高橋幸宏が坂本龍一と語った、「新しい音楽」の概念とは

J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「SHOWA SHELL SEKIYU ROAD TO INNOVATION」。4月13日(金)のオンエアでは、ミュージシャン・高橋幸宏さんをゲストにお迎えし、テクノミュージックのイノベーションについてお話を伺いました。

■高橋幸宏が考える、新しい音楽の概念はふたつ

早くから電子音楽を使い、コンピューターと共に演奏をしていた高橋さん。「その時代のテクノロジーと、いま取り沙汰されている人工知能の接点が近いのでは」と川田が話を振ります。

高橋:昔ね、坂本龍一くんと、新しい音楽の概念というのは、ふたつくらいしかないって、当時よく言ってたんですよ。ひとつは誰にも聴かせない音楽。ポップミュージックだろうがなんだろうが、実験音楽でもいいんだけど。つまり、第三者のいない、第二者もいないっていうのか、作り手と作品しかないもの。(中略)もうひとつは、AI的な存在をもちろん想定はしていて、その子が自分で作曲をして音楽を作るっていう。当時は新しい概念だったんですよ、今はけっこう普通じゃないですか。
川田:普通になりつつありますね。
高橋:どういうソフトを入れるかとか、そのへんの分析力も、入れる側の知識とかセンスが相当関わってくる。ってことは、「同じか、これ」ってなっちゃうんですね。

■「無機質な音楽」とは?

続けて川田は、高橋さんの音楽が「無機質」と言われていることについて触れました。

高橋:あれ、僕たちが言ったんじゃなくて。他の人から、ピコピコやってる無機質な音楽って言われたけど。あのとき、細野(晴臣)さんとよく言ってたのは、当時の歌謡曲とかのほうが、よっぽど無機質に聴こえたんですよね。
川田:そうなんですよね。桜の季節で桜を歌うとか、そういうことのほうが無機質だ、みたいな。
高橋:そう。最近ちょっとずつ減ったけど、だいたい3~4月に、そこらへんの曲を作ったら売れるだろうみたいな時期がありましたよね。
川田:僕がいま肌感覚で感じているテクノロジーも「ちょっと未来っぽくしとけばいいだろ」みたいな雰囲気があって。
高橋:まあ、デザインの世界も、ファッションに限らずグラフィック系とか、建築系とか、わりと決まってるじゃないですか、世界的な流れが。ヘルベチカ(英字フォントの一種)みたいな、はっきりしたフォントでバシッと出していくっていうのも、テレビCMでさえ出始めているから。「流れが決まっちゃってるなこれ」っていう感じを受けるんですよね。

音楽とテクノロジーの関わりについて、お互いにうなずく場面がみられました。番組では他にも、親の教訓やストーリーを肉声で100年後まで残す新しいサービスや、国内外の最新テクノロジーなどを紹介しました。

高橋さんは、鈴木慶一さん(ムーンライダーズのボーカル)と組んだユニット、THE BEATNIKS(ザ・ビートニクス)として、5月9日(水)にニューアルバム『EXITENTIALIST A XIE XIE』をリリースします。ぜひチェックしてみてください!

次回4月20日(金)のオンエアでは、「未来のトレンド」を発信するメディア『WIRED』の元編集長・若林 恵さんが、退任後初のメディア出演。決意に秘められた思いや「メディアのイノベーション」についてお話を伺います。ぜひお聴きください!

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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