「連載されていた漫画を読んで…」日向坂46 小坂菜緒がお手本にした“ヒロイン”は?

日向坂46の小坂菜緒が、自身の考える理想のヒロイン像や、幼少期に影響を受けた漫画・アニメについて語った。

この内容をお届けしたのは、7月24日(金)放送のJ-WAVE『SONY SONPO QUEST FOR THE FUTURE』(ナビゲーター:日向坂46 小坂菜緒)。毎週テーマを決めて、“はじめて”の視点も加えながらトークするプログラムだ。

神話と心理学で描かれる「ヒロイン」

「ヒロイン」の言葉の由来や、「ヒロイン」が求められる人生の旅について解説すると、「ヒロイン」とは、ギリシャ神話に登場するヘラクレスのような半神半人の英雄を意味する「ヒーロー」の女性形に由来する言葉。人格が優れた勇敢な女性や、物語の中心となる女性を指す。本来は、神話的な英雄性を持つ女性を意味していたが、時代とともに文学作品などでも使われるようになり、女性の主人公を指す言葉として定着した。

英語では「ヒーロー」と「ヒロイン」が区別されるが、日本では外来語として広まる過程で意味が拡張され、現在では主人公に限らず、物語で重要な役割を担う女性キャラクターも「ヒロイン」と呼ばれる。

また、アメリカの神話学者、ジョーゼフ・キャンベルは、世界の神話に共通する物語の構造を研究し、『英雄の旅(The Hero’s Journey)』理論を提唱。主人公が日常を離れて冒険に出発し、試練を乗り越えて宝を得て帰還するという物語の基本構造を示した考え方である。

小坂:映画『スター・ウォーズ』が、この構造を取り入れた作品として知られていることをご存じの方も多いかもしれません。ジョーゼフ・キャンベルさんの『英雄の旅』をもとに、神話や伝説、おとぎ話を体系化し、ヒロインが葛藤を乗り越えながら人生を歩む姿を読み解いた本があります。

『ヒロインの旅(The Heroine's Journey: Woman's Quest for Wholeness)』は、ユング心理学を基盤に神話や家族療法の知見を取り入れた教育コンサルタント、モーリーン・マードックによる著書。世界10カ国以上で翻訳され、心理学の研究書としても高く評価されている。

本書では、男性的な価値観が色濃く残る社会において、女性に必要な成長の過程を「ヒロインの旅」として描く。失われた女性性と男性性が統合された状態を「全体性」と捉え、ヒロインはその全体性を求めて旅を続ける。神話やおとぎ話に加え、現代人の夢も分析対象としながら、全体性へと至る過程を丁寧に読み解いた一冊だ。

小坂:女性として生まれ育ち、生きていく。外の世界へ行動しながらも自分自身と向き合い、アイデンティティーを見つけていく。人生の歩み方を見つめ直す本としても知られています。

小坂菜緒が出会った理想のヒロインは?

小坂にとって「ヒロイン」とはどのような存在なのか。小坂は、自身のなかには現代的なヒロイン像のイメージが強くあると語る。

小坂:主人公である女性をヒロインと呼ぶことも多いですし、恋愛ものでも男性キャラクターと女性キャラクターがいて、その女性をヒロインと呼びますが、どちらかというと、「守らないといけない存在」というイメージがあるというか。強い男性キャラクターがいて、その隣で支えられたり、守られたりする女性をヒロインと呼ぶような印象が、私のなかでは強いです。

小坂は、小学生のころに読んでいた少女漫画誌で連載されていた『極上!!めちゃモテ委員長』を通じて、「ヒロイン」という存在を意識するようになったという。

主人公の未海(みみ)は、高校生の女の子。好きな男の子に振り向いてもらうために努力を重ねる一方、優等生で誰もが憧れる存在として描かれている。

小坂:かわいくなるための努力を惜しまない子なんですが、周りの子が悩んでいたり困っていたりすると、その子に優しくアドバイスをするんですよね。自分自身も必死なはずなのに、相手にも真摯に向き合って、「こうしたほうがいいよ」と悩みを解決していく。その姿を見て、「これがヒロインなんだな」と思いました。

小坂は、恋愛漫画ではか弱い少女が主人公として描かれる作品も多い一方で、『極上!!めちゃモテ委員長』の未海は何があってもくじけず、努力を積み重ねながら前に進む強い女性として描かれていたと振り返る。

