J-WAVEの番組「JAM THE WORLD」のワンコーナー、「LOHAS TALK」(ナビゲーター:小黒一三)。12月12日(火)のオンエアでは、生物学者・福岡伸一さんをお迎えし、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんについてのお話を伺いました。
福岡さんは、村上春樹さんより先にイシグロさんが、ノーベル文学賞を受賞するのではないかと予言していたそうです。
「その予感は、イシグロさんとの対談によって深まったことなんです。その内容は『動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト』という本に書いているんですけどね。」(福岡さん、以下同)
イシグロさんがノーベル文学賞に決定した直後、多くのメディアが福岡さんの本を見つけて、「イシグロさんについて語ってください」と連絡してきたそうです。
「だから私はイシグロさんの小説の本質は、人間が持っている『記憶』が一体どれほど大事なもので、その人を支え、あるいは励まし、ある時は裏切り、変容していくかを書いていることだ、と滔々(とうとう)と語ったんです。」
ところが記者の人たちはあまり本を読んでいなかったようで、ポカーンとしてしまい、福岡さんは「もっと面白い話はないですか?」と言われてしまったそうで…。
「イシグロさんと会ったとき、お昼にお寿司を食べたんですよ。特上握り寿司を2人前取って食べ始めたら、イシグロさんはネタを外して2つに切ったり、シャリを分けたりして、握り寿司をひとりちらし寿司みたいにして食べ始めた、ということをチラッと言ったら、翌日の新聞はみんなそこだけを使っているんですよね(笑)『みなさんちゃんとカズオ・イシグロを読みましょう!』 と思いました。」
福岡さんの話を聞いた小黒は、「実際、僕もイシグロさんの本はなかなか最後まで読めないんですよね。だけど、リスナーが年末に挑戦しようとする場合に1番取っつきやすい本は何ですか?」と福岡さんに質問しました。
「やっぱり彼の代表作であり、1番の問題作でもある『わたしを離さないで』ですね。イシグロさんの話はあまり起伏がないし、読むのに多少の緊張と努力が必要ですけど、じわじわっと進んでいく物語が、誰かの記憶なわけなんです。その記憶がとても細やかに書かれているところが、彼の持ち味です。『わたしを離さないで』は、そのなかにある種のミステリーが含まれていて、その秘密がだんだん解き明かされていくところが、読みやすいかと思います。」
年末年始やなど、ゆっくり時間を取れる日に『わたしを離さないで』を皮切りに、イシグロさんの作品にどっぷり漬かってみてはいかがでしょうか。
「LOHAS TALK」では、本日のオンエアでも福岡さんをゲストにお迎えします。こちらもどうぞお楽しみに!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「LOHAS TALK」
放送日時:月・火・水・木曜 19時45分-19時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/
福岡さんは、村上春樹さんより先にイシグロさんが、ノーベル文学賞を受賞するのではないかと予言していたそうです。
「その予感は、イシグロさんとの対談によって深まったことなんです。その内容は『動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト』という本に書いているんですけどね。」(福岡さん、以下同)
イシグロさんがノーベル文学賞に決定した直後、多くのメディアが福岡さんの本を見つけて、「イシグロさんについて語ってください」と連絡してきたそうです。
「だから私はイシグロさんの小説の本質は、人間が持っている『記憶』が一体どれほど大事なもので、その人を支え、あるいは励まし、ある時は裏切り、変容していくかを書いていることだ、と滔々(とうとう)と語ったんです。」
ところが記者の人たちはあまり本を読んでいなかったようで、ポカーンとしてしまい、福岡さんは「もっと面白い話はないですか?」と言われてしまったそうで…。
「イシグロさんと会ったとき、お昼にお寿司を食べたんですよ。特上握り寿司を2人前取って食べ始めたら、イシグロさんはネタを外して2つに切ったり、シャリを分けたりして、握り寿司をひとりちらし寿司みたいにして食べ始めた、ということをチラッと言ったら、翌日の新聞はみんなそこだけを使っているんですよね(笑)『みなさんちゃんとカズオ・イシグロを読みましょう!』 と思いました。」
福岡さんの話を聞いた小黒は、「実際、僕もイシグロさんの本はなかなか最後まで読めないんですよね。だけど、リスナーが年末に挑戦しようとする場合に1番取っつきやすい本は何ですか?」と福岡さんに質問しました。
「やっぱり彼の代表作であり、1番の問題作でもある『わたしを離さないで』ですね。イシグロさんの話はあまり起伏がないし、読むのに多少の緊張と努力が必要ですけど、じわじわっと進んでいく物語が、誰かの記憶なわけなんです。その記憶がとても細やかに書かれているところが、彼の持ち味です。『わたしを離さないで』は、そのなかにある種のミステリーが含まれていて、その秘密がだんだん解き明かされていくところが、読みやすいかと思います。」
年末年始やなど、ゆっくり時間を取れる日に『わたしを離さないで』を皮切りに、イシグロさんの作品にどっぷり漬かってみてはいかがでしょうか。
「LOHAS TALK」では、本日のオンエアでも福岡さんをゲストにお迎えします。こちらもどうぞお楽しみに!
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【番組情報】
番組名:「LOHAS TALK」
放送日時:月・火・水・木曜 19時45分-19時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/