89歳でも創作意欲の塊 ピエール・アレシンスキー展

J-WAVEで放送中の番組「ZAPPA」(金曜ナビゲーター:山中タイキ)。11月18日(金)のオンエアでは、「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催中の「ピエール・アレシンスキー展」をピックアップしました。

ベルギーの現代美術を代表する画家で、現在89歳の現役アーティスト、ピエール・アレシンスキー。展覧会では、1950年頃の初期の作品から、最近の作品まで幅広く展示されており、幾何学模様や象形文字の組み合わせ、マンガのような構図をキャンバスの中に作ってストーリーテリングさせている作品など、キャンバスの中で自由自在に発想を広げています。

この展覧会を鑑賞した山中も「一つひとつの作品の持つインパクトが大きい。抽象画のようでもあるので、ひと目見ただけだと『コレなんだろう?』と感じるものも多いですが、じっと見たり、繰り返し見ていると、形や生き物が見えてきたりもします。人によって感じ方が違い、見る側にとっても自由度が高い作品が多いなと思いました」と、アレシンスキーの作品に触れた感想を語っていました。

時代を経て、自身の制作スタイルも変化していったアレシンスキーは、日本文化にも影響を受けているのだとか! 1952年、『墨美』という日本の前衛的な書道の雑誌を目にして、書道の持つ自由な筆さばきや表現方法に衝撃を受けた彼は、それ以降、床に紙を置いて体全体を使って絵を描くなど、即興性を重要視するようになりました。また、時間をかけて制作する油絵から、すぐに乾く墨のようなインクを使うことが増えたといいます。キャンバスだけではなく、古い航空図、手紙、書物、和紙、中国紙などに直接インクで絵を描いたりと、創作意欲の塊のような精神も作品から感じ取ることができます。

会場の最後で見れるドキュメンタリー映像では、アレシンスキーのアトリエを覗けたり、インタビューを見ることができます。その中で、もともと彼は左利きで、昔の学校教育で右利きに矯正されたこともあり、絵を描くときだけ本来の左手を使うことができたことを明かしています。絵を描くこと自体が「ありのままの自分」を表現することであり、自由にはばたける時間だったのです。

90歳近い現在も、「色のついた液体と平面があれば、まだ新しいことができるかも」と語るアレシンスキー。好奇心と発想力に満ちた彼自身の姿を、作品の数々から感じてみてはいかがでしょうか? 「ピエール・アレシンスキー展」は、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで12月8日(木)まで開催しています。

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【番組情報】
番組名:「ZAPPA」
放送日時:毎日 5時ー6時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/zappa/

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