新聞とネットニュース、どっちを読むべき?

J-WAVEの新番組「STEP ONE」(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。4月27日(木)のオンエアは「新聞の正しい読み方」にフォーカスしました。

今はネットニュース全盛の時代ですが、そのニュース記事の出どころを探ると、実は新聞社から発信されたものだったりします。そんな紙の新聞の持つ、ネットの記事にはない魅力やルールについて、元・日経新聞記者の松林薫さんにお話を伺いました。

近年、若い人はほとんど新聞を読まないといわれています。大学で教鞭をとっている松林さんの感覚でも、学生で新聞を読んでいる人はまばらで、社会人でも、若い人は職業によって商社や銀行といった一部の層が読んでいるという状況だそう。主な読者層は、官僚や経営層。そして、もともと新聞を読んでいた高齢層や、新聞の情報が無難なビジネスの話題と考えている層が、たしなみとして読んでいるのが現状です。

そんな新聞ですが、松林さんは「速読するときは紙の新聞が良い」と言います。まず、紙の新聞とネットニュースでは、同じ記事でも「見出し」が違うそうです。

購読者に向けて書かれている紙の新聞は、見出しが記事の要約になっており、見出しをつける専門の「要約のプロ」が見出しを書いているので、見出しだけ読めば最低限の情報が分かるようにできています。膨大な量の記事を要約だけで把握できたり、第一段落だけ読めば中身が理解出来るようにデザインされているので、読み方が分かると、紙の新聞はネットよりも記事を効率的に読むことができると言います。

一方、同じ記事でも、誰でも無料で読めるネットニュースの場合は、まず記事をクリックしてもらうことを目的に見出しが作られています。そのため、見出しを読むだけだと、ニュースの内容を勘違いしてしまったりすることもあり、このようなことが購読者向けの新聞の見出しとの大きな違いです。

松林さんいわく、ニュースを読む訓練として、同じ紙の新聞を最低3カ月から1年間ほど読めば、ネットニュースを読める深さも変わってくるとのこと。無料で手軽なことから近年はネットからニュースだけ読む人が多いですが、基礎から始めるという意味でも紙の新聞を勧めていました。

そのほかにも、新聞各社が扱う内容などの「ニュースの価値判断」がひと目で分かる点や、各社の思想の違いなど、紙の良さはいろいろとあるそう。ニュースをより深読みしたい、そんな人は紙の新聞を改めて手にとってみると良さそうです。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「STEP ONE」
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

関連記事