サカナクション「ロボットが作った曲で感動できる?」

J-WAVEで11月23日(水・祝)にオンエアされた特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL NITTOCHI presents TIME TRIP TOKYO ~from EDO to 2020~」(ナビゲーター:渡辺祐・佐藤栞里)。三つの東京(過去・現在・未来)をテーマにした9時間の生放送。ここではサカナクションのボーカル、山口一郎さんをゲストにお迎えし、東京の「未来」についてお話をお聞きしたパートをお届けします。

サカナクションといえば、近未来をイメージしたステージの演出や楽曲がたくさんありますよね。そのため、インタビューなどで「未来」について聞かれることも少なくないそうです。「最近よく思うのが、未来というか…僕、別れの曲を書けなくなったんですよ」と山口さん。一体どういうことなのでしょう?

「僕らの時代の別れ、例えば小学校の頃とかにクラスの誰かが転校すると、今生の別れだったんですね。(中略)でも、今の人たちって誰か転校するってなると、『じゃあ、LINEするね』『Facebookで状況見ておくね』とか繋がられているじゃないですか。だから、今の子たちに対して、自分の別れの感覚を歌にすることって多分できないなと思って」(山口さん、以下同)

「未来っていうのはそういうテクノロジーの進化によって、感情も変わってくるんじゃないかって」と山口さんはおっしゃいます。

サカナクションのステージの演出や世界観では、未来を感じさせるスタイルですが、そうなったのは何か思いがあってのことなのでしょうか?

「テクノロジーを利用して、何か新しいことをやりたいって思うんじゃなくて、僕らの場合、『こういう印象のライブにしたい』『こういう感動を与えたい』っていうコンセプトがまずあって、『これをやるにはどうしたらいいのかな?』って考えたときに初めて、テクノロジーっていうのを持ってくるんです」

テクノロジーよりもまずは発想が先なので、「未来っぽくしよう」というのではなくて、求めている演出に必要なテクノロジーを使っているだけ、と山口さんはおっしゃいます。この“人とテクノロジーの関係”について、山口さんから佐藤にこんな質問が投げかけられました。

「例えばだけど、“ロボットが作った歌”で感動できるかな?」(山口さん)、これに「ロボットに過去とか感情は無いのかなって思うので…そうすると伝わってきづらいのかなって思います」と答えた佐藤。さらに「じゃあ例えば、めちゃくちゃ感動した曲が、ロボットが作ったものだったらどうする?」(山口さん)との質問に、「まずショックですね(笑)」と佐藤。

これを受けて山口さんは「そういうことだと思うんですよね。テクノロジーが先にあると人間の感動って多分違うものになる気がするんですよ。そこは見失わないようにしなきゃなぁっていつも考えてますね」

テクノロジーは常に進化を続けるものなので、テクノロジーが先にあると、今は最先端でも数年後には古くなってしまいますよね。人の心を動かす表現をするためには、まず人の動機などがなければいけないんじゃないか、と山口さんはおっしゃっていました。

そんな山口さんの思いを踏まえて、サカナクションの近未来的なステージやミュージックビデオを見ると、また違った面が見えてきそうですね!

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【番組情報】
番組名:特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL NITTOCHI presents TIME TRIP TOKYO ~from EDO to 2020~」
放送日時:11月23日(水・祝)9時-17時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/holiday/20161123/

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