祖父の記憶が戻った?「認知症と音楽療法」の関係

J-WAVEの番組「JAM THE WORLD」のワンコーナー、「LOHAS TALK」(ナビゲーター:小黒一三)。12月5日(火)のオンエアでは、医療福祉とエンターテインメントを融合させたイベントを数々手がけられているNPO法人Ubdobe代表理事の岡勇樹さんに、「認知症と音楽療法」についてお話を伺いました。

岡さんは、「祖父が認知症になってから、祖父に同じ曲を聴かせ続けると記憶が戻ってくるような体験があって、調べるうちに、『音楽療法』という治療法があることを知りました」と音楽療法を学ぶきっかけについて明かしました。

これが、岡さんが会社員3年目くらいの時のこと。岡さんはすぐに会社を辞め、2年制の音楽療法の専門学校に入学したそうです。

「アメリカやヨーロッパには、大学院のように大学に音楽療法の研究センターがあって、深い研究をしてるんですけど、日本ではまだ音楽療法の認知も低く、職場もなかなか増えていかない状況です」(岡さん、以下同)

岡さんが音楽療法を学ぶきっかけとなった、認知症のお祖父さんの記憶が戻った体験について詳しく伺いました。

「祖父はハリウッドや西部劇の映画が好きで、アメリカに憧れがあったんです。僕がアメリカ西海岸に住んでいた頃に、祖父が遊びに来て、ゴールデンゲートブリッジを見て涙を流しながら『本当にサンフランシスコに来たんだな』と感動するほどでした」

岡さんは帰国後、お祖父さんから「スコット・マッケンジーの『花のサンフランシスコ』の歌詞を教えて欲しい」と言われたことをきかっけに、およそ10年にわたり祖父と一緒に「花のサンフランシスコ」を歌っていたそうです。その体験が深い記憶に残っていたのでは、と岡さんは話します。

「重度の認知症になった祖父は、僕はもちろん、自分のことも分からない状態でした。祖父にフランク・シナトラやエルヴィス・プレスリーの曲を聴かせても全く反応しなかったけど、なぜか『花のサンフランシスコ』をかける時だけ、曲にあわせて少し首を振ったり、口をパクパクしたり、なんとなく視点も合ってきたんです。それから何ヵ月間かその曲を聴かせていたら、祖父は1回だけ僕を思い出しました」

その時、お祖父さんは岡さんの兄妹の名前を呼んで「あれ、今日は2人はいないのか」と話したそうで、「兄と妹を認識していることは、僕を認識しているってことだなと思って、すごく感動しました」と岡さんはその時のことを振り返りました。

小黒と岡さんのトークは7日(木)まで続きます! どうぞお聴き逃しなく!

さらに次週11日(月)の週は、生物学者・福岡伸一さんをゲストに迎えて、2017年を振り返ります。こちらもどうぞお楽しみに。

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【番組情報】
番組名:「LOHAS TALK」
放送日時:月・火・水・木曜 19時45分-19時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/

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