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扶養の範囲で働く人の判定ルール、子育て支援の新たな財源、年金制度の見直し――2026年4月、暮らしに関わる制度が一斉に変わった。家計への影響が大きいポイントを、ファイナンシャルプランナーの二宮清子さんが解説した。
二宮さんが登場したのは、4月1日(水)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、ニューノーマル時代のエッジにフォーカスするコーナー「ON THE EDGE」だ。
サッシャ:なかでも特に注目を集めるのは、年収の壁。ずっと議論もされてきた問題ではありますが、どのように変わるのか詳しく掘り下げていただけますか?
二宮:130万円の壁、つまり扶養から外れて社会保険料の負担が発生する判断基準の変更ですが、そもそも130万円の壁というのは、「年収が130万円を超えると扶養から外れ、社会保険料の負担が発生する基準」のことを言います。これまでは「1年間で130万円を超えそうかどうか」という実績ベースでの曖昧な判断でしたので、年末が近づくと「130万円を超えそうだから、ちょっと働くのを控えようかな」という現象が起きていました。これは、会社にとってもすごくロスですよね。しかし、これからは契約時点の労働条件、雇用契約書や労働条件通知書にある自分の年収がどれくらいかで判定されますので、年末になって忙しくて残業が増えたとしても、「社会通念上で増えた分なら大目に見ますよ」ということになり、安心して働けるのがメリットです。
サッシャ:なるほど。「130万円を超えても」と言うのは、だいたいどこまでが許容範囲なのでしょうか?
二宮:「社会通念上」なので「5~10万円くらいならいいですよ」ということだと思います。
サッシャ:たとえば「12月になって130万円超えちゃいそう!」というときにも、働き控えがないように、というくらいの範囲ということですか?
二宮:そうですね。
サッシャ:そうすると、130万円を12カ月で割るとだいたい11~12万円くらいだと思うので、5万円くらいが通念上だろうということになりますね。
二宮:はい。ですから大幅に超えたり、契約内容が変更されたりした場合には扶養から外れることがあるので、注意が必要です。
ノイハウス:2つ目に挙げていただいた、子ども子育て支援金のスタート。こちらはどういう内容なのでしょうか?
二宮:この数年、児童手当が高校卒業まで延長されたり、この春からは小学生の給食費の補助が5,200円で、ほぼ無償化されたりします。そして私立高校も無償化で、子育てや教育費に関する国の支援が、すごく手厚くなりましたよね。でも「その財源はどうするんだ?」ということで、今回の子ども子育て支援金がスタートすることになりました。
ノイハウス:具体的には、誰がどれくらいを払うことになるんですか?
二宮:年収が400万円くらいの人は月額約384円、年間にすると約4,500円の社会保険料負担が増えることになります。
ノイハウス:子どもがいる人たちだけが払うのではなく、いちおう「稼いでいる人は全員」ということになるんですね。
二宮:そうです。社会保険料が必要になる人は全員、お子様がいらっしゃらない方も払うことになりますので、納得感がない制度だと感じる方も多いと思います。ただ、少子化の原因はお金だけでなく、働き方や将来の不安などさまざまな要因があるので、私はこれだけで出生率が上がるとは思っていません。
ノイハウス:そうですね。そこから「独身なのに負担を抱えなければいけない」というニュアンスで、“独身税”のような呼び方も目にすることがあるということですね。
二宮:はい。ただ、社会全体で子どもを支えるのは、とても温かいお金の使い方だと感じています。私も大学生の子どもがふたりいて、子育てや教育費などのお金の苦労は非常によくわかっていますので、こういった制度ができたのはありがたいということも感じますね。
ノイハウス:個人的には、私たち大人は自分の子どもだけでなく、ほかの子どもにも支えられながら老後に生活するという考えを持つ必要があるのかなと感じます。
二宮:そうですね。お金はやはり循環していくものなので、いろいろな方によい影響が起こるといいなと思います。
二宮:これまで賃金と厚生年金支給額を足した金額が、月額51万円を超えた場合に受け取る年金が少し減らされていたのが、65万円に引き上げられました。年金をもらいながらでも、しっかり働ける時代になったということです。
サッシャ:なるほど。65万円を超えなければ、年金をもらいながらも働けると。
二宮:そうです。満額もらえながら働けるので、働く高齢者が増える、人手不足の解消、高齢者の収入アップなどの効果が期待されます。
サッシャ:年金次第ですが、けっこう働ける感じがしますね。
二宮:はい。やはり仕事は生きがいにもなりますので、非常によい制度変更かなと思います。
二宮:私立高校の無償化や、小学生の給食費のほぼ無償化など、子育てをしやすい環境が整ってきたことがいちばん大きいです。さらに10月からは、自営業者やフリーランスの方が毎月17,920円納めている国民年金を、お子さまが生まれてから1歳になるまで免除を受けることができるようになります。
サッシャ:そうなんですか!?
ノイハウス:それ、ほしかったなぁ……。
二宮:年間にすると約21万5,000円なので、大きいですよね。しかも、お母さまだけでなくお父さまも受けられるんですよ。
サッシャ:では、共働きで43万円くらいの負担減になるということですか?
