東京五輪のエンブレムに散りばめられた「デザインの秘密」

J-WAVEで放送中の番組「INNOVATION WORLD」(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「SHOWA SHELL SEKIYU ROAD TO INNOVATION」。3月2日(金)のオンエアでは、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを手掛けたアーティスト・野老朝雄(ところあさお)さんをゲストにお迎えし、エンブレムの制作意図についてお話を伺いました。


■エンブレムをよく見ると、“輪”が感じられる

川田は「東京オリンピックのエンブレムが決定するまでって、いろいろあったじゃないですか」と話を切り出しました。

川田:どんなデザインでも、何か言われると思うんですよ。すごく民主的な空気のなかで挑む野老さんは、すごく勇敢だなって。そのとき、どういう気持ちだったんですか?
野老:やっぱり、怖かったですよ。どういうことが起きてるかっていうのはチラチラ見てましたし。叩く人もある意味、集合知ですよね。初めてそれが立証されたときだったと思うし、デザイン史じゃなくて情報の歴史にとって、すごく重要なことだったと思います。「オリジナリティーってなんだろう」みたいなことも問われたし。
川田:そうですね。そういう議論になりましたもんね。
野老:僕は幾何学にお世話になっている身なので、あまり考えたことがないんですよ。(中略)幾何学ってものすごく縛りがあるなかで、そこにおいてオリジナリティーがどうのって考えたことなかったから。

デザインには、どんな思いを込めたのでしょうか。

野老:このエンブレムをよく見ると、大中小の3つの四角形でできています。大が正方形です。両エンブレムとも、45個でできています。大が9個で、ほかが18個ずつで、足すと45個になります。あと、両方とも穴があって「輪を成そう」という表現なんです。

野老:もともとひし形でできてるんですね。ひし形の中点を結ぶと四角形になるって、小学校くらいに習うのかな。それを改めてやってみると本当なんですよね。これは美しいなと思って。立体やって平面やってって、行ったり来たりしてる間の、一つの平面の現れなんですね。
川田:3Dのポリゴン(多角形)の原理みたいなことにも見えてくるし、領域を越えて得る情報があるっていうか……グッときますよね(笑)。

ぜひ、それぞれのエンブレムをじっくり見てみてください。野老さんの緻密なデザインが隠されています。

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【番組情報】
番組名:「INNOVATION WORLD」
放送日時:毎週金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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