J-WAVEの番組『STEP ONE』には、ナビゲーターのサッシャ、ノイハウス萌菜が気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2026年8月にオンエアした同コーナーから、「ハリー・ポッターが海底ケーブルの場所を変えてしまう!」というトピックをテキストで紹介する。
【オンエア:2026年8月12日(水)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】
「CHINTAI GLOBAL BEATS」はSpotifyなどのポッドキャストでも配信中。毎週月曜に前週の放送分をアーカイブ配信している。
・ポッドキャストページ
【元記事】「$580 million undersea power cable rerouted to spare Dobby the house-elf’s beachside ‘grave’」
映画やドラマなどに登場した街を訪れる、主人公が座ったベンチで写真を撮るなどの“聖地巡礼”は、国内外問わず行われている。今回のトピックには、イギリスの小説および映画シリーズで世界的にヒットした『ハリー・ポッター』シリーズの“聖地”が、巨大インフラプロジェクトに与えた影響が書かれている。
サッシャ:映画のなかに登場する架空のキャラクター、屋敷しもべ妖精・ドビーの「お墓」を守るために、(日本円で)800億円を超える規模の巨大インフラプロジェクトが、ルート変更に至ったそうです。
ノイハウス:えぇ!? どういうことだろう。
サッシャ:場所はイギリス・ウェールズ南西部のペンブルックシャーにある、フレッシュウォーター・ウェストという海岸です。広い砂浜と砂丘が広がるとても美しい場所ですが、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を観た方なら、覚えているかもしれません。ドビーが命を落とし、ハリーが彼を埋葬する、あの印象的なシーンの撮影に使われた場所なんですね。もちろん、映画の撮影ですし、ドビーもフィクションのキャラクターなので本当にそこに埋葬されたわけではありません。ところが、映画公開後にファンたちがこの撮影場所を特定して、石などを置き始めました。「Here lies Dobby, a free elf(ここに自由な妖精、ドビー眠る)」というメッセージが書かれた石が集まって、いつしかそこに「ドビーのお墓」と呼ばれる場所ができているんですね。
ノイハウス:すごい。
サッシャ:今では、世界中の『ハリー・ポッター』ファンが訪れる聖地になっているのですが、その場所に「グリーンリンク・インターコネクター」という、イギリスとアイルランドの電力網を結ぶ海底・地下の送電ケーブルの巨大プロジェクト計画が持ち上がったんです。全長およそ200キロメートル、ウェールズのペンブルックシャーから海の下を通ってアイルランド南東部までつながるというもので、その建設費はおよそ800億円。ところが、当初計画されていたケーブルのルートが、まさにこの「ドビーのお墓」のあたりを通ることになっていたことが、このプロジェクトに携わっていたEtchea EnergyのCEOであるサイモン・ラドラムさんが、BBCの取材に答えたことでわかりました。
サッシャ:ところが、ラドラムさんは『ハリー・ポッター』をまったく知らず、「何なんだ?」と思っていたところ、部下から「どうやら私たちのプロジェクトは、ドビーのお墓を通るみたいです」と言われたそうです。それでもラドラムさんは「え、ドビーって誰? 本に出てくる架空のキャラクターでしょう?」という反応だったそうですが、「存在しない人物のお墓を工事するな」という電話が数百件もくるので、「ものすごく深刻な問題だ」とプロジェクト側もファンの声を無視することができなくなり、もう一度、設計担当者やプランナーと協議してケーブルのルートを変更し、ドビーのお墓を避けることになりました。ラドラムさんはこれについて「多くの人が喜んでくれたし、プロジェクトも進んでいる。そして、ドビーも喜んでいるよ」とコメントしましたが、ちゃんと映画を観たのかな。そして、さらにオチがあって、ドビーのお墓を避けるためにルートを変更した結果、今度は青銅器時代の本物の遺跡の近くを通ることになったんです。
ノイハウス:いやぁ……。
サッシャ:そこには、人間の埋葬に関係するとみられる壺なども残されている。つまり、架空のキャラクターのお墓を避けてルートを変更したら、数千年前に実際に生きていた人々の埋葬跡の近くを通ることになってしまったのです! ラドラムさんは「本物の青銅器時代の遺跡にはかなり近づいたけれど、ドビーのお墓は避けました」と語っています。
ノイハウス:いいのかなぁ(笑)。
サッシャ:ただ、この話にはもうひとつ問題があって、実はイギリス政府は以前から「ドビーのお墓に物を置かないでほしい」と呼びかけているんです。というのも、この地域は非常に自然豊かで環境的にもデリケートな場所なのですが、ファンが石だけではなく、靴下や装飾品などを置いていくようになったんです。なぜ靴下なのかというと、『ハリー・ポッター』を知っている人ならわかると思いますが、ドビーはハリーから靴下を受け取ったことで、マルフォイ家から自由になる。そこから「Dobby is free!」というあの名場面につながるので、ファンにとって靴下はドビーの“自由の象徴”なんですね。ただ、自然破壊につながってしまうので「そういったものを置かないでください」という話になっています。もちろん、こうした映画の聖地がきっかけで観光客が増えることは地元にとってうれしい話ですが、それに対する副作用があると困ってしまいます。この夏、イギリスを訪れて『ハリー・ポッター』の聖地巡礼をする方もいらっしゃるかもしれませんが、フレッシュウォーター・ウェストのドビーのお墓に行った際には、靴下と一緒に写真を撮ったら靴下はちゃんと持って帰りましょう。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
【オンエア:2026年8月12日(水)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】
「CHINTAI GLOBAL BEATS」はSpotifyなどのポッドキャストでも配信中。毎週月曜に前週の放送分をアーカイブ配信している。
・ポッドキャストページ
ファンたちの声が数百億円規模のプロジェクトに影響!?