二宮:そうなんです。ただし、学生の免除と同様に申請は必要になるので、制度が始まることは覚えておいていただきたいと思います。
子育て世代に大きな影響を与えることが予想される、今回の税制改正。二宮さんは「恩恵を受ける側の心構え」についても語る。
二宮:子ども子育て支援金が始まることで、(独身者は)若干の負担が増えるわけですが、子育て世帯はいろいろな恩恵を受けられます。それを当たり前と思わず、ここで浮いたお金をどう使うかが非常に大事です。たとえば、教育費の積み立てをすれば子どもさんが奨学金を借りずに大学に行けますし、習い事をさせることができたり、旅行などの経験にお金を使ったりと、恩恵を受ける側の大切な心構えも考えていただきたいなと思っています。
ノイハウス:そうですね。今回は子育てをしながらの働きやすさや、高齢者の方の働きやすさという部分が、いろいろと変わってきましたね。
二宮:はい。本当に働きやすい環境が整ってきたと思います。
サッシャ:子どもたちが増えてくれないと我々を支える世代が少なくなり、制度を維持できないということになると思うので、(改正による)社会の目標はやはり少子化を防ぐことだと思います。子どもを産んで育てることに積極的になれる環境を作るための抜本的な変化には、何が必要だと思いますか?
二宮:やはり経済的な支えも必要ですが、働きながらでも子育てができる環境がもっと整ってもらえればいいかなと感じています。
サッシャ:産休・育休以外にも、働き方の変更が足りていない部分は多いですか?
二宮:男性の育休も非常に取りやすくなってきていますし、ずいぶん変わってきたとは思います。ただ、こういったことの結果が出てくるにはまた時間が必要なので、これからだと思います。
サッシャ:充実した制度を利用できる環境があるかというところもありますよね。
二宮:そうですね。そしてプラス、知識ですね。「そういった制度があるんだ」ということをご存じない方が多いので、知ることも大切ですね。
サッシャ:情報収集をして賢くなっておけば権利を行使できるので、「まかせきりにしない」という気持ちも大事かもしれません。
二宮清子さんの詳細は公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「ON THE EDGE」では、ニューノーマル時代のエッジにフォーカス。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
二宮さんが登場したのは、4月1日(水)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、ニューノーマル時代のエッジにフォーカスするコーナー「ON THE EDGE」だ。
扶養内でも安心して働ける新制度がスタート
ナビゲーターのサッシャは、まず税制改正で2026年度より変わったポイントを訊く。二宮さんは「130万円の壁」「子ども子育て支援金」「在職老齢年金制度の見直し」の3点を挙げた。サッシャ:なかでも特に注目を集めるのは、年収の壁。ずっと議論もされてきた問題ではありますが、どのように変わるのか詳しく掘り下げていただけますか?
二宮:130万円の壁、つまり扶養から外れて社会保険料の負担が発生する判断基準の変更ですが、そもそも130万円の壁というのは、「年収が130万円を超えると扶養から外れ、社会保険料の負担が発生する基準」のことを言います。これまでは「1年間で130万円を超えそうかどうか」という実績ベースでの曖昧な判断でしたので、年末が近づくと「130万円を超えそうだから、ちょっと働くのを控えようかな」という現象が起きていました。これは、会社にとってもすごくロスですよね。しかし、これからは契約時点の労働条件、雇用契約書や労働条件通知書にある自分の年収がどれくらいかで判定されますので、年末になって忙しくて残業が増えたとしても、「社会通念上で増えた分なら大目に見ますよ」ということになり、安心して働けるのがメリットです。
サッシャ:なるほど。「130万円を超えても」と言うのは、だいたいどこまでが許容範囲なのでしょうか?
二宮:「社会通念上」なので「5~10万円くらいならいいですよ」ということだと思います。
サッシャ:たとえば「12月になって130万円超えちゃいそう!」というときにも、働き控えがないように、というくらいの範囲ということですか?
二宮:そうですね。
サッシャ:そうすると、130万円を12カ月で割るとだいたい11~12万円くらいだと思うので、5万円くらいが通念上だろうということになりますね。
二宮:はい。ですから大幅に超えたり、契約内容が変更されたりした場合には扶養から外れることがあるので、注意が必要です。
社会全体で子育てを支える! 新たな支援金
続いて、ノイハウスは「子ども子育て支援金のスタート」について尋ねる。ノイハウス:2つ目に挙げていただいた、子ども子育て支援金のスタート。こちらはどういう内容なのでしょうか?
二宮:この数年、児童手当が高校卒業まで延長されたり、この春からは小学生の給食費の補助が5,200円で、ほぼ無償化されたりします。そして私立高校も無償化で、子育てや教育費に関する国の支援が、すごく手厚くなりましたよね。でも「その財源はどうするんだ?」ということで、今回の子ども子育て支援金がスタートすることになりました。
ノイハウス:具体的には、誰がどれくらいを払うことになるんですか?
