J-WAVE日曜朝6時からの番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「OPINION」。7月3日のオンエアでは津田大介さんをゲストにお迎えしました。
この数年、津田さんはウクライナのチェルノブイリ、フィンランドにある世界で唯一の核廃棄物最終処分施設オンカロ、といった原発関連の場所を訪れているそうで、その模様などは月曜日のナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組「JAM THE WORLD」(20時~21時50分)でも触れています。
そんな津田さんが3.11以降、呼びかけているのが、「福島第一原発観光地化計画」。これはどういう計画なのでしょうか?
もともとこの計画の発案者は、哲学者の東浩紀さん。津田さんはそこに賛同するメンバーとして参加されています。現在でも廃炉には何百年かかるかわからない状況など進行形の話題や、その核や原発とどう向き合っていくのかを当事者として考え、世界に発信していくことが重要だと考えているそう。また、そのために原爆ドームのように“負の記憶”を形に残して見せられるようにする、という計画のようです。
広島の原爆ドームもかつては撤去するべきという声も多かったそうです。被害に遭われた方からすると、「見ると思い出すので撤去してほしい」という気持ちも当然ありますよね。「ただ、同時に『あのときの記憶を忘れないためには残してほしい』という方も半分くらいいて、住民感情は2つに分かれてしまうんですよね」(津田さん)。
しかし、最初はとにかく早く目の前から撤去してほしいという住民が多くても、時間が経てば経つほど、「このことを我々は全て忘れてしまうのではないか、風化してしまうのではないか」と危惧する声が増えてくるものだと津田さんはおっしゃいます。実際、放置していると危険ということで撤去される予定だった原爆ドームは、「なくして欲しくない」という当事者の方の記録が世論に火をつけ、保存が決まったという経緯があります。「一度壊してしまうと二度と元に戻せなくなってしまうので、まず少し時間をおいて、その場所の意味を考えることが重要かなと思います」と津田さん。
2012年に発案され、本としても出版されている「福島第一原発観光地化計画」。現在はどこまで進行しているのでしょうか?
「ある意味では一部実現しているところもあって(中略)、実際に年間で5,000人くらい入っているんですね、見学に。東京電力も今の原発構内がどうなっているのかっていうのを見せるツアーというのをかなり積極的にやっています」と津田さん。「まだ、行こうと思って、誰もが自由にすぐ行ける状況ではないですけれども、昔と比べると、一部ですが実現しつつある…という感じですね」とも。
津田さんと東さんは、これから避難指示が解除された街に、訪れた人たちが寄れる「原発の問題」を考えるスペースを作っていきたいそうです。「早急に進められることではないので、気長にきちんと継続的にやっていきたいなと思っています」。
最後に、津田大介さんのワクワクする未来への提案をお聞きしました。
「未来について考える人と繋がること。選挙期間中ですけれども、もともと政治ってなんだっていったら、自分たちの未来はこういう風に選択しましょうっていうことを示してくれる人に対して一票を入れることだと思っています」
しかし、どの政党に入れても変わらないという諦めが、今の投票率の低下につながっているのではないか、と津田さんは考えます。
「そういう意味では、『非日常的な場所』(たとえば音楽フェスなど)に行ったときに、政治であったりとか、社会だったりを考えることは重要だと思うんです。お酒を飲みながら『この国ってどうなるのかな?』みたいな話って、『非日常的な場所』の方ができる場合もあると思うので。そこで、未来のことをみんなで少し考えたり、話しやすくなるような社会に、僕はなってもらいたいなと思います」と締めくくりました。
「非日常的な場所」だからこそあえて“日常”を考える…、そこには新たな気づきがあるのかもしれませんね。
【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/
小林武史×吉川晃司 「東日本大震災」を語る(2016年04月18日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1410.html
電気代168円!稲垣えみ子、節電生活で見えた豊かさ(2016年06月02日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/168.html
この数年、津田さんはウクライナのチェルノブイリ、フィンランドにある世界で唯一の核廃棄物最終処分施設オンカロ、といった原発関連の場所を訪れているそうで、その模様などは月曜日のナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組「JAM THE WORLD」(20時~21時50分)でも触れています。
そんな津田さんが3.11以降、呼びかけているのが、「福島第一原発観光地化計画」。これはどういう計画なのでしょうか?
もともとこの計画の発案者は、哲学者の東浩紀さん。津田さんはそこに賛同するメンバーとして参加されています。現在でも廃炉には何百年かかるかわからない状況など進行形の話題や、その核や原発とどう向き合っていくのかを当事者として考え、世界に発信していくことが重要だと考えているそう。また、そのために原爆ドームのように“負の記憶”を形に残して見せられるようにする、という計画のようです。
広島の原爆ドームもかつては撤去するべきという声も多かったそうです。被害に遭われた方からすると、「見ると思い出すので撤去してほしい」という気持ちも当然ありますよね。「ただ、同時に『あのときの記憶を忘れないためには残してほしい』という方も半分くらいいて、住民感情は2つに分かれてしまうんですよね」(津田さん)。
しかし、最初はとにかく早く目の前から撤去してほしいという住民が多くても、時間が経てば経つほど、「このことを我々は全て忘れてしまうのではないか、風化してしまうのではないか」と危惧する声が増えてくるものだと津田さんはおっしゃいます。実際、放置していると危険ということで撤去される予定だった原爆ドームは、「なくして欲しくない」という当事者の方の記録が世論に火をつけ、保存が決まったという経緯があります。「一度壊してしまうと二度と元に戻せなくなってしまうので、まず少し時間をおいて、その場所の意味を考えることが重要かなと思います」と津田さん。
2012年に発案され、本としても出版されている「福島第一原発観光地化計画」。現在はどこまで進行しているのでしょうか?
「ある意味では一部実現しているところもあって(中略)、実際に年間で5,000人くらい入っているんですね、見学に。東京電力も今の原発構内がどうなっているのかっていうのを見せるツアーというのをかなり積極的にやっています」と津田さん。「まだ、行こうと思って、誰もが自由にすぐ行ける状況ではないですけれども、昔と比べると、一部ですが実現しつつある…という感じですね」とも。
津田さんと東さんは、これから避難指示が解除された街に、訪れた人たちが寄れる「原発の問題」を考えるスペースを作っていきたいそうです。「早急に進められることではないので、気長にきちんと継続的にやっていきたいなと思っています」。
最後に、津田大介さんのワクワクする未来への提案をお聞きしました。
「未来について考える人と繋がること。選挙期間中ですけれども、もともと政治ってなんだっていったら、自分たちの未来はこういう風に選択しましょうっていうことを示してくれる人に対して一票を入れることだと思っています」
しかし、どの政党に入れても変わらないという諦めが、今の投票率の低下につながっているのではないか、と津田さんは考えます。
「そういう意味では、『非日常的な場所』(たとえば音楽フェスなど)に行ったときに、政治であったりとか、社会だったりを考えることは重要だと思うんです。お酒を飲みながら『この国ってどうなるのかな?』みたいな話って、『非日常的な場所』の方ができる場合もあると思うので。そこで、未来のことをみんなで少し考えたり、話しやすくなるような社会に、僕はなってもらいたいなと思います」と締めくくりました。
「非日常的な場所」だからこそあえて“日常”を考える…、そこには新たな気づきがあるのかもしれませんね。
【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/
小林武史×吉川晃司 「東日本大震災」を語る(2016年04月18日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1410.html
電気代168円!稲垣えみ子、節電生活で見えた豊かさ(2016年06月02日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/168.html