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工芸がつないだ森 星と祖母・森 英恵の意外な縁。「これこそが最先端」と感じる

工芸がつないだ森 星と祖母・森 英恵の意外な縁。「これこそが最先端」と感じる "漆"の魅力を語る

森 星が日本の文化や伝統を発信するプロジェクト「tefutefu」に込めた思いや、祖母・森 英恵との意外なつながりについて語った。

森が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。

ここでは、4月20日(月)にオンエアしたトーク内容をテキストでお届けする。

radikoのタイムフリー機能では、4月27日(月)頃まで視聴できる。

・ポッドキャストページ

日本独特の思想や精神性は深掘りできていなかった

モデルとして国内外で活躍する森は、2021年に日本の文化や伝統を発信するプロジェクト「tefutefu」を立ち上げ、クリエイティブディレクターとして活躍している。

クリス:以前から(森)星さんは暮らしとか、工芸のことが好きで勉強されて、日本の文化や伝統を発信されていますよね。

森:私は好きでワクワクするものじゃないと走っていけないっていうところがありまして。悪く言えば三日坊主なところもあるんですよ(笑)。だから、熱が冷めないうちにっていうところもありながらも、意外なことに工芸の世界、暮らしを深掘りすることは、ライフワークとして捉えるくらい原点に立ち返るテーマで。モデルとしてのキャリアだったり、表現することにもすごくいいエフェクトをもたらしてくれる存在ですし、自分の中でピースを見つけられたっていう感じですね。と言っても、会社として次の時代につなげていくためには、やっぱりワクワクや楽しいことだけじゃないってところもこの4年間やってきて感じています。自己満足だけで終わらないようにって。今までファッションを通じていろんな国の人と巡り合う機会には恵まれていたものの、日本の独特な思想だったり精神性だったりっていうところは、今まで深掘りしきれなかったところもあるので。

クリス:世界に出ていくと日本の文化とか、日本人としてっていうことを考えるきっかけもたくさんあったんじゃないですか。

森:そうですね。海外の方たちはいろんな自分たちの文化的背景があって、身近で言うと家族というコミュニティだったりとか、自分が幼少期から育ってくるなかで見てきた景色を大切にしながら、それこそ洋服のデザインに落とし込んだり。いろんな想像力を働かせていくプロフェッショナルな人たちにお会いするなかで、やっぱり日本で生まれ、日本で育ってきて、母はアメリカ人とは言えど自分のルーツの話になったときに、なかなか交換できるものが弱くて。意識が外に向いていたっていうのもありますし、今でもやっぱり(日本に対しての)好奇心は止まらないですね。

クリス:興味とこれまでのご経験が、いいかたちで走り始めていらっしゃるんだなと。

森:違和感が生まれたり、疑問が生まれたり、ご縁に恵まれたりするのがすごくいいタイミングで訪れたなって、今振り返ってみると思いますね。世界のトップランナーの影響力をお持ちの方と対話していると、衣食住をコミュニケーションの種とされてるんですよね。相手の暮らしを知る、ひとつ大きな根っこの部分だと思うんです。

コロナ禍は心の中と向き合える時間だった

森は、コロナ禍をきっかけに大きく意識が変化したという。

森:パンデミックの前から徐々に世の中のスピードの速さだったり、自分のあらゆるものとの向き合い方に対して「これ健康的かな?」って思い始めたんです。コレクションの時期はすごいスピードのなかであっという間に「ハロー、バイバイ」ってしてきたけど、もっとその人を知りたいし、私自身も知っていただきたいっていうときに、自分自身もそうやって時間を消費しちゃっていたから、もう少し記憶に残るものにしていきたいなって。何かチューニングしなきゃいけないな、解像度を上げていかなきゃいけないなと思って。それでパンデミックが訪れて、シンプルなことで言うと、母とのコミュニケーションの時間が増えましたね。

