子供達に分かりやすくメディアリテラシーを伝える方法

J-WAVEで放送中の番組「SUNRISE FUNRISE」(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「SWITCH FOR 2021」。10月22日(日)のオンエアでは、「情報に踊らされないメディアリテラシー」を子どもたちに伝える活動をしている、ジャーナリストの下村健一さんをお迎えしました。

放送日は衆議院選挙の投票日でした。ソーシャルメディア時代において、「フェイクニュース」(ネット上に拡散される嘘のニュース)が問題になっています。昨年行われたアメリカの大統領選挙では、ツイッターに流れていたニュースは、リアルよりもフェイクの方が多かったという分析も一部ではあります。

デマで人を誘導しようとする人は昔からいたものの、現代はインターネットの普及で拡散力が大きくなったため、パンデミック(爆発的感染)が起きるようになりました。下村さんによると「昨年のアメリカの大統領選や、イギリスのEU離脱国民投票のときのように、現実を変える力を持ち始めてしまったため、大変な段階に入ってるんです」とのこと。

そこで、下村さんは著書の絵本『窓をひろげて考えよう』(かもがわ出版)を通じて、子どもたちに「情報に踊らされないメディアリテラシー」を伝えています。「メディアリテラシーとは、フェイクニュースのパンデミックを止めるワクチンのようなもので、子どもたちにワクチンを打つべく絵本を作りました」という下村さん。

絵本には小さな穴が空いていて、次のページの一部が見えています。例えば、最初のページでリポーターが「人里に熊が出ました!」と言っていて、子どもが「あぶない!」と言っているけど、ページをめくって小さな穴から全体像に変わると、人のまわりでは熊のリポーターが「熊里に人が出ました」と言っています。このように「立場が変われば、ものの見方が変わるから、なるべく広く見よう」ということを伝えるエピソードがたくさん出てきます。

この絵本の小さな窓は、スマートフォンほどの大きさにしてあります。実は、自分のスマホは小さな窓だということを気付いてほしくて、この大きさにしたそうです。下村さんによると「家で読み聞かせをしてあげながら、親も気付いてくれたらいいなと思います」とのことでした。

さらに、選挙のおけるメディアリテラシーについて下村さんは「候補者は嘘をついているわけではないけど、自分に票を入れてほしいから、自分にとってプラスの情報だけを演説で喋ります。そのため、有権者はその人の話だけを聞いて判断してはいけないんです。他の候補が言っていることと見比べることが大事で、これが選挙における『窓を広げて考える』ということです」と解説しました。

また、今回の選挙は選挙権が18歳以上に引き下げられてから、はじめての衆議院議員選挙でした。下村さんは「若い人には、自分の頭で決めてほしい。そのためにはいろいろな判断材料を持たないとダメで、『判断する』ことだけが民主主義ではなくて、『そのための判断材料がたくさんある』ということが前提で大事なので、自ら材料を絞らないようにしましょう」と訴えました。

さらに、頭に入れておきたい事として「ほかの見え方もないか」「隠れているものはないか」を考えて候補者の話を聞けば視野が広がる、とアドバイスしました。

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【番組情報】
番組名:「SUNRISE FUNRISE」
放送日時:毎週日曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/

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