「夢はふたりでグラミー賞を獲りたい」高中正義が明かす、現在進行中のコリー・ウォンとの共作秘話

ギタリストの高中正義が、約50年前に発表した作品が海外の若者から支持されている現在の心境や、観客がギターのメロディーを歌う海外公演、コリー・ウォンとの楽曲制作、グラミー賞への夢について語った。

高中が登場したのは、7月25日(土)放送のJ-WAVE『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。高中はガーリック枝豆を持参し、ビールとともに楽しんだ。

50年前の音楽が、海外の若者に響いた

高中は1953年生まれ、東京都出身。1971年に高校生でデビューして以来、日本のロック、フュージョン界を代表するギタリストとして活動を続けている。近年は海外での人気が急上昇し、2026年の春にはロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、シドニーなどを巡るワールドツアーを成功させた。

Blue Lagoon

高中が『SAPPORO BEER OTOAJITO』に登場するのは2012年以来、14年ぶり。まず、クリスは近年の海外での反響について尋ねる。

クリス:海外公演の映像を観て、びっくりしました。何千人という会場で。

高中:ほとんどの人が日本人ではなくて、現地の20代の若いカップルが多いんですけど、「これ、夢じゃないかな」って。

クリス:その理由はご自身で分析されました?

高中:わからないですね……。でも、僕の1stアルバムのころがウケてるらしいんです。50年前に『SEYCHELLES』を作ったときは、フライド・エッグで1年間、サディスティック・ミカ・バンドで4年間修行して。ビートルズが好きで始まったから、海外の人にも通じると思って出したけど、全然通じなかった。それを今、若者が喜んで聴いてる。これは信じられないですよ。「生きててよかった。夢だったら覚めないでほしい」と、ミュージシャン冥利に尽きますね。

海外で高中の音楽が聴かれていることを知ったきっかけは、マネージャーから伝えられたひと言だった。

クリス:サブスクで北米とかヨーロッパの特に若い人たちが高中さんの音楽を聴いているということで、マネージャーさんが「ワールドツアーをやろう」と提案されたんですよね?

高中:3年くらい前にそれをマネージャーから聞いて、「えっ?」って。「すごくうれしい……うーん、じゃあ、やろうか」って。パスポートも切れたし、時差ボケも嫌いだから、海外も行く必要ないと思ってたのね。でもそれを聞いて、「また行ってみようか」と思って、2025年にロサンゼルスで2日間やったんですけど、すばらしい反響でした。

海外の観客がギターのメロディーを歌う

海外公演では、観客が高中のギターのリフや旋律を声に出して歌うという。

高中:ソロアルバム作るとき、自分でも歌うつもりだったんだけど、あんまりうまくないんでギターでやるしかない。難しいジャズの速いフレーズをやるのはカシオペアにまかせておいて、僕はもっと歌えるようなもの、歌うようなギターみたいなのを考えてやってたんですけど。50年経ってみんなが歌ってくれるっていうのは、まさにそのとおりなんです。

クリス:それって、今のZ世代ならではの現象みたいですよ。ヴルフペックもインストの曲が多いんですけど、客がベースソロとか歌うんです。

高中:たぶん、日本人の僕でも誰かのフレーズが好きで、ひっそり自分の家では歌ってると思うんだけど、3,000人の小屋でギターと同じふうに歌ってくれるのはすごくいいね。

話題は、同じく海外でも高く評価されている杏里のことへ。6月に開催された「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の関連イベント「Surf & Breeze 高中正義/ANRI」では、杏里と高中の共演が注目を集めた。

クリス:杏里もアメリカに行くと、みんなが歌ってるわけですよね。

高中:そうそう。

クリス:すごくうれしいことですよね。クオリティの高さがあらためて認識されたというか。日本の独特の哀愁じゃないけど、メランコリーでイノセンスを感じるような部分っていうところが、今のアメリカとかヨーロッパの若い子たちに受けてるんですかね。

高中:いや、わかんないですけどね。

クリス:あまり自分ではそういうところは解析しない?

