「でんきを消して、スローな夜を。」を合言葉にしたイベント「100万人のキャンドルナイト@増上寺2018」(大地を守る会、J-WAVE共催)が、6月16日(土)に芝・増上寺にて開催された。
今年で16年目を迎える「100万人のキャンドルナイト」は、大地を守る会の呼びかけで2003年の夏至にスタート。夏至と冬至の夜8時から10時の2時間、電気を消してロウソクの灯りの下、いつもとは違う、ゆったりとした時間が流れる中で、ひとりひとりが思い思いに過ごし、立ち止まって考えることを提唱している。心に浮かべることは家族、仕事、平和、環境など人それぞれ。自由でありながらも、ロウソクの灯火のなかで皆が一斉に思考を巡らすことで不思議な一体感を感じられるイベントだ。
6月21日の夏至まで1週間を切るなか行われたイベントでは、11時から境内に、大地を守る会の生産者が全国からこだわりの逸品を持ち寄ったオーガニックマルシェや、作家に直接会って交流しながら作品に触れることができるMOTTAINAIてづくり市、自慢の食材を使った料理を提供してくれるキッチンカーなどのブースが立ち並んだ。また18時からは、キャンドルナイトを盛り上げるべく、J-WAVEプロデュースのアコースティック・ライブやショートフィルムを上映。来場者は、ロウソクの灯火が空間を照らす幻想的な雰囲気のなか、スローな夜を楽しんだ。
■nyca(坂本美雨+Michael Kaneko)が初お披露目
まずステージに立ったのは、この日に初お披露目となったスペシャルユニット・nyca(坂本美雨+Michael Kaneko)。「ラジオでお会いして、すっごくいい声でいつかやりたいなと」(坂本)、「機会があったので、ぜひ一緒にやろうと…」(Michael)とユニット結成の経緯を明かしたふたり。坂本美雨がニューヨーク(NY)、Michael kanekoが南カリフォルニア(CA)に住んでいたことから、ユニット名はnyca(読み方:にゃいか)になったそうだ。
そんなふたりは、映画をテーマとした楽曲を中心に全6曲を披露。というのも、今年のキャンドルナイトでは、初の試みとして、今年20周年を迎える米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」とコラボレーションが実現したため。坂本美雨はMichael Kanekoのアコースティック伴奏に乗せて、映画『ティファニーで朝食を』からの『Moon River』や映画『トイ・ストーリー2』の『When She Loved Me』を歌い上げる。600年の歴史ある増上寺を背後に、荘厳な雰囲気が漂う場内に、坂本美雨の優しく透き通るような歌声と、Michael Kanekoの心地よく甘い歌声が響き渡っていく。しっとりした曲調から一転、観客に手拍子を煽って場内を盛り上げたのがMichael Kanekoのオリジナル曲『It Takes Two』。ノリのいいポップな曲調で、来場者の顔には満面の笑みが浮かぶ。「もし、またこのふたりでやることがあったら、ぜひ(ライブに)来てください!」(坂本)と、nycaの今後に期待を寄せながら歌った最後の曲は、映画『ぼくらの七日間戦争』から『SEVEN DAYS WAR』。ふたりの絶妙なハーモニーを味わいつつ、来場者も含め全員が歌声を一つにして歌いきった。
■環境問題を考えるきっかけに…ショートフィルム上映
nycaのステージ後は、ロウソクの灯火のもとでショートフィルムを楽しんだ。今回イベントとコラボしたSSFF & ASIA代表の別所哲也が「『シネマは光の絵の具でできている』とよく言われます。光の明るさが、キャンドルから始まる、僕らが享受している明るさというものを考えるいい機会になればいいなと思っています」と挨拶し、来場者は世界各地の環境問題を提起する「地球を救え!部門 supported by リンレイ」で環境大臣賞を受賞した『森林』とJ-WAVEアワードを受賞した『シロクマとグリズリー』を鑑賞した。
巻き戻しのきかない森林伐採を問う『森林』、地球温暖化の影響で出会ったシロクマとグリズリーの関係を描く『シロクマとグリズリー』、ともに環境問題を扱った作品だ。「地球を救え!部門」で審査員を務めた坂本美雨が「地球の問題は現実のことなのに、表現にアート性があり、ファンタジーの要素がある」と述べるように、ショートフィルムは環境問題という難しいテーマを、押し付けがましくない形で我々に提起してくれる。来場者は、ロウソクの淡い光の中、スクリーンを見つめながら地球環境に対し思いを馳せていた。
■今市隆二も駆けつけ、キャンドルナイトを盛り上げる
消灯時間が迫ってきた午後8時前、ステージには映画祭を盛り上げるフェスティバルナビゲーターの三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEから今市隆二がスペシャルゲストとして登場! 映画祭代表の別所哲也、映画祭アンバサダーの LiLiCo、坂本美雨らと共に、キャンドルナイトに華を添えた。
