J-WAVEでオンエア中の『~JK RADIO~ TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。5月25日(金)のオンエアでは、ceroから高城晶平さん(Vo, Gt)、荒内 佑さん(Key)のふたりが登場し、ニューアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』の誕生秘話を語りました。
■楽曲はアフリカ由来
まず、アルバムづくりのきっかけになった楽曲『魚の骨 鳥の羽根』についてお話を伺いました。
荒内:トーキング・ヘッズの『Remain in Light』という、アフリカ的なディスコ・ガラージみたいなアルバムがあるんです。それが当時も今も「ポリリズミックだ」と言われています。ポリリズムというのは簡単にいうと、同じ時間内に違う周期のリズムが同時に走っていることを言います。実際そこまでポリリズムじゃないよなと思ったんですが、「ポリリズムっぽくトーキング・ヘッズの曲を作ってみたら面白いんじゃないかな」と着想を得て。表面的な音色、中で使っているリズムの構造もアフリカ的なんですけど、「それならアフロビートじゃん」とか思いつつも、また違う“第3のもの”が生まれて面白かったですね。
高城:日本由来ではない、自然だったりするものが、都市的なものの中に流入してくる。それで倒錯的になっていく、みたいなことを言葉で補強できたらなと思って書きました。「魚の骨、鳥の羽根、車のバネ、夜の雨」と、ふたつの項目――都市的なものと身近なもの、その外にあるもの――が交互に歌われるような、ちょっと呪術的な。でも、魚の骨は日常の食卓で出るお魚料理のあとのゴミとか、鳥の羽根はハトとかカラスの羽根とか、都市のなかにあるけど、ちょっと見方を変えると呪術っぽさがあったりする。
荒内:なおかつ、魚の骨、鳥の羽根、車のバネ、夜の雨と、韻を踏んでいるんですけども、韻を踏むことで世界が二重化する。都市にあるものとその外にあるもの。
リズムが印象的な『Buzzle Bee Ride』もアフリカ由来の曲です。
高城:野性的なもの、自然的なものが都市に流入してきて、そのひとつとしてハチがナトリウムランプで照らされたオレンジ色のトンネルのなかをブーンって飛んでいくような。そのナトリウムランプもチカチカチカって消えたりついたりしているような、おぞましい感じ。ちょっとSFライクな、そういうビジョンを思い浮かべてます。
■キーワードは「ダンス」
アルバム終盤のポップなナンバー『レテの子』は、高城さんが本作で手がけた最後の曲だといいます。
高城:アルバムのエンディングというか、最後に何かカタルシスのあるものを、ということだけが漠然と決まっていて、実際にそれに何がはまるかわからない状態で、最終的に荒内くんが作った『POLY LIFE MULTI SOUL』というばっちりはまったわけです。そんなことを考えていて、一個なにか快楽的なポップなやつをいっときたいなと思って、単純に作り始めたのがこれでした。
アルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』のひとつのキーワードは「ダンス」です。
高城:4つ打ってる自然に体が動くダンスミュージックとは違うラインなんだけど、こういうダンスミュージックが都市に流れてきてもいいんじゃないかという、そういうアイディアからスタートしています。だから「ダンス」というのは、必然的にいろんな歌の歌詞にでてくるんです。やっぱり都市に生きていると、肉体と精神が乖離していくような感覚を持つと思うんです。それを引き止めて、動物的な、子どもみたいな状況に戻すものとして、ダンスは機能するなと感じています。
アルバムの最後を飾る楽曲『POLY LIFE MULTI SOUL』について訊くと、以下のように話しました。
荒内:快楽的なものを何かひとつ。最終的に4つ打ちにしたいというのはアルバムを作り始めたときから思っていました。複雑怪奇なアルバムだと思われるのも嫌だったんで。「これはダンスミュージック集だよ」っていうプレゼンのために、最後に4つ打ちにしようと。
高城:『POLY LIFE MULTI SOUL』ってどんな意味なんだろう、と何となく制作中に話していました。「POLY」は複層的で折り重なっている、「MULTI」は同じような意味なんだけど、面が外に出ていて多面体的に、面が散らばっている。「折り重なっているライフ、散らばっているソウル、という風に解釈できるよね」という話になりました。いろんなリズムを持った人間が一緒に同期して、一緒に走っていて、お互い浸食されない魂を個別に有している。その状態そのものを活き活きと描写する、それがこのアルバムのテーマだったのかなと思います。
ceroのニューアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』。ぜひチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/
■楽曲はアフリカ由来
まず、アルバムづくりのきっかけになった楽曲『魚の骨 鳥の羽根』についてお話を伺いました。
荒内:トーキング・ヘッズの『Remain in Light』という、アフリカ的なディスコ・ガラージみたいなアルバムがあるんです。それが当時も今も「ポリリズミックだ」と言われています。ポリリズムというのは簡単にいうと、同じ時間内に違う周期のリズムが同時に走っていることを言います。実際そこまでポリリズムじゃないよなと思ったんですが、「ポリリズムっぽくトーキング・ヘッズの曲を作ってみたら面白いんじゃないかな」と着想を得て。表面的な音色、中で使っているリズムの構造もアフリカ的なんですけど、「それならアフロビートじゃん」とか思いつつも、また違う“第3のもの”が生まれて面白かったですね。
高城:日本由来ではない、自然だったりするものが、都市的なものの中に流入してくる。それで倒錯的になっていく、みたいなことを言葉で補強できたらなと思って書きました。「魚の骨、鳥の羽根、車のバネ、夜の雨」と、ふたつの項目――都市的なものと身近なもの、その外にあるもの――が交互に歌われるような、ちょっと呪術的な。でも、魚の骨は日常の食卓で出るお魚料理のあとのゴミとか、鳥の羽根はハトとかカラスの羽根とか、都市のなかにあるけど、ちょっと見方を変えると呪術っぽさがあったりする。
荒内:なおかつ、魚の骨、鳥の羽根、車のバネ、夜の雨と、韻を踏んでいるんですけども、韻を踏むことで世界が二重化する。都市にあるものとその外にあるもの。
リズムが印象的な『Buzzle Bee Ride』もアフリカ由来の曲です。
高城:野性的なもの、自然的なものが都市に流入してきて、そのひとつとしてハチがナトリウムランプで照らされたオレンジ色のトンネルのなかをブーンって飛んでいくような。そのナトリウムランプもチカチカチカって消えたりついたりしているような、おぞましい感じ。ちょっとSFライクな、そういうビジョンを思い浮かべてます。
■キーワードは「ダンス」
アルバム終盤のポップなナンバー『レテの子』は、高城さんが本作で手がけた最後の曲だといいます。
高城:アルバムのエンディングというか、最後に何かカタルシスのあるものを、ということだけが漠然と決まっていて、実際にそれに何がはまるかわからない状態で、最終的に荒内くんが作った『POLY LIFE MULTI SOUL』というばっちりはまったわけです。そんなことを考えていて、一個なにか快楽的なポップなやつをいっときたいなと思って、単純に作り始めたのがこれでした。
アルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』のひとつのキーワードは「ダンス」です。
高城:4つ打ってる自然に体が動くダンスミュージックとは違うラインなんだけど、こういうダンスミュージックが都市に流れてきてもいいんじゃないかという、そういうアイディアからスタートしています。だから「ダンス」というのは、必然的にいろんな歌の歌詞にでてくるんです。やっぱり都市に生きていると、肉体と精神が乖離していくような感覚を持つと思うんです。それを引き止めて、動物的な、子どもみたいな状況に戻すものとして、ダンスは機能するなと感じています。
アルバムの最後を飾る楽曲『POLY LIFE MULTI SOUL』について訊くと、以下のように話しました。
荒内:快楽的なものを何かひとつ。最終的に4つ打ちにしたいというのはアルバムを作り始めたときから思っていました。複雑怪奇なアルバムだと思われるのも嫌だったんで。「これはダンスミュージック集だよ」っていうプレゼンのために、最後に4つ打ちにしようと。
高城:『POLY LIFE MULTI SOUL』ってどんな意味なんだろう、と何となく制作中に話していました。「POLY」は複層的で折り重なっている、「MULTI」は同じような意味なんだけど、面が外に出ていて多面体的に、面が散らばっている。「折り重なっているライフ、散らばっているソウル、という風に解釈できるよね」という話になりました。いろんなリズムを持った人間が一緒に同期して、一緒に走っていて、お互い浸食されない魂を個別に有している。その状態そのものを活き活きと描写する、それがこのアルバムのテーマだったのかなと思います。
ceroのニューアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』。ぜひチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/