今回は、サッシャがCNNの「$580 million undersea power cable rerouted to spare Dobby the house-elf’s beachside ‘grave’」をピックアップした。【元記事】「$580 million undersea power cable rerouted to spare Dobby the house-elf’s beachside ‘grave’」
映画やドラマなどに登場した街を訪れる、主人公が座ったベンチで写真を撮るなどの“聖地巡礼”は、国内外問わず行われている。今回のトピックには、イギリスの小説および映画シリーズで世界的にヒットした『ハリー・ポッター』シリーズの“聖地”が、巨大インフラプロジェクトに与えた影響が書かれている。
サッシャ:映画のなかに登場する架空のキャラクター、屋敷しもべ妖精・ドビーの「お墓」を守るために、(日本円で)800億円を超える規模の巨大インフラプロジェクトが、ルート変更に至ったそうです。
ノイハウス:えぇ!? どういうことだろう。
サッシャ:場所はイギリス・ウェールズ南西部のペンブルックシャーにある、フレッシュウォーター・ウェストという海岸です。広い砂浜と砂丘が広がるとても美しい場所ですが、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を観た方なら、覚えているかもしれません。ドビーが命を落とし、ハリーが彼を埋葬する、あの印象的なシーンの撮影に使われた場所なんですね。もちろん、映画の撮影ですし、ドビーもフィクションのキャラクターなので本当にそこに埋葬されたわけではありません。ところが、映画公開後にファンたちがこの撮影場所を特定して、石などを置き始めました。「Here lies Dobby, a free elf(ここに自由な妖精、ドビー眠る)」というメッセージが書かれた石が集まって、いつしかそこに「ドビーのお墓」と呼ばれる場所ができているんですね。
ノイハウス:すごい。
サッシャ:今では、世界中の『ハリー・ポッター』ファンが訪れる聖地になっているのですが、その場所に「グリーンリンク・インターコネクター」という、イギリスとアイルランドの電力網を結ぶ海底・地下の送電ケーブルの巨大プロジェクト計画が持ち上がったんです。全長およそ200キロメートル、ウェールズのペンブルックシャーから海の下を通ってアイルランド南東部までつながるというもので、その建設費はおよそ800億円。ところが、当初計画されていたケーブルのルートが、まさにこの「ドビーのお墓」のあたりを通ることになっていたことが、このプロジェクトに携わっていたEtchea EnergyのCEOであるサイモン・ラドラムさんが、BBCの取材に答えたことでわかりました。
“聖地”がもたらすメリットと深刻な課題
海岸での取材を終えたラドラムさんがロンドンに帰った数週間後、映像がテレビ放送されると、会社宛てに数百件もの電話がかかってきたとサッシャは説明する。サッシャ:ところが、ラドラムさんは『ハリー・ポッター』をまったく知らず、「何なんだ?」と思っていたところ、部下から「どうやら私たちのプロジェクトは、ドビーのお墓を通るみたいです」と言われたそうです。それでもラドラムさんは「え、ドビーって誰? 本に出てくる架空のキャラクターでしょう?」という反応だったそうですが、「存在しない人物のお墓を工事するな」という電話が数百件もくるので、「ものすごく深刻な問題だ」とプロジェクト側もファンの声を無視することができなくなり、もう一度、設計担当者やプランナーと協議してケーブルのルートを変更し、ドビーのお墓を避けることになりました。ラドラムさんはこれについて「多くの人が喜んでくれたし、プロジェクトも進んでいる。そして、ドビーも喜んでいるよ」とコメントしましたが、ちゃんと映画を観たのかな。そして、さらにオチがあって、ドビーのお墓を避けるためにルートを変更した結果、今度は青銅器時代の本物の遺跡の近くを通ることになったんです。
ノイハウス:いやぁ……。
サッシャ:そこには、人間の埋葬に関係するとみられる壺なども残されている。つまり、架空のキャラクターのお墓を避けてルートを変更したら、数千年前に実際に生きていた人々の埋葬跡の近くを通ることになってしまったのです! ラドラムさんは「本物の青銅器時代の遺跡にはかなり近づいたけれど、ドビーのお墓は避けました」と語っています。
ノイハウス:いいのかなぁ(笑)。
サッシャ:ただ、この話にはもうひとつ問題があって、実はイギリス政府は以前から「ドビーのお墓に物を置かないでほしい」と呼びかけているんです。というのも、この地域は非常に自然豊かで環境的にもデリケートな場所なのですが、ファンが石だけではなく、靴下や装飾品などを置いていくようになったんです。なぜ靴下なのかというと、『ハリー・ポッター』を知っている人ならわかると思いますが、ドビーはハリーから靴下を受け取ったことで、マルフォイ家から自由になる。そこから「Dobby is free!」というあの名場面につながるので、ファンにとって靴下はドビーの“自由の象徴”なんですね。ただ、自然破壊につながってしまうので「そういったものを置かないでください」という話になっています。もちろん、こうした映画の聖地がきっかけで観光客が増えることは地元にとってうれしい話ですが、それに対する副作用があると困ってしまいます。この夏、イギリスを訪れて『ハリー・ポッター』の聖地巡礼をする方もいらっしゃるかもしれませんが、フレッシュウォーター・ウェストのドビーのお墓に行った際には、靴下と一緒に写真を撮ったら靴下はちゃんと持って帰りましょう。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
番組情報
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月・火・水・木曜9:00-13:00