっているからね。一日古本屋に行かないだけで、昨日入荷した本が売れてしまうことが無きにしもあらずで、これまでそういうことが何度もありました。
村治:お店の人とは会話しますか。
逢坂:全部が全部じゃないけど、話しますね。(お店の人に)いろいろと教わった覚えがあるな。日本文学とか外国文学について詳しい古本屋のおやじさんが、「あの本は、あそこから出ているよ」って情報を教えてくれて助かったね。
村治:その情報ってお金では買えないですよね。お店の人と信頼関係があるからこそだから。
逢坂:そういうことがあるから古本屋巡りはやめられないですね。
逢坂さんが魅力たっぷりに語ってくれた古本屋に訪れてみてはいかがでしょうか。すてきな偶然の出会いがあるかもしれません。
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番組名:『RINREI CLASSY LIVING』
放送日時:土曜 20時-20時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/classyliving/