そのひたむきな姿を通して、「女の子は強くあっていい」という価値観に触れたことが、自身のヒロイン像にも大きな影響を与えたという。

小坂:女の子の「これが知りたい」が漫画のなかで描かれていたので、10代のころの私にとって、お手本のような作品でした。「こんなふうになりたい」と思える理想が詰まったキャラクターだったので、私のなかで考えるヒロインは未海ちゃんですね。『極上!!めちゃモテ委員長』って、2026年で20周年なんだ! 時代を感じます(笑)。

『ウルトラマン』が描いた人間社会の課題

後半は、「"怪獣"という名のメタファー」をテーマにトークを展開した。1966年7月17日に放送が始まった初代『ウルトラマン』だが、全39話のなかで唯一、前後編として制作されたのが第26話・第27話『怪獣殿下』。このエピソードは、『ウルトラマン』を放送していた在阪テレビ局からの要望を受け、大阪を舞台に制作された。

物語では、生物学者を中心とする調査隊が南太平洋のジョンスン島で、古代怪獣ゴモラの生け捕りに成功する。大阪万博で展示するため、科学特捜隊が空輸を開始するものの、到着直前に麻酔が切れたゴモラが覚醒。空輸用ワイヤーを切断して六甲山へ落下し、大阪府一帯に緊急避難命令が発令される。その後、ゴモラは市街地を経て大阪城へ到達し、大阪城を破壊。ウルトラマンとの激闘が繰り広げられた。

本来の生息地であるジョンスン島から万博の展示物として連れ出され、最後は倒されてしまうゴモラ。また、『ウルトラマン』の他エピソードには、宇宙開発競争の事故によって人類への復讐を企てる怪獣、水爆を飲み込んだ怪獣、さらには人の心を操って地球侵略を目論む怪獣など、社会や時代を映し出すさまざまな存在が登場する。

小坂:子どものころは、怪獣を倒して颯爽と飛び去るウルトラマンにカタルシスを覚えるかもしれません。しかし、大人になって見返すと、自分の正義と他人の正義は違うこと、そして世の中には正義にも悪にも簡単に分類できないものがたくさんあることに気づいたとき、ウルトラマンが戦っていたのは、怪獣という姿をした人間のエゴであり、そうしたテーマが、実は『ウルトラマン』の物語のなかに忍ばされていたのかもしれません。

子どものころに受け取った大切な学び

小坂は、子どものころは深く考えずに楽しんでいたものの、大人になってあらためて見返したことで新たな気づきを得た作品として『ドラえもん』を挙げる。

小坂:2、3年前だったかな、『おとなになるのび太たちへ』という本を買ったんです。10人の著名人が子どものころに好きだった『ドラえもん』のエピソードを1話ずつ選び、その10作品が収録されている本でした。それを読んだとき、子どものころは「普通に面白い話だな」と思って読んでいたエピソードに、「実はこういうことを伝えたかったんだ」というメッセージがたくさん込められていたことに気づきました。その本を読んだことがきっかけで、「もう一度アニメを観てみようかな」「漫画を読んでみようかな」と思うようになって、それから少しずつ見返すようになったんです。

小坂は、幼少期に『ドラえもん』を通して「これはやってはいけない」「こうすると相手が喜ぶ」といったコミュニケーションの在り方を疑似体験していたと振り返る。

その一例として挙げたのが、ジャイアンの有名なセリフ「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」だ。

小坂:その考え方にはちゃんと理由があって、そのセリフが結果的にのび太を助けることにつながるエピソードがあるんです。その話を観たとき、「ジャイアンはただ横暴なだけじゃなくて、不器用だけどすごく友だち想いなんだ」と思いました。その記憶は幼少期だけではなく、今でもずっと残っています。だから、誰かが困っていたら他人ごとだと思わず、自分のことのように考えて手助けしようという気持ちになりました。

小坂は、そうした価値観が影響しているのかはわからない、と前置きしつつ、自身は昔から裏方の役割に魅力を感じていたと語る。

中学生時代は部活動でプレーヤーとして活動していたが、それ以上にマネージャーの仕事が好きだったという。仲間のケアやスコアの記録、チームが動きやすい環境づくりなど、周囲を支える役割のほうが自分には向いていると感じていたそう。

小坂:そういう気持ちは、もしかしたらあのころから育っていたものなのかもしれません。作品を観たり、お話を読んだりするなかで、知らないうちに感情や学びを吸収していたんだなと、今振り返ると感じます。

日向坂46の小坂菜緒がナビゲートする『SONY SONPO QUEST FOR THE FUTURE』の放送は毎週金曜の24時から。
番組情報
SONY SONPO QUEST FOR THE FUTURE
毎週金曜
24:00-24:30

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