今市隆二はフェスティバルナビゲーターを務めるにあたり、「SSFF & ASIAの節目の年に、『FUTURE』を起用して頂いて光栄です。この曲は海外のクリエイターと作った曲ということで、今回コラボさせて頂けてうれしいです」と喜びを露わに。「ショートフィルムは尺が短いながらも奥が深いんだなと。自分たちも楽曲を提供してコラボして、映像を通して聴くことでまた違う音楽の聴き方もできてよかったです」と、ショートフィルムを通して音楽への向き合い方にも変化があったことを明かした。
またフェスティバルテーマソングである新曲『FUTURE』のタイトルにかけて、「監督は難しそうですね……でも今年ソロプロジェクトを始めさせて頂いて。海外の監督とも仕事をして、ミュージックビデオで少し演技もさせてもらったので。ご縁があればショートフィルムも……」と将来への意気込みも語った。
■夜8時、東京タワーが消灯
ゲストの軽快で楽しいトークでステージが盛り上がるなか、ついにイベントもクライマックスへ。消灯時間が目前に迫り、今市隆二がカウントダウンの掛け声を数えはじめる。カウントがゼロになった夜8時に、増上寺に隣接する東京タワーが消灯。鐘の音が響くなか、増上寺境内にロウソクの灯火だけの幻想的な空間が広がった。
消灯後のステージには、シンガーソングライターのMiyuuが登場。京都×洋楽という異色の組み合わせで国内外から注目を集めている彼女。昨年のSSFF & ASIAのavex digital AWARDで最優秀賞を獲得した企画を映画化した『ブレイカーズ』の主題歌『dandelions』を歌っている。ステージでは、同曲をアレンジしたMichael Kanekoと共に特別セッションを披露したほか、映画『グレイテスト・ショーマン』から『A Million Dreams』やブルーノ・マーズ『Just The Way You Are』などのカバー曲を、スモーキーで優しく抜けるような声で歌い上げ、音楽でキャンドルナイトを彩った。
■今年の夏至は6月21日(木)
豊かで便利な社会のなかで、周りに気付かないほど忙しい日々を送っている私たち。この日だけは、来場者たちは日々の喧騒を忘れ、ロウソクの灯りの中で、ゆっくりと考える時間を持てたのではないだろうか。キャンドルナイト発起人であるオイシックスドット大地株式会社代表の藤田和芳は、「1年で1日でいいから2時間だけ、電気を消してみてください。消してみると今まで見えなかったこと――私たちの文明や生き方、社会が向かう先が見えてくるかもしれません」と呼びかける。
来る6月21日(木)は夏至の日。この日も東京タワーでは、夜8時から10時までの2時間、ライトダウンを実施する。みんなで一斉に電気を消して、自身の家族や仕事について、または平和や環境問題など世界の話題に対して思いをめぐらせながら、スローな夜を過ごしてみてはいかがだろうか。
今年で16年目を迎える「100万人のキャンドルナイト」は、大地を守る会の呼びかけで2003年の夏至にスタート。夏至と冬至の夜8時から10時の2時間、電気を消してロウソクの灯りの下、いつもとは違う、ゆったりとした時間が流れる中で、ひとりひとりが思い思いに過ごし、立ち止まって考えることを提唱している。心に浮かべることは家族、仕事、平和、環境など人それぞれ。自由でありながらも、ロウソクの灯火のなかで皆が一斉に思考を巡らすことで不思議な一体感を感じられるイベントだ。
6月21日の夏至まで1週間を切るなか行われたイベントでは、11時から境内に、大地を守る会の生産者が全国からこだわりの逸品を持ち寄ったオーガニックマルシェや、作家に直接会って交流しながら作品に触れることができるMOTTAINAIてづくり市、自慢の食材を使った料理を提供してくれるキッチンカーなどのブースが立ち並んだ。また18時からは、キャンドルナイトを盛り上げるべく、J-WAVEプロデュースのアコースティック・ライブやショートフィルムを上映。来場者は、ロウソクの灯火が空間を照らす幻想的な雰囲気のなか、スローな夜を楽しんだ。
■nyca(坂本美雨+Michael Kaneko)が初お披露目
まずステージに立ったのは、この日に初お披露目となったスペシャルユニット・nyca(坂本美雨+Michael Kaneko)。「ラジオでお会いして、すっごくいい声でいつかやりたいなと」(坂本)、「機会があったので、ぜひ一緒にやろうと…」(Michael)とユニット結成の経緯を明かしたふたり。坂本美雨がニューヨーク(NY)、Michael kanekoが南カリフォルニア(CA)に住んでいたことから、ユニット名はnyca(読み方:にゃいか)になったそうだ。
そんなふたりは、映画をテーマとした楽曲を中心に全6曲を披露。というのも、今年のキャンドルナイトでは、初の試みとして、今年20周年を迎える米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」とコラボレーションが実現したため。坂本美雨はMichael Kanekoのアコースティック伴奏に乗せて、映画『ティファニーで朝食を』からの『Moon River』や映画『トイ・ストーリー2』の『When She Loved Me』を歌い上げる。600年の歴史ある増上寺を背後に、荘厳な雰囲気が漂う場内に、坂本美雨の優しく透き通るような歌声と、Michael Kanekoの心地よく甘い歌声が響き渡っていく。しっとりした曲調から一転、観客に手拍子を煽って場内を盛り上げたのがMichael Kanekoのオリジナル曲『It Takes Two』。ノリのいいポップな曲調で、来場者の顔には満面の笑みが浮かぶ。「もし、またこのふたりでやることがあったら、ぜひ(ライブに)来てください!」(坂本)と、nycaの今後に期待を寄せながら歌った最後の曲は、映画『ぼくらの七日間戦争』から『SEVEN DAYS WAR』。ふたりの絶妙なハーモニーを味わいつつ、来場者も含め全員が歌声を一つにして歌いきった。