クリス:いろいろ止まりましたからね。でも、あれぐらいのことがあって気づいたことって、やっぱりたくさんありますよね。

森:あの時間が、自分の頭の中だったり心の中にあったものと向き合える瞬間にもなって、考えさせられる時間になったところはあるんですけれども。

クリス:それが決していいことばかりではなくて、ちょっと自分のダメなところとか考えすぎてしまうところとか、いろんなことが出てきましたよね。

森:おっしゃるとおりです。恐れもありましたね。今後、どうしていこうかって。

生きる道しるべとなる目印は意外と近くにあった

森は、tefutefuのプロダクト「SUITŌ」(スイトー)をスタジオに持参し、その誕生の背景を語り始めた。

森:こちらは漆と欅(ケヤキ)で製作しました。先ほどの話にちょっと巻き戻すと、いろんな影響を受けていろんなきっかけで「tefutefu」のチームを作って今に至るんですけど、職人さんの工房に訪れたときに「これこそが最先端」と言いますか。あらゆる世界の最先端のコレクションを拝見して、自分のときめく色だったりテクスチャー、マテリアルに触れるなかで、ふと日本で育まれてきた技だったり精神性に触れたときに、今言ってるサステナビリティとかウェルネスとか、私たちが今後生きる道しるべとなっている目印が意外と近くにあったぞっていうことに気付いて。それが(「tefutefu」が生まれる)きっかけだったんです。そのひとつが漆というボタニカルでした。

クリス:漆で1回かぶれたんですよね?

森:そうなんです(笑)。自然ってマイナスイオンとか気持ちいいだけじゃないんですよね。でも、そのなかで漆は接着して直すっていう性質だったり、塗り直して使い続けて、優しいけど強いものとして日々、私たちの暮らしのなかで長く愛せるものになっていくんだよっていうのは、職人さんたちの生き様から学べたところですね。

森は、輪島で出会った漆芸家・桐本滉平さんの名前を挙げ、のちに桐本さんとの意外な関係に驚いたという。

森:私の祖母(森 英恵)が「しっきシック」(CHIKI CHIC)っていう漆器ブランドをプロデュースしていて、実は桐本くんのお父様が一緒にカップ&ソーサーをデザインしてたみたいなんです。

クリス:それは最近知ったんですか?

森:そうなんです。出会ったあとに知りました。最近、そういうのがとても多くて。自分のピースを探していくヒントのかけらを集めていたなかで、「tefutefu」があったり「SUITŌ」の存在があったり、いろんな職人さんとの出会いがありました。今振り返ると、祖母が歩んできた作家さんに巡り合うチャンスがあったり、祖母が着目してきた素材だったり技にも出会うチャンスがあって、私は祖母のことを、工芸を通じてより知っていくという。

クリス:そういう縁もあったんですね。

クリスは森 英恵が世界で活躍する一方、日本の文化や美術に触れていたことを取り上げ、今の森もまたその体験をしているようだと語る。

森:毎日が「びっくり!」って感じですね(笑)。私、5人兄弟の末っ子で、祖母が表現してきたことはなんとなく家族で過ごすなかで話には出てくるものの、やっぱり「おばあちゃん」っていう存在で。一緒にごはんを食べて何気ない会話をすることが日常にあって。正直に言うと、私が育った時代はファストファッションの時代だから、「オートクチュールって何?」っていう。

クリス:1992年の生まれですからね。森 英恵さんは50年代からご活躍されていましたけど。

森:祖母は2004年にコレクションから引退をしていて、私は小さいときにコレクションの舞台裏とかを見ていた記憶もあるんですけど、今こうやって工芸の産地を訪れると、職人さんから「実は私の父が」とか「私のおじいちゃんが、実はこういうゆかりがあって」って聞くと、祖母のお洋服の原点のひとつには、日本に根付いてきた工芸たちが(あったんだと思いますね)。

森は、4月から『J-WAVE TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』(毎週日曜 23:00-23:54)の第2週のナビゲーターを担当している。

森 星の最新情報はCrossoverの公式サイトまで。

クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。

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2026年4月27日28時59分まで

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番組情報
TALK TO NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-13:30

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