高中:できないと思う。僕にそんな能力はないと思う。音楽評論家でもないし。それを考えるんだったら、どっかのバーに飲みに行って、違うダジャレを考えてるほうが楽しい(笑)。

クリス:(笑)。

【関連記事】高中正義のダジャレに、海外の会場が沸いた!? “ジャパニーズ・フュージョンの再評価”の理由も語る

コリー・ウォンと楽曲をレコーディング

クリスが最近行ったライブについて尋ねると、高中はファンキー・タイムズの名前を挙げた。

Jump 'n' Funk (feat. Marcello Cassanelli)

高中:ネットで見つけて、「わあ、これ面白い」と思って。すごいファンキーで。女の子のギターもうまいね。パッと聴いて、気持ちいい。パキパキのファンキーリズムで、びっしり合っていて、うまいな、すばらしいって。あと、コリー・ウォンっていうのもすごいね。

Cory Wong // LUNCHTIME (feat. Sonny T)

高中:すごいリズムだなって。真似したいけど、できない。昔、アース・ウインド&ファイアーのアル・マッケイとか、ナイル・ロジャースの真似もして多少できてたんだけど、コリー・ウォンのパキパキさ加減はできない。思わずフェンダーのコリー・ウォンモデルのストラトキャスター買っちゃいました。

クリス:買っちゃいましたか!

高中:びっくりしたんだけど、ロスのスタッフが「コリー・ウォンが一緒にレコーディングしたがってる」って話を持ってきて。すごくうれしいなと思って、実はもう1曲レコーディングしたんですよ。向こうからインターネットを介してオケを送って、うちのコンピューターで再生して、それに僕のギターを入れて、またインターネットで送って。実際はお会いしてないんですけど、テレビ電話で2回ぐらいあいさつはして。

クリス:今どきの制作ですよね。

高中:そう。でも、1曲じゃ出せないんで、まとめてる最中なんです。

クリス:なるほど。

高中:僕の夢はグラミー賞なのね。実現しなくてもいいんだけど、30代のころから言ってる夢なの。コリー・ウォンとやって、ふたりでグラミー賞を獲りたい。言うだけタダだから言ってる。今、初めてしゃべりました。

ライブは相互作用で年々盛り上がっている

高中は8月12日(水)にBlu-ray『SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2026』を発売。同作には2026年4月に行われたロンドン公演が収録されている。

クリス:由緒あるライブ会場「O2 Academy Brixton」での公演の模様が収められていますが、これはどんなライブでした?

高中:50年前にミカ・バンドとしてロンドンでやったきり、僕はもう行かないもんだと思ってたの。でも、本当に行けて面白くって……夢のようなロンドンでしたね。

そして、9月より全国ツアー「高中正義 SUPER TAKANAKA LIVE 2026-2027」が開催される。

クリス:全19公演、すごいですね。

高中:20何年前は2、3公演しかなかった状況から、73歳になってこんなに増えちゃう。すばらしい。みなさまに感謝してます。

クリス:ライブを回って演奏していると若返ります?

高中:若返るかどうかはわからないけど(笑)、お客さんもなんか若くなって、騒ぐようになって、踊るようになってる。そうなると、俺もつられておだてられて。そもそも楽しい音楽をやってるわけだから。お客さんが楽しんで、だったら僕はこういうふうに楽しいって。相互作用で年々盛り上がってくるような気がしますね。

番組では高中の『Brasilian Skies』をオンエアした。

Brasilian Skies

クリス:高中さんはデビュー50周年なんですよね。次なる野望は何でしょう?

高中:グラミーでテイラー・スウィフトに「俺の愛車はスズキ・スイフトだ」って言うこと(笑)。

クリス:それ、見たいな(笑)。テイラー・スウィフトはポカンとして静寂から「OK, anyway, congratulations!」みたいな感じになるのかなって(笑)。じゃあ、グラミーに向けてこれからも頑張っていただけたらと思います。

高中:はい(笑)。

高中正義の最新情報は公式サイトまで。

番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週土曜
18:00-18:54

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