二宮:年収が400万円くらいの人は月額約384円、年間にすると約4,500円の社会保険料負担が増えることになります。
ノイハウス:子どもがいる人たちだけが払うのではなく、いちおう「稼いでいる人は全員」ということになるんですね。
二宮:そうです。社会保険料が必要になる人は全員、お子様がいらっしゃらない方も払うことになりますので、納得感がない制度だと感じる方も多いと思います。ただ、少子化の原因はお金だけでなく、働き方や将来の不安などさまざまな要因があるので、私はこれだけで出生率が上がるとは思っていません。
ノイハウス:そうですね。そこから「独身なのに負担を抱えなければいけない」というニュアンスで、“独身税”のような呼び方も目にすることがあるということですね。
二宮:はい。ただ、社会全体で子どもを支えるのは、とても温かいお金の使い方だと感じています。私も大学生の子どもがふたりいて、子育てや教育費などのお金の苦労は非常によくわかっていますので、こういった制度ができたのはありがたいということも感じますね。
ノイハウス:個人的には、私たち大人は自分の子どもだけでなく、ほかの子どもにも支えられながら老後に生活するという考えを持つ必要があるのかなと感じます。
二宮:そうですね。お金はやはり循環していくものなので、いろいろな方によい影響が起こるといいなと思います。
受取額の引き上げで高齢世代の活躍の場を増やす
さらに二宮さんは、「在職老齢年金制度の見直し」について解説する。二宮:これまで賃金と厚生年金支給額を足した金額が、月額51万円を超えた場合に受け取る年金が少し減らされていたのが、65万円に引き上げられました。年金をもらいながらでも、しっかり働ける時代になったということです。
サッシャ:なるほど。65万円を超えなければ、年金をもらいながらも働けると。
二宮:そうです。満額もらえながら働けるので、働く高齢者が増える、人手不足の解消、高齢者の収入アップなどの効果が期待されます。
サッシャ:年金次第ですが、けっこう働ける感じがしますね。
二宮:はい。やはり仕事は生きがいにもなりますので、非常によい制度変更かなと思います。
少子化改善のカギは働きやすい制度と環境
さらにノイハウスは、税制改正の3つのポイント以外にリスナーに知っておいてほしいお金の制度変更について、二宮さんに訊く。二宮:私立高校の無償化や、小学生の給食費のほぼ無償化など、子育てをしやすい環境が整ってきたことがいちばん大きいです。さらに10月からは、自営業者やフリーランスの方が毎月17,920円納めている国民年金を、お子さまが生まれてから1歳になるまで免除を受けることができるようになります。
サッシャ:そうなんですか!?
ノイハウス:それ、ほしかったなぁ……。
二宮:年間にすると約21万5,000円なので、大きいですよね。しかも、お母さまだけでなくお父さまも受けられるんですよ。
サッシャ:では、共働きで43万円くらいの負担減になるということですか?
二宮:そうなんです。ただし、学生の免除と同様に申請は必要になるので、制度が始まることは覚えておいていただきたいと思います。
子育て世代に大きな影響を与えることが予想される、今回の税制改正。二宮さんは「恩恵を受ける側の心構え」についても語る。
二宮:子ども子育て支援金が始まることで、(独身者は)若干の負担が増えるわけですが、子育て世帯はいろいろな恩恵を受けられます。それを当たり前と思わず、ここで浮いたお金をどう使うかが非常に大事です。たとえば、教育費の積み立てをすれば子どもさんが奨学金を借りずに大学に行けますし、習い事をさせることができたり、旅行などの経験にお金を使ったりと、恩恵を受ける側の大切な心構えも考えていただきたいなと思っています。
ノイハウス:そうですね。今回は子育てをしながらの働きやすさや、高齢者の方の働きやすさという部分が、いろいろと変わってきましたね。
二宮:はい。本当に働きやすい環境が整ってきたと思います。
サッシャ:子どもたちが増えてくれないと我々を支える世代が少なくなり、制度を維持できないということになると思うので、(改正による)社会の目標はやはり少子化を防ぐことだと思います。子どもを産んで育てることに積極的になれる環境を作るための抜本的な変化には、何が必要だと思いますか?
二宮:やはり経済的な支えも必要ですが、働きながらでも子育てができる環境がもっと整ってもらえればいいかなと感じています。
サッシャ:産休・育休以外にも、働き方の変更が足りていない部分は多いですか?
二宮:男性の育休も非常に取りやすくなってきていますし、ずいぶん変わってきたとは思います。ただ、こういったことの結果が出てくるにはまた時間が必要なので、これからだと思います。
サッシャ:充実した制度を利用できる環境があるかというところもありますよね。
二宮:そうですね。そしてプラス、知識ですね。「そういった制度があるんだ」ということをご存じない方が多いので、知ることも大切ですね。
サッシャ:情報収集をして賢くなっておけば権利を行使できるので、「まかせきりにしない」という気持ちも大事かもしれません。
二宮清子さんの詳細は公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「ON THE EDGE」では、ニューノーマル時代のエッジにフォーカス。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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2026年4月8日28時59分まで
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