障がいは社会の側にある。だから取り除くことができる!

J-WAVEの5月3日(火)の特別番組「J-WAVE GOLDEN WEEK SPECIAL MITSUBISHI CORPORATION presents UNIVERSAL LOVE 2016」(ナビゲーター:サッシャ)。

スポーツを通じた活動、音楽による表現を通じた活動、復興支援の活動など、さまざまな「優しさ」から“UNIVERSAL LOVE”を感じられる話題を約9時間にわたってお届けしました。

ナビゲーターのサッシャが「ブラインドサッカー」「車椅子バスケ」を体験。オンエアでは、その車椅子バスケを教えていただいたシドニーパラリンピック男子車椅子バスケットボール日本代表キャプテン・根木慎志さんに登場いただき、お話をうかがいました。

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サッシャ:実際に一緒にやってみて、根木さんは教え方が上手ですよね。みんな笑顔で、僕も楽しかったのですが、たまに大人気なかったりして(笑)。

根木:まあ、勝負はね。試合では手は抜かないので、元代表というところも見せておかないと(笑)。

サッシャ:今日の体験会でたくさんの人に車椅子バスケを教えてみて、このスポーツの楽しさって、あらためてどう思いました?

根木:スポーツってもちろん、練習して上手くなりたいし、難しいことを練習してちょっとずつ上手くなって「もっと上手くなりたい、もっと上手くなりたい」となるところに魅力があって、最初から簡単にできてしまうと「あっ、こんなもんか」となりますよね。

車椅子バスケって、いきなりはじめた人にとっては難しいかもしれないけど、今日参加した高校生たち全員が「すごく難しかったけど、すごく楽しかった」と笑顔で言ってくれました。だから「できる」「できない」関係なしに楽しめることがスポーツの素晴らしさなのかなあと、僕も車椅子バスケと出合って、今さらながら本当のスポーツの楽しさを知った気がします。

サッシャ:2020年のパラリンピックを前に、注目も集まりそうですよね。

根木:もちろん、パラリンピックというのは障がい者のスポーツ大会ですが、社会に与える影響も大きいと言われているので、この2020年に向けて東京が取り組んでいること自体が、すでに日本の社会が変わっている一つなのかなと。

サッシャ:スポーツシーンだけでなくて、段差を失くすとか社会インフラにもつながるということですよね。

根木:そうですね。今日のパラアスリートのデモンストレーションを見て「すごいな」と思った人がたくさんいたと思うんですね。「車椅子でもこんなに遠いところからシュートが打てるんだ」というのを見て、障がい者のイメージが変わるというか。

一般的な障がい者のイメージって、いつも困っていて、周りの人間のサポートが常になければダメみたいな、障がい者本人に何らかの障がいがあると思われていますが、実は今日のこの会場でもそうですけど、養生を施せば、何ひとつ不自由なく、車椅子バスケットボールができるんです。

しかし、道を上がろうとすると段差がありますよね。スロープがあれば通行できますけど、実は段差であったり、エレベーターがない建物で2階に上がろうと思ったら、階段が障がいになったり。でもそれって本人に障がいがあるわけではない。障がいというのは、当事者にあるわけではなくて、それこそ社会、世の中にあるわけです。

スポーツに置き換えればもっとわかりやすくて、スポーツって本来、小学生だったらリングが低かったり、ボールが小さかったりと、対象によってスポーツをしやすいように工夫されています。社会も同じで、世の中にはさまざまな人がいるので、その人たちみんなが暮らしやすいように工夫すれば、障がいなんてなくなると思う。スポーツを通して、それをみんなに理解してもらえたらなと思っています。

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「障がいは、障がい者側にあるわけではなく、社会の方にある。社会の方にあるということは、取り除くことができる」という根木さんの言葉は、目からウロコのお話でした。

私たちの努力次第、心持ち次第で取り除くことができる社会の障がいは、たくさんあるということに気づかされました。

【関連サイト】
「J-WAVE GOLDEN WEEK SPECIAL MITSUBISHI CORPORATION presents UNIVERSAL LOVE 2016」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/holiday/20160503/

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