映画「この世界の片隅に」に隠された製作秘話

J-WAVEで放送中の「~JK RADIO~TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「antenna* THE HIDDEN STORY ~CURATING@NOW~」。12月9日(金)のオンエアでは、話題の映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督に製作秘話をお聞きしました。

「この世界の片隅に」は、こうの史代さん原作のマンガで、物語の舞台は戦前から戦中、戦後にかけての広島県。主人公・すずさんが少女から大人になっていく時期と重なります。片渕監督が映画化しようと思ったきっかけは、2010年製作の映画「マイマイ新子と千年の魔法」のロケ地を歩いていたとき、応援してくださった人に作品のことを教えてもらい、感銘を受けたからだそうです。

映画化が提案され、2011年から主人公のすずさんが生まれた広島市と、嫁いだ家がある呉市での綿密な取材が始まりました。

「(呉にある)すずさんが住んでいるところから見た港の見え方や、生まれ故郷の広島がある山の方、それから空襲があって海の方から軍艦が対空砲火を打ち出したときに、どんな放物線で飛んで、どの辺で破裂して、この辺に破片が落ちてくるとか、そういうことも想像しました」(片渕監督、以下同)

「この世界の片隅に」では、ごく普通の人が戦争に巻き込まれていきます。

「我々がいつもしてしまいがちなのは、戦後の目から戦争中のドラマの登場人物に重ねちゃうことだと思うんです。そこでその人たちはどんなことを思っていたのか、それを知るところから始めたんです。

戦時中の女性は"もんぺ"を履いていて、僕らは『もんぺを履いているのはお国のためだ』と思ってますけど、当時の人は『かっこわるいと思って履かなかった』と言うんです。そう思うと親近感が湧くと思うんです」

すずさんは戦争によって、将来の人生の選択肢を閉ざされてしまいます。このことについては片渕監督は、こう語ります。

「これは戦争に限ったことじゃなくて、我々が日々直面している中にもあるし、最近では震災も起きています。そういうときに僕らは、そういう目に遭っている人を他者だと思わないで、自分のことだと思って受け止める想像力を持つべきだと思うんです」

実はカビラも鑑賞したそうで「世の中で続く不条理に翻弄されながらも、己を見失わない強い志の持ち主が、日本にはいる! 感動しました」と述べていました。みなさんも、ぜひご鑑賞ください。

片渕監督には、12月13日(火)の「JAM THE WORLD」にもご出演いただきます。同作の主人公の声を担当したのんさんの起用についてなど、自身も映画監督を務めた経験のある堀潤とのトークをどうぞお楽しみに。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「~JK RADIO~TOKYO UNITED」
放送日時:毎週金曜 6時ー11時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

関連記事