知られざる「鹿」の強さ…自然の生態系を壊すほどの影響力が!?

J-WAVEの番組「JAM THE WORLD」のワンコーナー「LOHAS TALK」(ナビゲーター:小黒一三)。3月27日(火)のオンエアでは、日本オオカミ協会の会長・丸山直樹さんをお迎えし、「増え続ける鹿と、オオカミの復活を拒むもの」についてお話をうかがいました。

丸山さんは、絶滅したオオカミが日本で復活すると、本来の生態系に戻っていくのではと話します。

丸山:今はどんどん自然の生態系は壊れていっているわけです。
小黒:そうですね。それは感じます。
丸山:いちばんの元凶は人間ですね。その次に、最近影響力を持っているのが鹿です。
小黒:イノシシもそうですか?
丸山:イノシシもそうですけど、鹿ほどじゃないですね。鹿の方が圧倒的に強力です。

近年、自然の生態系が破壊される要因のひとつとして、鹿が影響していると語ります。

小黒:なぜ、鹿はイノシシよりも強力なんですか?
丸山:やっぱり消化器官ですよね。鹿は4つ胃を持っているけど、イノシシは人間と同じように1つしか持ってませんから、人間が食べられるものはイノシシも食べるわけですけど、鹿は人間が食べられないものも食べちゃうわけです。
小黒:たとえば木の皮とかですか?
丸山:そう、木の葉っぱもそうですね。これは鹿にとってみれば自然は大変な食料庫です。そうすると、当然のことながら森林だとか草原だとか、水中の植物もそうですけど、そういうものが無くなったら、そこに住んでいる生物が片っ端からいなくなっちゃいますよね。
小黒:鹿の一番の天敵が、本来はオオカミだったっていうことなんですか?
丸山:そうですね。間違いありません。

丸山さんは、オオカミが絶滅したことにより、鹿が増え続け生態系が崩れていると指摘します。日本オオカミ協会が発行する機関誌『フォレスト・コール』には、日本の環境省が丸山さんたちの意見を聞いてくれないという記述があります。その理由について丸山さんは、こう話します。

丸山:そもそものベースで、オオカミを恐がっているんでしょうね。それは『赤ずきんちゃん』の読み過ぎですよ。
小黒:私もオオカミって言われたときに、口から血を滴らせている怖い動物だと思いますよね。
丸山:それって13世紀以降のオオカミ男以降のイメージですよね(笑)。
小黒:日本だけでなく中世の西洋社会でもオオカミは恐がられる存在だったんですか?
丸山:もともと、恐いオオカミ感は中世ヨーロッパ起源ですからね。それ以前はヨーロッパ人もオオカミを恐がっていなかったようなんです。

470編くらいあるイソップ童話のうち、31編ほどにオオカミの話が出てきますが、そこにはオオカミが人食いだという内容はなく、お人好しでバカでマヌケなイメージのオオカミが登場するとの話も飛び出しました。

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【番組情報】
番組名:「LOHAS TALK」
放送日時:月・火・水・木曜 19時45分-19時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/

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