■環境問題を考えるきっかけに…ショートフィルム上映
nycaのステージ後は、ロウソクの灯火のもとでショートフィルムを楽しんだ。今回イベントとコラボしたSSFF & ASIA代表の別所哲也が「『シネマは光の絵の具でできている』とよく言われます。光の明るさが、キャンドルから始まる、僕らが享受している明るさというものを考えるいい機会になればいいなと思っています」と挨拶し、来場者は世界各地の環境問題を提起する「地球を救え!部門 supported by リンレイ」で環境大臣賞を受賞した『森林』とJ-WAVEアワードを受賞した『シロクマとグリズリー』を鑑賞した。
巻き戻しのきかない森林伐採を問う『森林』、地球温暖化の影響で出会ったシロクマとグリズリーの関係を描く『シロクマとグリズリー』、ともに環境問題を扱った作品だ。「地球を救え!部門」で審査員を務めた坂本美雨が「地球の問題は現実のことなのに、表現にアート性があり、ファンタジーの要素がある」と述べるように、ショートフィルムは環境問題という難しいテーマを、押し付けがましくない形で我々に提起してくれる。来場者は、ロウソクの淡い光の中、スクリーンを見つめながら地球環境に対し思いを馳せていた。
■今市隆二も駆けつけ、キャンドルナイトを盛り上げる
消灯時間が迫ってきた午後8時前、ステージには映画祭を盛り上げるフェスティバルナビゲーターの三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEから今市隆二がスペシャルゲストとして登場! 映画祭代表の別所哲也、映画祭アンバサダーの LiLiCo、坂本美雨らと共に、キャンドルナイトに華を添えた。
今市隆二はフェスティバルナビゲーターを務めるにあたり、「SSFF & ASIAの節目の年に、『FUTURE』を起用して頂いて光栄です。この曲は海外のクリエイターと作った曲ということで、今回コラボさせて頂けてうれしいです」と喜びを露わに。「ショートフィルムは尺が短いながらも奥が深いんだなと。自分たちも楽曲を提供してコラボして、映像を通して聴くことでまた違う音楽の聴き方もできてよかったです」と、ショートフィルムを通して音楽への向き合い方にも変化があったことを明かした。
またフェスティバルテーマソングである新曲『FUTURE』のタイトルにかけて、「監督は難しそうですね……でも今年ソロプロジェクトを始めさせて頂いて。海外の監督とも仕事をして、ミュージックビデオで少し演技もさせてもらったので。ご縁があればショートフィルムも……」と将来への意気込みも語った。
■夜8時、東京タワーが消灯
ゲストの軽快で楽しいトークでステージが盛り上がるなか、ついにイベントもクライマックスへ。消灯時間が目前に迫り、今市隆二がカウントダウンの掛け声を数えはじめる。カウントがゼロになった夜8時に、増上寺に隣接する東京タワーが消灯。鐘の音が響くなか、増上寺境内にロウソクの灯火だけの幻想的な空間が広がった。
消灯後のステージには、シンガーソングライターのMiyuuが登場。京都×洋楽という異色の組み合わせで国内外から注目を集めている彼女。昨年のSSFF & ASIAのavex digital AWARDで最優秀賞を獲得した企画を映画化した『ブレイカーズ』の主題歌『dandelions』を歌っている。ステージでは、同曲をアレンジしたMichael Kanekoと共に特別セッションを披露したほか、映画『グレイテスト・ショーマン』から『A Million Dreams』やブルーノ・マーズ『Just The Way You Are』などのカバー曲を、スモーキーで優しく抜けるような声で歌い上げ、音楽でキャンドルナイトを彩った。
■今年の夏至は6月21日(木)
豊かで便利な社会のなかで、周りに気付かないほど忙しい日々を送っている私たち。この日だけは、来場者たちは日々の喧騒を忘れ、ロウソクの灯りの中で、ゆっくりと考える時間を持てたのではないだろうか。キャンドルナイト発起人であるオイシックスドット大地株式会社代表の藤田和芳は、「1年で1日でいいから2時間だけ、電気を消してみてください。消してみると今まで見えなかったこと――私たちの文明や生き方、社会が向かう先が見えてくるかもしれません」と呼びかける。
来る6月21日(木)は夏至の日。この日も東京タワーでは、夜8時から10時までの2時間、ライトダウンを実施する。みんなで一斉に電気を消して、自身の家族や仕事について、または平和や環境問題など世界の話題に対して思いをめぐらせながら、スローな夜を過ごしてみてはいかがだろうか。
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